~地下鉄~
「電車で移動か……だけど逆に目立ってない?」
「そうだよねぇ」
龍人の言葉に同意する伊丹。何故、地下鉄にしたかと言うと、バスが狙われているという事で急遽移動手段を変更した。勿論、先に会った駒門には内緒でだ。囮にしたバスに着いて行っている頃だろう。しかし、連れている者達が目立ちすぎている。
「ひっ……」
「おい、ロゥリィ………動きにくいんだが」
何故かロゥリィは地下に入ってからと言うもの、何かに脅えている様子で龍人の服を掴んでいる。レレイとテュカはそうではないが、ボーゼスは富田にしがみ付いており、ピニャは平然としている様に見えるが少し脅えている様だ。
リオレウスとリオレイアは今にも殺しそうな眼でロゥリィを睨んでいる。現に身体からオーラの様な溢れている。
「彼女達は一体どうしたんだ?」
「ぁ~向こうの世界では地面の下って言うのは死者の国って事になってる。なので彼女等が脅えるのも無理はない…………ロゥリィに関しては冥府の神のハーディに求婚されてからしつこいかららしい」
「へぇ……それよりも国会で言ってた事って」
「あぁ、事実だよ。とは言っても本当に切っ掛けを作っただけだよ」
『霞ヶ関、霞ヶ関です』
電車は霞ヶ関に到着し、その駅で駒門が乗り込んできた。
「よぉ」
「バスの方は?」
「予定を早めて箱根に向かう。見事に引っかかったよ」
どうやらバスの方は見事に囮の役目を果たしたらしい。
「なぁ、駒門さん。何処の国が狙って来てるんだ?」
「えっ……ぁ~未だ、確定ではないが……………」
「へぇ………そう……成程ねぇ」
駒門から国の事を聞いて、笑みを浮かべる。それを見た伊丹や駒門達はゾッとした。
「ねぇ……龍人ぉ……まだ駄目なのぉ?はやく、でたいのぉ。もぅガマンできなぁい」
ロゥリィはどうやら限界の様だ。
「限界みたいだな………伊丹、次で降りないか?」
「………分かった」
丁度、電車が銀座に着いた。伊丹も龍人の意見に同意して此処に降りる事にした。
「ちょちょっと待てよ!こっちにも段取りが」
「大丈夫、大丈夫」
皆が銀座で降りた途端に、事故が起きた事で運休になった。どうやら「敵」の仕業の様だ。
少し話し合っていると、ロゥリィのハルバートを盗む男が現れた。だが直ぐに男は倒れてしまった。そして駒門がハルバートを持ち上げようとして腰を痛めてしまった。
~とある家~
「それで伊丹、彼女は?」
龍人達はとある場所にある家に来ていた。
「ぁ~俺の元「嫁」さん」
「「「ぇ~!?」」」
この家の主はどうやら伊丹の元奥さんらしい。予想外だったらしく、皆は全員驚いている。
「ん?…………ほんもの……ほんものなのね、コスプレじゃなくて……うふふふふふふっ」
伊丹の元妻・梨沙はネットでロゥリィ達の記事を見た様だ。何やら怪しい顔をして画像を保存し始めた。
「えっ?………本物の神様きた?この人こそ、本当の創造主……」
今度は龍人の記事を見つけた様で、画面と龍人を交互に見ている。
「かっ神様~!」
梨沙は突然、龍人の前に跪いて祈り始めた。この対応に困った表情になっている龍人。
翌日、一同は買い物に行く事にした。
「ねぇ!龍人ぉ!これ凄いわぁ!」
「ぁ~どれも同じに見える」
ゴスロリ服の沢山ある店に入りテンションが上がっているロゥリィ。
「王、この本が欲しいのですが」
「では私はこのコミックを」
どうやらリオレウスとリオレイアは大量の本を持ってきた。
「おっこのメモリ良さそう、こっちのソフトは新作か」
龍人本人はパソコンの大容量メモリ&ソフト、パーツ、新作ゲーム等を大量に購入した。ロゥリィやリオレウス達の物を合わせて、計200万円のお買い物を現金で支払った。
「それでこんなに買ってどうする?確実に持てない」
レレイがそう言った。龍であるリオレウス達には大したことはないだろうが、龍人のパソコン関係の物だけでもかなり量がある、加えて服、本など持って歩くには大変な量だ。
龍人は人目のない場所まで荷を運ぶと、腰に付いているポーチを手に取り、口を広げた。リオレウスとリオレイアは買った物を持ち上げて、ポーチへと近付ける。すると、確実にポーチより大きな物が吸い込まれていった。
これには一同、目が点になっている。
「どっどうなってるの?!」
「企業秘密」
「よいしょっと………王、これで終わりです」
「よし」
リオレウスとリオレイアが荷をポーチに入れ終わると、彼はポーチを腰に戻した。
「なんでそんなお金を持ってるんですか、神様?」
梨沙の中では龍人は完全に神様認定されている様だ。
「神様じゃないって言ってるのに………昔、色んな国の王から貰ったお宝とかを売ったり」
「なっ長生きなんですね……例えばどんな人とお知り合いで?」
「………円卓」
「えっ?!」
「まぁ端から見てると面白かったけど………現にあの場に居ると辛い。後、お金なくても生きていけるよ……人間、明日のパンツと少しの小銭があれば」
「そっそうですか……」
龍人が遠い目をしており、それを見た他の者達はこれ以上は聞いてはいけないと思った。
「そう言えば貴方に聞きたい事が一杯ある」
レレイにそう言われて龍人は視線を逸らす。何故ならこういう場合、とても面倒な事になるのを経験済みだからだ。
「おっと!そろそろ伊丹と合流する時間だ!」
「……また逸らされた」
伊丹達と合流する為に、一同は移動を始めた。
『王……後方に』
『あっちとあっちのビルの屋上にもいますわ』
リオレウスとリオレイアは自分達を見張る者達の気配に気付いていた。
『いいよ、放っておいて。何処の国かは知らないけど…………襲ってくるなら………力を知らしめるだけの事だ。国の領土の半分は覚悟して貰おうかな』
『王よ、面倒です。今すぐ我等が行って国を消してきましょう!』
『レウスの言う通りでしょう………暗殺者にしろ、誘拐犯にしろ、王に用があるのであればこそこそせずに堂々と出てくるべきです。矮小な人間如きが』
『俺も一応人間なんだけど………襲ってくるまで放置で良いよ』
『『御意』』
各国は直ぐに知るだろう、龍には決しては触れてはならない逆鱗があるという事を。