市内のガソリンスタンド前をおぞましい光景に変えたルリは返り血を浴びたままその場を去っていった。
一方この光景を見ていたハーゲン、ゴロドク、バートル、ゾーレッツは、ルリという愛らしい少女とは思えぬ行為に唖然と恐怖を抱いていた。
「間違えない・・・あれは悪魔だ!!」
ゴロドクはルリが起こした地獄絵図を見て声を震わせながら叫ぶ、他の3人も額に汗を浸らせながらこの光景を目に焼き付けている。
「おいおい、じゃあ・・・あれは皮でも被った悪魔だとでも言うのか?」
ゾーレッツの問いにゴロドクは頷いた。
「あんなに可愛い悪魔が居るものなのか・・・現に俺達がロシアから未来の日本に転移した。もう不思議じゃないな」
「それに死人が歩いてる。これからはこんな出来事が起きるかもしれない」
ハーゲンとバートルが冷静に判断する。
「取り敢えず使える物を探そう。死人共が這い寄って来そうだ」
ゾーレッツの言葉に全員が頷き、血で染みた道路に落ちてる使える物を探す。
「駄目だ、みんな血が入って使い物にならねぇぞ」
血に染まった短機関銃を取ったゴロドクは引き金を引いてから、弾が出ないと確認するとそれを捨てる。
他にも銃を確認したが、血が機関部にでも入ったのかどれも作動しなかった。
「おい、早くしてくれ!死人共が来たぞ!」
ハーゲンはG43を構えながら使える物を探すゴロドク、バートル、ゾーレッツにゾンビが来たことを知らせた。
その知らせに3人は直ぐに探すのを止めて向かってくるゾンビ達に銃を向けながら後退する。
使える手榴弾を拾い、何処か適当な場所に投げ込んだ。
投げ込まれた方向が爆発すると、そこへ吸い込まれるように向かっていく、これを見ていた4人はゾンビが音で反応する事を知った。
その頃のルリは何処かのマンションでシャワーを浴びていた。
流れる水に身体についた血が混じって排水溝に流れていく、全て流し終えた後シャワーを止めて浴室から出た、掛けてあるバスタオルで身体の水分を拭き取る。
全身を拭き終えたると、それを綺麗な身体に巻いた。
そして玄関に向かい、ドアにバリケードを立てた後、寝室に向かう。
寝室には2つのベットがあり、ドアに近いベットの上には短機関銃に自動拳銃と狙撃銃、弾薬と着替え、ショルダーバックがある。
銃器はH&KのUMP45、SIGのP232、狙撃銃はSR-3ヴィーフリ。
弾薬はそれぞれの弾倉に弾丸、着替えはセーラー服に下着だ。
何故セーラ服なのかは真意は無い。
全て確認し終えた後、ルリは身体に巻いたバスタオルを外して全裸になった後、上になにも乗って無いベットに寝ころんだ後、布団を被る。
「明日は孝と麗ちゃんか毒島ちゃん達に合流しないと・・・」
睡魔に襲われるかのようにルリは直ぐに目を瞑り眠りにつく。
そして夜は明けて、地獄が始まってから二日目が立った。
パッキー達はお互いの視界をカバーしながら前に進んでいた。
「まだ橋の方が騒がしいな」
「治安組織がまだ生きてる証拠だ、そして余計にゾンビを集めてしまってる」
ボタスキーの言葉にパッキーはそれに答える。
空には飛行機や報道ヘリが飛び交っていた。
「煩いほど飛んでるな、スティンガーがあれば撃ち落としてやりたいが」
ラッツは冗談交じりにヘリを見ながら言う。
ポイントマンであるパッキーが、ワルキューレの一団を確認した。
「綺麗に2列に並んで行進してやがる。あの動きはどうみても軍事会社や傭兵とは違うな、おそらく組織的な何かだ」
パッキーは身を隠しながら言う。
「パッキー、ゾンビ」
チコはパッキーの肩を叩いて、後ろからゾンビが迫ってくることを知らせる。
「移動しよう」
パッキーがそう言った後、4人は橋の方向へと向かっていった。
残りの源文勢とヴァルキュリア勢の行動は番外編で書こうかな?