学園黙示録 ゲンブンオブザデット   作:ダス・ライヒ

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ゲルト姉ちゃん参戦・・・!


集結予定地

パイパー達が脱出した後、彼等の近くに新たな転移者がこの地獄に訪れた。

 

「グ・・・ここは・・・?」

 

その転移者は茶髪の白人少女であり、着ているのはえらく改造されたWWⅡ時代のドイツ空軍の制服だが、下に履いているのは下着だけだ。

綺麗な美脚が露わになっている。

 

「確か私は・・・それより宮藤は!?」

 

気絶した状態から起き上がった少女はある姓名を叫び、辺りを見渡す。

 

「クソ、ここは一体何処なんだ・・・!?」

 

足を動かし、周囲を確認しながら、自分が気絶していた場所を探し回る。

机を見つけた少女は、上に置いてある衣服に目を付けた。

 

「この服は・・・?」

 

徐に服を手に取り、広げて何か無いか調べる。

 

「う~む、中々動きやすそうな服だ。よし」

 

着ていた軍服をそのまま脱ぎ捨て、机に置いてあった衣服を着た。

そして鏡を見つけ、似合っているかどうか確かめる。

 

「思った通りに動きやすい、以前より回避行動が早くなるな。これならマルセイユの奴に勝てそうだ!」

 

アフリカの星と呼ばれた男の名を言った後、一緒に置いてあったSIG社の拳銃P230を手に取る。

 

「501に支給されるワルサーPPkに似ているが・・・今は使える武器が無い。ここの家主には悪いが貰っておこう」

 

そう言いながら、予備弾倉もポケットに入れて、ドアを見つけてここから出ようとした瞬間、自分がズボンを履いてないことに気がついた。

 

「このまま外に出ては何か嫌な予感がする・・・ええい、それでも私はカールスラント軍人か!」

 

自分を叱りながらドアに向かおうとしたが、気持ちが抑えられず、ズボンを履いてP230のガンホルスターを付けた。

そして装備を確認した後にドアを開けて外に出る。

 

「夜中か・・・看板を確認する限りここは扶桑か・・・?」

 

異世界から来た影響なのか、日本のことを扶桑と呼んだ。

P230を取り出して、足を動かす。

 

「宮藤は何処だ・・・?」

 

またその名を口にする。

暫く進むと、その名前の人物を少女は発見した。

その名前の主は中学生位の小柄な少女で日本人だ。

宮藤と呼ばれる少女は気絶しており、周りには人っ子1人居ない。

居るのは少女1人だけだ。

 

「っ!?宮藤!」

 

名を叫びながら宮藤の元へ急いだが、何者かがそれを邪魔をした。

その人物は少女に体当たりし、押し倒して腕を抑える。

 

「クソッ、誰だ!?」

 

少女は腕を抑える人物に強力な蹴りを入れて、自分の身体から離す。

直ぐにP230を拾い上げ、安全装置を外し、襲ってきた者に銃口を向けた。

 

「動くな!私をカールスラント軍人及びウォッチと知ってのことか?!」

 

その襲ってきた者が男と確認が取れると、引き金に指を掛けた。

一方の襲ってきた男は、銃口を向けられているにも関わらず、ゆっくりと少女の元へ歩み寄る。

 

「動くなと言っている!聞こえないのか!」

 

警告をしたが男は従わず、呻り声を上げながら向かってきた。

口での警告は無駄と判断した少女は近、づいてきた男に威嚇射撃を行ったが、それでも男は近付いてくる。

 

「これでもか・・・!ならば!」

 

照準を男の太股に向けて発砲したが、痛がる動作を見せずにそのまま向かって来た。

 

「(コイツは痛みを感じない・・・!?まさか、モルヒネ中毒か!?)」

 

某第三帝国のモルヒネ中毒の空軍大臣の事を心の中で口走った少女。

心臓に照準を向けて再び撃ったが、男は死なない。

ただ呻き声を上げながら向かってくるだけだ。

人間の一つの弱点を撃った少女は頭に照準を合わせて引き金を引いた。

頭を撃たれた男は糸が切れた人形の様にその場に倒れて動かなくなった。

死んだ男の首筋に指を合わせて脈を確認し、指を離して男の死亡を確認した。

 

「死んだか・・・しかし、この臭いからしてこの男は私を襲う前から死んでいる・・・流石にネウロウが人間にこんなことをするという報告はない。だとするとこの地で何が起こっているんだ・・・!?」

 

死んだ(ゾンビ)から離れた後、宮藤の元へ急いだ。

だが、宮藤の姿は何処にも無かった。

 

「何処だ!まさかさっきの奴みたいに!?」

 

やや取り乱しながらも周囲を見渡す、そして遠くの方で宮藤を運ぶ重装備の兵士を見つけた。

 

「おい、そこのお前!待て!」

 

大声で重装備の兵士に声を掛けたが、その兵士には全く聞こえていない。

直ぐに兵士の後を追ったが、それを邪魔するかのようにゾンビ等が少女の前に立ちはだかる。

 

「邪魔をするなら容赦はしないっ!」

 

その場に落ちていた角材を持ってゾンビを吹き飛ばす。

少女は異世界から来たのか、魔力を使えるらしく、身体に魔力を込めた。

その影響なのか、頭部に獣耳と尻に尻尾が生える。

思いっきり近付いてきたゾンビに蹴りを入れた。

蹴りをまともに受けたゾンビは数十メートル程吹き飛んでいった。

最後の一体をパンチで喰らわし、上半身を吹き飛ばす。

 

「宮藤ーーーー!!」

 

凄まじい勢いで宮藤をさらった重装備兵に向かうが、完全に見失い、その場に崩れた。

そして一方のパイパー達はというと、あの部屋から脱出した後、偶然にも銭湯の前に出てきた。

 

「脱出した先がヤパーニッシュ伝統の風呂場とは・・・」

 

余りにも予期せぬ出来事で呆気に取られるパイパー達。

この後、パイパー達は何の躊躇いもなく、銭湯に入り、身体に付いた汗を洗い流したという。

そして大事な存在である宮藤を失った少女も、偶然にも銭湯に到着していた。

 

「これは・・・!扶桑に伝わる伝統の風呂場・・・!やはりここは扶桑か・・・!」

 

少女は直ぐに銭湯に入り、内部を確認した。

 

「誰も居ないようだ・・・ん?中から声が・・・?」

 

女湯の方からアリシア達の声がした為に、少女は女湯にP230を構えながら向かう。

そして脱衣所で置かれているアリシア達の衣服を確認する。

 

「この服装からして私と同じ様な者が居るな・・・少し話をさせて貰おうか・・・」

 

そう言った後に風呂場のドアを開け、風呂場に侵入した。




スコルツェニーとマイヤーは次に出ます。
ゲンブン成分が薄れている・・・早くゲンブンキャラを出さないと・・・

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