それと注意事項として「かなり残酷な描写」があります
夕立提督はとくに注意です(作者が嫌いなワケではありません。我が艦隊でも嫁の叢雲に
続いて91レベです。同様に金剛がかなり精神的にキテいる描写がありますが
うちでは89レベでした)
以上の注意事項を読んで
「我をドン引きさせたくば、その3倍は持って来い!!」
と言うAUOの皆さまはどうぞお読みいただければ幸いです
ザ___ザ『こちら第三艦隊加賀。前方に敵影無し、ついていけるのはここまでね。
御武運を、叢雲』
ここは海の上、柱島鎮守府第一艦隊はただいま舞鶴へ航行中
「ありがとう加賀さん。そっちに連れ帰ったら顔合わせがてら軽い模擬戦をして、明日の夕方が本番らしいわ。で、その後はいつも通り宴会よ」
『そうですか。楽しみですね』
「ちなみに宴会料理は鳳翔さんと長門さんが作るらしいわよ?」
『やりまs『本当ですか!?叢雲さん!?』赤城さん。無線に割り込まないで、うるさいわ』
バチーン!と何かをひっ叩く音が無線に響く
『ブヘァ!!たっ叩いた!叩きましたね加賀さん!?鳳翔さんにもぶたれたことがないのに!!』
『殺りました』
なんか字がちがう!?という声と共に無線が切れる
「ふふっ相変わらずあの二人は賑やかだね」
「私には賑やか過ぎるわ時雨」
「なぁなぁビス子ぉ!聞いたか!?いいねぇ、今夜は浴びるほど飲むぞぉ!ヒャッハー!!」
「アナタ昨日も浴びるほど飲んでたじゃない。てかビス子言うな!」
「クマー、みんな元気クマね、木曾、お姉ちゃんは疲れたクマからおんぶするクマ」
「姉ちゃん舞鶴まであと何キロあると思ってんだ」
「ハイハイ!みんな!お喋りが楽しいのはわかるけど、遅れたら宴会はおろか二人のご飯も食べられないんだからね!」
「「「「「ハーイ(クマ)」」」」」と威勢のいい声が海原に響く。癖の強い柱島鎮守府のメンツをまとめるのは大変だが、案外簡単だ。いつの時代も胃袋をつかまれた者が負けなのである。
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「ぽいぃぃ、ぽいぃぃ・・・」
「あらあら、やっぱり長門がいないと不安なのかしらねぇ?」
この鎮守府の夕立はかなり特殊な個体だ。普通艦娘は建造された際、すでに心身共に完成した状態で出てくる。だがこの夕立は
最後は死にかけ、いっさい反応がないのを確認し、海へと捨てられた。事実長門が海で助けた時の夕立はアザの無い場所を探すほうが難しく、肋骨は折れ左肺に刺さり、内臓は破裂。この状態で生きて柱島まで流れ着いたのが奇跡といえる状態だった
「むっちゃん。ママはどこいったの?・・・ぽい」
「ママはお仕事なの。大丈夫、私もついているし、ここにはアナタを虐める人は一人もいないわ」
目覚めても一言も喋らず、食事も水も取らない。その眼はひたすらに濁っていて、その様子はまるで屍と変わらなかった。そんな状態の夕立を半年以上甲斐甲斐しく世話をしていたのは誰であろう長門だ。生きる活力を取り戻した幼い少女の目にはもはや母親としか映らなかった。そして長門自身も娘として迎え入れた。
今でも思い出す・・・夜の海を散歩していた長門が血相を変え、左手にズタボロのなにかを抱えていたことを・・・(一見艦娘には見えなかった)治療を終え、まず目に飛び込んできたのは青染みだらけの肌だ。所々黒ずんでいて死人のように真っ白だった。事実治療していた際、心肺停止状態だったらしい。手足は骨と皮のみで目の周りは窪み、あばらは浮き出て、女の命である髪の毛は枝のように塊りひろがっていた。あまりの凄惨さにみな顔色を悪くし、何人かは吐いていた。(ちなみに長門は「始まりの6隻」【鳳翔】【金剛】をつれ、そのブラ鎮を文字通り島ごと消し去っている。生存者は人間、艦娘含め、一人もいない)
「さ、行きましょ?教室で足柄と陽炎型のみんなが夕立を待ってるわ」
それにね、と夕立を抱きかかえ、額を合わせ目をのぞき込む
「長門がね、がんばったらいーっぱい!ご褒美をあげなきゃねって言ってたわよ?」
ママが!? ぽいぃぃ・・・ 不安に揺れていた瞳に確かな決意が覗く。これでいい__陸奥は思う、子供は甘やかせていっぱい泥だらけになるまで遊ぶことが仕事だ。怖いことがあれば泣いていい。不安に駆られ泣きついていい。でも自分の殻には閉じこもらないで欲しい。確かにかつての夕立にとっての世界は酷く冷たいものだったのだろう。だがそれだけではない。家族は素敵だ、でも友達もとても素晴らしいものなのだ。
(だから口下手なお母さんに変わって私達でそれを伝えなきゃね)
それに夕立ちゃんかわいいし。と少しほくそ笑む。どこかの夜戦狂い三姉妹の末妹が艦隊のアイドル(笑)を自称しているが鎮守府の皆が口を揃えて、それは夕立だと言うだろう(と言うよりアレはもはやアイドルですらないが)
叔母馬鹿とも言われるだろうが断言してやる。全ての白露型4番艦 夕立よりも、長門家長女 夕立のほうが遥かにかわいいのだ
「う~、わかつた・・・ぽい。むっちゃん、夕立がんばる・・・ぽい」
「あらあら、よく言えました。さ、頑張って!」
教室の前でおろし、そっと背中を押してあげる。ここから先は大人の出る幕では無い。見守るのも、保護者の立派な義務だ
「ママのむすめの夕立です。あのっ、きょうはよろしくおねがいします!それと・・・その
・・・そのっ、とっともだちになってくれるとうれしいです!! ぽい!!」
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ウゥゥンと低いプロペラ音をならし、正規空母加賀の飛行甲板に彩雲が戻ってくる。
「お疲れさま」
妖精さんに一声かけ、自らの直属の上司に報告をする
「龍驤さん、ただいま戻りました。敵影は無く、異常ナシ。とのことです」
「お~加賀か、こっちも今金剛達と合流したが異常ナシとのことや。ただ一つ問題があると
すれば・・・」
チラリ、と龍驤の足元を見る。簀巻きにされ、頭に見事なタンコブ(小破判定)をこさえた赤城が寝転がっていた
「この妖怪「食っちゃ寝」が「ちょっ!?また妖怪名が増えたんですけど!?」無線に割り込んだくらいやなぁ」
やれやれやで。と目頭を押さえる。確かに今は神経を尖らせる時期でもないし、3年前のあの日から深海棲艦は鎮守府周辺では見なくなった。だが今は任務中なのだ。
「赤城さん、少しは反省しましたか?」
転がる友人の前でしゃがむ。赤城はよく冗談を口にするが、それは間違いなく敵がいない時だ。近くにいるとすぐさま表情を変え、副旗艦としての顔になる。
(あの時赤城さんも近くまで飛ばしていた。つまり敵はいなかったということね)
雰囲気を読んで、部下をリラックスできる状態にする。旗艦を支える者として得難い才能を有しているのがこの赤城だ
「龍驤さん、そろそろ解いてもいいのでh「っ!!加賀さん!!」ッ!なんですか!?」
「ご馳走様です!!パンツ!パンツでs「フンっ!!」フゴォ!?」
___・・・前言撤回だ。このまま海に流してやろうか・・・
「龍驤さーん!周囲20里敵影見えませんでしたー」
「あれ、蒼龍も帰ってきたの?こっちも異常ナーシ」
「おつかれさん、二龍も帰ってきたしこれで終いやな」
「あ、赤城さん。パンツ何色でした?」
「ちょっ飛龍ふざk「薄紫のレース!!」赤城ィィィ!!」 ドガッ!「ホヴィッツ!!」
「いやん、加賀さんすごく大胆」
「そんなこと言ってる場合じゃないって飛龍!!」
「ごッ! ガッ!!いっいいんれふかふぁふぁさん!?ほんふぁにへられははふひへへふよ!?」(いっいいんですか加賀さん!?そんなに蹴られちゃ丸見えですよ!?)
「ええ、私達はトモダチですから別に恥ずかしくありません。
ボールを相手のゴールにシュウウ!!!超☆エキサイティング!!
「おーおーよう飛んどる。加賀―、程ほどにしときやー、飯間に合わんでー」
急いで帰りましょう。とキリッとした表情で振り返り、舵を帰路へと向ける
「うーん。今日も平和やなぁ・・・」
鎮守府へ3つの軌跡が向かう。・・・・・・最後尾に海の藻屑となった赤城を浮かべて・・・
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「お姉さま、龍驤さん達は帰ったようですし、私達も帰りませんか?」
「NOですネー!霧島!一番最後に帰って、テートクによくやったと褒めてもらうデース!」
「流石お姉さま!榛名感激です!」
「この霧島、艦隊の頭脳である私でさえ思いもしませんでした。流石お姉さま!」
「では、もうひと踏ん張りです!比叡!全力で頑張ります!!」
「Okデース!流石自慢の妹達ネー!でも無茶だけはNOなんだからネ!」
はい!お姉さま!と声が帰ってくる。自慢の妹たちだと金剛は先頭を走り、その表情を
悟られぬよう気を付けながら、先程までの笑顔を消し、無表情になる。
ズキリと胸が痛む。三人を騙していることに・・・流石と呼ばれる姉などいない。自慢に思っている姉が実は虚像であると誰が言えようか。
・・・本来なら言うべきだろう。騙してゴメンと、あなたたちが慕ってくれている姉が実はただのbitchなのだと叫びたい。
でも、それはできない。それだけは決して出来ない。言えば間違いなく三人とも私を抱きしめ許し、そして私は救われる。だが、それだけは自分自身が絶体に許さい・・・っ!!
この鎮守府で長門を除く、最古参の戦艦は自分だ。かつて私は提督に振り向いてもらうためだけに、人として最低なことをした。軍人としてやってはいけないことをした。
・・・普段あんなに優しい長門を本気で怒らせ、そして泣かせた・・・
その時、知ってしまった。自分がいかに醜く、
「始まりの6隻」には自分ではない【金剛】もいる。長門や鳳翔と同じく胸に鉄くずの入ったビンをペンダントにして大切にぶら下げている。
艦種も型も違う、だが、彼女達は間違いなく血のつながった家族だ。ペンダントはまさにその証なのだ。
_____それを・・・自分はっ!!
「 さま お えさま! お姉さま!」
「っ!?どっどうかしたネー比叡?」
「先ほどから呼んでいるのにボウっとしてたので。あ!提督のことでも考えてたんですか~?」にやにや
「ばっバレちゃったネー!ワタシもまだまだネー」
あの時のことは当時いた者達しか知らず。他の者が知っているとしても「金剛が長門を本気で怒らせた」くらいだ。だがあれは怒ったのではなく、私がキレさせたのだ。
長門は怒る時は怒る。死ぬまで戦わせろといった天龍をビンタしたことがあるし、弾薬庫で遊んでいた卯月達、駆逐艦を叱りつけたこともある。全部誰かの為を思ってのことだ
(ほんと、ストロベリーサンデーみたいに甘い人デース)
本気で恨まれた、本気で殺しに来ていた。本気で長門は殺しにかかり・・・そして彼女自身の涙に溺れたのだ。
当時を思い出す度、自分が嫌いになる。建造されたばかりの世間知らずの生娘とはいえ、やっていいこと、悪いことくらいある。自分は完全に後者だ。
『長門さんが許したのに僕達が許さないわけがない』あのとき提督はそう言った。だから誓った。私心を殺し提督に、鎮守府に捧げると。・・・なのに
『生きていれば誰でも後悔の一つや二つするもんだよ。もう終わったんだ。これから先、誰にも言うつもりは無い。』
それに、とキセルを唇から離し、『お前の気持ちも分からん事はない、あいつはいい男だからな。だから、もう自分のことを許してやれ』
なんだったら付き合っちゃえば?とニコニコしながら抱きしめてくれたのを覚えている
「比叡、霧島、榛名!もう一回見て回ったら帰るデース!鳳翔と長門がおいしいご飯を作って待ってるネー!」
はい!お姉さま という声とともに、今度は最後尾へと行く金剛。ふと、振り向き、海を眺める。
(そう、みんなを守って鎮守府に送り、おいしいご飯を食べさせてあげるのがワタシの使命
それさえできれば・・・ワタシは・・・)
鎮守府の仲間は家族だ。だがそこに自分は入っていない。提督のことは好きだ、愛していると言ってもいい。でもそれは決して報われてはいけない。誰よりも自分に厳しい彼女にはこれから先、起きることを予想しろと言うほうが無理であった
そう・・・長門が再び自分のせいで涙を流すことになることを・・・まだ彼女は知らない。
何やら金剛に不穏な影が・・・
いかがだったでしょうか?金剛病みスギィ!!という声が多々ありそうで怖いです
夕立の喋り方も幼い子供を演出する為に全部平仮名にしました
(読みにくかったらすみません 汗)
自分の名前だけ漢字なのは長門ママがしっかり教えたからでしょう
この世界では普通の女の子が艦娘になるのではなく艦娘が建造されます
ちなみにドロップ艦は存在しません。ゲーム仕様のドロップ限定艦は大本営から送られてきます。
夕立を虐めていた鎮守府は人間・艦娘含め全て更地となっています
過去のトラウマで夕立は戦うことはできません。そして戦いを見たり聞いたりするだけで
過呼吸が止まらなくなるくらいには心にキズを負ってます。
そのため長門含め、夕立の事を知っている者達は絶対に話しません