とある魔術の幻想曲<ファンタジア>   作:瑠璃色ss

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それぞれの朝 其の參

 午前9時43分

 

 一方通行(アクセラレータ)・芳川桔梗・打ち止め(ラストオーダー)ら三人は少し遅い朝食を食べていた。

 

 「あれ、ヨミカワは?、ってミサカはミサカは芳川に尋ねてみたり」

 

 「彼女なら深夜遅くに仕事に行ったわ。何か緊急の用事が入ったみたい」

 

 「ふーんヨミカワも大変だね、ってミサカはミサカは徹夜の影響によるお肌の老化にしみじみしてみたり」

 

 本来、この家には番外個体(ミサカワースト)という目付きの悪い少女も住んでいるが、一日二日帰ってこないのはザラなので気にしない

 

 「それで、オマエは今日出掛けンのか?」

 

 「ええ、前に色々と面倒事を起こしちゃってね。その始末書を出しに冥土帰し(ヘヴンキャンセラー)の所へ行くわ」

 

 そう言って彼女はファイルをヒラヒラ振った。すると、その間から何やら細長い紙が落ちてきた。

 

 「ん?なんか落としたよヨミカワ、ってミサカはミサカは親切に落ちた物を拾ってあげてみたり………えーっと『ファンシーパークご招待券』?、ってミサカはミサカは首を傾げてみる」

 

 横に座る打ち止めが拾うと、それはチケットのようだった。

 

 「あら、こんなとこに紛れ込んでいたの。愛穂から貰ったけど……たしか期限は今日までだったかしら?」

 

 「ねえねえヨシカワ。ファンシーパークって何なの?、ってミサカはミサカは質問してみたり」

 

 「第六学区にある巨大な遊園地よ。行ったことはないけれど、学生の間では人気らしいわ」

 

 「ミサカ遊園地行ってみたいっ!、ってミサカはミサカはお願いしてみたり!!」

 

 「行ってみたいって言われてもねぇ。私は今日忙しいし、愛穂も仕事だから………」

 

 言って打ち止めと芳川は同じ方向に目線を向ける。

 

 「………オイ、二人して俺の顔を見るンじゃねェ」

 

 「ねえお願い!、「駄目だ」ってミサカはミ「却下する」サカはあなたに上「無理だ」目遣いで「諦めろ」って言ってる途中に4回も否定されたのは初めてかも!!!、ってミサカはミサカは涙目になって抗議してみたり!うえーん!!」

 

 「………泣かせちゃったわね一方通行」

 

 「なっ!?くっ……わかった、わかりましたよ仕方ねェ。連れてってやればいいンだろ!?」

 

 「うぇ、ひっく……ほんとに?」

 

 「あァ、冬用のブーツが入用だったからな。併設してるモールで買うついでに気に入ったモンに乗ればいいだろ」

 

 「あれ?たしか『一端覧祭』の時に買ったはずじゃ……」

 

 「口と舌とアゴをすり潰されたくなきゃ黙ってろ」

 

 「……………………」

 

 「本当に連れてってくれるの?、ってミサカはミサカは念を押して確認してみたり……ひっく………」

 

 「ああ、だから泣くンじゃねェ」

 

 そう言うと一方通行は打ち止めの隣に動き、頭を撫でた。

 

 すると打ち止めは()()()()()()()()()()()()()と俯いてコクコクと小さく頷いた。

 

 「…………オマエ、手に持ってるモンを出してみろ」

 

 「え、えっ、一体何のことか分かんない、ってミサカはミサカはとぼけてみたり。それより何時から行くの?、ってミサカはミサカは話題を変えてみる」

 

 一方通行の手から逃れようと必死にかわし続ける打ち止めだが、体格差などから勝ち目など無く、あっけなく手に持っているものを取られてしまう。

 

 「………コレは?」

 

 一方通行が取り上げたのは目薬だった。訊かれた打ち止めは目を逸らすと動揺した声で答える。

 

 「さ、さあ。ミサカ分かんない、ってミサカはミサ痛いっ!!、ってミサカはミサカは突然のチョップの連撃に頭を押さえてみたり!?」

 

 ビシッ、ビシッ、と打ち止めに制裁を加える一方通行。その後何回か与えると手を止め、疲れたように溜息を吐いた。

 

 「ハァ………11時には出るからそれまでには用意しとけ」

 

 「いえーい!!、ってミサカはミサカは両手をあげて今の喜びを体現してみたりっ! 番外個体から教わった腹芸が役に立ったぜ、ってミサカはミサカはほくそ笑んでみ痛いっ!?」

 

 番外個体にはどういう制裁を加えてやろうか。そう考える一方通行であった。




どうも瑠璃色です。

 今回も約1か月ぶりの投稿。もうこれ定期更新って事でいいですかね?(開き直り)
 仕事の合間に執筆しているため、という毎回同じ言い訳で納得して下さればと思います。

 さて、一方通行(アクセラレータ)たちの朝食シーン。本家でもありましたけど彼らって朝はパン派なんですね~。あ、私はご飯派です。ってこの情報いらない?いらないですか。いらないですよね……。

 前にも言いましたけど、やっぱり一方通行と打ち止めの会話は書いていてとても楽しいです。
 今回は泣いちゃった打ち止めに動揺する一方通行を描写してみました。本家を読み返してみても、彼の前で打ち止めが泣いちゃうシーンって、転んで膝を擦りむいちゃった時だけ。我慢強い子なのかな、と勝手に思って涙腺が緩んでしまう今日この頃です。え?貴方の気持ちなんか聞いてないって?そうですか。そうですか………。
 最後の方で一方通行が彼女を撫でている所がありますが、そこはこんな感じだったらいいな~、と無理やり捻じ込んだところなので、皆様の彼のイメージとそぐわないかもしれませんがご了承ください。

 さて、色々としゃべった所で変更箇所の報告です。

 以前は第2話から一章が始まっていましたが、第2話を序章の方に繰り上げて『不幸はいつも突然に 其の貮』といたしました。
 「あれ?話数が増えてない?」と思った皆様、申し訳ありませんm(_ _)m

 それでは、今回はこの辺で目を休めていただいて。

 次回も見ていただける事を願いつつ。

 一方通行もファンシーパークに行くこと決定! 果たして常盤台のお姉さまは行けるのやら……

 感想、アドバイス、批評、酷評待ってます!!

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