魔法の世界へようこそ   作:兎詐偽

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第4話≪休日編≫≪Bクラス編≫

 

 

入学式から3日経った。

どのクラスでも少しずつ緊張がほぐれ、みんなが会話し始める頃だ。

まぁ、クラスに馴染めずに会話しない者もいれば、一方的に質問責めにあっている者もいる。

学園の昼休み、Bクラスの一番後ろの窓際の席で、レイラ=バレンシュタインは爆睡していた。

チャイムが鳴っても全く起きない。

カーテンも閉めずに春の日差しの中、赤く長いマフラーに顔を埋めるようにして眠る彼女を隣の席の少年が突く。

 

「おーい?」

 

全く起きない彼女に、イタズラ心の動かされた彼は、転校初日に聞いたことを思い出し、耳元で囁く。

 

「起きないとマフラー取るよ?」

 

「だめえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎」

 

急に飛び上がるようにして起きた彼女の頭が顎にクリーンヒットし、少年はフラフラとしながらも自席へと座る。

教室の角でマフラーに手を添え、身長差のせいか上目遣いでこちらを睨んでいるレイラ。何というか、可愛らしい。

 

「こ、このマフラーは僕の宝物だから!絶対に渡さないからねっ‼︎」

「わかってる。ほら、取らないから、席に座ってよ」

 

窘められて席に座る少女。不機嫌そうに彼女は会話を進める。

 

「で、何の用?アキ」

「いや、君さ。今日の朝『お弁当作るの忘れった!負けたら死(スパイダーバーガーセット(注)残すと食堂のおばちゃんに怒られる)を送られる戦場へ向かわなければ!』とか、なんでか知らないけど嬉しそうに言ってたじゃないか」

「あっ、そうだった・・・」

 

マフラーと真っ黒な髪を整え、走り出すレイラ。それをお弁当を出しながら見守るアキ。完全に保護者と子供の図である。

 

食堂から戻ってきた彼女の手には大将首、もとい大人気のリヴィア・スイート(学園長の手作りとかいう噂があるメロンパンに、プリンとかが付いた物。若干高い)が握られていた。食堂から聞こえてきたガチャガチャドッチャーンという、明らかに事故の起こった音は聞こえなかった。

聞こえなかった(大事なことなので二回(ry )。

 

メロンパンを食べようとした彼女の動きが止まる。こちらをチラチラと見ていた薄緑色の髪の少女にメロンパンを持ったまま近寄る。

 

「ルイス、食べる?」

「えっ、いや、悪いし貰えませんよ。バレンシュタインさん」

 

ルイス= メープルは口では断ってはいるものの、目は以前チラチラとメロンパンの方を向いている。

 

「・・・」

 

レイラはルイスとメロンパンを見比べると、メロンパンを急に真っ二つに裂いた。

そして、はい、と満面の笑みでメロンパンの半分を押し付けた。

 

「えぇ⁉︎」

 

困惑している彼女にレイラはにっこりとしながら言う。

 

「僕はね。ルイスさんのお菓子を代わりに食べたいから押し付けてるんだよ。だから、遠慮せずに食べて」

「・・・なら」

 

とメロンパンを一口食べるルイス。その頰は緩んでいく。そのままなんのお菓子がいいですか?なんていう風に会話する彼女達を遠目に眺めながら、アキは呟いた。

 

「相変わらず、上手いなぁ」

 

その声は誰にも聞き取られず、Bクラスの談笑の声の中に消えた。

 

 

 

ーーーー

 

それから2日後、日曜日のお昼。

アキが寮の私室、その中のリビングでうとうとしていた時に、突然それはやってきた。

 

『ピンポン』

 

インターンホンが鳴り響く。少しぐらいいいか、と放置していると。

 

『ピンポン!ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン‼︎・・・ピンポーン!』

 

 

・・・どうやら扉の前の人物は居留守を許してくれないらしい。

たまらず玄関の戸を開けると、そこには頰を膨らませた、私服姿のレイラが立っていた。首には相変わらずあのマフラーがつけられている。

 

「居留守とはいい度胸じゃないか」

「あはは、ごめんごめん。それで何の用かな?」

「ルイスがお菓子作ってくれたんだけど、作りすぎちゃったらしくて。それで」

 

そう言うと彼女はアキの腕を掴んで、端にある彼女の部屋へと連れて行く。

ヒーロー物のフィギュアなどが飾られたその部屋の、丸いテーブルに座らされる。

そのテーブルの上に置かれた皿の上にはマカロンやクッキー、それから・・・なんだこれ?

 

「ねぇ、メープルさん。この白い・・・繭みたいなお菓子って何?」

「ああ、それはですね。龍の髭っていうお菓子なんですよ。見よう見まねで作ってみたんですが・・・実はこれ失敗作なんです」

「はんへ?ほひひいほ?(訳:なんで?美味しいよ?)」

 

お菓子を一足先に食べていたレイラが口に含んだまま喋り、汚いとアキに注意される。

ルイスはその二人の様子を見ながら、龍の髭一つを摘まみ上げる。

 

「このお菓子は本当はもっと糸が細いんです。でも作ってる途中で崩れそうになっちゃって。なんていうか、さすが職人技が必要っていうだけはありました」

 

レイラがクッキーに手を伸ばす。

クッキーはクッキーで、かなり細かく形が出来ている。これはユニコーン、あれはモルフォ・・・それ、もしかして?

クッキーを手に取って聞く。

 

「ねぇ、ルイス?これってもしかして僕?」

「正解です」

 

クスリと笑いながら、彼女はもう一つクッキーを持ち上げる。

 

「じゃあ、これはだれかわかります?」

「むむむ、この捻くれたような・・・ツンデレみたいな感じは・・・わかった!ウルだ!」

「正解です。ウルーズさんです」

 

確かレイラはウルーズ・C・ラークワンさんのことをウルと呼んでいた。

アキは未だクッキーで人物当てをしながら遊んでいる二人の横で、端にあったマカロンを食べながら、考える。

レイラとウルはかなり仲が悪い。何が発端かは知らないし関係もないことだけど、レイラがよく『ウルは1人でなんでもやろうとするのが気に入らない!もっとみんなに頼ればいいんだ!』なんて風に言っているのを覚えている。

それに対してウルは『1人でやって何が悪い!ワタシはアンタみたいにトウヤマ(アキ)に頼り切ってる方が問題だと思うね!』なんて返して喧嘩が激しくなる。

まぁ、喧嘩の割に本人達が楽しそうな時があるから別にいいのだが。

ちなみに校長がそれを見て組みになる呪いっぽいの(『組め〜、組め〜』なんて風に言いながら掌を向けてニヤニヤしてる)をやってる。はっきり言って気持ち悪かった。(『ひどいな⁉︎』)

そんなことを考えているうちにお菓子も食べ終わり、楽しい昼下がりの茶会は幕を下ろした。

・・・今度があるなら、僕も自分の形のクッキーを探してみようかな。

 

 

 







レイラ「後書きだぁぁぁぁ‼︎いえーい!」
アキ「相変わらずテンション高いね」
ルイス「ところで遠山さんはどうでした、マカロン」
アキ「マカロンって食べたことなかったんだけど、生地の間のクリームがとっても甘くて美味しかったよ」
レイラ「ねぇ、これなに?」
ルイス「あぁ、それは作者さんの丸焼きですね」
アキ「販売価格20円って・・・」

ほのぼの回でした・・・(さらさらさらー

レイラ「これ丸焼きって言うより灰なんじゃ・・・」
ルイス「次回、またまたBクラス編です」


またみてね〜(テレパシー
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