魔法の世界へようこそ   作:兎詐偽

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第9話≪休日編≫≪Dクラス編≫

 

 

4月のまだ少し寒さが残る朝、ヴィントは学園から見て北西の方面にある喫茶店へと急いでいた。

 

その喫茶店は確か『シュレディンガー』という名前だったと思う。明るい店内の雰囲気に、可愛らしい制服などからかなりの人気がある。なんでもデザインのほとんどは、アリエッタの実家であるアリメールが手がけたものであるらしい。

 

本題に戻るが、俺が何故其処へと急いでいるかというと・・・。

 

「・・・遅い」

「悪いな」

 

待っていた彼女、カレンとの約束があったからだった。

シュレディンガーのテラス席でコーヒーを飲んでいた彼女の顔は、いつものことだがどこか不機嫌そうだ。

コーヒーを飲みきり、会計を済ませると彼女は立ち上がる。

 

「さ、いくぞ」

「おう」

 

ツカツカと前を歩いて行く彼女の背中を見つめて、今日どうして彼女と買い物をするハメになったかを思い出す。

確か、あれは俺がサボったということで、ペンドラゴン先生にカレンのせいだという旨を伝えたところ、仲直りということも兼ねて二人で買い出しに行ってこいということだった。

ちなみに、ほかの授業に遅れた面々は今日、先生とジルの練習に付き合わされている。メディアで先生に教えてもらうという企画があったことがあるらしいが、練習がハードすぎるということから、企画そのものが駄目になったということだ。

アンリエッタに静かに黙祷を捧げる(「死んでませんからね〜」)。何か聞こえた気がするが気のせいだろう。

 

 

 

それから買い物をしていく中で、二人での買い出しということからカップルか何かに見えたらしく、店員さんに微笑ましい表情で見られていた。

そしてその度に、カレンが

 

「これは彼氏じゃねぇですので」

 

と半ギレかつ無理やり作った笑顔で言っている様子は笑えた。

 

だが、『これ』ってたんだ『これ』って!

 

 

 

一通り買い出しが終わり、気がつくともうお昼前。『シュレディンガー』に戻っていた二人はそのまま食事をとることになった。

そしたら丁度、同じクラスの人達も遊びに来ていたらしく、テーブルを寄せて一緒に食べることとなる。

 

「なぁ、ハヤテとブレイブは何にするんだ?俺はこのセットにするけど」

「ん〜?じゃあ僕もそれにしようかな?」

 

ハヤテは俺と同じランチセットをたのむことにしたようだ。そのとなりでブレイブは面白いものを見つけたと言わんばかりに、メニュー表を見つめていた。

 

「ブレイブは?」

「そうですね。じゃあ僕はこの『学園の恐怖を再現‼︎』セットで」

 

よくやるなぁ、こいつ・・・。でも何か面白そうだし俺もそれにしようかな?

 

 

 

男子達が阿保なメニュー選択をしている横で、カレンとリーフ、アガサは注文を済ませていた。

え?リーフも男子だって?男の娘だから突っ込んでは負けだ。

カレンはヴィントが言っていたのと同じスパゲティセット、アガサとリーフはカツサンドセットだ。

 

リーフがカレンに話題を切り出す。

 

「そういえば午前中のデートどうだったの?」

「ブフッ⁉︎」

「うわっ⁉︎」

 

オレンジジュースを飲んでいたカレンが彼の予想外の質問に吹き出し、アガサがそれに驚いてカツサンドを膝の上に落とす。

 

「お、お前、いきなり何を⁉︎」

「そうだよ、切り出す時は付き合ってるの?からだろう?」

「アガサ、違うそうじゃない‼︎」

「ごめん、ボクが間違っていたよ・・・」

「リーフはもうそれ以上喋るな‼︎」

 

机を拭きながら、息を荒げるカレン。リーフとアガサのニコニコ顔はまったく止まらない。

 

「実際どうだったのさ」

「荷物持ってくれたりして便利だったぞ。だが・・・女の子扱いしてくるのは、何というか気に食わん」

「「ふ〜ん」」

「いい加減にやけるのをやめろッ‼︎」

 

彼女のその言葉は虚しく、のちも二人に弄くり回されるのだった。

 

ちなみにその結果、帰り道理不尽にもヴィントは殴られる羽目になるのだが、まぁ二人にとってはどうでもいいことだ。

 

 

 

 

所変わって東部、リヴィア山でアンリエッタとスカーレット、ロードの3人は走っていた。

アンリエッタとロードに関しては罰から走らされているのだが、スカーレットはジルと先生の練習に興味があって来たのだった。

なぜ興味の先である二人がいないかというと・・・

 

「あの二人、早すぎ、ますよ〜」

「まったくもって違いありません」

「あれ人間の領域じゃないわよ・・・」

 

とのことだ。

息を切らしていたアンリエッタがもうダメ、と膝をつく。運動神経が悪い彼女にしては頑張った方である。

 

「まだ走ってる・・・だろう先生達には悪いけど先に少し休憩取らせてもらいましょうか」

「賛成〜」

 

ポーチから水を取り出し飲む二人の横で、ロードは胸を押さえていた。自身の魔力により普段から痛む胸は、運動したせいか普段よりも激しい痛みを感じる。

 

「大丈夫?」

 

アンリエッタが声をかけてくれる。

 

「・・・大丈夫、です。なんでも、ありません・・・」

 

そう、大丈夫。大丈夫なはずだ、いつも通りのことだから。

 

 

だが、そんなことよりもっ‼︎走っている途中横の二人の胸がずっと揺れてるのが気になる!マジで死ね、体格差作る理不尽な神よ死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼︎

 

 

ロードの心の叫びは、何故かジルには届いていたらしく、練習後かなり労られた。

 

 

 





アンラッキーな人「痛い、主にカレンに殴られた腹と頭が痛い」
オレっ娘「・・・悪いとは思ってる。だが謝ってはやらないからな」
性別はリーフ・光の剣士((ツンデレかッ⁉︎))

時空の人「あのセット・・・。本気で、再現してますね・・・」
ゆるふわ系男子(?)「食べてすぐ吐きそうなあたりとか匂いとか、学園のより酷そうだけどね〜」


謎のヒロインJ・無駄乳スレイヤーL
「死ねっ!巨乳ども‼︎」
達人「あぶないじゃないねぇか、おい」
策略系ゆるい人「・・・面倒なことになりそうだな〜(離脱)」

次回 Eクラス編 とっつにゅー‼︎

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