1944年3月ソ連領内西部の何処か
その地で装甲懲罰大隊Zbvが迫り来るソ連赤軍の機甲部隊に対して迎撃を行っていた。
「砲撃が止んだぞ。各中隊損害を知らせろ、イワン共が圧し押せてくるぞ」
この首が見えない位に襟を立てたコートと頭の先が見えないほど士官帽を深く被った男は懲罰部隊の長のシュタイナーだ。
無線から損害は軽微と聞いたシュタイナーは「迎撃戦を開始しろ」と手に持つ受話器で傘下の中隊に伝える。
「また来やがったぜ、これで何度目だ?」
「ここを取らなきゃ殺されるからだろう」
ティーガー重戦車の車内にて若い戦車兵のアッシュは呆れたかのように言い、それに大男のコワルスキーが答える。
「黙って口を閉じてろ。来たぞ、T34が2個中隊、型は85㎜砲。先頭の奴に撃たせるな、先に潰せ!」
ブルクハイトはアッシュとコワルスキーに活を入れた後、一番乗りをしようとするT34/85を砲手のアッシュに撃つように命ずる。
88㎜砲から飛ばされた砲弾は機銃口に命中し、内部爆発を起こす。
僚車からも一斉に砲口から砲弾が放たれた。
「10時から多数のT34が突っ込んでくるぞ!狼7、離れ、クソ、やられた。砲を10時に回せ!」
ブルクハイトの重戦車中隊は突っ込んでくるT34の群れに砲撃した。
何台かは大破するがそれでもまだ突っ込んでくる。
「まだ突っ込んでくるぞ!うぉ!?歩兵が肉薄してくる、機銃を撃ちまくれ!」
前部に搭載されたMG34が火を噴き、僚車も突撃する歩兵に機銃攻撃をする。突撃してくる赤軍歩兵は無数に飛んでくる7.92㎜弾でドミノ倒しの様に倒れていく。
ソ連赤軍が不利だが、数では圧倒的だ。
その時ソ連軍の数機の航空機が飛来し、傘下のⅣ号戦車中隊を襲った。
「
誰か言った後、対空砲が飛来した航空機に攻撃を開始する。
何機かは撃墜され墜落したが何機かに逃げられた。
Zbvの必死の防戦で膠着状態になる中、突如戦場に濃い霧が発生した。
「ン?何だこの霧は・・・?」
後方で指揮するシュタイナーが居る場所にも霧が発生する。
霧の所為で戦闘は中断、その後Zbvの移動本部が動き出す。
徐々に霧が濃くなり、やがて残りのⅣ号戦車中隊と一部のティーガーを残してZbvはこの戦場から消えた。
学黙はまだか!と思う人はもう少しお待ちを・・・