世界は本当に理不尽なことに満ち溢れています。そのことを私は8歳の時に知りました。私は特殊な"個性"を持つ両親から生まれた。父の"個性"は透視能力と呼ばれるもので、遠くを見られるものでした。この力でヒーローのサイドキックというのをしていました。
母は視界内の任意の場所に回転軸を作り、対象の強度に関係なく曲げる"個性"歪曲を持ってヒーローをしていました。
そんな二人から生まれた私、浅上史奈は両親の"個性"をうけついで、幸せな家庭で過ごしていました。でも、なぜか両親は"個性"のことを隠すようにいってきています。悪用できるからとのことで、軽い透視能力としてトランプの絵柄をあてるくらいはいいとのことでした。
幸せは8歳の時に脆くも崩れ去りました。私の両親は前に両親が捕まえた
その後、私は殺される前に駆け付けたヒーローによって助けられました。その時、何度もヒーローに彼等を殺してくれと頼みましたが、叶えてもらえませんでした。法律で裁かれると教えられて、その時は納得しましたが、逮捕された犯人達は数十年の刑をうけただけでした。また彼等は帰ってくるのです。私から両親と幸せを奪っていったのにです。
私の不幸はこれだけでは終わりませんでした。両親がためた財産を私を引き取った親戚が全部もっていったのです。その間にも親戚から性的な虐待もうけていました。そして、何歳になったかも忘れたころに孕んだ私をゴミ捨て場に捨てられました。この時に理解しました。
そのまま数日をそのまま過ごすと雨が体温を奪ってお腹の子が死にました。このまま死のうとも思いましたが、ふとみると何かの雑誌がありました。そこには黄金の髪の毛をもつ人のことが書かれていました。それは素晴らしいことでした。
公明正大・滅私奉公を信条とし、正しさを踏み躙る悪の誅罰するというものでした。そして、過去を振り返らずにひたすら前へ進むこと。
しかし、私にできるかはわかりませんし、いらないことかもしれません。そこで父から受け継いだ透視能力で世界を見ました。そして、吐き気を催す邪悪を見つけてしまいました。そいつは人の"個性"を奪い悪逆非道を行ってきたのです。平和の象徴とよばれるオールマイトすら彼を倒せていない。殺さないようにしていたからでしょう。
「……だれも、やらないなら……私がやる……そう、私が決めた……」
黄金の人のように悪を邪悪を駆逐する。そのために私も悪になって私なりの正義を執行する。心が定まればやることは一つです。私はこんなところでは死ねない。そう思うと疲労と栄養不足で力の入らないはずの身体は動きました。
立ち上がり、ゆっくりと移動すると死んだ赤ん坊がでてきましたが、無視して歩きます。歩いていると前方に誰かが立ちふさがりました。見上げるとそれは大きな男の人です。
「嬢ちゃん、俺達といいことしようぜ」
「返答はきいて……」
「ええ、聞いていません」
"個性"を発動して二人の頭部に回転軸を作ってねじ切ります。血飛沫を浴びながら、彼等から必要な物を接収します。コートを貰ってみすぼらしい身体と姿を隠して私は親戚を透視します。彼等は何処かに旅行にいっているようです。おそらく私にかけた死亡保険のことでも考えているんでしょう。だから、私はタイミングを見計らって彼等が乗る車の部品を破壊し、爆発して崖から転落させました。他の親戚連中も含めて寄ってたかって両親の財産を奪った連中は皆、粛清しました。
自宅に戻った私は扉の鍵を壊して中に入ります。この家は本来、私の物でしたが親戚に乗っ取られたので奪い返しても問題ありません。なのでここは私の物です。
シャワーを浴びて血を洗い流してから、本来の自分の部屋でベッドの布団とかを替えて眠りにつきます。
外が騒がしくなり、起きると何度も電話がかかってきているようでした。電話にでると警察からで親戚が交通事故で死んだことを教えられました。ここで色々と思ったのは演技は必要だということです。まだ本格的に動く時ではありません。まずは体力などを回復しないといけないからです。
警察にある程度話してから、久しぶりにまともな食事を取ると胃が受け付けなくて何度も吐きました。仕方ないので非常食として常備されているカロリーの高い物を無理矢理食べておきます。
その後、警察の人に迎えにきてもらいました。お金や足がないと告げたら親切にも運んでくれたのです。
その後、塵共の死体をみて持ってきた目薬を使って軽く泣いた振りをしてから、弁護士を雇って遺産整理などをしてもらいます。事情聴取もされましたが、本当のことを話してあげます。
「では、親戚同士で互いに保険金をかけあっていたのだね」
「はい。何時か殺してやるっていっていました。実際に殴り合いもしていましたから……」
「なるほど。しかし、互いが同じ日に死ぬとは……」
「相手が自分を殺そうと知ったから、先に殺そうと思ったんじゃないですか?」
「確かに車に細工をしておけばいつ死ぬかはわからないな。それにこっちは火事か……」
ガス管の栓を破壊して火花が散るようにすれば余裕でした。その後も色々と話しを聞かれて家宅捜索をされましたが、全て任せて私はお金を降ろさせてもらってホテルで泊まらせてもらいました。次の日は服など買って今までのは処分しました。
塚内直正(つかうち なおまさ)
浅上家のことで正直にいえば引っ掛かることがある。だからこそ家宅捜索をしたのだが、そこでとんでもないものが見つかった。
「先輩、これは……」
「ああ、ひどいな」
彼女、浅上史奈の性的な虐待の録画が残されていた。すぐにそれを婦警に渡して確認してもらった。我々に見られるのは彼女がつらいだろうという判断だ。そして、あがってきた報告書をよんだわけだ。その婦警達は今、休暇をとっている。
「玉川、もう一つ報告があるんだな?」
「こっちです」
「浅上史奈の両親を殺した
「そうか」
色々と調べていくが、被疑者死亡による書類送検だけとなった。浅上史奈にはカウンセラーに通ってもらうこととなった。
弁護士による遺産整理や書類の提出なども終わり、家以外はほぼ全て売り払った。家もリフォームして綺麗に作り直してもらいました。その間はホテルで暮らし、自分に厳しい訓練をかしました。それと私が憧れた人のことを調べると、ある古いゲームのキャラクターだと判明したのです。しかし、それが想像のものであろうと構いません。より彼を知るためにゲームを手に入れてやって役々目指すようになった。
そして、結論は私には無理です。あんな近接戦闘の能力なんてありません。せいぜいが体内に回転軸を作り出すことぐらい……あれ、できそうです。ならば目指しましょう。
徹底的に肉体改造と戦闘訓練を行います。"個性"の訓練も行います。ヒーローと
刑務所などにいる
数年の訓練と勉強を終えて十五歳になりました。私の身体はあまり成長せず、小さいままです。ですが、問題ありません。短く肩ぐらいの髪の毛にウィッグをつけてロングにして服装を整えて鍔の広い白い帽子をかぶります。そして、手には仕込み刀が入っている大きな錫杖を持ちます。
ウェブカメラを用意して、椅子に黒い大きな兎のぬいぐるみをのせます。
「宣誓。私は
以上の事から、私は私の正義の下に公平で安全な世界を作るために行動します。また、これを邪魔する者も等しく排除します。ヒーローの皆様におかれましては、止めたければ命を賭けて挑んできてください。以上をもって宣誓を終わります」
変声器を使って録画したものを複数の海外サーバーを経由してから、インターネットに流します。同時に判明している
至る所で
次の日からニュースは私のことでもちきりです。
『緊急の報道です。犯行声明がでてから、死者が165人を超えました。またネット上に犯罪者とおぼしき者の名が実名で公表されるなど問題行動もおきているようです』
『まったく、驚きものですね。世紀の大犯罪者だ』
『しかし、庇護する声もおおいですね。不正をおこなった政治家なども複数死亡しています』
『いや、しかしですねえ……』
ニュースを兎を抱きしめながらお菓子を食べてみています。ぼーとみていると、特別犯罪対策課という人がでてきた。
『私は彼女を必ず捕まえます。捕らえた
『ひぃっ!?』
『貴様が殺したのは犯罪者だ。そして、この映像が放送されているのは……』
「えい」
とりあえず、透視したその対策室みたいな人達を殺す。
「大丈夫です。あなた達の思いは私が引き継いで必ず平和な世界を気付いてみせますから」
目指すのは犯罪のない公平な世界です。そう、閣下が望んだ世界こそ素晴らしいのです。
オールマイト
動画にあった住所に直行すると、そこはおびただしい数の死体で溢れていた。ビルにいた全ての人が丸ごと殺されていたのだ。そして、その中にはオール・フォー・ワンが確かに存在した。
「オールマイト、どうだ?」
「確かにオール・フォー・ワンだ。間違いない」
「これからどうする?」
「きまってる。これをやった犯人を捕まえる」
「しかし、犯罪の件数は激減するだろう。なにせやったが最後、確実に殺される」
「確かにこの方法では相互監視による抑圧された世界へと変貌する。ましてやたった一人の正義によって執行されるのなんて間違っている」
「だが、君のことも暴露された。そのことから相手はおそらく、透視能力と切断系の"個性"をもっている。まあ、切断面が捻じれていることから色々とわかるが……」
「犯人はおそらく、彼女だろう」
「ああ、このような"個性"を持つ者のはかぎられている。日本人の"個性"を調べ、親族全てを遡ったら彼女が最有力候補だ。頼むよ、オールマイト。彼女もまた被害者だ。助けてやってくれ」
「任せてくれ。何、平和の象徴がいまだ健在だってことと、私が君を助けにきたってことをしっかりと教えてくるよ」
「ああ、頼む」
さあ、少女を救いにいこう!
ビルの屋上で生中継の準備をして、場所を送る準備もした。後は役者がくるのを待つ限り。日本中の犯罪者の首はほぼ全てかりとった。2562人。これが私がこの一週間で殺した人の数だ。反社会的な勢力も含めてその親族まで一掃した。こちらの準備が整い、監視していた彼がきたので私はライブ中継を開始する。
「みんな、こんばんはです。うさぎちゃんです。今日は肉声でのお知らせですよ。さて、日本から粗方
「私がぁぁぁきたぁあぁぁぁぁぁっ!」
ビルの屋上に空から大男が降ってきた。やってきたのはオールマイト。
「いらっしゃい、オールマイト。待っていましたよ」
「ふむ。これは……」
「平和の象徴を時代に繋いでもらうためにライブ中継しています」
「私がくることがわかっていたのか」
「そのために情報は残していました。そもそもばれないようにするのなら、"個性"を管理しているネットワークとかを破壊しますし、私の"個性"をしっている人は始末しています。そもそも私は、やっていることが間違っているとは思っていませんから堂々とします」
「浅上少女、君は間違っている」
「あなたの正義ではそうでしょう。しかし、私の正義では違います。そもそも正義は……」
「善悪ではない。人を殺すことが間違いなのだ!」
「しかし、ヒーローの現行制度では犯罪は減りません。また例え死刑にされるまで刑務所で過ごさせる税金がいくら無駄に消費されていると思うのですか」
「それは……」
「ましてや再犯の確率も高い。私の両親は出所した
「君は神にでもなるつもりなのか!」
「いいえ、私はシステムになるつもりです」
「なに?」
「
「それは戦時だ!」
「まあ、そんなことはどうでもいいのです。互いに思う事があるのならば、相手を撃ち滅ぼし我を通すまでです。私は私が望むよりよい未来平和のためにここであなたに消えてもらいます」
「ならば私は君をその絶望から助けよう」
「必要ありません。なぜなら、私がそう決めたのですから」
錫杖で床を突き、自分の周りの空間に複数の回転軸を作成する。オールマイトの桁違いの速度に対抗するのには卓越した読みと罠で対抗するしかありません。ですが、勝ちはきまっています。なぜなら戦う前から勝敗は決しているからです。
「デトロイトスマッシュっ!」
「無駄ですよ、オールマイト。あなたの力は全てあなたに返ります」
「っぅ~~! 空間の歪曲だと……」
「私に曲げられないものなど存在しないのです。さようなら、オールマイト。いままでご苦労様でした。貴方が勝つには私を奇襲し、一切の躊躇なく殺すしかなかったのです。故にいったでしょう。現行のヒーローの制度では駄目です、と」
「ま、だ、だっ! 私はもっと先へ、更にその先へっ!」
空間の歪曲に乱れが生じました。オールマイトもやはり、私と同じです。だからこそ、私はあなたに勝ちます。
「よろしい。ならば私も付き合いましょう。私の限界もまだまだ先、いいえ限界などないのです! 私がそう決めました!」
空間歪曲を力技で破ってきたオールマイトに私もさらに限界を超えて、オールマイトの速度で対応します。
「Plus Ultraaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」
「まだです!“勝つ”のは私です!」
何度も気合と根性、執念と意志力で閣下のように限界を超えて覚醒し、互いの信念を通すために戦います。
光のため、未来のため、自分以外の誰かのため、私がこれと定めた道をどこまでも雄々しく他者を轢殺しながら突き進むのですっ!