学園黙示録 ゲンブンオブザデット   作:ダス・ライヒ

102 / 120
日本兵(BF)「原作が崩壊するぞぉー!」

日本兵(WaW)「あ、あれはなんだぁ!?」

原作崩壊の始まりだよ~後、ケーキは戦乙女の軽歩兵達が美味しく頂きました。

そしてリアリティが欠ける表現があるので注意が必要!


復讐者の来襲

決断を迫られたルリは、全員が見る中ずっと下を俯いて悩んでいる。

そんな彼女を急かそうと、テレビ持ちが頷き、テレビの電源ボタンを押してルリの方を向く。

 

『そろそろ決まってる頃かな~と思ってまた出ちゃったけどまだ決まってないようだね?』

 

映像に映し出されたハナは菓子袋の中身を食べながら告げる。

 

『言い忘れたけど奴ら(ウォーカー)って言うゾンビは全世界で全滅間近だから』

 

「そ、それは本当なんですか!?」

 

「たった一週間で事態が収拾するとは・・・」

 

ハナが言ったことに驚きを隠せない孝と冴子、ワルキューレを除く他の者達もこれを聞いて驚きを隠せないでおり、未だに信じられない彼等にユズコと腿が説明する。

 

奴ら(ウォーカー)の弱点と習性を全世界に知らせて、各国の軍隊・治安機関と協力してここまで全滅できたの」

 

「今残っているのは日本を含むアジアで30万匹程度だ。中国と朝鮮半島の完全制圧が終われば元に戻る」

 

腕組みをしていたアレクサンドラが付け足すように言った。

 

「それと騒ぎに乗じて現れた無法者と過激派の始末だ。そして異世界からの武装集団を排除すれば元通り。地球人口の殆どは歩く死人に変わって大分始末したから食糧問題も消えて、しばらくの間は楽に暮らせる」

 

「そうでした!だから迎えのヘリに乗ることにしろ。お前も小室を含むこいつ等を死なせたくは無いだろう?」

 

腿が言い忘れていた事をアレクサンドラに言われて慌てて敬礼した後、ルリの方を向き、グランドの中央に止まっている迎えのMi-28Nを指差しながら勧めた。

ルリが孝達とSTG達の方を見れば、みんな帰ることを勧めてくる。

もう二度と会うことがないルリにありすが不安な表情で鞠川に問う。

 

「ルリちゃんもう行っちゃうの?」

 

「うん、ルリちゃんのお父さんとお母さんがルリちゃんを待ってるの」

 

こちらを見るルリの方を向いて、ありすは瞳から涙を零す。

同時に孝の母が玄関から出て来て、周りにいた中歩兵に止められるが、ユズコが通すように告げる。

 

「通して!彼女は小室君の母親よ」

 

了解(コピー)!」

 

自分の息子の元へ向かう母親の前から退いた中歩兵達は、ユズコに敬礼し、孝の母親を息子の元へ向かわせた。

 

「孝!」

 

「母さん!」

 

抱きしめた後、母親は何が起こってるのかを孝に問う。

 

「グランドで何が・・・それにあのヘリは自衛隊の物じゃないでしょ。一体何が起こってるの?」

 

「僕にも分からない・・・ただ、ルリの迎えが来たらしい・・・」

 

ただ黙っているルリを見ながら孝は母親に事情を説明した。

それと同時に陸上自衛隊のCH-47Jが上空を飛び去っていき、残されていた避難民は少し騒ぎ出すが、憲兵が上空にはなった一発の銃声で静まり返る。

 

『ヘリは数時間後にまた来ます!それまで騒ぎを起こした避難者の方は警告も無しに射殺します!』

 

メガホンを取って、ルリ専用の迎えのヘリであるMi-28Nに殺到しようとする避難民を静止する憲兵達。

ざわめく声が完全に消えた後、ルリの決断が決まった。

 

「あの・・・!」

 

「どうした、もう決まったか?」

 

二本目の煙草に突入しようとしたアレクサンドラに声を掛けたルリ、孝達は彼女は決断したと息を呑んで判断する。

 

「私・・・戻ります!」

 

その答えを聞いたアレクサンドラと腿、ユズコ、ここより離れた地で見ているハナは笑みを浮かべる。

 

『その答えを待ってたよ!良い子、良い子』

 

「よし、それでは私と一緒にヘリへ」

 

アレクサンドラがMi-28Nに手を翳した後、小室一行を見る。

彼等の表情は羨ましがる物ではなく、感謝の気持ちの表情であり、決してルリを憎んでいる訳ではなかった。

ルリの気掛かりな事はリヒター、バウアー、パッキー達の事だったが、彼等ならこの世界でも力強く生きていられるだろう。

そう思った彼女はアレクサンドラと共にMi-28Nへと向かおうとしたが、そのヘリが突然大破した。

直ぐにアレクサンドラはルリを地面に伏せさせ、残骸から彼女を守る為に抱き締める。

孝達も直ぐにグランドに伏せ、残骸から身を守る。

廃品と化した燃え盛るMi-28Nの中から一人の長髪の男が現れた。

 

「貴方は・・・!」

 

「ストアーさん!?」

 

冴子が先に口走った後、麗が見覚えのある男の名を口にした。

何の道具も使わずにブラックマーケットで売られている対戦車火器でも破壊が難しい戦闘ヘリを意図も容易く破壊したストアーに沙耶は恐怖する。

 

「な、なんのトリックよ・・・?これ・・・!」

 

「足は潰せたが貴様は無事だったか・・・」

 

以前よりも若く感じるストアーを見た孝達は驚きを隠せないで居た。

STG達は直ぐに燃え盛る残骸から現れた男にレーザーガンを向ける。

 

「妙な奴らが居るが関係ない・・・例え赤ん坊でもな・・・!」

 

無表情のままでルリとアレクサンドラに近付くストアー。

背中に少しの破片が刺さっていたアレクサンドラは立ち上がり、ルリの無事を確認した後、スチェキンAPSを引き抜いて、ストアーに銃口を向ける。

 

「何者だ、貴様?!」

 

「口から血が出てるぞ?フン、所詮人間はこの程度よ・・・!」

 

後ろから近付いてきたスペズナンズ風の中歩兵の身体を何の動作もせずに真っ二つにした。

凄まじいほどの血が吹き出る中、これには驚かずにはいられない孝達は声を上げた。

 

「に、人間が真っ二つに・・・!?」

 

「これは・・・夢なのか・・・!」

 

「一体何をしたんだ!?奴は何の動作をしてなかったぞ!」

 

「体温は通常の人間・・・何者だ、こいつは!?」

 

麗が声を上げた後、コータが目を擦ってSTGとゴーグルの隊員はストアーの動きが捕らえきれないことに驚きを隠せない。

人間が真っ二つになるという光景を見てしまったありすは口をがたがたと振るわせ、鞠川が見せないように目隠しする。

 

「後ろから私を殺そうとしたか・・・だが、今の私には通用せぬ。そこの女、死にたくなければそこを退け」

 

「クソッ、化け物め!」

 

素早くハンマーを起こし、安全装置を外して男に向けて引き金を引いて発砲したが、当たったのはストアーの残像であり、そのままこちらへ向かってくる。

スチェキンをフルオートにして再び発砲したが、これも避けきられてしまう。

軽機関銃や突撃銃、自動小銃の射撃も行われたが、ストアーは全てかわす。

 

「銃弾を・・・それも高速のライフル弾さえ・・・避けるなんて・・・!」

 

始めて銃が効かない敵を見たコータは絶望する。

 

「今までの私ならライフル弾は避けれなかったが、今はスロー過ぎて欠伸が出るくらいまでになった」

 

最後の小銃弾を二本の指で受け止めた後、唖然しているテレビ持ちに投げる。

軽く投げた筈なのに小銃弾は銃口から発射された見たいに目標に向かって飛び、テレビ持ちの額に命中し、彼女の人生を終わらせた。

 

「化け物だ・・・!」

 

S&W M36をストアーに向けていた正は絶望感に満ちた表情で言った。

弾倉の中身が無くなったスチェキンを捨てたアレクサンドラはナイフを取り出し、ストアーの顔に向けてナイフで突き立て向かったが、彼が出した左手で止められてしまう。

 

「馬鹿な・・・!?」

 

「ナイフを素手で受け止めた!?」

 

沙耶はアレクサンドラのナイフがストアーの左手の掌に刃が突き刺さっているのを見て、驚きを隠せず声に上げてしまった。

 

「動きは良かったが私を殺すなら剣か刀で挑むべきだったな・・・!」

 

そのまま左手に刺さったままのナイフを押し、アレクサンドラの鍛えられた右腕に圧力を掛けた。

 

「なんだこの力は・・・!?」

 

現役の軍人或いは大男でも意図も簡単に倒すことが出来るアレクサンドラの表情が強張る。

じっくりとストアーがアレクサンドラの右腕に掛ける力を強め、そして両方から来る圧力で彼女の左腕は折れた。

余りの痛みにアレクサンドラは声にならない声で叫び、地面に膝をついて左手で右腕を押さえてしまう。

ストアーは左手に刺さったナイフを引き抜いた後、地面に膝をついているアレクサンドラに近付く。

 

「幾ら鍛えていても貴様は所詮人間だ・・・」

 

ルリの前で右腕を押さえながら地面に膝をついているアレクサンドラの右脚を勢いをつけて強く踏み込む。

肉が裂ける音や骨が砕ける音が鳴った後、またアレクサンドラが声にならない叫びを上げた。

飛んでいったアレクサンドラの右脚は沙耶の足下まで飛んでいき、それを見た沙耶は悲鳴を上げて腰を抜かす。

 

「ひっ、ヒィィィ!!何なのよこれ!?」

 

次々と起こる現象についてこられない孝達、ストアーは自分を怖がるルリに近付こうとしたが、大きめの発砲音が鳴り響き、胸に赤い血溜まりが出来る。

銃口から硝煙が出ているSW1911を構えた腿が居た。

 

「おや・・・?」

 

「どうだ化け物、45ACP弾の痛みは・・・?」

 

ストアーに向けて銃口を向ける腿は勝ち誇った笑みを浮かべて告げたが、ストアーが何の痛みも感じていないことに恐怖を感じる。

 

「どうした・・・無痛症なのか・・・!?」

 

自動拳銃を握る腿の右腕が震え、彼女の表情も段々恐怖に変わっていく。

傷口が消えたストアーは腿の方を向き、手刀を構えて消えた。

 

「な、なに!?何処へ!?」

 

ユズコがMP5kを構えてストアーを探す最中に、腿の身体に穴が開いた。

 

「あ、穴が開いた・・・!?」

 

突然、腿の身体に穴が開いた為に、貴理子は口を抑えて驚き、孝の母は何が起こっているのか分からないでいる。

 

「こ、これは・・・ブハッ!なんだ・・・!?」

 

数秒後、ストアーの姿が現れ、腿は口から血を吐き出しながらストアーの右腕が刺さったまま高く上げられていた。

その場にいた麗と鞠川が口を抑え、他の全員は唖然している。

腿の身体から右腕を引き抜いたストアーは一気に彼女の上半身と下半身を左手の手刀で二つに斬った。

凄まじい血飛沫が上がり、ストアーの身体とルリを血で赤く染める。

まともに動けないアレクサンドラを重装備兵達が連れ去り、ただ恐ろしいストアーを見ているだけしかないルリをユズコが抱き抱えて連れ去った後、左耳に付いたイアホンを使って校門に入った九五式中戦車チハにストアーへ向けての砲撃を命じる。

 

「目標、長髪の黒髪の男!榴弾撃て!」

 

ルリを抱き抱えるユズコが命じた後、チハから放たれた榴弾がストアーが居る場所に着弾する。

焼死体になると思いきや、ストアーが立っている地だけは榴弾の後が残っては居ない。

 

「悪い夢よ・・・これ・・・!」

 

絶望の表情に染まった麗が言った後、ストアーはルリを抱えたユズコの元へ瞬間移動し、なけなしの短機関銃MP5kを撃ってきたユズコの腹に左手を差し込み、肉を貫いてから内蔵を引き千切った。

 

「ガ・・・ハッ・・・!」

 

内臓を引き千切られたユズコの表情は凄まじい痛覚で変わり、声にならない声を上げる。

短機関銃を握っていた右手が力を無くして、地面に落とした後、ストアーはルリが居ないことに気付いた。

 

「何処だ・・・?何処へ消えた・・・?!」

 

未だ苦しむユズコにトドメを差した後、ルリを探すストアー。

周りから中歩兵や重装備兵が発砲してきたが、簡単に避け、高くジャンプし、落下しながらルリを探す。

数秒後には発砲が収まり、異変を感じたストアーが地面に降り立った後、探していた少女が彼の後ろから銃剣を突き立てて、殺気染みた表情で突っ込んできた。

 

「しまった・・・!」

 

回避しようとしたが、ルリの方が早くて間に合わず、右胸に銃剣を突き刺され、そこから大出血しながら地面に倒れ込む。

 

「流石はあの女の飼い猫・・・だがっ!」

 

左腕でルリの身体を掴もうとし、勝ち誇ったストアーが口を開く。

 

「正直、ここで殺されるかと思ったが、どうやら勝利の女神は私の復讐を手伝って下さるようだ!これで貴様も私の血肉となり!あの女を殺す為に私の一部として永遠に生きるのだぁー!!」

 

この間にストアーは全て喋り終えることに成功し、ルリを掴もうとした。

だが、その願いも吐かなくSTGによって阻まれる。

STGがストアーの左腕に狙いを定め、狙撃したのだ。

人体をも切断するレーザーを受けた左腕は宙を舞い、地面に落ちる。

 

「こんな狙撃は真っ平だ・・・!」

 

人の道を外れた男の左腕を切断したSTGは左手で汗を拭った後、声に出す。

空かさずルリはストアーから離れ、いつの間にか取り出したスターリングMk7を構える。

 

「まさかこんな芸当が出来るとは・・・!」

 

手も使わずに起き上がったストアーは時計塔まで大ジャンプし、着地した後、身体に力を入れ、銃剣を手も使わず気合いで抜いた。

 

「ふうぅぅ・・・ハッ!!」

 

切断された筈の左腕が生え、それを見た周りにいた者達は驚くしかない。

まるで映画、漫画、アニメにしか見られない光景に沙耶と鞠川は驚きの声を上げる。

 

「あいつ、何処のナメック星人よ・・・!」

 

「まるでアニメみたい・・・」

 

それをありすも目に焼き付けており、ジークはただ黙っているしかない。

左腕の再生を終えたストアーは、再生したばかりの左腕を慣らす。

 

「左腕の感覚が余り感じない・・・少し油断していたようだ。だが、このストアー、容赦せん!」

 

右腕を翳した後、高城邸から二回ほど襲撃してきた洋風の美女と和風の美少女がストアーの左右に現れた。

 

「あいつ等は・・・!?」

 

「私達を狙ってきた女達・・・!」

 

衛生兵に応急処置をして貰っているアレクサンドラが見て言った後、冴子が答えるようにしてストアー達を睨みながら言う。

さらにその横には拘束されて連れて行かれた筈の言葉が姿を現した。

 

「小娘は厳重に拘束された筈・・・!」

 

「私が解放したのだよ、女軍人。さぁ、ここからが本当の地獄の始まりだ!!」

 

ストアーが言い放った後、学校のありとあらゆる場所から魔法陣が現れ、そこからガイコツやドイツ国防軍や武装SS等の軍服を纏ったゾンビアーミー、マシンガンゾンビが召還された。

空が分厚い黒い雲に覆われた後、妙な声を上げる一般親衛隊の将官用制服を着た男が現れた。

 

「HAHAHAHA、Joey eggplant!」

 

周りに複数の頭蓋骨を浮かばせて霊体化した。

さらにストアーは召還を続ける。

地面から黄色い眼光を光らせるゾンビが多数這い出てくる。

モールで見たクリーチャーも現れ、まだ見たことがないクリーチャーまで召還される。

 

「これだけと思ったか?この国には偽りの恨みを持つ国家が攻めてきたな?」

 

「まさか・・・!そいつ等までゾンビにする気か!?」

 

「その通りだ少年、私は黒魔術をも習得し、蘇らせた死体を使役することに成功した!出でよ!我が僕達!!」

 

ルリがそうはさせまいと小さな短機関銃をストアーに向けて発砲したが、謎のバリアに9㎜パラベラム弾が突き刺さったままになる。

そして地面から鈍器になる物などを持った中国人民解放軍や大韓民国軍、朝鮮人民解放軍の野戦服や迷彩服を着た大多数のゾンビアーミーが、この小学校だけではなく周辺から這い出てくる。

 

「さぁ、どうする?これでも私達と戦うか?!」

 

左手の指を差して問うストアーに、ルリは悪魔的な表情を浮かべ、綺麗な青色から血に染まったかのような赤に変わった瞳で答えた。

 

「もちろん、全部殺してやる・・・!」

 

空間に右手を突っ込んで、大鎌を取り出し、目の前にいたゾンビやゾンビアーミーに斬りかかった。

武器を持ってない孝達は直ぐに隠してあるハンビィーの元へ急ぎ、それをSTG達が援護する。

それと同時にその場に居たワルキューレの兵士達は戦闘を始め、陸上自衛隊員も、相手が先に発砲してきた為、自衛隊法に従い応戦を開始した。




次回は激戦です。

これって・・・一種の無理ゲーかな・・・?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。