ダンガンロンパX:行け!希望ヶ峰高絶望部   作:二階から牡丹餅

2 / 5
プロローグも第二話、次のお話からついにコロシアイ宿泊生活が動き出します。
プロローグの2では、コロシアイ宿泊生活のスタートを知らせる支配人のありがたいお話と、学級裁判の一部を公開させていただきます。
今後の学級裁判はこの形で進みますので、その点はご了承ください。

※ 学級裁判中に登場する人物は、現状、本編には関係ありません。
  忘れてしまっても、全く問題ありません。


PROLOGUE おいでませ、絶望ホテルへ 2

 突然レストランに現れた薄気味悪いクマのぬいぐるみの放った、性質の悪い冗談に誰もが口を開かなかった。『超高校級』と言う肩書を持つ希望ヶ峰学園の生徒と言えど、衝撃的な言葉には声を失わざるを得なかったのだ。

 

「うぷぷぷ……? いや、いやいや、そこはえーっ! とか、声をあげて驚いてくれる場面なんじゃないの? 勿論、驚かれたってコロシアイはやってもらうんだけどね」

 

 口元に手を当てて、こちらを小馬鹿にしているような態度を示すクマのぬいぐるみの言葉が、ただただ広間にこだまする。その静寂は、唖然として誰かが食器を落とすまで続いた。

 何分間にも及ぶかのような長い静寂の後、最初に口火を切ったのは綿折だった。この中で唯一、殺しにもなれているからか、犯罪者のプライド故かは分からないが、ぬいぐるみに食って掛かることが出来たのは彼女だけだったのだ。

 

「……あのさぁ、私みたいに『超高校級の犯罪者』ならともかく、常人に殺人なんて無理だって。希望ヶ峰ホテル支配人のモノクマさん?」

「うぷぷぷ、名前を知ってくれているのは嬉しいなぁ。でも、何も知らない一般人が殺人を起こすからこそ面白いんだよ。……だから、前言は撤回しないのです」

 

 希望ヶ峰ホテル支配人、モノクマ。得体のしれないぬいぐるみであるが、警察としての勘が、超危険人物だと告げていた。勿論、その考えが恐ろしいからと言うのも一つの理由ではあるが、それ以上にこの場があれに支配されているように感じるからと言うのが大きかった。

 超高校級の才能を持った希望ヶ峰学園の生徒を進んで敵に回そうとする人間は少ない。それがこれだけの人数も集まっているのだから、いくら巨大な犯罪組織であれ、そんなバカげた行為に及ぶとは思いづらい。それにもかかわらず、このモノクマは物怖じもせずに殺し合いをさせるなどと言い出すのだから肝が据わっている。

 殺し合いが起きるというのが決定事項であるかのように、自信満々に佇んでいるのが恐ろしいのだ。

 

「……私達が、殺人事件を起こすとでもいうのですか? 私達は誘拐事件の被害者と言う共通項があるので、仲間意識を持つだけだと思いますが」

「……そうだよ! パトリは、殺人事件だなんて難しいこと起きないと思うよ!」

「……言っておくが、そのような戯言は無意味だと思うがね。それとも、何か殺人事件が起きる理由でもあるのかね?」

 

 綿折の言葉に感化されたのか、至る所からモノクマの言葉に対する反論が上がり始めた。何を自信満々に言っているのかはわからないが、普通に考えればモノクマの言うような殺人事件など起きるはずもない。だが、誘拐されているという現状は、普通の状態ではない。異常な条件下では何が起こっても不思議ではない、と言うのもまた一つの事実なのだ。

 

「うぷぷぷ……オマエラは鈍いなぁ。他の会場では、既に殺人事件も起きているのにね」

「……他の会場? どういうことだ……?」

「こういうことだよ。特別に、他の会場の様子を見せてあげちゃおうかな。殺人事件を起こすどころか、最も長く眠っていたオマエラにだけは、特別にね」

 

 モノクマが、どこにも存在しないはずの指を鳴らすと、どこからかスクリーンが下りて来た。そこに映し出されたのは、モノクマの言う他の会場での出来事なのだそうだ。

 その凄惨な映像には、死体に慣れていない他の生徒はともかく、死体に慣れている僕や綿折でさえも絶句するしかなかった。他の会場のこととはいえ、希望ヶ峰学園の生徒を使って、絶望的な殺人ゲームをさせるなど信じたくはなかった。

 だが、その映像を見てしまえば、殺し合いが起きることがまるで確定された未来であるかのように思い込んでも仕方のないものなのかもしれない。

 

「……超高校級の、スタイリスト、か?」

「でも……彼の前にいるのは、超高校級のスキーヤー、だよね?」

 

 僕たちの目の前に降ろされたスクリーンには、『超高校級のスタイリスト』と『超高校級のスキーヤー』の二人だった。どこかの倉庫のようなところで向き合っていた二人だったが、突然『超高校級のスタイリスト』がスキーヤーをはさみで切りつけた。

 

「ひぃっ!?」

「う、嘘……でしょ?」

 

 部屋の女性陣から大きい悲鳴が上がる。

当然と言えば、当然だろう。スタイリストの持っていたはさみが、スキーヤーの胸を一刺しすれば、そのまま大量に出血していく映像なのだから。リアルタイムで起きている殺人事件の映像は、日常に生きて来た人々にとって凄惨なものだ。これがサスペンスドラマの一幕であれば、これほどに精神的ダメージを受けるものでもないけれど、これは自分たちの知り合いかもしれない生徒が、同じ生徒を殺害している映像なのだから受けるダメージは比較にもならない。

モノクマが言っている通り、殺人事件が実際に起こっていることを証明しているのだから。

 

「うぷぷぷ、こんなことでびっくりしちゃいけないよ。だって、殺人事件が起こってからが一番面白いところなんだから!」

「ま、まだ続くのですか? ……私は少しばかり耐性がありますが、他の人にはちょっと……」

 

 朝掛が、おずおずと手を挙げて発言してきた。確かに朝掛の言っている通り、一般人には殺人事件だけでも十分な精神的なダメージとなると言うのに、これ以上凄惨な映像を見せると言うのだから本当に性質が悪い……。

 

「大丈夫だよ? だって、事件が起きたら裁判をしてもらうだけだから。ほら、別に凄惨な映像じゃないでしょ? ボクってば優しいなー」

 

 何を言っているの、とこちらを馬鹿にしたかのような仕草で首を傾げてくるモノクマ。

 殺人事件の映像が切り替われば、今度は裁判所に集められた十数人の男女が映し出された。

 モノクマが編集したのか、映像の中心に『学級裁判、開廷』の文字が現れたかと思えば、チュートリアルでも示すかのような声色でモノクマが裁判の説明を開始したのである。

 

 

 

 それでは、学級裁判の説明を始めさせていただきます。

 学級裁判では、オマエラにクロをあぶりだしてもらうために議論をしてもらいます。

お互いが持っている情報の中で相手の嘘や間違いを指摘し、議論を正しい方向へと導いて下さい。

 言っておくけど、これ以降学級裁判の説明はしないから、ミミの穴かっぽじってよく聞きやがってください。

 ノンストップ議論の際には、以下のように表示をさせていただきます。

 一周目は、どこにどの言弾を打ち込んだのかは表示いたしませんが、二周目には言弾を打ち込んだウィークポイントの横に矢印で表記させていただきます。

 一つ、例をあげてみましょう。

 

【議論開始】

 

→伊勢里の証言:普段食べている二八割の蕎麦の卵は半熟だったが、今回は固ゆでだった。

→着信履歴:蕎麦の茹であがる時間に、二八割の携帯に非通知で着信が入っていた。

→ペティナイフ:被害者の法理茉莉が護身用に持っていたナイフ。

 

夢星: その時間にアリバイがなかったのは、食堂にいた二八割さん……。

    それに、介護施設にいた笹江さんと巡回に出ていた六海さん。

    ……加えて、遺体の第一発見者の羽月さん、ですね。

ハイド:ふふん、ボクはもうわかっちゃったよ!

    ずばり、【第一発見者こそが犯人】だったんだよ!

六海: 確かに、殺された法理の部屋に向かう羽月は……

    これ以上ないほどに、【おどおどしていたからな!】

笹江: ちょっと待って! 確かに羽月さんは怪しいかもしれないけど、

   【他の人のアリバイ】についても考えるべきでしょ?

二八割:そんなら、直接的なアリバイではないかもしれんけどよ、

    俺っちのアリバイは成立するんじゃねーか?

小々鳥:うむ、その点なら我が証明しようではないか。

    蕎麦の茹で方と言い、【いつも通りの仕上がり】であったぞ。

    二八割には犯行を起こす時間がなかったと言えるだろうな。

 

 

羽月:あれ、本当にあの人が言っていることは正しいのかな?

   私が持っている情報と矛盾するんだけど……。

 

 

夢星: その時間にアリバイがなかったのは、食堂にいた二八割さん……。

    それに、介護施設にいた笹江さんと巡回に出ていた六海さん。

    ……加えて、遺体の第一発見者の羽月さん、ですね。

ハイド:ふふん、ボクはもうわかっちゃったよ!

    ずばり、【第一発見者こそが犯人】だったんだよ!

六海: 確かに、殺された法理の部屋に向かう羽月は……

    これ以上ないほどに、【おどおどしていたからな!】

笹江: ちょっと待って! 確かに羽月さんは怪しいかもしれないけど、

   【他の人のアリバイ】についても考えるべきでしょ?

二八割:そんなら、直接的なアリバイではないかもしれんけどよ、

    俺っちのアリバイは成立するんじゃねーか?

小々鳥:うむ、その点なら我が証明しようではないか。

    蕎麦の茹で方と言い、【いつも通りの仕上がり】であったぞ。→伊勢里の証言

    二八割には犯行を起こす時間がなかったと言えるだろうな。

 

 

<それは違います!>

 

 

羽月: 伊勢里さんが食べたお昼ご飯を思い出してください。

    小々鳥さんの証言と矛盾するところがあるはずですよ?

伊勢里:……確かに、いつもの二八割さんの仕上がりと違うところがありましたね。

    普段は半熟卵が載っているはずなのに、今回は固ゆででしたから。

羽月: 確か、二八割さんは蕎麦を茹でるお湯で同時に卵も茹でるんでしたよね?

    そうなると、蕎麦の味は変わらずとも茹で時間が違うんじゃないですか?

 

 このような形で議論が進んでいくのです。実際に裁判をしている彼らだけじゃなくて、オマエラも考えて読み進めてくれると嬉しいよね、うぷぷぷ。

 ちなみに、裁判パートでは基本的に台本形式と呼ばれる人の名前と台詞で進行していくよ。実際に話し合っているつもりで読んでくれると嬉しいね。

 そうでもしないと、議論ってうまく書けないんだよ。苦肉の策だから許してほしいな。許してくれないなんて、うぷぷぷ、絶望的だよねぇ!

 さて……当然、与えられている言弾が増えても、同じように反論をしてくれればいいのです。議論が進むにつれ、考えなければいけない事柄が増えるのはまた事実ですから。

 これも、例をあげてみましょう。

 

【議論開始】

 

→氷で出来たケーキ:冷凍倉庫に置かれていた氷で出来たケーキ。デコレーションはこれからだった。

→洗われたハンマー:水で洗われた跡が残り、濡れていたハンマー。

→解凍された生肉:被害者を覆うかのように置かれていた生肉。解凍されて生に戻っているが、倉庫の中に吊るされていたもの。

→フリーザーの故障:一日中、冷凍庫のフリーザーが故障して氷を作ることが出来なかった。今もまだ直っていない。

→冷凍倉庫の発注リスト:冷凍倉庫に発注された食材のリスト。生肉30、鮮魚30、茄子、トマト、レタス、バナナ、リンゴ、スイカ、メロンが置いてあった。

→散梨の証言:冷凍倉庫の中に割れている氷を見つけた。氷は少しばかり赤色の不純物を含んでいる。

→掃除当番表:冷凍倉庫に隣接している焼却場の鍵を持っている当番を決めた表。当日は、亥薔薇ビロードが当番だった。

 

二八割:犯行が行われたのは、焼却場か隣接している冷凍倉庫なんだよな?

    死因が撲殺ってことは分かっているけど、亥薔薇は【出血していた】はずだ。

小々鳥:その点は我も確認済みだ。ともすれば、犯行現場は【その二か所に】絞られる!

リスト:でもでもー、どっちかまでは絞り切れていないんだよね?

    お姉ちゃんはどう思う? どっちが犯行現場なのかな?

ハイド:【どっちにも血痕がない】以上、亥薔薇は焼却場で殺されたとボクは思うけど。

北極: なるほどね。焼却場が犯行現場だとすると、【犯行は偶然の産物】だったのかな?

 

 

羽月:確かに一見すると議論はどこも間違っていないように見えるんだけど……

   よく考えると一人だけ、証拠と矛盾していることを言っているね。

   犯行現場は焼却場……本当にそうなのかな?

 

 

二八割:犯行が行われたのは、焼却場か隣接している冷凍倉庫なんだよな?

    死因が撲殺ってことは分かっているけど、亥薔薇は【出血していた】はずだ。

小々鳥:その点は我も確認済みだ。ともすれば、犯行現場は【その二か所に】絞られる!

リスト:でもでもー、どっちかまでは絞り切れていないんだよね?

    お姉ちゃんはどう思う? どっちが犯行現場なのかな?

ハイド:【どっちにも血痕がない】以上、亥薔薇は焼却場で殺されたとボクは思うけど。

      →散梨の証言

北極: なるほどね。焼却場が犯行現場だとすると、【犯行は偶然の産物】だったのかな?

 

 

<それは違います!>

 

 

羽月: ……いえ、血痕なら確か、少しだけ残っていたはずですよ。

    そうでしたよね、散梨さん?

散梨: うーん、確証があるわけではないんだけどさ。

    冷凍倉庫の床をよく見ていたら、ちょっと赤いものが混じっているような

    氷が張っているのを見たんだよ。

リスト:なるほどねー。亥薔薇さんは、頭から結構出血していたわけだし、

    拭こうとして水を掛けたものの、凍って証拠が残っちゃったんだろうね。

 

 

 どうだった? 裁判所の皆は、きちんと謎を解きながら議論を進めてくれているみたいだね。それじゃあ、オマエラには更に別の例を見てもらうことにしましょう。

 ほら、裁判って言うのはいつも、意見と意見のぶつかり合いなんだよね。

当然、『異議あり!』なんて誰かから反論をぶつけられることもあるかもしれないけど、その時にはお得意の戦法で相手を黙らせてあげちゃえばいいのですとも!

 

 

門部蘭:そんな指摘は甘々だよ!

 

 

 このような形で反論を向けてくることがあるのです。

 これを、反論ショーダウンと呼んでいます。

 これについても、例をあげさせていただきましょう。

 

 

【反論開始】

 

 

→氷でできたケーキ:冷凍倉庫に置かれていた氷で出来たケーキ。デコレーションはこれからだった。

→フリーザーの故障:一日中、冷凍庫のフリーザーが故障して氷を作ることが出来なかった。今もまだ直っていない。

→焼却場の水溜り:焼却場には非常に大きい水たまりがあった。生肉の水分ではないらしい。

→冷凍倉庫の発注リスト:冷凍倉庫に発注された食材のリスト。生肉30、鮮魚30、茄子、トマト、レタス、バナナ、リンゴ、スイカ、メロンが置いてある。

→洗われたハンマー:水で洗われた跡が残り、濡れていたハンマー。

→解凍された生肉:被害者を覆うかのように置かれていた生肉。解凍されて生に戻っているが、倉庫の中のもの。

→冷凍倉庫の室温:冷凍倉庫の中は-18℃にセットされていた。

 

 

門部蘭:そもそもさ、私が作ったケーキは冷凍倉庫に置いてあったんだよ?

    それが無くなっているってことは、誰かがそれを盗もうとしたってことだよね。

    冷凍倉庫にケーキが置いてあるのを知っている人が怪しいんだよ!

羽月: それも確かに考えはしたんですけれど……、

    そうなると一つ矛盾が生じてしまうんです。

門部蘭:矛盾なんて生じないでしょ? 洗われたハンマーがミスリードだった以上、

    【別の凶器】を使った可能性が高いよね?

    それだったら、【固く凍ったケーキ】が凶器だったんだよ!

 

 

羽月:(……確かに、一見すると門部蘭さんの指摘は正しい)

   (でも、焼却炉にあったあの事実こそが、間違いを指摘しているんだ)

 

 

門部蘭:そもそもさ、私が作ったケーキは冷凍倉庫に置いてあったんだよ?

    それが無くなっているってことは、誰かがそれを盗もうとしたってことだよね。

    冷凍倉庫にケーキが置いてあるのを知っている人が怪しいんだよ!

羽月: それも確かに考えはしたんですけれど……、

    そうなると一つ矛盾が生じてしまうんです。

門部蘭:矛盾なんて生じないでしょ? 現れたハンマーがミスリードだった以上、

    【別の凶器】を使った可能性が高いよね?

    それだったら、【固く凍ったケーキ】が凶器だったんだよ!→焼却場の水溜り

 

 

<一刀両断、させてもらいます!>

 

 

羽月: 残念ですけど、氷のケーキが凶器として使われていない証拠はあるんですよ?

門部蘭:なんでかな? だって、凍ったケーキであれば凶器として十分だと思うけど。

    もしかして、ケーキが凶器として利用されていない証拠でもあるのかな?

羽月: 焼却場にあった水たまりですよ。だって、消えた氷のケーキは、

    溶けてなくなったとしか考えられないもの。

    そして、その水たまりには血は混じっていなかったんです。

 

 

 うぷぷぷ、議論の要は分かってくれましたか?

 さらに、このほかの要素として、ロジカルダイブと閃きアナグラムが存在します。

 この二つの要素に関しては、アクションの様式がどうにもできないので、このような形で表記させてもらうことにしました。……うぷぷぷ、仕方ないよねぇ。

 ということで、今度はその二つの例をあげておきます。

 

浜崎:…それでは、彼を殺した凶器はどこにあったものなんだっぺか?

版田:彼を殺した凶器……どこかにそれがあるはずなんだ。

   犯人はどこから凶器を調達したのか……その答えはここのはずだ!

 

か く ぞ い ん す

 

 

 

→ す い ぞ く か ん

 

<そうか、描けたぞ!>

 

版田: そうだ、犯人は凶器を水族館で調達したはずだ。

    あそこには、突き刺すための道具はいくらでもあるはずなんだ!

    しかも、水族館の水槽に凶器を捨ててしまえば、拾い上げることもできない!

雲丹谷:あー、でもですよー? 水槽の中には、ゴミひとつ入ってないですの。

    そうなると、犯人がなにをどう使って、どこに捨てたのか、わからないですの。

版田: 確かに、雲丹谷の言う通り、凶器が何でどこに捨てたのかが分からない。

    もう一度考え直してみたほうがいいな……。

 

ロジカルダイブ

 

Q1.犯人は水族館にある何を凶器に使った? ナイフ or 展示されている魚

 

 

 

→ 展示されている魚

 

 

 

Q2.犯人はその凶器をどうした?      展示に戻した or 処分した

 

 

 

→ 処分した

 

<これで完成だ!>

 

 

版田:いや、やっぱり犯人は水族館の凶器を使ったんだ。

   魚って言う、極上の凶器を、な。

   そして、そんな発想ができるのはお前だけだ、浜崎!

浜崎:なるほど、版田っちは、おらが犯人だと疑っているわけだな?

   だけどなぁ、おらは刃物恐怖症なんだべ!

   魚は確かに凍らせれば凶器にはなるけんども、

   刃物のようにして扱うのは、無理があるってもんだべ!

 

 

 いい感じに追い詰められているみたいですね。

 こうなったご学友の方は、無理やりにでも黙らせてあげなければいけないのです!

 というわけで、相手を黙らせるためのパニック・トーク・アクションの例をお見せすることにするよ。略してPTA、だね。

 あれだね、最近の動向的に、相手を無理やり黙らせるって言う意味では間違った略称でも……っと、これ以上はまずいね。うぷぷぷ。

 

浜崎:おらが犯行を起こしたって証拠はどこにあるんだっぺ!

版田:明確な証拠をお前は残しているんだよ! それも隠滅の瞬間のな!

浜崎:おらが凶器を隠したって言うのか? そんな暇はなかったはずだべ!

版田:いいや、お前にしか凶器を隠すことはできなかったんだ!

浜崎:凶器が魚だったと証明されても、おらが犯行を行った理由にはならないべ!

版田:もう、諦めろよ! 魚が凶器の時点で、お前以外に凶器を隠滅できないんだ!

浜崎:何をわけのわからんことを言っているんだべ! 魚だったら誰でも処分できるべ!

版田:何度も言わせないでくれ! 凶器を処分できるのは、お前だけだったんだよ!

浜崎:じゃあ、その方法を言ってみるっぺ! 納得させてみるっぺ!

版田:お前は、皆の前で凶器を堂々と処分して見せたんだよ! 不自然じゃない方法でな!

浜崎:そんなのでっちあげだべ! じゃあ、おらはどうやって凶器を処分したんだっぺ!?

 

                △ 定

 

    □  焼                 ○ 食 

 

                × 魚

 

 

 うぷぷぷ、聡明なオマエラなら、もう凶器をどこに隠したのかわかったよね。

 その通り、『超高校級の釣り人』である浜崎三平君は、凶器であるダツを焼魚定食として食べることで、堂々と証拠隠滅を図ったのでした、

 というわけで、大正解! 今回、『超高校級の鉄道員』の山北中総君を殺した犯人は、浜崎三平君なのでした! 

 ……それでね、もしもクロが見つかった場合にはお仕置きをしないといけないんだよねぇ。だから、今回は特別にお仕置きを無料で視聴させてあげちゃいます! ボクって優しいよね、サービス精神旺盛だよね!

 

 

 

 

 

 

                  GAME OVER

 

 

 

              ハマサキくんがクロにきまりました。

               おしおきをかいしします。

 

 

 

               地獄においでよ! 臓物の森!

                ~南の島で一攫千金!~

 

 

 

 

 

 

 

 

 この先のことは、言葉にするのもはばかられるほどだった。子供のころに見た映画で同じような映像を見た時には、トラウマになりそうなものだったのだから。

 横を見れば、あの綿折ですら口元を抑えて気持ち悪そうにしていた。『超高校級の犯罪者』ですらも目を覆いたくなるような凄惨な映像は、実に数分に及ぶ大作だったのだ。

 山間の自然豊かな村を模したエリアへと、モノクマと思われるぬいぐるみが『超高校級の釣り人』浜崎三平を引き連れてやってきた。首輪を嵌めて連れまわす様ですら、どこか拷問に見えるほど苦しそうだったと言うのに、モノクマは釣り人の真横で釣りを始める。

 吊れた魚はピラルク、ウナギ、ライギョ、ニシキゴイ、そしてピラニア。釣れたピラニアが釣り人の腕にかみついたと思えば、たらりと一筋の血が彼の腕を垂れていった。

 これでお仕置きも終わりかと安堵していた僕たちは、モノクマの残忍さと言うものを甘く見ていたことを再認識させられた。まるでセットを新しくしたかのように元の水族館に戻ってきたモノクマは、釣糸の先に例の釣り人を括り付けていたのだ。

 映し出されているのは大水槽。展示されている魚は、ジンベイザメ、マンボウ、エイ。コバンザメにマグロ。……そして、ホオジロザメ。

 水面に叩き付けられた浜崎からは、血の臭いが水面へとしみだしていく。

 ホオジロザメは血のにおいに敏感だ。奴に気付かれた浜崎は、瞬く間にホオジロザメの餌へと変わっていった。水面が赤く濁り、浜崎が引きちぎられたことを容易に想像させてきた。だが、実物が見えない分、まだ恐怖は半減されていたのだ。

 次の瞬間、モノクマはホオジロザメを釣り上げた。

『ホオジロザメを釣り上げた! エクストリーム! この滴る血肉が、アドレナリンを分泌させますなぁ!』

 ホオジロザメの口から零れ落ちた肉片を見せられたところで映像は終わった。遺体に慣れている僕や、綿折ですらも我を失うような犯罪であった。

 遺体に慣れていない彼らなら、受ける衝撃は測り知れない。

「うぷぷぷ、怖い映像を見たら早く寝ないとねぇ? 明日は朝の十時から健康診断だから、大広間に集合してねぇ! 遅刻してきたら、お仕置きだからなぁ!」

 蹲り、気を失って倒れ果てた超高校級の生徒達に向かって、モノクマはそれだけ告げて帰っていった。誘拐された一日目の夜は、とんだ地獄の一夜となってしまったのだ。

 




というわけで、プロローグはこれで終了です。
殺人事件、学級裁判、お仕置きは全て実際に見せられた映像なのです。

ちなみに、説明中の口調はチュートリアルメッセージを参考しながら考えました。
あれって、モノクマの声なのでしょうか……。

ちなみに、学級裁判で登場したのは、私が考えていたepisode2とepisode3のキャラだったりします。色々なパターンで考えていたので、キャラレパートリーばかり増えていました。
ちなみに、本編では、『超高校級の心理学者』軽戸呂衣子は、『超高校級の弁護士』成月霧介と入れ替わり、『超高校級の新体操部』舞鳥りぼんは、『超高校級の花屋』月桂蒲公英と入れ替わり、『超高校級の人形師』蒼雀水翠は、『超高校級の陶芸家』上久世鑪と入れ替わっています。
キャラの名前が安直と言うのは、分かる人にわかる……はず。
ただ、入れ替えた結果スムーズに話が進むようになったため、後悔はなしです。
キャラ自体はお蔵入りですけどね。

さて、次回は幕間として、映像で出てきていたepisode2やepisode3のキャラも含めて、簡単なキャラ紹介でも挟みます。
各キャラの名前の理由、とか。
パロディを発見していただいたときには、是非にやり、としていただけると幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。