私は浅上史奈から、八木史奈に変わって数年。パソコン取り上げられ、カウンセリングを受けさせられた私は普通の小学生としての楽しい生活など……ありません。
私はやはり世界を平和にするために行動します。私は私でしかありませんから。
「ただいま!」
「お帰りなさい、オールマイト」
「この姿なんだから、パパとかお父さんとかいってくれないかな?」
「拒否します。そんなことよりも、パソコンを返してください」
「駄目だよ。また年齢制限のゲームをやられたらたまらないからね」
「わかりました。それはしませんのでインターネットに繋がったパソコンと口座を作ってくれればいいです」
「だが、それは……」
「これが拒否されるのなら、前と同じように戦いますか?」
「それは困る。いいだろう」
「それと欲しい物があるんですが、いいですかパパ」
「いいだろう!」
どうにか許可をもらえたので、オールマイトのカードを貰って買い物にいく。買うのは高性能なパソコンと私の口座を開設。家に戻ったら一室を私専用の部屋とします。
高性能パソコンを使って、情報屋として集めた電子マネーを全て株に変えて自分の口座を登録する。ここからは全力の戦いです。日本をふくめて他の国の内部情報を引き抜いて、貨幣トレードや空売りなどをして資金を増やしていく。
一週間で五百万、二週間で一千万、三週間で八千万。と、どんどん増やしていきます。
額がどんどん増えていくのは日々扱う金額が増えていくからです。世界中の情報を集めるために千里眼の訓練にもなりますし、世界平和のためにも使えます。匿名で
こんな感じで私は10歳の時にパスポートを取り、オールマイトを説得してドイツに渡りました。ドイツで飛び級をして会社を作り、アメリカに渡り、こちらでも飛び級をして会社を作り、お金を盛大に稼ぎます。それとアメリカではヒーロー免許や教員免許など色々と取りました。お金の力で色々と手続きをして、家庭教師をつけて勉強をすれば楽勝です。千里眼を広範囲で使っているせいか、情報処理能力や記憶能力はかなり高いのです。カンニングが必要ないほどです。
ドイツとアメリカで優秀な人材やホームレスの人達などを優先的に雇用して、その能力を活かせるように教育させていきます。邪魔をする人達は徹底的に調べて排除します。
こんなことをしていれば、さすがに二年でばれて日本に呼び戻されました。一応、監視はされていますので。
「史奈少女、君が人を殺すなど犯罪をしないことは喜ばしい。だが、これはなにかな?」
「なんですか?」
聞いてみると、テレビでやっていた資産家ランキングの上位に私がいました。毎日欠かさずお金を動かして増やしているので、既に個人資産が日本円で兆を超えました。本当に千里眼は便利です。例えば違う場所で不足している物資があることがわかれば、それを別の溢れているところで購入して空間と空間を歪曲させて運び込み、それなりに高値で販売します。
それをするだけでも儲けは大きいです。ちゃんと国外にでてから、相手の国内に入るので税金も支払っていますよ。
それと犯罪行為をしている会社は叩き潰して、こちらが買収しています。もちろん、利益がでそうな会社も買収しています。
「稼ぎました」
「稼いだってレベルじゃないだろう!」
「個性の強化をするついでですよ」
引き抜いた瞳は会社で開発させた高性能量子コンピュータを用意して、義眼タイプとして両目に埋めこんでその上からカバーをつけています。
「それにお金は私の目的には必要なのですから、集めるのは当然です」
「目的?」
「はい。あなたはいいました。犯罪行為は駄目だと。でしたら、ヒーローが
「それは!?」
「そのためのお金です。まずは政治家を私の支配下に置きます。すでにドイツはほぼ完了し、アメリカは約三割が私に従うようにしました。政治家というのは弱点が多いですからね」
「史奈君っ!」
「私は間違ったことはしていません。オールマイトが言ったとおり、犯罪でなくしてから世界そのものを改変します」
「師匠……」
先代はやれやれといった感じです。ヒーローの方々はパソコンとかあんまり得意ではないので、いくらでもやりようがあります。
「よ~し、史奈君。やっぱり学校にいこうか!」
「え、嫌です。ドイツとアメリカでちゃんと卒業してきました」
「日本で頼むよ! だいたい、日本では義務教育があるんだ!」
「国籍、日本から移しておきます」
「駄目!」
その後、数日間話し合っても平行線でした。仕方ないので他の人も入れて話すことになり、オールマイトがこれから働くことになる雄英高校の校長と話して、私は雄英高校に入ることになりました。生徒兼パパの補助として。
雄英高校に入る前にアメリカでとったヒーロー免許。これを日本でも適応させます。これなら私が個性を使って
それとドイツから人を寄越してもらいます。名前はルサルカ。シュヴェーゲリンではないけれど、あの世界でみた幻術使い。彼女はカウンセラーとして幻術を駆使して働いていたので、私専属として引き抜きました。
さて、私は一年A組らしいのですが、試験は受けました。でも、街一つを歪曲させて中にある物全てをねじ切ってあげました。
開始数秒で終わり、やることがなくなったので残り時間は会社の仕事をしますが、パパに怒られました。げせません。
ちゃんと言われたとおりに手加減しましたよ。空間を歪曲させてブラックホールみたいな物を発生させたわけではないのですから。
「パパ、入学式が楽しみだなあ」
「え、でませんよ」
「何言ってるんだい!」
「いえ、普通に仕事です。今からドイツにいって商談をしてきます」
「まてい!」
「やめてください。数億円規模の取引なのですから」
「会社は部下に任せなさい! それに電話でいけるということを秘書の人から確認しているさ! というわけで、強制連行! あ、敷地内からでたらわかるからね」
「ちっ」
連れていかれた雄英高校。私は屋上にでてノートパソコンを開いて仕事をします。恰好は制服ではなく前に使っていた衣装です。免許を持っているので問題ありません。
「では、これより会議をはじめます」
テレビ電話で会議を行い、日本の会社の買収を進めていきます。それととある企業を暴落させたりもします。あの眼鏡さんをみつけてスカウトしておきました。とっても便利です。私のクローンとか作られ、無辜の民が犠牲になる戦争をされては困りますが、コントロールすればいいだけです。
「八木史奈はどうした?」
「その席ですか?」
「きていませんね」
「……校内にいるのは確定か。お前達は着替えてグラウンドにでておけ。俺はサボってる餓鬼を連れてくる。本当は退学にしたいんだが……」
学校内を探索して家に帰ってから料理を作ります。帰ってきたオールマイトは怒っているようです。
「どうしましたか?」
「君、授業を一切でていないだろう!」
「でる必要はありませんので」
「意味ないじゃないか!」
「いきたくないですし」
「よ~し、明日は無理やり連れていく」
というわけで、私は次の日から片腕に抱えられて登校と学校で過ごすことにされました。まあ、逃げるんですけどね。しかし、残念ながら午後の授業は逃げる前に捕まりました。イレイザーヘッドとオールマイトの二人がかりは卑怯です。
「私が普通にやってきた!」
「シルバーエイジの……ていうか、抱えているぐるぐるまきの幼女は?」
「えっと」
ふむ。ここはおちゃめに遊びましょう。
「たっ、助けてください! 誘拐されました!」
「なにをいって」
「この人はオールマイトじゃありません! 偽物です!」
「いや、本物じゃ」
「本物だよ!」
「よく考えてください。本物がいやがる幼い少女を縛って運びますか?」
悩んでいますね。しかし、これがヒーローの卵ですか。駄目ですね。
「それは……」
「風評被害をうけるからやめたまえ」
「離してくださいっ! いやぁっ、犯されますっ! 売られますぅ!」
「しないから! あ、本当だよ」
「と、とりあえずはなしてあげればよいのでは?」
「ああ、彼女は離した瞬間に逃げるからね」
「どうでもいいですが、帰っていいですかね?」
イレイザーヘッドが隣にやってきます。
「臭いです。近付かないでください」
「あっ? 除籍にするぞ」
「やれるものならどうぞやってください。変質者」
「ちっ」
「駄目だよ。除籍にしたら大喜びするだけなんだから。そして、世界征服に乗り出しちゃう」
「失礼ですね。すでに乗り出しています」
「不条理な。どうにかできないんですか?」
「常に"個性"を消し続けないと無理だね。私が彼女を気絶させる間に被害は甚大なことになるだろう」
「あの、その子は……?」
「ああ、そうだね。ほら、自己紹介しなさい」
「浅上史奈です。この人に誘拐されて、無理矢理養子にされました。よろしくはしなくていいです。あなた方に興味なんてありませんし、障害にもなりえないでしょうから」
「あんだと!」
イレイザーヘッドの瞳が閉じた瞬間に空間を歪曲して転移します。オールマイトの腕から抜け出して隣に立ちます。
「史奈少女、まじめに頼むよ。食堂で奢るから」
「お金はいっぱいあります」
「なら、どこかに出かけよう。仕事なしで」
「仕方ないですね。遊園地で手を打ちましょう。いったことありませんし」
「うむ」
「遊園地とか可愛いっ!」
「話が終わったようなので、私は戻りますよ」
「ああ、ありがとう。さて、改めて彼女は私の義理の娘で、私のサポートをしてもらう。アメリカなどで飛び級してヒーロー免許も習得している。君達の先輩だ。仲良くしてあげてほしい」
「「「はい」」」
「別にいりませんよ。それよりも、一応、私は教師扱いですよね?」
「そうだね」
「そうですか。なら、このクラス全員除籍です」
「「「「ちょっ!」」」」
「な、なぜだい?」
「いや、幼い少女が助けを求めてるのに挑みも動きもせずに混乱してばかりでした。ヒーローが過ちを犯さないとでもおもっているんですか? ヒーローは助けるのが仕事でしょう。以上のことから、資格なしと判断しました」
「いや、ね?」
「ヒーローなら、とりあえず助けてから話しを聞くべきです」
「ふざけんなっ!」
「ふざけていません。本気です」
「はっはっはっ、残念ながら史奈少女にはその権限はないね。あくまでも、サポートだから。生徒でもあるし」
「そうですか。非常に残念です」
席に座ってノートパソコンを開いてお仕事を開始します。外野は無視するので、ヘッドフォンをつけます。ですが、ノートパソコンとヘッドフォンをとりあげられました。
「さて、今日は戦闘訓練をしてもらう。ちなみに史奈は参加禁止だ。君がやったら、全員でも瞬殺だろうしな」
「そんなわけねえだろ!」
「いくらなんでも全員でなんて……」
「ここにいる全員を無力化するのに何秒いる?」
「秒じゃ無理ですね。オールマイトの無力化は前の再来になります。やりますか?」
「ああ、前提条件が違う。私を除いてだ」
「それなら三秒以内に全員の手足をねじ切ってみせます」
「おや、落ちてないかい?」
「全力じゃありませんからね」
「嘘だ!」
「それが嘘じゃない。彼女は本当に私クラスの実力者で、戦えば今なら私が勝つがね!」
「オールマイト数人とか反則です。それよりも授業時間がおしていますよ」
「そうだった。みんな、着替えて移動するよ」
私も錫杖をもって移動します。戦闘訓練らしいので、一人でオールマイトの幽霊と戦って訓練します。空間ごと歪曲しても駄目なので、もっと霊的な存在にダメージを与えなければいけない。そのためには時間も歪曲できるようにならなくてはいけない。相手の時間を巻き戻して肉体が戻るまでしたら殺せそうですし。もしくはワン・フォー・オールそのものを歪曲するかですね。
幽霊さんとの殺し合いはとても楽しいです。何度も限界を突破しないと駄目ですから。オールマイト級を数人相手なのだから、とてもためになります。