学園黙示録 ゲンブンオブザデット   作:ダス・ライヒ

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黒騎士編最終話です、ヴィットマンとの出会い。
ゾンビの存在が消えかけている・・・
授受って(じゅじゅ)であってる?


撃破王との出会い

山本の入浴が終えた後、黒騎士中隊は20時を持って山本を戦車の中に入れて銭湯を出た。

流し終えて油の臭いが晴れた身体が再び油の臭いが染みついた。

 

「あ~また油の臭いが・・・」

 

「おいおいそう喚くなよ。ヤパーニッシュはこんな状態でも文句は言わないハズだぞ」

 

「〔僕は太平洋戦争時の日本人じゃありません!〕」

 

山本のボヤキに装填手の男が口を開き、その言葉に山本は英語で突っ込んだ。

周りのバウアー達はその事で大笑いする。

そして床主近くまで来ると、上空にヘリのプロペラ音が聞こえた。

 

「この音は、ヘリという飛行機か!」

 

バウアーの言葉の後に山本は砲塔後部ハッチを開けて、ヘリを確認する。

 

「あ、あれは陸自のブラックホーク!それにチヌーク!一個中隊規模の出撃・・・何かあるな、こりゃぁ・・・」

 

その山本の言葉にバウアーは日本語で喋った為にチンプンカンプンだった。

陸上自衛隊と機体後部に書かれたブラックホーク6機とチヌーク3機が、丁度バウアー達のティーガーⅡとパンターの上空を飛び去る。

一方、偶然にもティーガーⅡとパンター戦車を見た陸上自衛隊員が居た。

 

「おい・・・今の・・・」

 

「何だよ、俺は今仏さんに祈ってる最中なんだ」

 

89式小銃を肩に掛けて、座席に座って授受を持って祈っている隊員に外の様子を見ていた隊員が話し掛けた。

 

「今、キングタイガーとパンター戦車が見たんだが・・・」

 

「たまたまプラモデルかラジコンが落ちてたか?」

 

「違うんだ・・・工場の働いてそうな奴がキングタイガーの上に乗って、キューポラからドイツ戦車兵が上半身を出していた・・・」

 

「はぁ~ゾンビがマジで現れた数時間後にお前の頭にウジが湧いてきたか」

 

その言葉に眼鏡を掛けてFNミニミを装備した分隊支援員の隊員が心配そうに口を開く。

 

「任務が終わった後に、病院を紹介しようか?」

 

「多分、ショックが強くて幻覚を見たと思う・・・ありがとう、今の言葉で目が覚めたよ」

 

黒騎士中隊を目撃した隊員は幻覚と思って見たことにして、バウアー達のことを心の奥に仕舞っておいた。

そして山本はバウアー達が日本政府に知られたことを確信した。

ティーガーⅡの車内で頭を抱えてその事で悩む。

 

「(やべーよ、やべーよ。こんな混乱時にゾンビだけならずしかも大戦後期のドイツ戦車が今の日本に現れたんだ・・・結構ヤバイことに成るんだろうな・・・)」

 

そう悩んでいる間に車内が振動し、山本は現実に戻された。

 

「うわぁ!今度は何だよ!?」

 

「着弾、2時方向から攻撃されたもよう!」

 

「またあいつ等か!懲りない奴らだ!」

 

操縦手から報告を受けたバウアーは直ぐにキュボーラを覗いて敵戦車を確認する。

 

「居た!距離300、2時方向、スチュアート2両だ!」

 

最初に挑んできたM5A1スチュアート様に側面を攻撃してきた。

もちろん同じ事で、対してティーガーⅡにダメージが与えられない。

効かないと判断した2両のM5スチュアートはその場から逃亡を計ったが、黒騎士達が逃がすわけが無く、ティーガーⅡとパンターの主砲を喰らって撃破された。

敵が無力化した後にバウアーは装填手に質問する。

 

「徹甲は何発使った?」

 

「2発です」

 

「2発・・・残り55発と言った所か・・・榴弾も含めると徹甲弾の数が心配だな」

 

この答えにバウアーは頭を抱えて悩む、黒騎士中隊は再びエンジンを吹かせて前に進んだ。

暫く進んでいると、1両のM4A1シャーマンに遭遇した。

山本は「またか」と思い、バウアーは直ぐに砲手に砲撃を命じる。

車体が後ろをティーガーⅡに向けていたために餌食となった。

パンターの砲声も聞こえ、バウアーが後ろをパンターの後ろを見てみれば、1両のM4シャーマンが火を噴いていた。

 

「バウアー大尉!前方にM4シャーマン5両!」

 

操縦手がバウアーに報告、見れば5両の76.2㎜砲塔型のM4A3シャーマンが迫り、砲をティーガーⅡに向けていた。

 

「大尉が!目標M4シャーマン、ファイアー!」

 

戦車長のクルツの指令で砲塔が真ん中のM4シャーマンを吹き飛ばしたが、残り4両の砲はずっとバウアーのティーガーⅡに向けられていた。

その時、突然右側のM4シャーマンが爆発、その数秒後にもう1両が大破した。

 

「大尉は8.8(アハト・アハト)を撃っていないぞ!この砲撃は12時方向、シャーマンの後ろだ!」

 

クルツはキューボラから身を出して双眼鏡を覗いて、砲声がした砲を確認した。

見れば1両のティーガーが88㎜の砲口から砲煙を上げながら次のM4シャーマンに狙いを付けていた。

残りの2両は一目散にこの場から逃げようとしたが、バウアーとクルツが逃がすはずもなく撃破された。

戦闘の爆発と砲声でゾンビが引き寄せられたが、進路場に邪魔になる奴だけを機銃で排除して黒騎士を助けたティーガーの元へ急いだ。

 

「あのティーガーの所属は第1SS装甲師団かな?」

 

クルツは上半身をキューボラから出して、合流したティーガーの所属を確認した。

山本も車外に出てティーガーを見る。

そして3両とも停止させると、ティーガーから出て来た男に驚く。

 

「あ、あれは尤も戦車を撃破した男。ミハエル・ヴィットマン!」

 

最初に口を開いた山本の言葉通り、ドイツ第三帝国のチート人間の一人、ミハエル・ヴィットマンが黒騎士の目の前に姿を現した。




ヴィットマンと会ってこれからと言う時にまさかの終了です。

お次はパイパー編でゾンビ戦です。

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