日本の床主に近い場所にて、武装SSの野戦服を着た男がワルサーP38を構えながら前に進んでいた。
その男は武装親衛隊が理想とする容姿を持ち、長官のヒムラーの副官を務め、虐殺に手を染めない親衛隊大佐の優秀な指揮官ヨアヒム・パイパーだ。
「(ヤンキー共に手を上げた瞬間、変な霧に包まれてこの様だ。それにここは何処だ?看板に漢字とひらがなが書かれているからして日本だな)」
パイパーは道形を進んでいくと、血が出ている右肩を左手で押さえた若い女性が彼の前に現れる。
「どうしましたか?
もちろん彼の喋ってる言葉はドイツ語で女性には分からない、女性はパイパーの背中に隠れた。
女性が逃げてきた方を見ると、呻き声を上げながら複数の男女が近付いてくる。
追ってくる男女の目を見れば、皆白目を剥いており、肌の色もまるで死人だ。
直ぐにパイパーはワルサーP38を向けて警告する。
「
パイパーは拳銃を向けながら叫んだが、男女は止まらない。
爆弾を抱えたパルチザンが警告を無視して突っ込んできた経験があった為か、躊躇いも無くワルサーの引き金を引く。
乾いた音が鳴り、飛ばされた9㎜パラベラム弾は先頭の男の胸に命中した。
だが、男はまだこちらに向かってくる。
それは紛れもなく歩く死人、ゾンビだった。
「っ!?そんな馬鹿な・・・9㎜弾でもかなりの激痛があるはずだぞ!」
男が苦しむことも無く近付いてくるのに対して、パイパーは驚く、心臓に向けて発砲するも、死ぬこともなく近付いてくる。
「
やけくそ気味にワルサーP38を先頭のゾンビの頭に向けて撃った。
すると、ゾンビは糸が切れた人形のようにその場に倒れる。
「(そうか・・・!頭か!)」
心の中でそう思うと、パイパーは迫り来るゾンビ達の頭に向けて次々と当てていく。
弾倉の中身の弾が切れると、再装填をせずにナイフを取り出し、ゾンビの頭を斬った。
数秒後には襲ってきたゾンビ達は全滅し、パイパーはワルサーP38を再装填する。
「さて、お嬢さん。一体ここは何処でしょうか?」
自分の背中に隠れていた若い女性に問いただす。
しかしドイツ語なので、女性は全く理解できない。
「No、English(英語は喋れません)・・・」
「(英語も喋れないのか・・・)」
女性は慌てた表情で答えた、パイパーはその答えに困り果てた。
その時、女性が急に口から血を吐き、苦しみ始めた。
直ぐに寄り添って身体をさするが、パイパーの看護も虚しく女性は力尽きて死亡する。
「クソォ・・・一体何が起きたんだ・・・?」
悔しながら地面を拳で叩く、直後女性が起き上がり、パイパーの方を向いた。
彼は「ドッキリか?」と思ったが、それはドッキリでもいたずらでも無い、本物だ。
ゾンビと成った女性はパイパーに襲いかかった。
「うぉ!なにを!?」
パイパーはゾンビの首を左腕で押さえ、噛み付かれないようにする。
振り払おうとするが、腕の力が強すぎて振り払えない。
口から垂涎が飛び散り、今にもパイパーを喰おうとしている。
「いい加減に・・・!」
右手からワルサーP38をゾンビの頭に向けて撃った。
その場で額に穴を空けて倒れる。
「どうなってるんだ・・・?」
パイパーは動かなくなったゾンビを見る。
押さえていた右肩を見ると、動物にでも襲われたのか、噛み跡があった。
「こいつは・・・!?」
右肩の傷を詳しく調べれば、人の歯が肉に食い込んでいた。
「どうやらここの地区ではカリバリズムが流行ってるらしい・・・」
そう口にした後、目に入った建物に入った。
ワルサーP38を構えながら壁に沿って進んでいくと、ある扉を見つける。
警戒しながらドアノブを握って、扉を開けた。
「これは・・・!」
パイパーが見たのは部屋の中央で倒れ込んでいる女性達であった。
一人目は頭に赤いスカーフを巻いた青い軍服(?)を着た茶髪の小柄な白人女性、二人目は赤と銀の髪の女性、三人目は長い銀髪の豊満な胸を持った黒い軍服の女性、最後は先の女性と同じ銀髪な少女、その女性の豊満な果実を頭に乗せている。
顔を見れば、全員顔立ちが整っており、かなりの美人だ。
彼は早速、女性達を起こすことにした。
「お嬢さ方、起きてください。風をひきますよ?」
一人目の赤いスカーフの女性を手でさすると、直ぐに目を覚ました。
「ここは・・・?」
「(英語を喋ってる)失礼、私はドイツ第三帝国の軍属の将校です。しかし貴女方は何故ここで寝ているのです?」
「ドイツ第三帝国・・・?それに貴女方って・・・!?」
赤いスカーフの女性は、パイパーを見て驚き飛び上がる。
余りの驚きにパイパーは宥めるが、女性は後ろで寝ている他の女性達に気付き、驚きの声を上げた。
その頃、孝達はガソリンスタンドに着いていた。
当然街がこんな状況なので店員は来ない、孝はサイドカーのエンジンを切る。
「ガソリン残ってるかしら?」
「どんなガソリンスタンドでも乗用車千台分が入るタンクを備えてるから大丈夫だろう」
2人が会話を行っている中、ルリは荷台から降り、その後2人はも降りた。
「セルフ式だからお金かカード入れないと」
「だったら入れればいいじゃない!」
「また痴話喧嘩ですか?」
二度目の口論が始まった瞬間にルリの発言で、止まる。
孝はガソリンを入れようと、ポケットを探すが、ルリのジュースで殆ど残ってないことに気付く。
ため息を付いて麗の方に振り返った。
「ルリちゃんにジュース買ってしまったからもう残ってない・・・」
「最低・・・」
この答えに頭に来たのか、麗に怒鳴る。
「悪かったな!僕が永じゃ無くて!」
「何よいきなり!いつ永と比べたのよ!」
「最低って言ったろう、それを最高が有るってことじゃないか!永のことに決まってる」
またもや口論が始まった。
流石にルリもどうするか分からない、必死に頭を回転させてある言葉を思い付く。
「トイレ行きたい!!」
その瞬間、孝と麗は口論を止まる。
どうやら今争ってる場合じゃないと気付いたのだろう、暫くした後孝がルリに話し掛ける。
「ルリちゃん、お金・・・持ってるかな?」
言われたとおりポケットを探ってみたが、金銭らしい物は無かった。
「無いのかよ・・・麗、お金とか、カードとか持ってるか?」
「無いわよ、財布鞄に入れぱっなしだもん」
麗の答えを聞いた孝は小声で呟く。
「なんだよ、自分のことは棚に上げてたのかよ・・・」
聞こえていたのか、ルリが上目遣いで見てるのが見え、孝は恥ずかしくなって顔を赤くする。
そして事務所に目を付けた。
「あそこに店員の事務所が在るから、あそこなら多分金の方には困らない」
「強盗でもするの?」
「まさか、店員1人も出てこないんだぜ?多分誰も居ないよ」
孝は笑みを浮かべながら答える。
そして事務所に向かっていく。
「なにかあったら叫べよ」
「うん」
そう言った後、事務所に入った。
ルリは我慢できなくなったのか、近くのビルに向かう。
「トイレ?」
「うん」
「奴らに気を付けて!」
麗が言った後、ルリは手を振りながらビルに向かっていった。
2人が去った後、麗に危機が迫ると気付かずに。
その証拠に荒い息をしながら、麗を見る視線があった。
他に源文勢の転移書かないと駄目かな?