学園黙示録 ゲンブンオブザデット   作:ダス・ライヒ

46 / 120
タイトルに意味は無いッ!
パイパー編だけ長く続いてるけど・・・早く本編に入って欲しい?

もちろん答えは本編だよね!

戦闘シーン回です、どうぞ。


ドイツ軍人はうろたえないッ!

迫ってくるワルキューレの兵士達にアリシア達は緊張の余り、息が乱れる。

セルベリアの方は慣れているらしく、息一つ乱れない。

一番前の兵士が筒型手榴弾を投げる素振りを見せた瞬間、セルベリアはMG42を接近してきた兵士達に向け、引き金を引いた。

毎分1200発の連射速度を誇る機関銃から飛ばされる無数の7.92㎜×57弾をまともに喰らい、前に居た女兵士は蜂の巣となる。

後ろに居た兵士達も薄い防弾チョッキを貫通したライフル弾を喰らい絶命した。

咄嗟に遮蔽物となる壁に避難した女兵士等は直ぐに反撃するが、アリシア達の援護射撃で次々と床に倒れるか、壁に身を寄せて怯える。

 

その時、セルベリアが持っていたMG42の弾丸が途切れた。

これをアリシアがM1カービンからM1A1トンプソンに切り替え、短機関銃の連射力でカバーする。

この間に予備の弾薬を取り出そうとするが、身体に巻いていた7.92㎜弾の束も予備の円形型弾倉も無くなっていた。

仕方なくルガーP08を取りだし、無し崩れの弾幕を張る。

 

一方のパイパー達も、この銃声に気付き、スコルツェニーが「始まったな」と小声で漏らす。

外で代わりに見ていたハルスは、外に居るワルキューレの兵士達が慌ただしく動いている様子を全員に知らせる。

 

「お嬢さん方が派手にぶっ放しているお陰で、あちらのお嬢さん方が慌ててらっしゃる」

 

「アルデンヌのヤンキー共もこんな感じだったぞ」

 

ハルスの言葉にスコルツェニーはドアを見張りながら応える。

兵隊でも訓練もしてない后達は、バルクホルンに守られながらただ怯えているだけだ。

そしてパイパー達の所にもワルキューレの兵士達が迫り、窓から銃弾が飛んできた。

 

「誰か頭を上げたな?!」

 

ヴォルナーは真っ先に后達を睨み付けだが、見つかったのは意外な人物だった。

 

「済まない、私が見つかった」

 

「マイヤー准将・・・!?」

 

申し訳なさそうに謝るマイヤーを見てパイパーは驚きを隠せないでいる。

その後「あそこで声がしたぞ!」と女性特有の甲高い声が聞こえ、手榴弾が一つ飛んできた。

 

「素人めぇ、投げるのが早いわッ!」

 

即座に手榴弾を拾い上げ、それを飛んできた方向に投げ返すスコルツェニー。

悲鳴が聞こえた後、手榴弾の爆発音が聞こえた。

 

「もう少し強力な物をくれてやるか」

 

パイパーはM24柄付手榴弾の安全蓋を外して、ピンを抜いた後、それを女兵士等が居た場所に投げた。

 

「なにこれ?」

 

自分達が使う物とは違う手榴弾であった為に徐に拾い上げる軽装備な若い兵士。

もちろん破片を飛ばす方式ではないので爆発。

持っていた左腕と頭が吹き飛び、左腕と頭がない死体はその場に倒れ込んだ。

直ぐにパイパー達は浮き足立っている女兵士達に向けて容赦なくそれぞれが持つ銃を容赦なく撃つ。

反撃できない兵士達は、戦意を消失し、階段まで引き下がり始めた。

そしてこの建物から近い位置に居るワルキューレの戦車隊が銃声を聞き付け、現場に急行した。

 

「映画とかで良く聞く銃声ね」

 

走行中のM3A5リー中戦車の車内にて女性戦車長が口を開く。

無線機の近くにいる少女はヘットフォンから現場の情報を採取し、それを戦車長の女性に知らせる。

 

「報告に寄れば第二次大戦のドイツ軍の軍服を着た男達とコスプレの様な女4名に学生3名と交戦中の模様です」

 

「家の小隊の4両を潰した奴らかしら?直ぐに片付けるわよ!」

 

「ラジャー!」

 

2両のM3リー中戦車はパイパー達の元へと急行した。

その頃のパイパー達は未だ交戦中であった。

銃声を聞き付けて集まってきたゾンビにワルキューレの歩兵部隊。

ゾンビはワルキューレに排除され、自分達が居る建物に次々と敵兵が入ってくる。

 

「弾薬が心持たないな・・・」

 

「そう言わんでください、大佐殿。イワンの連中と比べてみればマシな方です」

 

ヴェルナーが弱気に成ってきたパイパーを励ますように言う。

それに対し、パイパーは笑みを浮かべて「そうだな」と答える。

アリシア達も追い込まれ気味であった。

パイパー達と同様、弾薬は心持たない。

 

「狙撃銃の弾薬が切れてしまった!これじゃ狙撃兵が倒せない!」

 

窓にいたエイリアスは予備の弾薬も切れたモシンナガンを捨てて、M3A1短機関銃を取り出し、弾幕を張る。

PPs43短機関銃を撃ち続けていたリエラも、やや弱気になり始める。

アリシアは、M1カービンを拳銃だけのセルベリアに渡したが、状況は全く変わらない。

ますます悪化するばかりだ。

 

「アリシア、大変だ!戦車が来た!」

 

エイリアスの知らせを聞いたアリシアは「え!?」と漏らし、ドアの応戦をセルベリアとリエラに任せ、窓へ向かった。

彼女が目にした物はこちらに53.5口径37㎜戦車砲M6を向けたM3リー中戦車の姿が。

呆気に取られるエイリアスをアリシアは、直ぐに窓から遠ざけた。

砲声が鳴り響き、アリシア達の居た部屋が爆発した。

それをパイパー達は聞き逃さず、戦車の存在を探知する。

 

「え~い!戦車まで持っているとは・・・!」

 

風塵が舞う部屋で、セルベリアはリエラが担いでいたM1A1バズーカに目を付け、それを手に取った。

 

「借りるぞ!」

 

「あ、待って!弾を!」

 

咳払いをしながらリエラはセルベリアにM1バズーカのロケット弾を手渡した。

「感謝する」と言った後、安全装置を外し、風塵の中で微かに見えるM3リー中戦車に照準を合わせると、後方を確認した後、引き金を素早く引いた。

勢い良くロケット弾が飛び、装甲の薄いM3リー中戦車に見事命中、車体は炎上し、燃え盛る戦車の中から年端のいかない少女が飛び出してきた。

 

「え、子供・・・?どの子も義勇軍に居そうな年頃ばかり・・・」

 

炎上する戦車から逃げ出す少女達を見てリエラはそう呟いた。

戦車が破壊されたショックで再び浮き足立ったワルキューレの兵士達、残り一台のM3リーは隊長車両を失い、混乱状態に陥る。

 

「隊長車がやられた・・・!?」

 

その隙がパイパー達を脱出させるチャンスを生んだ。

空かさずヴォルナーは、先程アリシア達を砲撃して舞った風塵で視界を奪われたMG4軽機関銃を持った女性兵士の首をへし折り、武器と弾薬を奪った。

残りのメンバーも敵兵から武器を奪い、その場から脱出する。

もちろんバルクホルンは后達を連れている。

アリシア達も死んだワルキューレの兵士達から武器と弾薬を取ると、直ぐにパイパー達に合流した。

 

「傷一つも無しで良く生き延びた物だな・・・!?」

 

走りながらバルクホルンは服が汚れただけのアリシア達を見て驚く。

 

「ヴァルキュリア人だから怪我の治りも早いんだ!」

 

エイリアスの返した言葉にバルクホルンは「そう言う問題か?」と小声で呟いた。

次の瞬間、彼等の逃げ道を塞ぐようにM3リーが現れ、副砲の37.5口径75㎜戦車砲M3を発射した。

 

「危ない!!」

 

マイヤーの叫びで左右に散らばるパイパー達、次の副砲の射撃で后達と離ればなれに成ってしまった。

 

「クソッ!まだ一台残ってやがった!!」

 

スコルツェニーは悪態を付きながら叫ぶ。

M1バズーカを担いでいたセルベリアは、直ぐにM3リーに砲口を構えた。

弾頭はリエラが装填し、合図する。

 

「装填したわ!いつでも良いわよ!」

 

「良し、後ろから離れろ!」

 

そう後ろに居た者達に告げた後、引き金を引き、最後のM3リー中戦車を撃破した。

 

「これで戦車は全滅か・・・だが、歩兵や死に損ないはまだ残っている!」

 

戦闘音を聞き付けたゾンビ達がパイパー達の周囲を囲んでいた。

それをパイパー達は、一体一体頭に狙いを付けて始末していく。

圧倒されていた后達もそれに加勢に入るが、后が噛まれてしまう。

 

「グワァ!グールに噛まれちまった!」

 

腕を噛まれた后は、ゾンビに噛まれたらゾンビに成ると分かっていたらしく、先程ワルキューレの兵士達から手に入れた爆薬を身体に巻き付け、手榴弾を取り出した。

 

「しかしこの伊妻后、ただでは死なんッ!貴様等も道連れにしてくれるわッ!!」

 

叫びながら手榴弾のピンを抜き、ゾンビを集めた。

 

「えっ!?后!まさか死ぬ・・・」

 

鏡子の声は届かず后は自爆、手に入れたMP5kを乱射していた利木はその后の最後を見た。

 

「そんな、嘘だろ!?后ー!」

 

「あいつめぇ・・・自爆しやがったのか」

 

「これが噂の大和魂か・・・」

 

そんな后の最後に呆気を取られるパイパー達。

だが、ゾンビとワルキューレの兵士達は、それを逃さない。

 

「后、后!これは夢・・・?」

 

あまりのショックに鏡子は呆然し、瞳に涙を浮かべる。

それをアリシアは鏡子を現実に引き戻そうとしたが、彼女は倒れ、アリシアの腕の中に倒れる。

よく見れば、額に穴が開き、そこから血が溢れ出し、目から生気が失われている。

 

「し、死んでる・・・!」

 

その後、アリシアは鏡子の死体を地面に倒し、見開いた瞳を閉じた。

 

「急げ!この場から直ぐに脱出だ!」

 

マイヤーが退路を塞いでいたゾンビをG36Eに装着されたAG36で一掃した後、交戦していた残りのメンバーに告げた。

一同は直ぐにマイヤーに続いたが、利木は、親友を同時に失ってショックを受けていた。

 

「何をしている!?早くしろ!」

 

バルクホルンが立ち止まった利木に声を掛けたが、セルベリアに連れて行かれる。

利木はワルキューレの兵士達の銃撃を受け、絶命した。

その後、暫くしてパイパー達はモールに何とか到達出来た。

 

「案内役は死んでしまったが、何とか到着できた・・・」

 

そう言ってモールを見渡すマイヤー、一行はモールに入り、そこで立て篭もる事にした。

余談だが、地元の生存者達ではない先客が居たらしく、しかもバルクホルンの親類だったという。




パイパー編が終わりました。
後は本編に進むか、ヴィットマン編をやるかに迷ってます・・・

次のガルパンは新しいチームと戦車が入るらしいね。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。