学園黙示録 ゲンブンオブザデット   作:ダス・ライヒ

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最初はオメガ・グループの帰還から。

この作品出る佐藤は原作者とは一切関係ないよ!そして中村も。

後、Zbv再登場です。それとヤンデレの火付け役登場☆!


番外編(佐藤&中村編)
帰還とコンビの出動


時は遡り、小室一行がパッキー達と出会う所まで戻る。

目標であった西寺の確保に成功した小松を始めとしたオメガ・グループの面々、少々荒っぽい確保の仕方をした為に回収地点が変更となり、さらに軍事結社ワルキューレの追跡部隊に追い回されていた。

 

「しつこいストーカー女達だ、まったく!」

 

小松はMP5SD6を追ってくる中歩兵などに向けて乱射しながら後退する。

彼の前には頭にボロを被せて脚と腕を拘束した西寺を抱えた隊員2名が必死に走っている。

このチームで唯一の重火器を装備した田中がM203に弾頭を装着すると、敵が密集している方角に撃ち込み、何人かを殺傷した。

 

「小松、新手だ!2時方向から敵兵20人ほど!」

 

「一個大隊でも追ってきてるのか、たく!」

 

平岡の知らせに小松はMP5SD6の弾倉を弾数が満杯の弾倉に替えて弾幕を張る。

そして回収地点に近付くと、長距離無線機を背負った隊員から知らせを聞いた。

 

「おーい!位置を知られる前に皆殺しにしろとか言ってるぞ!」

 

「無茶言うなボケェ!高々一個分隊で大隊を全滅できると思うか普通!」

 

遮蔽物に身を隠して弾幕を張っていた小松は、無線兵にそう返答した。

回収地点の一歩手前まで来ていた小松達であったが、迂闊に自分達の正体を明かすなどと言うマネは許されない。

先程チーム全員に知らせた無線兵が良い事があったらしく、それを皆に知らせた。

 

「航空機を支援に出してくれるらしい、今、こっちへr」

 

無線兵が航空機が来ていると言った瞬間に、上空から航空自衛隊所属のF-2爆撃型6機が現れ、ワルキューレの追跡部隊を一掃した。

 

「始めて空自が無人都市に爆撃演習を行った・・・」

 

その光景を遮蔽物から見ていた田中はそう呟く、回収地点にCH-53が着陸、小松達はそれに乗り込んで行く。

 

「結構ハードな任務だったな?」

 

隣の席に座る隊員が口を開いた、それに平岡は答える。

 

「ああ、それにしても、あの女兵士達は何だ?聞いてないよな田中?」

 

「そんなこと聞かれても僕には分かりませんよ、装備も僕が知らない物を多いし。おまけに数が多いし、予想外な事が多すぎますよ」

 

田中は嫌々と語り始め、皆の共感を集めた。

 

「そうだよな、さて、帰ったらメシ食って寝るとするか」

 

「俺は飲んでから寝るよ」

 

小松が言ったことに始めに口を開いた隊員が付け足す、西寺と小松達を乗せたCH-53は、ゾンビ鎮圧が終わった四国へ進路を取った。

 

そして某県 榊野町。

ここも死者の世界と化していた。

床主と同じく”奴ら”が町を徘徊する・・・その町の住宅街にSUV一台が道路を走行していた。

 

「中村、そこを右だ」

 

後部座席に顔に傷が付き頭にバンダナ巻いた肥満体型の男、佐藤が足を組みながら運転をしている眼鏡を掛け、ブニーハットを被る男、中村に指示をだしている。

 

「はっ」

 

だが、中村は佐藤が指示を出した逆方向にハンドルを回す。

 

「てめぇ、右も左もわからんのか!ボケェ!カス!」

 

佐藤は運転してる中村の頭に蹴りを入れる。

その所為でSUVはコントロールを失い壁にぶつかりそうになるが、何とか体勢を立て直す。

 

「イテェ!(ちくしょう、いつか殺してやる!)」

 

蹴られながら中村は心で思った。

ちなみに2人とも武装してる。佐藤大輔は消音器付きのM4A1カービン、中村はFNミニミと消音器付きMPL。

何故彼等自衛隊の調査別室がこの榊野町に居るのか・・・?

それは佐藤のお友達の頼みである。

小林源文のオメガシリーズを読んでないと分からないが、佐藤大輔は世界中にお友達が沢山居るのだ。

マフィアや軍人、海賊、その他多数。取り敢えず飽きないほど多い。

その中の薬品会社アスタルシャの社長が頼んできたのだ。

彼が言うには「俺に黙ってうちの科学者共が何かウイルスなる物を作っている。何故か知らんが製造している研究所が日本の学校の地下なんだ。それを回収してくれ(以降中略)」と、電話で頼んできた。

佐藤は彼に何度か助けられた恩があるので、頼みは断れない。

オメガに向かわせるつもりであったが、全部隊出動中なので仕方なく忠実なる部下、中村と共に榊野学園高等学校に向かう。

 

「(なんで高校の地下なんかに研究所が在るんだ?何処かの小説じゃあるまいし)」

 

葉巻を吸いながら佐藤は疑問に思った。

次の瞬間、車が急停止した。その衝撃で佐藤は前部座席に頭をぶつける。

 

「中村~、急に停止しやがって。ボケェ!」

 

怒りに満ちる佐藤が中村の頭を何度も殴りつける。

 

「でぇ、でもぉ、二佐殿!ひ、人が!」

 

「ん?」

 

殴るのをやめて佐藤は窓を見る。腕を押さえてる男が助けを求めていた。

押さえる腕からは血が水滴のようにこぼれ落ちている。

 

「た、助けてくれ!あんた等自衛隊だろ?」

 

これを聞いた佐藤は「以下にも」と、答える。

男の顔に希望の笑顔を浮かべ、「だったら乗せてくれ。俺、医者なんだ」と、言う。

佐藤は「榊野学園ってどっちですか?」と、医者の男に質問した。

 

「東に行った先だ。あっちに避難所が在るんだろう?一緒に連れてってくれ、頼む!」

 

医者の男は乗せてくれと何度も頼むが、勿論、佐藤と中村は乗せるつもりは更々無い。

佐藤はポケベル付きのC4爆弾を取り出し男に渡す。

 

「それは救難用の通信機です、このポケベルみたいに引けば救出部隊が来ます。自分等は任務があるので、では」

 

佐藤は窓を閉め、中村に車を出すように指示した。

後ろを振り向き徐々に小さくなる医者の男をずっと見てると、その男はポケベルの紐を引いた。

音がけたたましく鳴り響き、複数のゾンビが男の周囲を囲む、そして佐藤はニヤニヤしながらC4の起爆スイッチを押した。

 

バーン!と、爆破音が住宅地に響き渡り、それに釣られて奴らが凸凹コンビが乗るSUVを無視し、爆破音が聞こえた方に向かう。

 

「音に反応するってホントだったな」

 

彼は納得した顔で言う。

 

「佐藤二佐殿、なんで見捨てたのですか?」

 

中村の質問に「アァ!?」と、呻って中村を殴ったり、罵倒する。

 

「テメェ!俺に死ねと言うのか!あいつ噛まれてただろう?ああ!?噛まれた奴はゾンビに仲間入りなんです!分かりますか?中村三曹ど・の!!」

 

再びコントロールを失うSUV。その数秒後、コントロールを取り戻した。

暫く走ってると空から大きなエンジン音、地上からは銃声や怒号、爆破音が聞こえてくる。

 

「この音は自衛隊の装備じゃねぇーな。まさかライバルの奴らじゃないだろうな・・・」

 

佐藤はそう口にしながら葉巻の煙を吐いた。

そして榊野町に到着。

町中から銃声が響き、それに混じって悲鳴が聞こえる。

 

「民間人まで殺してるのか・・・警察はロクに動いてないようだな」

 

SUVの車内で煙草を吹かす佐藤、中村は運転に集中してる。

 

「二佐殿、人が車の前に出て来ますが?」

 

「あー、轢き殺せ」

 

中村の質問に佐藤は適当に答え、それを聞いた中村はSUVのスピードを上げ、前に出てくる奴らを轢き殺す。

 

「追加だ、あんま轢き殺すな。車が壊れる」

 

「はい」

 

車内で佐藤と中村がこういう風な会話が続いた。

その頃、Zbvは先に榊野学園にコンビよりも先に着いており、学園内を双眼鏡で見ていた。

 

「ふむ、学校内では先程、我々に向かってきた歩く死人で溢れているようだな」

 

シュタイナーはハノマーク指揮車仕様から双眼鏡で学園内の様子を窺っていた、そこに多数の発車煙が目に入る。

 

「ん、発射煙(マズルフラッシュ)?家中調べたがフル・オートのライフルは無かったハズだぞ?直ぐに偵察部隊を編成し、あの学園に向かわせろ」

 

無線兵に指示を出すと、双眼鏡を降ろして、車内に戻った。

そして学園では既にワルキューレの回収部隊と二個中隊にも及ぶ支援部隊が生存者構わず銃を乱射していた。

 

「ヒュー!最高!」

 

FAMAS-F1をゾンビや生きた生徒に向けて乱射しながら叫ぶPASGTヘルメットを被ったワルキューレの兵士、もう一人もMP5A5でゾンビの頭を撃ち抜いた後、その兵士に声を掛ける。

 

「あんまり無駄に撃ってると弾が無くなっちゃうよ」

 

「良いじゃん、上にいる弾薬持ってる奴に弾を借りれば」

 

「そう言う話かな・・・?」

 

軽装備の茶髪でエメラルドな瞳の女兵士は少し悩んだ顔をする。

それを腰に届くまで長い黒髪、豊満な胸を持った少女、桂 言葉が壁越しから見ていた。

 

「(どうする・・・?今飛び出したら確実に殺される・・・そしてここに止まってもゾンビに成った誠君に噛まれてゾンビに成ってしまう・・・何かあれば・・・)」

 

言葉は脳内で考え込むと、周りに使える物は無いか見渡す。

消化器が目に入り、安全ピンを外して消化器を持つと、2人の女兵士が居る方向に飛び出し、ホースを向けた。

2人の女兵士は、それぞれ手に持つ銃を直ぐに向けたが、言葉の方が早く、消化剤が2人の視界を奪う。

その隙に果物ナイフを取り出し、PASGTを被ったFAMAS持ちの兵士の喉を切り裂く。

喉を斬られたFAMAS持ちは口から血を吐いて苦しみ、やがて力尽きた。

茶髪のMP5持ちは直ぐに言葉に銃を向けたが、背後に回られて、拘束された。

言葉はその女兵士の喉元に果物ナイフを突き付け、尋問を開始する。

 

「質問します、貴女達のどうしてここに来て生存者構わず銃を撃つのです、それとこのゾンビ発生と関係在るんですか?」

 

英語で聞いた言葉、しかし、MP5持ちは何のことだかサッパリ分からない。

 

「そんなの知らない!ただ回収部隊の動きを良くするために銃を撃てと言われてるだけよ!」

 

「そうですか・・・所で、他の仲間の位置は?」

 

「屋上に続く道にそれぞれ配置されてる・・・残りは学園内の鎮圧行動してる・・・もう全部話したでしょ?離してよ」

 

言葉は、「フーン」と呟いた後に、ナイフを喉に突き刺し、茶髪の女兵士の息の根を止めた。

そしてその兵士が持っていたMP5A5とMP-443、予備弾倉などを奪うと、誠ゾンビが居る部屋に向かった。

 

「(誠君・・・悪いけど・・・的になってもらいます・・・)」

 

MP-443の安全装置を外して、誠ゾンビの頭に照準を合わせて撃った。

乾いた音が鳴り、空薬莢が床に落ちた音がした後、頭を撃ち抜かれた誠ゾンビはその場に倒れて動かなくなる。

そして言葉はその場を後にした。




次は佐藤中村コンビVS言葉にしようかな?

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