今回は今までより、だいぶ長くなってしまいました。
今回は戦闘する回です。戦闘するところを書くのはだいぶ難しかったですね。
そして、物語を読む前に補足説明
*武器紹介(一部)
・ライトセーバー 現代の剣の先が丸みを帯びている武器。この武器全体が持ち手以外青い蛍光灯のようなもので光っている。他にも色の種類はあるが、基本的には青色。
・フライチェーン 小さな壺のようなものを片方の手につけ、そこから鎖を飛ばし、建物などに引っ掛けて、今度は逆に自分が引っ掛けた方向に引っ張られる。それを駆使して移動することが出来る道具である。また、飛び道具として使われることもある。(フックショットと類似している)
・ライトグローブ 分厚い手袋を装着し、その手袋の甲に小さなライトセーバーと同じ青い蛍光灯のようなものがついていて、それを駆使して戦う武器である。使用者あまりいない。ガヴェインの得意武器。
・煙幕弾 白い球体を投げ、投げた衝撃で白い煙を出す道具である。煙は基本は三分間、周囲を覆う。
2017年 5月
イギリスのロンドン塔付近
敬二、ガヴェイン、そして薫の三人はロンドン塔の見える公園のようなベンチで座っていた。
空には雲がかかっており、かすかに太陽の光が差し込んでいた。
しばらくして、三人の左耳につけていたイヤフォンから少女の声がした。声の主は彩だった。
彩はこれからの状況を丁寧に話し出した。
「皆さん、無事にそちらに転送できたそうで良かったです!さっそくですが、今回の任務について詳しく説明しますね。今回の任務はNo.14356のパラレルワールドの戦闘員の撃退です。No.14356の人達は白い服が特徴的なことから、『ホワイトワールド』。略して、WW(ダブルダブリュウ)と言われています。今回はそのWW、4人の撃退です。特に何も特別の技など使わない、私達と戦闘方法も特に変らないパラレルワールドなのですが...。」
急に彩の言葉が止まる。敬二たちは少し心配したが、彩はすぐに話を進めた。
「そのWWの4人の内に一人、『異端児』と呼ばれる少し変わったら人がいまして...。その方は、30人の人達相手に一人で突っ込んでいったとか、左手がなくなっても戦い続けたという噂があります...。」
敬二はその話を聞いて、少し驚いていた。そこまでして、戦うやつがいることを。
「でも、それは単なる噂だろ?」
口を開いたのは、ガヴェインだった。
「噂だっら別に気にすることはねーよな。」
ガヴェインは両手を頭の後ろで組んでいる。
「そうなんですけどね...。まぁ、戦闘力的な物は貴方達と変わらないので、頑張ってください!後で何かありましたら、連絡宜しくお願いします!」
左耳からは声は聞こえなくなった。
「相手は4人、そして一人は異端児...。」
敬二はさっきの彩の言ってくれた情報に関して、真剣に考えていた。どう戦うべきか、そしてどう倒すか。
「そんなに考えたって仕方ないよ、子犬君」
「子犬君...?」
薫の発言に敬二は疑問を抱いた。
「別に今のは気にしないでくれ。それより、敬二。まだ、会ったことすらない相手のことを考えたって、仕方がない。会ったときに考えるんだ。別にそのときにどうなったて仕方がない。シェイクスピア曰く、『どうとでもなれ、どんな大嵐のでも、時間は経つ』とね。」
「ちなみに、最後のシェイクスピアの言葉の意味はなんですか?」
薫の言った、シェイクスピアの言葉のことを敬二は聞いた。
「つまり...。そういうことさ。」
しかし、答えは案の定だった。
敬二はガヴェインは呆れたような顔をしていた。
「では、私は左側から行こう...。君たちは右側から行ってくれ。」
薫はそういうと、急にベンチから立ちあがり歩きだした。
「か、薫さん?!、ちょっと、待ってください!」
突然の行動に二人は驚き、すぐさまガヴェインは薫を止めに行った。
「どうしたんだい?君たち?」
「いやいや、『どうしたんだい』じゃなくて、ちゃんと説明してください!どうして薫さんは左で俺たちは右から行くわけを。」
ガヴェインは結構必死な声だった。
「つまり...。そういう...。」
「いや、そういうのいいんで。」
ガヴェインは少し呆れていた。
「おっと、すまない。では、詳しく説明するとしよう。」
薫はもう一度ベンチに座った。
「私は今回の相手について事前に調べていたのさ。さっき、彩が説明していなかったことを補足説明といった形で説明しよう。相手...。WWの今回の4人は全員男の少数チームだ。実力は私達と分からない、まだ出来て間もないチーム。だから、別に心配することはない。ただ...。『異端児』を除いてはね...。」
薫の言葉が止まる。
「『異端児』ってそんなに強いんですか?」
敬二が不安そうに聞いてきた。敬二は少し震えているようだった。
「まぁ、今の君達では敵わないかもしれないということさ。と、いうわけで、今回は君達二人でその『異端児』を倒してほしい。」
「いや、今『敵わない』って言ったじゃないですか!だったら、無理じゃないですか?」
ガヴェインは薫のほうに体を向ける。
「君達二人のどっちかだけが戦ったところでは、おそらく負けてしまうだろう。しかし、私は君達二人で戦うこと前提にして考えている。『異端児』と言って相手は私達のパラレルワールドと同じ、少数チームの戦闘員。二人係だった流石に勝てるだろう。」
「なるほど...。じゃあ、何故さっき薫さんは『右側から行け』と言ったんですか?」
敬二の目は真剣だった。敬二の震えは止まっていた。
「『異端児』は左が好きだからね。」
「いや、じゃあ逆でしょ。」
ガヴェインが鋭いツッコミを薫に入れる。
「彼らから見たら、左側から向かっているように見えるんだよ。」
「え、彼らはいったいどこに...。」
「ロンドン塔の真後ろにいる。そして、私達のいる場所もすでに特定されているはずだ。」
敬二の質問に薫は真剣な顔で答えた。
「だから、なるべく早く行動を開始したいんだよ。」
薫は余裕そうながらも少し焦っているようにも思えた。
「分かりました。でも、そうなったら薫さんはいったい何人と戦うんですか。」
敬二はふと疑問に思ったことを口にした。もし、敬二とガヴェインが行った先が『異端児』一人だった場合、薫は必然的に三人と戦わないといけなくなるからだ。
「もちろん、私は三人と戦うよ。多分、『異端児』は一人で戦うことを望むからね。これもしっかり予習済だ。」
薫は二人にとって、驚きの答えを出してきた。
「えぇ?!三人と戦うんですか?」
「私ほどになると、少数チームぐらいの戦闘員だったら、三人同時に戦うぐらい大したことないさ。おっと、そろそろ行かないと敵が来てしまうね。では、私はそろそろ行くとしよう。君達の活躍を祈っているよ。」
薫はそう言うと、すぐにベンチから立ちあがり去ってしまった。
「あ、行っちゃた...。」
敬二とガヴェインはベンチに座ったままだ。
「じゃあ、俺達も行くか?敬二?」
「そうだな、薫さん信じて行ってみるか!」
薫の予測が当たっているのか不安に思ったが、敬二とガヴェインは言われた通り、右側に向かって進み始めた。
ロンドン塔、テムズ川側。
そこに白い服とマントを着けた、4人の集団がいた。何やら彼らは話し合いをしていた。
「では、このフォーメーションで...。」
「俺、一人で行動したいっす!」
その集団の隊長みたいな人の話を止めたのは、敬二達のパラレルワールドで『異端児』と呼ばれている男だった。
「おい、ハンニバル。また、お前はそんなことを言うのか?お前のそう言った発言と行動が、同じチームにいる俺達に迷惑をかけていることにまだ気づかないのか?」
その集団の隊長みたいな人が少し勢いのある声でハンニバルと呼ばれた『異端児』に言い返した。
「俺はまとものことを言ってるだけですけどねー。だって、まず相手は三人。そのうち二人は無名の新人だけど、後の一人は『戦場を業火させる王子・薫』と言われてるんですよ?まぁ、女性だけど。だから、今回はその薫って人を三人で相手にしてもらって、それ以外の残った二人の新人を俺が倒しますわ!」
ハンニバルは自信満々に言っている。
「もう止めても仕方ないか...。分かった。お前の好きにしろ、ハンニバル。決して、死ぬんじゃないぞ。」
隊長らしき人はもう諦めている感じだった。
「分かりました!隊長!じゃあ、俺は左側から回って行くので、隊長達は右から回ってください!そして、挟み撃ちの時に、俺が新人二人を倒します!じゃあ、お気をつけて!」
そう言うと、ハンニバルは去ってしまった。
「んったく、アイツは...。まぁ、いい。俺達は俺達の全力を見せるぞ。」
「はい!」
隊長の言葉に残ったら二人の男達が返事をした。
「俺、薫さん苦手かも...。」
そういい始めたのはガヴェインだった。彼は人見知りではなく、他の人が苦手ということがあまりなかったので、この言葉に敬二は少し驚いた。
「何で?」
「だってあの人、人の話全然聞いてくれないし、シェイクスピアの話ばっかりするし...。何て言うんだろう...。とにかく、苦手だな...。」
「意外だな...。」
「えっ?どうして?」
ガヴェインは敬二の言葉に驚いた。
「何か、お前って人苦手とかそういうの全くないと思ってたからさ。」
「俺も人間なんでね。苦手な人ぐらい一人や二人いるよ。」
そう言うと、ガヴェインは頭の後ろに手を組んでいた。
「まぁ、そりゃぁ、そうだな。よし、この話はまた後でということで、今は任務に集中するか!『異端児』もいたことだし...。」
ガヴェインは敬二の言葉を聞いて、敬二の向いていた建物の上の頂上のところを見た。するとそこには一人の白い服とマントを着た、黄色い髪の男が立っていた。
「あれが、『異端児』...。一人か?」
「あぁ、おそらくな」
ガヴェインの言葉に対して、敬二が答える。
すると、その『異端児』と思われる男は建物からジャンプし、敬二とガヴェインの前に降り立った。普通の人間だったら骨折していたかもしれないことをその『異端児』は軽々とやり遂げた。
「よぉ、新人さん。俺はハンニバルって言うんだ。宜しく。」
名前を名乗ったことに敬二とガヴェインは驚いたが、敬二はそれでも、平然の顔でいた。
「俺は敬二って言う、そして横のやつはガヴェインって言うんだ。」
「敬二とガヴェインねぇ....。なるほど。」
敬二は名を名乗った。そのほうが同じ土俵にいるような感じがしたからだ。
「じゃあ、さっさと始めますかー。」
そう言うと、ハンニバルは腰にかけていたライトセーバーを取り出した。
敬二達も慌ててライトセーバーを構える。
「挟み撃ちは出来なかったけど、結局二手に分かれたから、まぁいっか。これで思う存分戦える...。」
そう言った瞬間、ハンニバルは敬二達のほうに向かって全力で走りだした。
「やぁ、子犬君達。」
「戦場を業火させる王子...。薫!」
敬二達とハンニバルが戦闘を開始したのと同時刻。
薫はWWの三人と対峙していた。
「戦場を業火させる王子だなんて...。私はそのような儚い名前で呼ばれているのだね...。」
「儚い?とりあえず、意味は分からんがお前を全力で倒しにきた。覚悟しろ!」
白服の隊長がものすごい形相で薫を睨んでいた。その目はまるで殺し屋の目。
「まぁ、焦らずに落ち着いてくれ...。とは言ったものの、私も少し焦っていてね。出来れば早く終わらしたいのだよ。」
そう言った薫は左手を伸ばし、三人のほうへ向けた。
そして、薫の伸ばした左手の袖から無数のバラの花びらが風に舞い上がったように出ていった。
「何だ、これは?!」
三人はライトセーバーをすでに構えていたが、かなり動揺していた。
100枚、200枚...。いや、本当はそれ以上かもしれないバラの花びらが白服の三人の回りを飛んでいる。
「君達の儚い姿を見なくてはいけないが、任務のため仕方ない...。」
そう言うと、薫は親指と中指を擦り合わせ、甲高い音を鳴らした。
音を鳴らした後、もう白服の三人の生きている姿を見たのもは、薫意外いなかった。
「はぁ、はぁ...。」
「新人さんといっても、所詮この程度か...。」
ハンニバルの激しく、そして素早い攻撃を受けて、敬二とガヴェインの体力はかなり底をついていた。
まだハンニバルと戦ってから、彼に一回でもダメージを与えられずにいた。
両者は向かえ合っている。
「ガヴェイン、いつものやつやるぞ。」
敬二がガヴェインにだけ聞こえるように言った。
「あぁ、いつでもいいぜ。」
敬二はウエストポーチから煙幕弾を取り出した。
そして、それをおもいっきりハンニバルの足元に投げつけた。
「あー、煙幕弾ね。こっちの世界でもあるわー。そういうの。」
何故かハンニバルは余裕そうな顔をしていた。
そんな風に、敬二は思った。
ハンニバルの顔が次第に煙で見えなくなる。
真っ白な空間がそこには出来上がった。
沈黙...。ただ辺りは沈黙になった。
しかし、その沈黙を破ったのは、ハンニバルの後ろに回りこんだ、ガヴェインだった。
ガヴェインはハンニバルの頭めがけて、甲が青色に光る拳を降り下ろしていた。
その行動を察知したハンニバルは華麗に横に避けた。
結果、ガヴェインの拳は地面に強く叩きつけられた。
そして、地面には少しヒビが入った。
ハンニバルは地面を叩きつけたガヴェインの首を目にも止まらね速さで掴み、ガヴェインの首を持ちながら、ガヴェインを出来るだけ遠くへ飛ばした。
飛ばされた衝撃でガヴェインは地面に叩きつけられ、口から少し血を吐き出した。
「結局、これぐらいの...。」
ため息混じりの声でハンニバルが言葉を発しようとした時、ハンニバルの右腹辺りを一本の長い鎖が通過した。
ハンニバルは一瞬、戸惑った。そして、その鎖から離れようとした。しかし、彼の思い届かず、鎖の動きが止まった瞬間、人影がさっきのハンニバルがガヴェインの首を持った時のスピード、いやそれよりかなり速いスピードで、ハンニバルに迫ってきた。
その人影の正体は敬二だった。
敬二は右手にライトセーバー、左手にはフライチェーンを装備していた。
敬二のライトセーバーはハンニバルに降りかかろうとしていた。
ハンニバルは即座にライトセーバーを後ろに、もっていった。
「お前ら、楽しいな!もっと、全力で戦おうぜ!」
ハンニバルの顔は笑っていた。
すると、いきなりハンニバルの持っていたライトセーバーの回りに竜巻のようなものが出来ていた。
そして、そのライトセーバーを降り下ろす。
敬二のライトセーバーとハンニバルのライトセーバーが交差した。
そして、どちらかが、おもいっきり吹き飛ばされた。
吹き飛ばされたのは、敬二だった。
敬二は少量の血を口から出していた。
「ちゃんと本気で戦ってよー。『性質変化』使ってさ。」
「せ...。『性質変化』?」
ハンニバルの『性質変化』と言う言葉は敬二は聞いたことがなかった。
「え?まさか、知らない?『性質変化』?」
「おう...。」
ハンニバルは驚いた様子で敬二に聞いていた。
「マジか...。まさか、『性質変化』も知らないでこの俺と戦おうとしてたわけ?スゲーな。まさか、類似的世界のやつらで『性質変化』知らないやつがいるとは思わなかった。じゃあ、お前らと戦っても面白くねーな。呆れたわ。」
ハンニバルに言いたい放題言われた敬二とガヴェインは腹がたっていた。特にガヴェインは今にでも動き出して、ハンニバルに殴りかかろうとしそうな雰囲気だったが、ガヴェインにもう立てる体力は残っていなかった。
呆れ顔をしていたハンニバルの右耳のイヤホンから何やら声が聞こえていた。敬二達には聞こえなかったが、多分、WWの『サポート』の人と会話しているんだろうと敬二は悟った。
「おけ、んじゃ、戻るわ。」
ハンニバルはそう言ったあとに、敬二とガヴェインの方を見た。
「じゃあ、次会うときまでには『性質変化』覚えておきな。素人さん達。」
ハンニバルはそう言うと、一瞬で消えていった。
「おーい、君達、大丈夫かー。」
ハンニバルが消えてから、約2分。敬二達の元へ薫が走ってやって来た。
敬二とガヴェインは二人とも地面に倒れていた。
「いったい、何があったんだい?」
薫が心配そうに聞く。
「薫さん...。俺、ひとつ分かったことがあったんです。」
敬二が薫に言う。敬二の目は真剣そのものだった。
「それは、いったい何だい?」
「世界は、この無数にあるパラレルワールドは広いんだなって...。そう感じたんです...。」
敬二は自分で分かってるつもりだった。でも、それを今回改めて肌で感じた。
「そうだね...。パラレルワールドはそういったものなんだよ。無数にある儚さ...。それがパラレルワールドさ。さて、何やら、サイレンの音が聞こえいているようだ。そろそろ、ここを後にしたほうが良さそうだ。彩に連絡して、転送してもらえるように頼んでみるよ。」
そう言うと、薫は彩と連絡を取り合った。
いつしか回りには、かなりの人が集まっていた。パトカーのサイレンの音も聞こえる。
「準備、OKさ。さぁ、転送してもらおう。」
薫が彩との連絡が終わったみたいだった。
そして、敬二、ガヴェイン、薫の三人はロンドンの町から消えていった。
ロンドンの町はまだ雲がかかっていたが、太陽の光はもう出ていなかった。
前書き長い!本文も長い!
今回はすべてが長かったですね。
長いほうがいいのか、短いほうがいいのか分かりませんが、これからも頑張っていきますので、どうか暖かい目で読んでください!
そして、薫さんのキャラがそろそろキャラ崩壊しそう。(;゜0゜)
感想コメント、評価お待ちしています!
*新キャラ情報
ハンニバル・・・モンスターストライクのハンニバル(進化)より。
*補足説明
類似的世界・・・敬二達のパラレルワールドとほとんど同じ、似ているパラレルワールドのこと。戦いかたや言葉、武器や歴史的なところまで、全て同じである。しかし、人間は似ていることはあっても同じことはない。
また、これとは逆に戦いかたや言葉が全く違う、非類似的世界も存在する。