~アルヌスの丘 駐屯地 酒場~
「はぁ~」
地球から帰還した伊丹は休みを取っていた。
「どうした同志?」
伊丹に声を掛けたのは話題の人、龍人だった。彼は片手に酒瓶を持っていた。
「色々あって疲れたなと………」
『ちくしょー!』
『やっぱりアレはないのかぁ!』
「ん?」
龍人と伊丹は声のした方向を見てみると、自衛官達が集まっていた。
「どうしたお前等?」
伊丹がそこに近付き声を掛けると、男達が涙を流しながら此方を見てきた。
「伊丹~」
「これ見てくれよ」
と男達が持っているのは骨についた肉だった。
「ぁ~気持ちは分かる。俺も最初はあると思っていた」
どうやら伊丹はそれを見て理解したようだ。
彼等の持つ肉はマ。ヌガと言う牛に似た動物の肉を薄く切り骨に巻き付け焼いた物だ。美味いのだが、自衛官達はこれを
「ごくっごくっ……ぷはぁ。成程、成程」
それを聞いていた龍人が声を上げる。
「かっかみ………じゃなく、龍人くん」
自衛官達が龍人の登場に驚いていたが、接している内に慣れたのかそこまで反応はない。
「気持ちはよく分かる…………!」
龍人は何かを思いついたのは、腰にあるポーチの中から骨付き肉を取り出した。
「アレ、どうやって入ってたんだ?」
「さぁ、神様だし何でもありなんじゃない」
「それは?」
「正真正銘の生肉だ。巻き付けてなどいないな」
「「「「!!?」」」」
その言葉に、この場にいる者だけでなく周囲の自衛官達も反応する。
「此奴は俺の管理する地だけに生息する草食獣から取った物だ」
「「「「草食獣?」」」」
「マンモスみたいな奴とか、草食の恐竜みたいな奴とか」
「「「「!!?」」」」
「そして此奴が肉焼きセット………よいしょっと」
ポーチから肉を焼くセットを取り出し地面に置くと、何時に座り肉をセットした。
「♪~♪~♪~」
鼻歌を歌いながら肉を焼いていく龍人。
「ウルトラ上手に焼けました~!」
10秒もしない内にあら不思議、こんがりと焼けた肉が出来ました。
「「「「「おぉ!!」」」」」
「これこそこんがり肉G!食べ方は簡単、片手で歩きながら食べるもよし…………」
龍人は左右の骨の持ち胸の前で肉を構え、大きな口を開いた。
「豪快に食べるもよし!ガッ……ガッガッ!もぐもぐっ……ゴクッ!ぷはぁ……けぷっ」
腹をさすりながら、満足そうな顔をしている龍人。
「「「「ごくっ」」」」
「まぁこういう感じで食うんだ………とは言え、美味いかどうかは食べてから確認してくれ。ほれっ同志伊丹、味見してみろ」
もう1つ肉を焼き、伊丹に渡した。
「ごくっ…………あむっ……がっ!がっ!美味い!」
「「「「!?」」」」
「1つ1000円で」
「「「「「買った!!!」」」」」
~数時間後~
「ひぃふぅみぃ………………本日の売り上げ100万程か」
「マンガ肉すげぇ……………」
「いや~こんなにも売れるとは………さてと………これで色々買い物できるな」
こうして龍人の財布が潤ったのである。
材料
生肉……狩りなので無料。在庫……カンストしてる。
肉焼きセット……1度買えば壊れない。
10連肉焼きセット……肉焼きセットと同じく。
なので、1000円でもボロ儲け。
次回あたりに皇子が………フフフ。