◻霊都アムニール マリオ・ネット
「いやぁ、超楽しかった」
チュートリアル終わってからの突然の紐バンジーもしくはパラシュートのないスカイダイビングは激突寸前にあれ? これ着地はどうすんの? と思い肝が冷えてきた所で急ブレーキがかかりふわりと着地した。楽しかったが流石にギリギリまでブレーキがかからないのはビビったわ。
ただ、空から落ちる時に感じた風の感覚に目に映る人が行き交う景色、話し合う声の音と香る自然の匂い。まだ降り立っただけなのにそれだけで既存VRゲームより凄い。むしろ、ここは異世界ですと言われた方がまだ信じられるかもしれない。
なくなった筈の右腕が存在し自由に動くことだけがこの世界がゲームであることを俺に主張しているが事故のこと忘れてしまえばこここそが現実になってしまいそうだ。
とりあえず時間をみつけて今度リアルでスカイダイビングに行ってこよう。ちょっとあの落ちる感覚はもう一度味わいたいしさっき見た国家の映像じゃ飛行機は無かったからこっちでは出来なさそうだ。
一先ず思考をまとめてから始める前に読んだ取説に書いてあったメニューを開き中を一通り見てからマップを表示する。
開かれたマップには今いる霊都アムニールと周辺の情報が表示されるが肝心のジョブの取り方が分からない。
「これってチュートリアルで説明しないいけないんじゃないか?」
【傀儡師】になりたいとチェシャに言った時にジョブについて説明してもらったが就いていないとモンスターを倒しても経験値が貰えずにずっとレベルが零のままだと言っていたが肝心のジョブの就き方については説明は無かった。
てっきりメニューでジョブに就けるかと思ったがこのままではジョブに就けない。つまりニートだ。五月蝿いわい。
このままでは
「すみません、よろしいですか?」
辺りを見渡すと後ろに霊都の門らしき物がありそこに見張りらしき鎧を着た兵士が両脇に一人ずつ立っていたので片方に話し掛けてみた。
「はい、なんでしょうか」
ちなみに話し掛けた兵士は耳の尖ったエルフらしき美人の女性である。もう片方は人間の男性だが他意はない。ないったらない。
「ジョブに就きたいんですがどうしたらよろしいですか?」
「ああ、マスターの方ですね」
エルフの女性は俺の左手を見て何か納得したようだった。
「良いですよ。ジョブはジョブクリスタルに触れることでそれぞれのクリスタルに対応いたジョブに就けるのですがどのジョブに就くのですか?」
へぇ、一つのクリスタルで全部は就けないのか。そうなると国や地域毎に固有のジョブとかあるんだろうな。
いや、チェシャはレジェンダリアには【傀儡師】がとか言ってたからあるんだろ。その方が国毎に特徴が出来てゲームらしいな。
「【傀儡師】のジョブです」
「あら、珍しいわね」
「珍しいですか?」
「気分を悪くしたらごめんなさいね。マスターの方は【戦士】とか【魔術師】が多かったらついね」
確かに特に成りたいのがなければ開始直後の今はプレイヤーいやマスターはゲーマーが多いだろうから分かりやすい【戦士】や【魔術師】は多いかもしれない。
「それで【傀儡師】は人形ギルドと劇団ギルドの両方の管轄だからどちらかに行けば大丈夫だけど【傀儡師】専門なら劇団ギルドで人形作りと兼務したかったら人形ギルドをお勧めするわ。場所はー」
一応女性に両方の場所を教えて貰いマップと照らし合わせて確認する。
「教えてくれてありがとございます。えーと」
「あら、名前言ってなかったわね。シルフィ・ウッドライト。【
「【精霊騎士】?」
おお、なんか凄そうなジョブだな。
「その顔は【精霊騎士】が気になるって顔ね。いいわ、教えてあげる」
シルフィさんは俺の心を読んだのか自分のジョブについて説明しだした。
「【精霊騎士】は【
ここまで一気に喋ったシルフィさんは何か期待している様子でこちらを見ているが個人的に途中から酸欠にならないかと気が気でなかったが大丈夫なようだ。
「もし【傀儡師】が合わなかったら【精霊騎士】も考えてみます。シルフィさんありがとございます」
「えぇ、流石に【傀儡師】とは合わないと私も思うからもしもの時は候補に入れてくれると説明したかいがあるわ。
それと私のことはシルフィだけでいいわよマスターさん」
シルフィさん改めてシルフィにマスターさんと言われて俺も名乗っていないことに気付き慌てて名乗る。
「俺はひが、じゃなくてマリオ・ネットです。シルフィ改めて教えてくれてありがとう」
「えぇ、気をつけてね」
うっかりリアルの名前を言いそうになるのを直して頭下げてシルフィにお礼を言い俺は教えて貰った人形ギルドに向かった。
本当はちょろっとだけのつもりが気付いたらまったく関係無いジョブの話をしてたんだ。な、何を言っているかわからないかも知れないが催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえもっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…