ルリが一階に降りると、直ぐ玄関へと向かう。
そこへ玄関に向かおうとするルリを見た麗が、彼女に声を掛ける。
「何処行くの、それと今の銃声は?」
「女の子を助けに。あの銃声はコータちゃんが女の子の周りのゾンビをやっつけているの」
「そう・・・じゃあ、ここに奴らが入ってこないか見張ってるから」
そう言った後、ルリと一緒に玄関を出た。
外へ出れば何体かの奴らが、少女が居る家へと向かっている。
麗はなるべく音を立てないように戸を開けるが、僅かな音でも
ルリはUMP45とP232と一緒に持ってきたバールを構え、数秒足らずで始末した。
そして手に持つUMP45の安全装置を外し、道なりにいるゾンビの頭を精確に撃ち抜きながら少女の元へと急ぐ。
「バイクも使わずに・・・」
ベランダからゾンビを狙撃していたコータはルリの行動に驚き、銃爪から指を離し、狙撃を止めた。
そこへ孝が声を掛けてコータを我に返す。
「着いた!」
物の数秒で目的の家に辿り着き、少女の周りにいるゾンビの頭を撃ち抜いていく。
最後に一体でUMPの弾倉の中身が尽きた。
即刻P232に切り替え、最後の一体の頭を撃ち抜いた。
「終わった・・・ふぅ・・・」
額の汗を袖で拭きながら息を吐く、助け出された少女は短機関銃と拳銃を持ったメイド服を着たルリに驚いている。
門から入ろうとした一体に気付いた少女は、直ぐにルリに知らせる。
「メイドのお姉さん、後ろ!」
直ぐに振り返り、ルリは迫り来るゾンビの口に銃口を突っ込む銃爪を引いた。
「ありがとう!」
ルリは少女に礼を言う。
少女に抱きかかえられている子犬は礼でも言うように短く吠えた。
その時、家の中から獣のような叫び声が聞こえ、家の住人の悲鳴や断末魔が聞こえてくる。
窓ガラスを割って、全身に電撃や炎を纏った身体の一部が損壊した地獄の番犬の様な犬が数匹程現れ、抱きかかえられている子犬はその犬に対し吠えるが、その犬の獣のような吠え方に吠えるのを止めて震えてしまう。
ベランダからコータが援護射撃をするが、犬に対して全く通用しない。
ルリも手に持つ拳銃を雷犬に向けて撃っても、貧弱な拳銃弾はなんの効果も無かった。
精々、少女に襲いかかる雷犬を止める程度だ。
P232の弾丸も尽き、再装填しようとするが、雷犬達が待ってくれるはずもなくルリに覆い被さる。
食らい付く雷犬の頭をルリは必死に抑えて抵抗するが、他の雷犬も彼女の肉を喰らおうと這い寄ってくる。
ここで終わりとルリは思ったが、コータが使うAR-10とは違う銃声が響き、同時に覆い被さっていた雷犬が死に、爆発した。
地中から軍服や南アジアの平服を纏ったゾンビが這い出て来るも、何処からの銃撃で倒される。
ルリは起き上がり、銃声が聞こえてきた方向を見ると、XM177やM16A1、MP5SD3などを武装した男4人が、周りにいるゾンビを手慣れた手つきで全滅させると、ルリ達の元へと近付いてきた。
「大丈夫か嬢ちゃん?」
ブニーハットを被った白人の男がルリに手を差し伸べた。
彼女は男に対し警戒したが、迷っている時間は無いと判断し、彼の手を取る。
少女の方は既に助けられており、他の3人が周囲を警戒している。
そして拠点にしていたメゾネットから、駐車場に止めていたハンビィーがエンジン音を鳴らしながらルリ達の方へと向かってきた。
乗っているのは孝やコータと下着だけの女性陣、ハンドルを握っているのは先程タオル一枚だった鞠川だ。
いつの間にか服を着ている。
女子高生とバウアー達は下着のまま(冴子は裸エプロン)だったので、それを見ていた黒人は、えらく興奮していた。
ハンビィーの上に乗っている裸エプロンな冴子がルリに助けた男達の事を聞いた。
「ルリ君、その男達は?」
「なんだか知らないけど、助けて貰いました」
「ねぇ、なんで裸にエプロンなの?」
「君にはまだ早い」
ブニーハットの男が少女にそう告げる。
それと同時に日が天に昇り、長い夜は明けて朝日が来た。
この後は、キャラ紹介でも書こうかな?