とある魔術の幻想曲<ファンタジア>   作:瑠璃色ss

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不幸はいつも突然に 其の貮

 午前7時15分

 

 第七学区にある警備員(アンチスキル)用のマンションで

 

 「不味ィ……」

 

 学園都市第一位の超能力者(レベル5)一方通行(アクセラレータ)はコーヒーを淹れていた。

 

 普段はコンビニで気に入った缶コーヒーをまとめ買いし、飽きたら別のを買う。という超金の無駄遣いをしているのだが、ここの家主である黄泉川愛穂から『冷蔵庫がパンパンになるからダメじゃーん』と禁止され、もう一人の同居人であるニート科学者から『あら、ちょうど福引で当たったからコレ使えば?』とコーヒーサーバーを渡されたため、仕方なく自分で淹れているわけだが……

 

 「なンだコレ、ふざけてンのかァ?」

 

 どうやらお気に召さなかったらしく、少々不機嫌なご様子だ。

 

 「おはよう一方通行。どうそのコーヒーサーバー?」

 

 不味いコーヒーにミルクを入れて啜っていると、リビングのドアが開きニート科が…もとい芳川桔梗が入ってきた。

 

 「よォ芳川。ダメだコレ、どこぞのチンケな喫茶店のより酷ェ味だ。」

 

 「そう…最新鋭!、とか書いてあったけど……豆が悪かったのかしら?」

 

 「豆はアフリカ産からの直輸入モンだ。多分サーバー本体が原因だな」

 

 「………まあ福引で当たったんだし、使えればいいんじゃない?」

 

 冷蔵庫から牛乳を取り出し、投げ遣りに返す芳川。福引で当てたのは彼女だが、少しばかり無責任ではないだろうか。

 

 心中でそう思う一方通行は、ふと彼女が今朝はスーツ姿なことに気付く。

 

 「どっか出掛けンのか?」

 

 「ん?ああ」と芳川が言いかけるとガチャリ、と再びドアが開いた。

 

 「おはよう、ってミサカはミサカは朝の挨拶をしてみたり………」

 

 「おはよう最終信号(ラストオーダー)。今朝はめずらしく早起きね」

 

 入ってきたのは打ち止め(ラストオーダー)と呼ばれる見た目五歳くらいの少女だった。

 

 「おはようヨシカワ、ってミサカはミサカは挨拶を返してみる………ふぁ~~~」

 

 まだ眠いのか、打ち止めは瞼をこすりながら一方通行のとなりへポスン、と身を沈めるように座る。

 

 「飲み物がほしいかも、ってミサカはミサカはあなたのミルクティーに手を伸ばしてみたり」

 

 「バカ、おまえそれは………ッ!?」

 

 寝起きでのどが渇いた彼女は一方通行の前に置かれたカップを取って、制止の声を気にせずカップの中身を飲み込み、そしてそのまま静止した。

 

 「ハァ……」

 

 言わんこっちゃないとばかりに溜め息をつく一方通行。ゆっくりとカップを下ろした打ち止めの顔は、先程までの寝ぼけた表情は消し飛び、代わりに今にも泣き出しそうな表情になっていた。

 

 「……なに、コレ」

 

 そのまま固まること数秒。すべての文字に濁点がつくような声でようやく言う。

 

 「コーヒーだバカ。紅茶じゃねェ」

 

 「まったく。ほら、これ飲になさい?」

 

 涙目でプルプル震える打ち止めに、芳川が牛乳を注いで渡した。

 

 「ありがとうヨシカワ、ってミサカはミサカはお礼を言ってみる」

 

 「ハァ……なんだか忙しい一日になりそうね………」

 

 芳川はそう言って窓の外を眺める。

 

 今朝は雲一つない快晴。




 どうも、瑠璃色ssです。

 第二章いかがだったでしょうか? 自分なりに色々と文語表現を勉強したつもりだったのですが……
 
 一方通行と打ち止めの会話は書いててとても楽しいです。本編でも度々ある打ち止めのドジっぷりは思わず笑ってしまいますね。挑戦はしてみたものの、あんまり自分の中で出来が良くない気がします。

 それでは、今回はこの辺で目を休めていただいて

 次回も見ていただける事を願いつつ

 ……敵さんは次章登場!!やっとです(笑)
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