無冠の英雄 隻腕の長門   作:◯のような赤子

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今回は普段より早めに投稿します
色々と調べることが多かったので
苦労しました(汗
もし書かれている内容に間違い等があれば
ご報告ください!

それとかなり短いので明日も投稿したいと思います
(ある程度毎回文字数を統一したいのですが
難しいです(汗)

あと以前言っていた「寝起きの長門」を
描いたのでもしよければどうぞ!



提督の決断

「鳳翔!!ヲ級が3隻艦載機を飛ばした!!空対空戦を求む!!」

 

「了解しました!これより迎撃戦を開始します!!神風、春風は私の援護を!!金剛!そちらは長門に任せ三式弾に変更、以降はそちらの判断に任せます!!」

 

「了解です!聞こえましたね?春風?」

 

「もう、神風姉様は心配しすぎです。ちゃんと聞こえましたわ」

 

「了解ネー!Hey長門!そっちは任せたネー!」

 

「任された、後はこの長門が全て蹴散らそう・・・っ!!」

 

彼女達『艦娘』が建造されて早半年、彼女達は休みなく日本中の海を駆け回った。結果、日本はかつてほど深海棲艦の脅威にさらされず、辛うじて均衡を保っていた

 

 

そう、彼女達は文字通り補給以外は一切休みなく、駆けずり回っていた。勿論提督は彼女達に異議を唱えた。「休め」と、「お前達は疲れ、メシを食い感情のあるただの少女達だ!」と。

 

その言葉を彼女達は聞き入れなかった、母港に戻り報告し、キズを入渠で直しすぐさま抜錨

 

 

焦っていたのだ、__自分達が休めばそれだけ誰かが死ぬ__自分達は壊れるだけの艦だ、だが人は死ぬ__と

 

提督はこれを上に報告し、更なる上位命令をもって止めようとした。しかし上は決して聞き入れなかった、「6隻しかいないからしょうがない」「アレは人でもなんでもない、下手をすればいつこちらに牙をむくヤツ等深海棲艦と同類かもしれぬ」と口々に言った

 

すでに上は次の対抗手段を見つけていたのだ。

 

 

__足りぬなら増やせばいい

__もっと性能の良い、アレ等を元に更に使える『艦娘』とやらを提督達に作らせればいい

 

 

前回妖精に選ばれなかった者達はすでに集めなおし、上はその名を旧日本軍にあやかり『大本営』に変え、階級もかつてのように「三佐・二佐」ではなく「少佐・中佐」に戻した。これには理由がある

彼女達を調べて分かった。彼女達は間違いなく、かつて太平洋戦争で活躍した軍艦の生まれ変わりだ。かつての資料を調べ、彼女達の発言が全て一致した。そして名前を聞いて誰もが驚愕を隠し切れなかった

 

 

「軽空母 鳳翔」__全ての空母の雛型であり始まり。太平洋戦争を生き延びそして歴史に名を残す者、海軍であれば世界中が知る艦

 

「戦艦 金剛」__イギリスのヴィッカーズで建造された。後の日本海軍が建造した超弩級戦艦の雛型たる艦。太平洋戦争時、すでに老朽艦ながらも改装を重ね、ついに米国に恐れられた武勲艦

 

「軽巡 天龍」__建造された当時、世界水準とされた艦。撃ってよし、魚雷を放ってよし、まさに便利な所に手が届く、軽巡の雛型たる艦

 

「駆逐艦 神風・春風」__この中で唯一姉妹艦がいる艦達。彼女達もまた太平洋戦争時、老朽艦とされた「睦月型」よりも更に古く、まさに彼女達も始まりを冠する艦達である

 

そして・・・そして「戦艦 長門」__まさに日本の誰もが・・・世界に知らぬ者無しとまで当時謳われた超超弩級戦艦。世界に七隻しかその名を名乗ることの許されなかった「ビッグセブン」その中でも最も最強と言われた艦

かつて米国が日本に攻めようとし、断念した。理由はただ一つ・・・「日の本に長門在り」そう、長門一隻を恐れたのだ。日本においてもその人気は高く、まさに英雄として扱われ、日本が戦争に負けた後、残された長門をクロスロード作戦に米国は投入

・・・だが、長門は決して沈まず二度の原爆を受けるもその姿は威風堂々。日本の意地を最後まで体現し、誰にもその沈没する姿を見せなかった。

____日の本に英雄在り、其の名は長門である

 

 

この事実を・・・特に長門の名を知った者達の驚きは大きかっただろう

 

 

だから彼らは考えた

__始まりを冠する者達が建造できたのであれば終戦直前のアレ等も作れるハズだと

 

__もっと従順な、どんな命令も聞く兵器を作れるハズだと_____

 

__かつて日本の為に戦い、沈んだんだ。ならばもう一度日本の為に、我等の為に死ね__と

 

 

 

かつて日本が起こした・・・起こしてしまった奇跡の再現をもう一度。彼らはとうとう過去の奇跡にすがり出したのだ

 

人とは貪欲なモノでやっと対抗手段を手にしてみれば更に戦果を求めだした。ゆえに彼女達は新しい艦娘を作り出すまでの中継ぎにすぎなくなってしまっていた

 

 

 

 

 

 

 

ただ一人・・・彼女達を作りだした者以外___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__鳳翔達6隻が母港に帰港してすぐに辺りに怒号が上がる

 

「キサマ等!!何故休まん!?英気を養うことがいかに大切かわからんのか!?」

 

「うっせーな、提督、戦果はちゃんと挙げてんだから別にいいだろ?」

 

「私も天龍に賛成だ、一体どこに問題がある?」

 

「馬鹿モノ!!自分の顔を鏡で見てみろ!!どれだけ酷い顔をしていると思っておる!?」

 

全員会った当初と比べ痩せ酷い隈を目の下に作っていた

 

「__っ!!鳳翔!!金剛!!お前達は何とも思わんのか!?神風達を見ろ!!今にも倒れそうじゃないか!!」

 

「提督、そうは言われても我々は艦、人の身体など知りません」

 

「Ye―s!それにテートクー?神風達をダシに使わないでくれナイカナー?」

 

「金剛さんの言う通りです!提督、神風も春風も自分の意志で日夜戦っているのです!」

 

「姉様の言う通りですわ、それに私達が休めばそれだけ誰かが死ぬ・・・分からないワケ無いですよね?」

 

「ッ!?・・・だっ、だが・・・っ!!」

 

「・・・話すだけ無駄だな。邪魔だ、どけ」

 

長門の一言に全員が入渠場へと進んでいく__その場には提督一人がただ立ちすくんでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____その晩、提督は執務室で電話をしていた。どうしても悩みを打ち明け相談したい相手がいたからだ

 

 

『_____もしもし?』

 

「おぉ、お前か・・・久しく帰れず済まなんだ」

 

『ふふ、アナタでしたか。お元気でやっておりますか?』

 

相手は妻だった。滅多に帰れず久々に声が聴きたくなった、そしてどうしても聞きたい事があった

 

 

 

 

 

 

『_____・・・そうですか、ですが良かったのですか?艦娘でしたっけ?機密事項なのでしょう?』

 

「なに、もう新聞などで充分知れ渡っとる問題は無い。それより・・・」

 

『何故彼女達が命令を聞かず、無茶ばかりするのか・・・でしたね?』

 

「そうじゃ、確かに彼女達は艦なのじゃろう。だがそれは昔の・・・70年以上前の話であり、今の彼女達はどう見てもただの少女にしか見えん・・・神風達駆逐艦なんぞほんとうに小学生くらいにしか見えんのじゃ・・・」

 

『・・・そんな小さな子達が自分を傷つけながら戦う姿は耐えられませんか・・・?』

 

「・・・そうじゃ、・・・本来ソレは儂ら軍人の務めのハズ。なのに女の子に戦わせて・・・なんと情けない」

 

『___もし・・・私達に子供がいたら・・・きっとこんな風に二人で話し合っていたでしょうね』

 

「__ッ!?・・・それは・・・」

 

『・・・すみません、別にアナタの所為じゃありませんよ?それに二人だけでも充分幸せです』

 

「・・・そうか、スマン」

 

『いえいえこちらこそ。__話を戻しましょうか』

 

「あぁ」

 

『__きっと・・・怖いんだと思います』

 

「・・・怖い?」

 

『えぇ、ある意味彼女達は生後半年なのでしょう?しかも生まれる前の・・・戦争の記憶を、艦の時代の記憶を持って生まれた』

 

「・・・そうじゃ」

 

『生まれ変わったら急に人の身体を持って、記憶はあるのにそれまで意識も何も無かった、急に考え意思表示ができるようになった。・・・全部がいきなりすぎて追いつけるワケがありません』

 

「・・・」

 

『それにお互いがまだ分かりあってない時から頭ごなしに命令をしてきたんでしょう?信用も信頼も無い相手のいう事なんか誰が聞きますか?』

 

「_っ!?」

 

『まずはお互いに理解し合う事が大切だと思います。アナタが言った通り女の子なんですよ?男と比べ色々悩みやすいんですから』

 

「う・・・む、・・・そうじゃな、まずはちゃんと話すことから始めねば」

 

 

__妻に相談してよかった__お礼を言おうと口を開いたが、妻の次の一言に息が止まる

 

 

『第一、アナタがいたから彼女達は生まれてきたのでしょう?だったら___娘ようなもの(・・・・・・)じゃありませんか』

 

 

 

『娘のよう』___あぁ・・・確かにそうだ・・・____自分こそ・・・彼女達を『艦娘』という兵器としか見ていなかったのかもしれない。・・・ただ自分に迷惑をかけてほしくなかったのかもしれない

 

 

(儂は・・・何と愚かなのじゃ)

 

 

 

目が覚めた。__これからは彼女達を知ろう、艦でもなく、艦娘でもなく、彼女達自身を知ろう。だって・・・娘なのだから____

 

 

 

「・・・ありがとう。やはりお前に相談して良かった・・・」

 

『ふふっ、悩みは消えましたか?』

 

「あぁ、あの時離婚せずに済んでよかったと心から思ったわい」

 

『絶対に離してくれなかったクセに、よく言いますわ♪』

 

「スマンが・・・もう切る。今度こそ必ず帰る」グッ

 

『・・・えぇ、いつまでもお慕いしております』

 

「・・・愛しておる、ではな」

 

『えぇ、私こそ・・・ではまた』

 

 

 

電話を切り決意を固める

 

(・・・さぁ、娘達と話し合いをせねばのう・・・っ!!)

 

 

 

 

 

 

反抗期の娘をもった父親の気分だ____そう考えるとなぜか、ヤル気が沸々とこの老体に沸いてきた____

 

 




いかがだったでしょうか?
この頃から大本営はダメですね
ですが実際知らない分からないという恐怖はそうとうのモノだと
思います

そして母は強し
この物語の全てはこの人の一言から始まっています(なんかスゲェ)
実際赤子はこの世でもっとも強い存在は男や女、哺乳類とか虫だとか
どこかの地上最強のオーガでもなく
母親だと思っています(本心で)

お互い60超えてますが超ラブラブです(笑)



【挿絵表示】

マンガ風にしました!
初めはトーン仕様でやったのですが
なんか汚く見えたので普通の灰色で描いてます
(長門の右肩が見えるのはこれが初めてですね)

次回__儂がパパになるんじゃよ!!
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