~13時40分 銀座事件慰霊碑の近く~
現在、龍人と伊丹達は敵から奪った車に乗り、慰霊碑に献花をしようと考えていたのだが…………アメリカや中国、ロシアが派手な行動を起さない様に梨沙がネットに情報を流した。
故に一目彼女達を見ようとする輩が一杯で、道は渋滞しておいり、見回す限り人ばかりである。
「やり過ぎた……大きいお友達ナメてたわ」
梨沙はネットに情報を流し過ぎた事で此処まで大事になると思ってなかったらしく、後悔している。
「でっ殿下………これは帝国に攻め込むのでは」
「こっこれ全て梨沙殿の呼集で集まったのか」
ボーゼスとピニャはこれが帝国への侵攻する為の軍だと勘違いしている。
「歩いて行くしかないなかぁ」
「でも危険じゃないですか?」
伊丹と栗林達がそう話していると、ロゥリィが花を抱えて顔を出した。
「このままいけばぁ?」
「もし戦闘になったら一般人を巻き込む事に」
「それなら大丈夫だろう」
「「「えっ」」」
龍人がそう言うと、伊丹達がそう声を上げる。
「昨日、トップ達に脅しを掛けておいたし…………古龍を何人か紛れさせてるから、何か在ったら制圧させるから」
「いっ何時の間に………」
「まぁ…………次攻めて来たら………もぅそれは目も当てられない事になるよね」
(((((何をやったんだ!?)))))
ロゥリィ以外は一体何をしたのかが、物凄く気になった。ピニャとボーゼスは古龍王の神話を思い出して震えだし、それを見て面白そうに笑みを浮かべている。
「でもこんな場所でドラゴンが暴れたらそれこそパニックじゃ」
「安心しろ、人間状態でも軍の1つや2つ、簡単にほろb………制圧できるから」
サムズアップしながら笑みを浮かべている龍人。
「ねぇ、滅ぼせるって言おうとした?」
「怪我をさせないと様に言っておいたけど…………まぁ死人は出ないだろう。比較的、大人しい奴等を連れてきたし」
「でもぉ………天災とも言われたぁ古龍がぁ、大人しぃと言われても説得力ないわぁ」
ロゥリィがそう言うと、龍人は「確かに」と同意した。
「なぁ、滅ぼせるって言ったよな?」
「私、何も聞いてません」
「自分も聞いておりません」
伊丹の言葉にそう答える、栗林と富田。伊丹もこれ以上は聞いても仕方ないと考え、聞かない事にした。
「と言う訳で」
パチっと指を鳴らすと、彼を光が包み込み、質疑応答の際に着た服に似た黒い服を纏った。
「まぁ………此処でジッとしてても仕方ないし、行こうか」
龍人は車のドアを開けて降り、続いてロゥリィ達も降り始めた。
「どうします、隊長?」
「神様が言うんだし………従うとしよう」
「了解」
3人は龍人の提案に従い、此処で降りる事にした。
「ねぇ、龍人。ギンザってどっち?」
「ぁ~…………人が多くて分からんな。おっとそこの御嬢さん」
「なに…………か……」
近くに居た女性に声を掛ける龍人。振り返った女性は固まってしまった。なんせ、世間では神様扱いされている人物(事実この世界の創造主)が目の前に現れたらそう言う反応になるのは仕方ないだろう。
「銀座はどの方向かな?」
「あぁぁぁぁぁ……あっ……ちです」
「ありがとう…………あっちだって」
「そう…………じゃぁ、行きましょう」
「あぁ………おぉ、気が付けば道が出来てるし」
どうやら周囲の人々も龍人達に気付いた様で、何時の間にか人々が開き道が出来ていた。
龍人達はその道を進んでいくと、伊丹、栗林、富田は彼等を囲む様な配置に付きながら歩いている。仮にピニャ達が傷を負う様な事になれば外交問題になる。それだけなら未だしも、可能性が低いが万が一に龍人が傷付く事があればこの集団に紛れ込んでいる古龍達が黙っていないだろう。
正直、目の前でその古龍の力を見ている伊丹達は何がなんでもそれだけは避けたいと考えて居た。
ロゥリィやテュカ達は周囲の声援に応えながら進んでいく。
そして慰霊碑まで到着し、花を供えると膝を付いて祈りを捧げ始めた。そして最後に龍人が立ち上がると、冥魂石を取り出し鳴らした。
―キィーン―
それに呼応する様に、周囲に光の球が出現しゆっくりと天へと昇って行った。
「さてと………そろそろあっちに戻るとするか」
「一応、門を通るので手荷物とボディチェックがあるんで宜しくお願いします」
伊丹にそう言われ、了承すると龍人は周囲を見回した。
「栗林さん、なにやってんの?」
「あっすいません、直ぐ行きます」
栗林はテレビ局のカメラの前で女性と話していた。
「お知り合い?」
「あっ、妹です」
「あ……あの!インタビューをお願いして宜しいでしょうか!!?」
栗林の妹・菜々美は突然龍人にそう切り出した。
「駄目よ!早く戻らないと色々ヤヴァいのよ!」
「えっ何が?」
「この間から追われてるのよ」
「誰に?」
「まぁまぁ、ねぇこれって生中継?」
「はっはい、そうですが?」
「マイクいい?」
龍人は菜々美からマイクを受け取ると、カメラに向かう。
「ぁ~全国の皆さん、こんにちは。
昨日襲ってきた某国のトップ達に改めて忠告です。もし次、同じ様な事をして来たら…………言わなくても、身に染みて分かってると思うけど。
後、襲ってきた部隊の皆さんの事はあまり怒らないで上げてね。何せ相手が悪すぎたからねぇ。じゃあ、そう言う事で。
はい、マイクありがとう」
「えっ……はぃ」
何の事か分からない菜々美はマイクを受け取った。
「おっと………はい、皆、撤収ね」
龍人は何かを思い出し、人混みに向かって叫ぶ。すると、人混みの中から幾つもの光が空へと上がり龍へと姿を変える。それに驚愕する人々の声が上がる。
赤い身体と翼を持つ獅子の様な龍テオ・テスカトル。
テオ・テスカトルと対を成す様な青い獅子の様な龍ナナ・テスカトリ。
幻想的な青い光を放つ霊毛を持つシャンティエン。
白い鱗、血の様に赤い腹、巨大な翼と剣の様な伸びた1本の角を持つディスフィロア。
4匹の龍が空を飛びながら龍人をジッと見つめていた。
「と言う訳で皆、静かにあっちに戻る様に」
古龍達はその言葉に頷くと、各々咆哮を上げた。すると彼等の真上に魔法陣が出現し、古龍達は魔法陣の中へ消えて行った。
「ふぅ………何事もなく終わったし、あちらに戻るとするか」
龍人がそう呟くと、再び龍の咆哮が聞こえた。人々が空を見上げると、金と銀の2匹の龍が此方に向かい飛んできた。
金レイアと銀レウスだ。2匹は龍人に向かい急降下してくると、その身が光に包まれ人化して龍人の後ろに着地した。
「ご苦労様…………ちゃんと片付けはしてくれたか?」
「はい、勿論です。我が王」
「我等が宿に入る前より綺麗にしてきました」
「ならいい………じゃ帰るぞ」
こうして龍人達の質疑応答の為の訪問は終了した。
この訪問は世界に大きな影響を及ぼした。この後、世界が、人類がどうなるのかは………人類の行動次第だろう。
~門~
一先ず戻る事にした一行は、手荷物検査とボディチェックを受けていた。
勿論、古龍であるレウスとレイアは人間如きが触れるなと言う顔をしており、龍人は大人しくボディチェックを受けていた。
「これは………」
そんな中、ピニャとボーゼスの服の下から出て来たのはオートマチックの拳銃だった。
「………」
これは龍人達を襲ってきたアメリカや中国、ロシアの兵士からごうd………頂戴した物だ。ピニャとボーゼスはこれを持ち帰り帝国で量産し、戦力の強化をしようと考えて居た………が失敗した。
「あっそれは護身用に持たせていたものです」
と栗林がフォローした。
「……どうしたんだ、これ?」
「某国の事故現場で偶然拾ったんだけど……駐屯地で管理するか?」
と手荷物を検査していた自衛官に伝えた伊丹。
「ぁー……今の所、鹵獲した兵器についての規定はないからな。俺は何も見なかった。通過した事だけは記録しておくから、そっちで管理しろ」
「了解」
「なぁなぁ伊丹…………
「えっ?」
龍人が突如そう言い始めた。
「いや……それは………」
「タダで寄越せとは言わないさ………俺に恩を売っとけば後々役に立つとは思わないか?別に悪用はせんよ」
「上司と相談します」
こうして龍人と伊丹達はあちらの世界に帰還した。