そしてこれが年内最後となる更新になるはず・・・
と、言うわけでアニメ版完結です。
イレギュラーの男達の参戦により切り抜けたと思われた小室一行。
だが、それに合わせて新たなゾンビやクリーチャーも参戦する。
「こ、これは魔女のバアさんの呪いか!?」
「ぜ、絶望的すぎるぞ・・・!この状況は・・・!」
「うぇ~ん、これじゃぁ私達死んじゃうよ~」
絶望しきっている3人。
一方の4名は、迎えが来たと勘違いしている。
「お~迎えに来たか!さて、飲み物を持ってr」
ドイツ軍の軍服を着た男が、青い眼光の親衛隊服ゾンビに両手を大きく広げたが、噛み付こうとしたので、軽々しく避ける。
「な~に!?このわしに逆らうつもりか!そういう奴は死刑だ!ちなみに襲ってくる奴も全員死刑だ!!」
ドイツ軍の男は、親衛隊ゾンビをおもちゃみたいな銃で倒した。
そして他の3名もゾンビを、似た感じのデザインの銃を撃ち、次々と薙ぎ倒していく。
また新たな者達がこの場に参戦した。
今度は2人で、人外的な動きでゾンビを倒していた。
「凄い!あいつ等いったい何者なんだ・・・!?」
誰かが言った後、青い眼光のゾンビ等は呻き声を上げながらイレギュラーの男達に次々と向かっては、倒されていった。
爆音が響く中、小室一行と壮一郎達は脱出準備を行う。
壮一郎の妻の百合子は、部下が持ってきたvz83スコーピオンと予備弾倉を十分に受け取った後、高そうなドレスを豪快に引き千切り、とても高校生の子持ちとは思えない太腿と小型拳銃用ホルスターが現れる。
このドレスを着てみたいと思ったルリとバウアーであったが、破った為にがっかりする。
「あらあら」
こんな2人を見ていた百合子は女神のような微笑みをする。
そんな百合子様が、もう一つのケースを娘である沙耶に渡し、中身を見せた。
「これ、沙耶ちゃんには十分かもしれないけどお使いなさい」
中身はルガーP08であった。
断じてリヒターから奪った物ではない、その証拠に専用のドラムマガジンがセットとして収められている。
これを見たコータが大いに喜ぶ。
「る、ルガーP08!?ストックとドラムマガジンまで、しかもオランダ植民地軍モデルだ。奥さん」
「こんなの、使い方なんて分かんないわよ!それになんでママまで銃なんて持ってんの!?」
「ふふ・・・ウォール街で働いてた頃、エグゼクティブの護身コースに通ってたの。弾を当てるのはパパより上手いかもね」
そう娘に女神の様な微笑みで、自分の過去を話す百合子様。
周りの日本語が分かる者達は「凄い夫婦だ」と高城夫妻について語り合う。
次にコータの方を見る。
「平野君だっけ?娘の沙耶をお願いね」
コータは顔を赤くし、敬礼しながら英語で答えた。
「Yes、Mam!!」
「おばちゃん、一緒に行かないの?」
ありすが、百合子様をおばさん呼ばわりするが、女神の器は大きく、許される。
「そう、おばちゃん達は一緒に行けないの。だからありすちゃんが沙耶ちゃんの面倒を見てね」
「うん、分かった。ありすが沙耶ちゃんの面倒見る」
ありすは笑みで百合子と約束した。
これを見て、鞠川はニコニコする。
「ケータイとか使えないの?」
「ケータイどころかコンピューターとかも全滅!電子制御を取り入れている自動車はまともに動かないし、多分発電所も駄目だわ!EMP対策を取ってたら別の話だけど、そんなの自衛隊と政府機関のごく一部だけの話」
「直す方法はあるのか?
父である壮一郎が、沙耶に問う。
「焼けた部分を変えたら動く車はあるけど、たまたま電波の影響が少なく壊れていない車がある可能性も、もちろんクラシックカーは動くわ」
これを聞いた正徳は、「俺達の時代の乗り物は動くな」と呟いた。
その時、人外2名がベランダに飛んでやって来た。
直ぐにベランダに居る者は、2人に警戒する。
2人は拳を抑えて、流暢な日本語で名前を名乗る。
「待てぃ、我が名はスプリット。断じて君達に危害を加えるつもりはない!」
「同じく、私の名はストアー。そこに居る少女を我が主から連れ戻せと私達は命令された!」
「ルリちゃん、あの人達が・・・」
「うん・・・」
鞠川の背中に隠れながら孝の問いに小さく頷くルリ。
同格と思われる壮一郎が話し掛け、スプリットはそれに堂々と答える。
「失礼するが、その主とは・・・?」
「ああ、絶世の美女だ。だが、性格に少し難がある・・・」
「そうか・・・今はこんな状況だ、迷っている暇は無いだろう」
「さて、直ぐに・・・ストアー、どうした?」
スプリットは、ストアーの様子がおかしいことに気付いた。
それに鞠川の後ろに居たルリも居ない。
すると、ストアーが自分の持ち物が消えたと、スプリットに告げた。
「なに、ルリ様専用の薬が消えた?」
「そ、そうだ。ハッ・・・!?まさか・・・!」
ストアーが向いた先には、ベランダの柵に立つルリの姿であった。
彼等が言っていた“薬”という物を右手に持ち、それを彼女は飲んだ。
「の、飲んでしまったぞ・・・!」
冴子が見ながら言う、そして薬を飲み干したルリの身体は光り出した。
「と、突然光り出したわよ!?」
「僕に聞かれても分からない!」
「一体何が起こってるの!?」
「これは・・・!?」
「うわぁ・・・」
光が晴れた後、ルリが居た場所には、絶世の美少女が居た。
右手で顔を隠して、左手でスプリットとストアーを指差し、告げる。
「わざわざ異世界まで迎えに来て貰ったのは嬉しいけど、やっぱり今は孝達が心配だわ。愛しいマリには悪いけど、私は事を済ませてから帰ると伝えて貰えるかな?お二人さん」
「「ああ、はい・・・」」
何かを感じ取ったのか、あっさりと引き下がるスプリットとストアー。
その美少女の美しさは誰もが振り向く物であった。
身長は168㎝、ルリとは大違いのスタイルだが、胸囲はこの場にいる美少女達には負ける。
しかし、それでも美しい。
着ているのは、露出が全くない白を強調した19世紀上流階級の男性用の高価な服装。
それを纏う彼女は、さながら男装の麗人とも言えよう。
「ホントに・・・ルリなのか・・・?」
余りの美しさに孝は謎の超美少女に質問した。
「そうよ・・・私はルリ。ちょっと変わっちゃったけど」
両手を上に上げて手を絡ませ、両足も絡ませて、俗に言うジョジョ立ちと呼ばれる立ち方をしながら、全員に告白したルリ。
スプリットとストアーは、ルリの変貌ぶりに驚きを隠せない。
「あれが噂の究極形態(ハイパーモード)・・・!」
「噂では聞いていたが、まさかこれ程美しいとは・・・!」
肩を鳴らした後、強化ゾンビと大激戦を繰り広げる男達の所へ常人の目では捉えきれない速度で向かった。
敷地内で死闘を繰り広げていた男達も、彼女の美しい姿を見取れてしまう。
激戦区へ降りたルリは、何処からともなく取り出した西洋の死神が使う
次に左手を横に伸ばし、また何処からかSIG社のアサルトカービンライフルSG553を取り出した。
片手で単発にし、向かってくるゾンビの頭を撃ち抜いていく。
「凄い・・・!」
「あれはSIG社のアサルトカービンライフルSG553ですよ・・・!見た感じに次元を歪めて取り出した・・・!」
「次元を歪めるなんて・・・一体何が起こってんのよ・・・!?」
圧倒的なルリの強さと、能力に壮一郎とコータは驚き、沙耶は唖然している。
「や、やはり・・・魔女のバアさんの孫娘だったか・・・」
「どういうことだ・・・!?」
ハーゲンがゴロドクの言ったことに疑問を抱き、問い質した。
「何故かは知らんが、魔法を使っていた。間違いない、孫娘だ!!」
この言葉を聞いたハーゲンは笑いだし、パニック状態なゴロドクに告げる。
「歩く死人が居るんだ、今更あんなのが出てもおかしくない。全員行くぞ!」
肩に掛けてあったGew43の安全装置を外し、ベランダからゾンビを撃ち始める。
バウアーも敷地内に降りて、MK107を構え、サイトを覗き、引き金に指を掛けて撃つ。
後に続いて、ゴロドクもPPsh41を乱射しながらベランダを降りる。
「小室、僕達も行くかい?」
「ああ、行こう!」
コータの誘いに孝達が、ベランダから降り、そこら中に居るゾンビに攻撃する。
「孝、左に居る!」
「クソ、何時の間に!?」
奴らなゾンビを倒した麗が、孝に警告する。
「イアアアア!!」
しかも、軍服ゾンビと同じ青い眼光のゾンビだ。
イサカM37で撃つのではなく、いつの間にかルリから渡されていたH&K社の短機関銃UMP45を乱射した。
「うぉ!?きついぞこれ!」
暴れる銃身を抑えながら、文句を言う孝。
向かってきたゾンビは、25発もの45ACP弾を浴び、その場で二度と動かなくなる。
「やばいな・・・これ・・・是非、使わせて貰おう」
銃口から煙を上げるUMPを見て、孝は気に入り、新しい弾倉に取り替えた。
冴子は言うと、麗の後ろから襲ってきた四つん這いのクリーチャーを刀で一刀両断にし、近くにいたゾンビを切り捨てた。
「あ、ありがとう」
「礼には及ばんさ、宮本君」
礼を言った麗に、冴子はそう返した。
その後、圧倒的な強さを持つスプリットとストアーも参戦し、ゾンビが次々と動かない屍に戻されていくが、むしろ増える一方だ。
この爆音や戦闘の所為で、街中にいた奴らなゾンビが一斉に高城邸に向かってくる。
敷地内からも青い眼光のゾンビが、地面から這い出て、増える一方。
おまけに四つん這いのクリーチャーも増え、さらに雷を纏ったヘルハウンドが出てきた。
避難民はそれらに襲われ、奴らと成ってしまう。
「た、助けてくれ!ギャ!」
「お~、あっちはカオスな事になってるな」
WW2時代のアメリカ海兵隊員はルリと同じく何処からともなく、チェーンガンを取り出し、避難キャンプから向かってきたゾンビ等に向けて乱射した。
「フェハッハッハッ!最高にハイって奴だぁー!」
海兵隊員の男はチェーンガンをぶっ放しながら、気分がハイになっていた。
ベランダに居た壮一郎も、高城邸が落ちるのも時間の問題と察した。
「パパ、家に立て篭もって・・・」
「守って何の意味がある?!鉄門が破られ、家に立て篭もっても押し入られ、喰われるだけだ!!」
娘の勧めを敷地内で暴れるルリ達の爆音に負けず、大いに怒鳴る壮一郎。
そんな2人に、kar98kを持った副官が知らせに来た。
ちなみにリヒターは、H&K社の民間モデルのG3A3を持っている。
「2階から確認しました。まだ隣家に配置した者はまだ襲われておりません!門の補強も可能です!」
その知らせを聞いた壮一郎は、ベランダに避難した構成員と避難民に告げた。
「吉岡、得物を持ってこい!それと避難民を誘導しろ!生き残りたい者はこの男に続け!武器を持てる者は、襲ってくる死者を退けろ!」
避難民に告げた後、自分の日本刀を持ってきた部下から日本刀を取ると、妻と共に敷地内に降り、強力な火器を持つ男達と同様の戦闘力を発揮した。
車庫から銃撃していたパッキー達は、高城夫妻の強さに驚きを隠せない。
ボタスキーとチコはM16A1を撃ちながら口に出す。
「あいつ等だけでもゾンビ共を全滅できるんじゃ?」
「とても強い、強い」
「それは無理な相談だ、ボタスキー。目が光るゾンビが増え続けている」
パッキーは、XM117を撃ちながらボタスキーの考えを否定する。
隣から襲ってくるゾンビをSPAS12で挽肉に変えたラッツが付け足す。
「それにこいつ等は音で感づく、あんなデカイ音を鳴らしながら戦闘をやってる。全滅させるなんてまず不可能だ!」
この答えに2人は「全くだ」と言ってから、車庫に近付こうとするゾンビを撃ち殺していく。
そこへ、正徳とゾーレッツに守られながら、沙耶とコータが来る。
いつの間にか、イレギュラーの男達を除く全員が車庫に来ていた。
「この車に乗って逃げるつもりですか?」
車庫に入ったコータが、リカの家にあったハンビィーと重機関銃付きのハンビィーを見ながら指摘した。
そして、機銃が搭載されてないハンビィーから工員のおっさんが飛び出してくる。
「そうでもないぜぇ、兄ちゃん!」
出てきた場所が、沙耶の足下であった為に、スカートの下が見えてしまう。
直ぐに沙耶は、スカートを抑える。
「失礼、ラッキーですよ、お嬢様。機銃付きは既にEMP対策済み、そしてあの軍用バギーも。しかもお嬢様が乗ってきた車も対策済み、一体どんな持ち主だ?」
「じゃあ、この車動くんですね!?」
「ええ、でもダメージ受けてるんでちょいと不安ですが。少し手を加えれば動きそうです!その間に時間を稼いでください!」
工員が整備をする間に、小室一行は車庫を守る形で外に出て行った。
荷物は既に詰め込み済みである。
ハイパー化したルリは、一斉に車庫に向かってきたゾンビとクリーチャー達に対し、大鎌からパンツァーシュレックに取り替え、それを撃った。
対人用弾頭でも積んでいたのか、一気に血煙が上がり、彼女の白い服が赤く滲む。
正徳は、冴子と共に日本刀で次々とゾンビを切り捨てる。
「やるな、毒島嬢!」
「そちらこそ!」
斬りながら互いにほめ合う正徳と冴子、それを見ていたゾーレッツは、彼等の後ろから迫るゾンビをMP41で片付けていく。
「お二人さん、背中にご注意だ!」
「済まない、ゾーレッツ!ハッ!」
正徳はゾーレッツに礼を言った後、近くに居たゾンビを斬った。
踊るようにゾンビを駆逐していたルリは、冴子が軍服や海賊風なゾンビ等に追い込まれている場面を目撃し、SG553を構えて直ぐに救出に向かう。
僅か10秒で一掃され、冴子を囲んでいたゾンビは全て動かない屍に戻された。
「た、助かった・・・感謝する・・・」
「イエイエ」
助け出された冴子は顔を赤らめながらルリに礼を言う。
異常なほど美しい男装の麗人は、近付いてきたゾンビに振り向きもせず撃ちながら笑顔で返す。
ベランダから投げ出されたダイナマイトの爆発が響き渡る中、夕暮れは無くなり、夜空が広がっていた。
その時、リヒターを襲った白人の女性が現れた。
「む?あれは・・・!」
真ん中で高城夫妻と共同していたリヒターは、G3A3を白人の女性に向けた。
その女性は茶髪の美人、瞳の色はエメラルドグリーンにルリと同じく透き通るような白い肌。
彼女の手には、ルガーP08が握られていた。
直ぐに引き金を引いたリヒターであったが、銃口から放たれた7.62×51㎜NATO弾は、突如現れた長い黒髪の少女に止められてしまった。
その少女も大和撫子を具現化した様な容姿をした美少女であり、右手には日本刀と左手には鞘が握られていた。
美女と美少女には一切ゾンビは襲わず、ただ孝達に向かってくる。
まるでその2人を主人と上げているようだ。
直ちにスプリットとストアーが2人に襲い掛かる。
「貴様等、さては能力者だな?!」
勢いよく向かうスプリットであったが、黒髪の少女に斬られ、あっさりと返り討ちに遭う。
「グハッ!ぬぇん・・・!」
受け身を取って、体制を立て直す。
邪魔なゾンビを片付けながらストアーは、スプリットの隣へ来る。
「スプリット、奴は?」
「どうやら我々と同じ能力を持っているらしい・・・」
傷口を抑えながらストアーに語る。
大激戦をやっていた男達が、謎の美女と美少女に気付き、立ち向かっていった。
「美人に美少女か・・・!俺の物にしてやるぜぇー!」
「ヒャッハー!美女と美少女だぁ!」
「そこの大和撫子!いざ尋常に勝負!!」
「俺の妻みたいに・・・醜く殺してやるぜ~!」
雄叫びを上げながら勢いよく向かう4人であったが、白人の美女が手をかざしただけで吹き飛んでいく。
地面に叩き付けられた後、爆発したが、4人は無傷であった。
次にハイパー状態なルリが、2人に向かう。
「勝ったッ!アニメ版完!!」
「ま、待てぇ!その2人は協力ですぞぉー!」
ストアーが制止の声を掛けたが、時既に遅く、黒髪少女の日本刀でバラバラに切り裂かれ、肉塊に変えられてしまった。
その光景を見ていた一同は、衝撃を受けた。
「る、ルリぃーーー!!」
ルリの死を見て孝は叫んだ。
だが、肉塊が一つに集まって光り出し、そこから幼女が現れた。
もちろんその正体はルリである。
「いかん!あの少女が殺されてしまう!!」
スプリットは叫び、ストアーは一人で美女と美少女に立ち向かっていった。
リヒターはそれに続く。
「ぬぁぁぁぁぁぁ!!」
勇敢に立ち向かうストアーは、見事幼女から2人を引き離すことに成功した。
リヒターは幼女を抱えて、そこから退避する。
そしてスプリットからあることを頼まれた。
「その幼子はおそらくルリ様だ。理由は聞かんでくれ、ともかく我々は奴らを食い止める。行けぃ!」
彼の話が終わったと同時に、ハンビィーの整備が終わり、工員の知らせが来た。
「出来ましたぜ!お嬢様!」
「やっと!?じゃあ、みんな早く車に!」
沙耶はルガーP08を構えながら、全員に車に乗るように命じた。
一方、幼女を抱えていたリヒターは、高城夫妻の元へ来る。
「我が友リヒターか。貴様も行け!」
「しかし、壮一郎はどうするのだ?」
「私達はここで足止めします。貴男は彼等についていき、そして見守ってください」
この言葉にリヒターは、少し迷ったが、左手で幼女を抱えて敬礼した。
「グットラック、ヘルシャー壮一郎とイーレフラウ百合子」
敬礼を終えた後、リヒターは幼女を抱えながら小室一行の元へ向かっていった。
それを見送った後、夫妻は戦闘を再開する。
コータがSR-10を撃ちながら後退した後、車庫に入り、自分達が乗ってきたハンビィーに乗り込む。
そのハンビィーの運転席に座る鞠川は、外にいる全員に告げる。
「荷物は全部積み終えているわよ」
「僕はこっちのバギーで行きます」
孝と麗は、軍用のバギーへと乗り込む。
パッキーと転移した軍人達は、機銃付きのハンビィーへと乗り込んだ。
丁度その時、幼女を抱えたリヒターが車庫へとやって来た。
「済まないが私も乗せてもらえないか?」
彼が抱えている幼女は白いワンピースを着ており、ルリを幼くした感じだった。
「あ、この子ルリちゃんだよ」
ありすが、幼女をルリと分かった。
「あの男達の言う通りか・・・では、行こう」
リヒターは軍用バギーに乗り込み、その後MK107を撃ちながらバウアーが乗り、麗が乗る。
機銃付きハンビィーから、ハーゲンとゴロドクがバギーに乗った。
運転するのは孝だ。
機銃無しのハンビィーに沙耶、冴子、ありすが乗ったのを確認した鞠川は、エンジンを掛けて何時でも出せる準備をする。
「松戸、あんたも・・・!」
「いや、私はここで足止めをします」
工員は工具を持って、車庫を出て行った。
それを沙耶はただじっと見ている。
「高城さん、もう少し待つ?」
「良いわ、出して」
運転席に座る鞠川は、沙耶が瞳から涙を流しているのを見て、アクセルを踏んだ。
向かってくるクリーチャーを跳ね殺しながら車庫から出た後、戦っている高城夫妻の隣を通り過ぎる。
後から機銃付きのハンビィーが続いていくが、その間を強引にウィリージープが入り込んだ。
「コラァ!何処の馬鹿だ!?」
ラッツは運転席から怒鳴るが、そのジープに乗っていたのはイレギュラーの男達だった。
敷地内は辺り一面血で赤く染まっており、その血は誰のかは分からない。
後ろからM2重機関銃の銃声が響く。
「うわぁ!いきなり滑ったぞ!?」
「血の所為よ!気を付けて運転して!」
「そんなの無理だぞ!」
一番後ろの軍用バギーは、必死に機銃付きのハンビィーについていく。
門を突破した先には、ゾンビの群れがあったが、ジープから六角形の物体を投げ出された後、ブラックフォールの様なことが起こり、ゾンビがそこへ吸収されていった。
いつの間にか朝日が上る中、バリケードに見覚えのあるマイクロバスが突っ込んでいた。
沙耶達が乗るハンビィーは、鞠川のドライバーテクニックがあったのか、車体を片方に傾け、潜り抜ける。
これは褒めるところだが、今はしている場合じゃない。
「あれをなんとかする方法は!?」
「無い!」
機銃付きのハンビィーの車内でラッツの問いにパッキーは解決策はないと答えた。
しかし、またしてもジープからバズーカのような物を持ったソ連赤軍の兵士が、バスに向けて放った。
謎の風圧がマイクロバスに向かっていき、バスを上空に飛ばしてしまった。
「あれは・・・魔法か・・・?」
「し、知らん・・・!」
バギーに乗っていたハーゲンとゴロドクはそれを見て唖然した。
その後、一行は奴ら(ゾンビ)に遭遇しながらも道なり進み、ショッピングモールへと辿り着いた。
しかし、そこは既に先客が居たのであった。
一万字は誤解であった・・・
祝い、アニメ版完結!
さて、次回からは番外編でも行こうか。