無冠の英雄 隻腕の長門   作:◯のような赤子

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ようやく金剛の話が終わりです

いやぁ、長かったですね

そして超弩級なシリアスの中にネタを仕込むやり方、俺じゃなきゃ見逃してるね





お気に入りがとうとう50を越えました!
そして評価してくださった方ありがとうございます!
まだまだこれからもよろしくお願いします!!(コンゴトモヨロシク)

ではどうぞ!


終わりを告げる虹が架かる

__英国で産まれた帰国子女の金剛デース!ヨロシクオネガイシマース!__

 

 

 思い出す

 

 

__戦果Resultがあがったヨー!

 

__流石金剛だな!叢雲や長門さんを差し置いてMVPだなんて、スゴイじゃないか!!

 

 

 思い出す

 

 

___HEY!長門!提督のハートを掴むのは、ワタシデース!

 

__うん、いいんじゃないか?中々お似合いだぞ?

 

 

 いかに自分が無知であったか

 

 

__・・・すごく嬉しいよ金剛

 

__ホントデスカ!?じゃあ!!

 

__でもすまない、・・・好きな人がいるんだ

 

__ぁ、・・・それじゃあ仕方ナイネー!

 

__あぁ、告白もまだしてないけどな

 

__テイトクなら大丈夫ダヨー!お相手は誰なんですカー?

 

__ _________長門だ、あいつのことが初めてあった時から好きなんだ

 

 

 いかに自分が醜く、酷いオンナなのか

 

 

__ずっと笑ってたんデスネ!?知っていながら裏でずっと嘲笑ってたんデショ!?

 

__聞いてくれ金剛!!私はっ!

 

__うるさいッ!!お前なんかよりもワタシのほうが絶対にいいのに!!どうせカラダでも使って篭絡したんでショウ!?

 

__金剛さん!!自分が今何を言ったのか分かってるの!?

 

__どいつもこいつも長門、長門!!そんな老朽艦の障害持ちのいったい何がいいんデスカ!?

 

 

 己の犯した罪を

 

 

__止めて!!止めてくれっ、金剛っ!!

 

__こんなガラクタッ!!

 

 

 

__ッッ金剛ぉぉぉおおおおお!!!!

 

 

 

思い出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

肉を打ち付ける打撲音が響く。長門はされるがままに、金剛は馬乗りになって殴り続ける

 

 

 

「あれからずっと金剛は自分を許しちゃいない。MVPになっても決して俺に抱き着かなくなったし、カッコカリの指輪を渡そうとしても絶対に受け取ろうとはしなかった。知ってたか?あいつがどんな時でも殿を務めたことを。自分が泣きたい時でも泣かず誰にも、それこそ姉妹にも気づかれず、提督である俺にも気付けずずっと独りで汚い役割を背負ってきたんだ。さっきアイツが言ってたよ、『穢れきった自分なんかに触ったら汚れてしまう、だから触らないで、今すぐ自分を見捨ててくれ』って」

 

 

 

・・・あまりの衝撃的な事実を告げられ誰も声を出すことが出来ない、金剛型の3人は自身の姉の真実に、そして気付けなかった自分達にショックを受け地面に手を付き俯いてしまう

 

 

 

「_____提督失格だな・・・、俺」

 

「えぇそうね、私も秘書艦失敗だわ。気づいていても分かっていなかったんだから。」

 

___だから

 

「ここからもう一度始めましょ?アンタと私、鳳翔さんと長門さん。たった4人から始まった鎮守府を、もう一度」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________________________________

 

 

殴る

 

「お前なんか嫌いだッッ!!誰にでも愛想を振り撒いて!!ズットこの綺麗な顔をぶん殴ってやりたかったデース!!」

 

殴る

 

「どうして殴り返して来ないのデスカッ!?英雄ならワタシを殴り返してミセロ!!!」

 

殴る

 

「今のワタシは人殺しの犯罪者なんデスヨ!?アナタの手で、ワタシを殺せばいいじゃないデスカ!?」

 

 

もはや殴るのではなく、次第にその胸を叩くように、懇願するかのように縋り付く

 

 

「___お願いシマス。ワタシを殺してクダサイ・・・、こんなワタシがまだ生きている事が許せないんデス。醜いワタシは醜く、無様に死ななくちゃいけないんデス。長門、アナタになら殺されてもいい、この心臓をアナタにだけならあげてもいい、8年前の罪を償わせてほしい・・・、だからお願いシマス、長門_______ワタシを殺して」

 

 

だが

 

「___すまない。金剛」

 

誰もが見とれる美貌を腫らし鼻をひしゃげ、口から血を垂れ流す。しかしその眼光はしっかりと金剛を捉えて離さない

 

「ずっと早くこうすればよかったんだ。そうしていればお前が苦しむことなんてなかったのに」

 

 

 

違う!!そう叫びたかった。一番傷ついた、一番傷つけた、長門こそが誰よりも苦しんだ。

 

 

そう叫びたいが__今、感情を吐き出せば最後の堤防が壊れてしまう

 

 

 

 

「___あの時、私が泣いたのはお前のせいじゃない。お前を殴り倒すことのできなかった、

自分の非力さに絶望しただけだ」

 

「・・・嘘ダ、あの時ワタシを殺してやると言ってイマシタ。本気で泣いてイマシタ、泣かせてしまいマシタ。喜んでクダサイ長門、アナタの願いは今ようやく叶ウ。」

 

「金剛、家族の仇が取れない者の気持ちが分かるか?あの時あの言葉を言った本当の理由はただ己の自尊心を守る為だけの浅はかな理由だったんだ・・・」

 

「__ッ!!だったら今すぐ!!ここでっ!!カタキを取リナサイ!!アナタの家族を辱めたのはこのワタシデス!!今のアナタならそれくらい簡単デショウ!?」

 

何より

 

「泣いてたじゃないデスカ!?どんな理由があろうとワタシのせいで!!あれはアナタ自身の涙デシタ!!ソレ(・・)は何デス!?今度は一体誰の為に泣いているのデスカッ!?」

 

あの日から金剛は長門自身の涙を見ていない、泣いているとしてもそれは誰かの為に流す涙だ

 

 

__夕立の悲劇に涙した。__虐げられた者達のために涙した。では、この涙は一体

 

 

 

「金剛、______お前が泣いてくれないから、代わりに泣いているんだ」

 

「___ぇ?」

 

「ずっと誰よりも頑張ってきたじゃないか。ずっと誰よりも傷ついてきたじゃないか。

ずっと我慢してきたじゃないか。だから、頼むよ金剛、もう____________

私の大切な友達を許してやってくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポタっ

 

「っぅ・・・、ぁ」

 

ポタっ

 

「__・・・っと」

 

ポタっ

 

「ながとっ!」

 

「うん、金剛___今までごめん」

 

 

「____っ!!ぅああああああああ!!」

 

 

 

今まで氷のように溶けることのなかった心がとうとう太陽によって溶け出す。初めは徐々にそして激しく

 

 

「長門っ!長門っ!!っごめんなさい!!ごめんなさいぃ・・・っ!!」

 

「うん、うん」

 

「酷いことしてごめんなさいっ!あんな酷いこと言って本当にっ、ごめんなさいっ!」

 

もう我慢できなかった。嗚咽をあげ、しゃくりをあげ惨めにすがりつき壊れたラジオのように謝罪を繰り返す。優しく金剛を抱きしめ、長門は静かに頷き返す。

 

「キライなんか言ってごめんなさいっ!!っ本当はスゴク大好きデス!!カラダの事を言ってごめんなさい!!アナタのっ、誇りを・・・っ、家族をっ!!傷つけて・・・っ!!

ご、ごべんなざい゛ぃぃ!!ウワァァアアアアン!!」

 

「うん、大丈夫、大丈夫。私もすごく大好き。金剛、私の大切な、大切な友達」

 

 

 

まだ雨は止まない。しかしそれは、全てを拒絶するような冬の猛雨ではなく、全ての傷ついた生命を癒す、祝福するかのような春雨であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

「柱島さん・・・、やはりアナタは凄い人だ。僕は始め金剛さんが来たとき鬼に見えましたよ」

 

「そうかい、俺にはアイツが酷く弱弱しい、哀れな哀れな迷子の童に見えたよ」

 

「提督、どうするの?金剛さん達迎えに行く?」

 

「いいや、ここまで戻ってくるさ。もう迷子になることはない、あいつらも、俺達も」

 

「____そう、そうよね。アンタ、少し肩貸しなさい」

 

 

 

提督の影に隠れ誰にも見えない位置に来る

 

 

「・・・お前も、長門や金剛並に不器用だ」

 

「_____っぅるさいっ、私はあの二人と違って自分の為に泣けるわっ!」

 

微かに嗚咽が聴こえる。だが提督は決して振り向かないし慰めない、静かに叢雲に背中を貸す

 

「なにもできなかったわ」

 

「あぁ」

 

「なんの為の提督と秘書艦よっ!?」

 

「なんの為なんだろうな」

 

「・・・ねぇ、覚えてる?アンタから指輪もらった時のこと?」

 

「あぁ、『長門を守る力』が欲しい。そう言ってたな、陸奥もそうだ」

 

「全然守れてないじゃないっ!何の為にっ、私は・・・っ」

 

「笑わせるな叢雲、前を見ろ。お前の目の前にいる男はテメェの惚れた女を戦場に送り出し、亀のように引きこもるしか能のない臆病者だ」

 

___ねぇ     ___なんだ

 

 

「アンタは_____・・・いつ泣いてるの?」

 

「さぁな、男はそう簡単に泣かんよ。____さて、煙草も吸い終わったしそろそろいくか。もう泣き止んだかな?迷子の迷子の泣き虫ウサギさん?」

 

「~~~っ!!!アンタっ!?「フハハハ!!行くぞ!」・・・ったくもう。____ばか」

 

 

 

 

 

 

 

 

「イテテ、流石は金剛。良く効くなぁ。」

 

「ふえぇ、長門ゴメンなさいデ~スッ!ワタシの事きっキライになりマシタカ?」オロオロ

 

「ならないって、それよりも手大丈夫か?折れてるだろう?」

 

「こっ、こんなの全然ヘーキデーs「金剛」

 

「痛い時は、痛いって言ったほうがいい。生きている証拠だ」

 

 

「・・・HEY長門」

 

「ん?」

 

「アナタは__・・・いったい、いつになったら自分の為に泣くのデスカ・・・?」

 

 

「___膨大な私の過去を、膨大な私の未来が粉砕した時だ。なぁに、どうせすぐに来るさ」

 

ピコっとくわえたキセルを動かし、いつものように笑う

 

「ほら!金剛!もう来てしまったぞ!」

 

「へ?「お姉様っ!!」「「お姉さま!!」」グエップ!?」

 

岸に近づいたことで、比叡、霧島、榛名が金剛に飛びつき。ビスマルクが長門に駆け寄って来る。

 

「お姉様っ・・・!!ごめんなさい!!私達何もしようとも、見ようともせずに・・・っ」

 

「お姉さまっ!!愚かな私達三姉妹をお許しくださいっ!!」

 

「榛名っイヤです!!お姉さまにいなくなってほしくないです」

 

「比叡、霧島、榛名・・・、いいんデスカ?ワタシは・・・、ずっとアナタ達を騙してたんデスヨ?」

 

「関係ありませんっ!!金剛姉さまは姉さまです!!」

 

「比叡姉さまの言う通りです!!私達もいけなかったんですっ!!」

 

「うわぁぁあんっ!!っひぐ、はるなはぁ!はる゛な゛はぁ゛っ!!!」

 

 

 

__比叡、霧島、榛名

 

「__Sorryネ、三人共。後でイッパイ・・・、イッパイ話合いまショウ?」

 

「「「うわぁぁぁん!!姉さまぁぁ!!」」」

 

 

 

__パァァン___

 

「___痛いじゃないか、ビス子。」

 

「えぇ、だからこれで全部チャラよ」

 

はたかれる理由は分かるので、あまんじて受けた

 

「全部アドミラルと叢雲が話してくれたわ。__これでよかったのよね?」

 

そう言いながら肩を貸すビスマルク

 

「ありがとう、正直もう立っているのがやっとだったんだ。」

 

「でしょうね。__・・・こういうことがあったから、あの時金剛はワタシを怒ったのね?」

 

「だろうな、けど全部終わった。お前から化石扱いされたのも良い思い出だ」

 

「あれはもう何度も謝ったでしょ?あの時は若かったのよ」

 

「今でも十分若いぞ?私が男だったら口説いてるところだ」

 

(もう充分口説いてるじゃない!?それに女の子同士でも別にイイじゃn)

 

「さて、ビス子このまま岸まで連れていってくれ。私と金剛は終わったが、まだ私達(・・)と金剛は終わっていない」

 

そう言われ、はっ、と岸を見る。そこには提督と叢雲、・・・黎明期のメンツが待っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督と叢雲の前に金剛が跪く、その様子はまさにこれから裁かれようとする罪人のようだった。____そして

 

 

____パァン___

 

「うわぁ、ビス子。ありゃお前のより痛いぞ」

 

「茶化さないの」

 

 

 

「___・・・金剛さん。私が叩いた理由が分かる?」

 

「それは・・・ワタシが長門を傷つけたから・・・」

 

「__ハァ、まだそんなこと思ってるのね。金剛さん、確かにあの時私はあなたを殺したいと思った。師匠の唯一無二に大切なモノを逆恨みなんかで壊そうとしたら怒らない弟子なんていないわ。何度この色ボケ戦艦をスクラップにしてやろうかと思い悩んだ」

 

_でもね

 

「それは過去の話なの。もう終わった話なの。私が許せないのはね、金剛さん。あなたが自分自身を大切にしなかったからよ」

 

ぎゅっ、と金剛を叢雲がその胸に包み込む

 

「コイツともさっき話したけど、またもう一度ここから始めましょう?ここからやり直しましょう?また何回もケンカして、何回も仲直りするの。ね?とっても素敵じゃない?」

 

「___ッ、叢雲っ!!」

 

「ふふっ!ようやく泣いてくれた!今までの金剛さんも好きだったけど、今の金剛さんのほうがもっと好き!ううん、大好きっ!!」

 

「っ、ぅ・・・、叢雲ぉ。ワタシも大大大好きネッ!」

 

「さて!真打登場ね。アンタ、金剛さん泣かせたらボッコボコにするからね。」

 

「はいはい、いいからお前はどいてろ」

 

 

「_____・・・テートク」

 

「_____金剛」

 

一切、誰も動く事も喋ることもなく見守る。瞬間、金剛を提督が強く、強く抱きしめる

 

「___おかえり金剛。もう、どこにも行くな。俺のそばから離れるな。もう・・・、何も我慢するな」

 

「______ッッ!!ウァァァアアアアア!!デードグウ゛ゥゥゥゥ!!!!」

 

 

 

「私泣かせるなっていったわよね・・・?」ビキビキ

 

「・・・いや、無理だろ?金剛、いっぱい泣け。いっぱい泣いて全部出しちまえ」

 

 

少し離れた場所で三人を見守る。キセルの中の紫煙を肺いっぱいに吸い込む

 

 

(・・・うまい、今までこんな味、味わったことがない)

 

肺から煙を吐き出せば、何かが一緒に出て行った気がする。

 

 

 

潮風をBGMに泣き声がコーラスする。だがうるさく思う者などいない

 

__これは産声なのだ。ここで全ての悪を背負い泣く事を許されなかった少女は生まれ変わり、大勢の仲間にその誕生を祝福された

 

 

「み゛ん゛な゛ぁ!!すっごくすっごく 大好きデースッ!!!」

 

 




いやぁ、マジヘルシング万能
赤子のバイブルです

正直、ガールズラブのタグはビス子一人のせいで付いているといっても過言じゃないです(笑)



次回からはエピローグの後に番外編をと思っています

エピローグの中で更に長門(+α)の強さを描いているのでお楽しみに!!
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