学園黙示録 ゲンブンオブザデット   作:ダス・ライヒ

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タイトルに困ったからこれに。

最近リアルで忙しい・・・

それと〔〕のカッコは英語だよ。


俺が変人に見えるか?

「(な、なんだコイツ等は・・・!?頭のイカれたコスプレ白人男か・・・!?)」

 

山本は目の前に立つドイツ国防陸軍所属戦車第8中隊通称黒騎士中隊の長のバウアーと、たった一人となってしまった古参のクルツに驚いていた。

一方のバウアー達は、山本の服装について議論している。

もちろん、彼等はドイツ語で喋っているので山本にはドイツ語を理解できない。

 

「大尉殿、この東洋人の男、連合軍の整備兵の格好をしておりますよ?」

 

「ああ、噂では米軍(アーミー)の陸軍に日系専門の歩兵部隊が在ったらしいが、まさか整備兵まで居たとわ。流石様々な民族が住むアメリカでもある」

 

部下のクルツと話し終えたバウアーは、尻餅を付いて倒れ込んでいる山本に手を差し伸べた。

 

「〔大丈夫か?アメリカ人〕」

 

「はい・・・!?」

 

英語で話し掛けられたために山本は、暫し混乱する。

 

「センキュー、せんきゅー・・・」

 

山本は英語を理解できたので、迷わずバウアーの手を取り、礼を言いながら立ち上がる。

 

「〔変な目で君は見ているが、そんなに俺が変人に見えるか?。君、名前は?それと連合国軍の何処の所属だ?私はドイツ第三帝国国防陸軍所属で階級は大尉、名はエンルスト・フォン・バウアーだ〕」

 

突然英語で喋り掛けられた挙げ句、軍属の者と勘違いされた山本。

次にクルツが自己紹介を始める。

 

「〔私も大尉と同じドイツ第三帝国国防陸軍所属、階級は軍曹、名前はクルツ・ウェーバーだ〕」

 

この空気に「名乗らないと駄目かな?」と思った山本は自己紹介を始めた。

 

「〔お、俺の名前は・・・山本っていいます・・・ちなみに俺ぇ・・・軍隊所属じゃ無いし・・・そもそも軍隊はこの国にはありませんし・・・それに俺・・・日本人だし・・・〕」

 

この山本の自己紹介にバウアーとクルツは思ったことと違うので驚く。

 

「〔軍属所属ではないのか・・・と、なると工場関連の所属か・・・〕」

 

「〔整備工所属です・・・はい・・・〕(なんか失礼なこと言っちゃったかな・・・?)」

 

山本はこの空気に暫し戸惑うが、バウアーとクルツ達は彼が何を戸惑っているのか理解できない。

少し空気を変えようとクルツが口を開く。

 

「〔まぁ、これでお互いの事は分かったことだしこれで良しとしましょう。大尉殿〕」

 

クルツが喋り終えた瞬間、バウアーに撃ち殺されたハズの男が起き上がった。

 

「〔ん、急所を撃ったはずだが・・・まだ息があったのか?〕」

 

起き上がった男にバウアーは近付いたが、山本は頭を何かで潰されてない起き上がる死体はゾンビだと分かったためにバウアーを止めようとする。

 

「〔ああ、待ってくださいバウアーさん!近付いちゃ駄目です!〕」

 

「〔一体何を言っているんだ?そいつを片付けないとまた襲われるぞ〕」

 

「〔いや・・・だからその・・・〕」

 

起き上がる男に対して、クルツは突撃銃(Stg44)を向けて警告した。

 

ハルト(動くな)!〔聞こえないのか?!動くなと言っている!〕」

 

「〔ああ、もう!兎に角この歩く死体には頭が弱点なんです!!〕」

 

「〔歩く死体に弱点は頭だと?一体何を言ってるんだ山本・・・!?〕」

 

完全に起き上がった男(ゾンビ)は近くで銃を向けて警告していたクルツに襲いかかった。

 

「〔聞こえないのか?!動くなと言っただ・・・〕」

 

クルツが喋り終える前にバウアーが彼に迫るゾンビの頭部に狙いを定めてStg44を発砲した為、驚いて口が止まってしまった。

 

「〔いきなり発砲するなんて何考えているんですか・・・!?大尉殿〕」

 

「〔なに、山本の言ったことが気になってな。成る程・・・歩く死体に弱点は頭・・・こういう事か・・・〕」

 

どうやらバウアーは山本の言葉の意味を試したらしい、クルツは少し不満であったが、一応上官に礼を言っておく。

 

「この人少し危ないかな・・・?〔ハハハハ・・・まさか曖昧なことを試しちゃうなんて・・・〕」

 

「〔それはそうと何故、最初からあいつの弱点は頭だと言わなかったんだ。俺がお前の言ったことを試してなければクルツが殺されてた所だぞ?〕」

 

バウアーは眉をしわ寄せながら山本を叱る。

 

「〔すいません・・・流石に歩く死体で頭が弱点だなんて最初から言えないっすよ。信じろって言われても信じられる訳じゃないし・・・〕」

 

「〔それもそうだな、現に我々が1945年のドイツから来たと言われても信じられる訳が無いからな。それはそうと、歩く死体は俺が戦前に読んでた架空戦記の小説通り、頭以外何処を攻撃しても死なないのか?〕」

 

「〔まぁ、そう言うことになりますね・・・それはそうとあいつ等音に敏感です〕」

 

この山本の返答にクルツは何かを思い出したかのように口を開く。

 

「〔それを早く言ってくれないと、ここに来る間にデカイ音を立ててしまってる。大尉殿、急いで戻らないと〕」

 

「〔うむ、それはそうだな。では、戦車に戻るぞ!山本、お前もついてこい。我々はこの土地に知識は無い、道案内を頼む〕」

 

「〔え・・・?あ、はい!〕」

 

バウアー達こと黒騎士中隊について行くことにした山本、奇跡的に呻き声はしたが、ゾンビと遭遇することはなかった。

そしてビルから出て、暫く進むと、山本の目の前にドイツ第三帝国が誇る二両の戦車、ティーガーⅡとパンターがそこにあった。

山本はミリタリーマニアの予備軍であった為に興奮する。

 

「す、スーゲー!キングタイガーにパンター戦車じゃないか!〔もしかして・・・ハリボテじゃ・・・〕」

 

その山本の問いにバウアーは笑いながら、自分の乗車であるティーガーⅡの装甲を叩いて答える。

 

「〔これがハリボテに見えるか?!〕ハッハッハッ!ハルトヴィヒ、酔っ払いの様に歩く東洋人は見たか?」

 

答えた後、バウアーは車内にいる乗員に「ゾンビは見たのか」と聞く。

 

「いえ、大尉達が帰ってくるまで人っ子一人見てません!」

 

「そうか。〔山本、俺の戦車に乗れ!〕」

 

バウアーに「乗れ」と指示された山本はその言葉通りにバウアーのティーガーⅡに乗り込む、それと同時にクルツも自分の乗車であるパンターG型に乗り込んだ。

 

車内に入った山本は、今では博物館に展示されて残ってる車輌に中を覗き込まない限り見られない現物の車内がそこにあった。

搭載している砲弾にMG34も全て本物であり、乗員ですら本物のドイツ戦車兵だ。

感情が高ぶった山本は抑えることが出来ず、叫んでしまう。

 

「ヒャッホォォォゥ!最高だぜぇぇぇぇ!!」

 

「〔煩いぞ!山本!!〕」

 

「あ、〔すみません・・・〕」

 

バウアーに叱られた山本は申し訳なさそうに謝る。

暫く進んでいると、砲手が目の前にゾンビが現れたと、戦車長であるバウアーに告げた。

 

「大尉、前方に泥酔した東洋人が複数!警告しますか?!」

 

「〔山本、あれが歩く死体だな?〕容赦するな、奴らは架空戦記の小説に出てくる魔物だ!榴弾を装填しろ!目標はあの東洋人達だ!女子供でも油断するな!それと奴らの弱点は頭だ。他を撃っても手足を引き千切っても襲ってくるぞ!無線手、後続のクルツにも伝えておけ!」

 

「「「「了解(ヤヴォール)!」」」」

 

バウアーの指示で無線手は後ろからついてくるクルツのパンターにそれを伝え、装填手は、徹甲弾を排出して、榴弾を装填した。

それを確認した砲手は、戦車長のバウアーに告げる。

 

「榴弾を装填しました、いつでも撃てます」

 

「よし、目標12時方向、射て(フォイヤー)!」

 

王の名に相応しいティーガーⅡの主砲である71口径88mm戦車砲から発射された榴弾が、走行音で引き寄せられるゾンビ達に真っ直ぐと向かい、着弾し、血煙を起こした。




ワルキューレの戦車隊と戦わせて見ようかな?っと思っている作者。

流石に第1世代や第2世代と戦わせるわけにはいかんな。

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