戦いの物語   作:きざはしるか

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第壱話「襲来」

ミーンミーンミーンミーン

 

 

 

あちぃ…。

 

今日は特に暑い。

 

 

外のやつらは風にあたれてマシかもしれんが、高温多湿なナナロクの中にいる俺は、戦闘前からもう死にそうだ。

 

まったく。

戦争はとっくの昔に終わって実戦なんか無いし、こんな世の中でも食い扶持には困らない。なんて聞いたから国連軍に入ったっていうのに。まさか、配備されて2年で実戦を経験するとは。

 

「はぁ…」

 

ため息も出てしまう。

 

 

『相模、集中しろ!』

 

ヘルメット越しに車長の怒号が飛んでくる。

いやいや、集中しろって言ったってこの二時間、ずっと海を見つめど、なにも現れやしない。主砲にもカモメが羽を休めに来るほどだ。

 

俺らしたっぱには、どんな敵が来るかさえ知らされてない。

知らされたのは、第三戦車大隊のほぼ全軍が投入となった事実だけだが、相手は一体どんな大軍なんだ。

旧根府川に布陣してるから、大陸の大国では無いことは確かだが。

もしや南の大陸が?

 

そんな邪推は突如海に上がった水の飛沫に吹き飛ばされた。

 

 

そこには、なんとも形容しがたい怪物がいたのだから。

 

 

 

 

 

その怪物は、人のようで、しかし人ではない。

肩幅の広い陣羽織のような化け物だった。

 

 

『ナナロク各車、こちらナナロク。目標、海上出現の巨大生命体、脚部。弾種徹甲、中隊集中正面射、指命』

 

そんなことを考える暇を与えず、中隊長の射撃号令がくだされた。

砲手の俺が照準を合わせる。いつでも来い。

 

『ナナロク各車、撃て! 次弾装填、続けて撃て!』

 

俺は引き金を引いた。

俺の中隊だけじゃない戦車大隊の全車が砲撃している。

音と振動で確信する。これが本当の戦争なのだと。

 

でも、周りを確認する暇はない。装填手が弾を装填し次第撃つ。俺はそれだけだ。

 

 

 

「!?」

 

4発ほど撃った頃だろうか。

俺は気付いた。

 

いや、俺以外の誰もが気付いていただろう。

砲弾は敵には届いていなかったことを。

 

そして、

奴はもうすぐそこまで来ていた。

 

 

『ナナロク各車、全車退避!全車退避!』

 

もう遅い。

それに、こんな狭い道に整列してちゃぁ、退避しようにも出来るわけがない。

 

 

目の前に迫った敵はビームを出して、前のナナロクを蹴散らしていく。

外に出たやつもいるみたいだが、声が聞こえないところをみると、もはや死んだのだろう。

仲間は全員死んでいく。

 

俺は悔しくて、最後の一発を、と汗にまみれた指で引き金を引く。

 

 

だが、それが奴には届かなかった。

 

あぁ、こっちを向いている。

大きな仮面がこっちを。

 

そこで俺の意識は途絶えた。

 




国連軍第三師団第三戦車大隊に所属する、とある76戦車改の砲手 相模正幸一等陸士視点の第壱話「使徒、襲来」でした。

自転車漕いでる内に考え付いた話だったので、設定めちゃくちゃだと思います。ごめんなさい。
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