作者の都合で今までとは違い前編、後編に分けさせていただきました。
それではよろしくお願いします。
「…あの、もう着きましたよ」
「…?あ、え?」
「あ、すみません。起こすかどうか迷ったのですが…迷惑でしたでしょうか?」
「あ、いえいえ…むしろありがとうございます。助かりました」
「いいえ、こちらこそ」
どうやら機内に乗り込んだ後、特にやることも無かった私は眠ってしまっていたらしい。
その後隣に老紳士風の人が乗ってきたのは覚えている。…しかし、すぐ寝てしまうとは…
それにしても見た目通りの人だったなあ、と思いつつ、意外に疲れてしまっていたのかな、とも私は思った。
ひとまず機内から降りることにした。
飛行機から降り、私は荷物受け取り所で自分の荷物を待っていた。
暇だったので携帯の電源を入れ、返信の確認でもすることにした。
いざつけてみれば通知は1件。両親からだった。
どうやら私の帰る時間には母は用事、父は仕事でいないらしく、鍵は開けてあるので入って待っていてほしいとのことだった。
私はそのメールに、わかった、待ってるね、と簡単な返信を返した後、ちょうど荷物が来ていたので受け取り、外に出た。
期間的にはそんなに長く離れたわけでもないのに、久々の故郷はとても懐かしく感じた。
私の家は航空から近く、よく学校の帰り道にこの風景を見ていたからだろうか。
なんだかとても長い期間見ていなかった風景のような気がした。
よく通っていた道を通り真っ直ぐ家に向かう。
道は間違っていないはずだった。だが…
「あれ…?家、間違えたかな」
確かに記憶どおりに来たはずなのに、そこにあったのは少し見慣れない家。
しかし表札を見ると確かに『鷹富士』と書いてある。
(私の知らない間にリフォームしたのかな?)
まあここで間違いないだろうとあまり気に留めず、言われた通り家に入っていることにした。
ドアを開けると、そこには見慣れた家の玄関だった。
やっぱりここで合ってたと思いつつ、中に入った。
「全然変わらないなぁ、ここも…」
ひとまず居間に荷物を置き、両親を待つことにした。
しかし、やっぱり実家は落ち着く。
自分がいたときと何も変わっていない。それが逆に安心させてくれているようでとても心地が良かった。
そんなこんなで一時間ぐらい待っただろうか。
落ち着きすぎてまた寝てしまいそうだった時、ドアが開く音がした。
(お父さんかな?)
私は玄関に出た。…遠目でもわかる。お母さんだった。
「あら、やっぱり帰ってきてたのね。おかえり、茄子。」
「うん。お母さん、ただいま。…あと、おかえり」
久々のやりとりに私は少し泣きそうになってしまった。
一人で過ごしているときは、ただいまもおかえりも帰って来なかったから。
お父さんはまだ帰って来ていなかったが、とりあえずお土産だけでも渡そうと、買って来たお土産を渡した。
少しびっくりして、あらいいのにとは言っていたがひとまず喜んでもらえたようで良かった。
こうして当たり障りのない会話をしていた時、お父さんが帰って来た。
「おう…茄子か。帰って来てたんだな。おかえり」
「うん。お父さん、ただいま。…あと、おかえり」
私はこの時すっかり忘れていた。家が少し変わっていることについて聞こうと思った。
しかし、今となってはこの時の行動をとても後悔している。
聞かなければ良かった。…本当に。
今回、前編と後編に分けたのは理由があります。
…正直言ってしまうと書ききれなかったからです(すみません)
その代わり、後編はいつもよりボリュームアップしたいと思っています。
読んでくださる皆様、こんな駄文で良ければどうかお付き合いください。