学園黙示録 ゲンブンオブザデット   作:ダス・ライヒ

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黒ずくめの集団は、成人男性の兵士が突撃銃イジェマッシAK-12フルカスタムに軽機関銃PKM、散弾銃サイガ12、サイドワームはグロックとUSPが混じり合った外見のKBPGSH-18。
成人女性の兵士が、LMTMRP CQB16、FN P90、PP-19ビゾン、PP2000、HK MGS90、サイドアームはグロック26。
子供兵士の方はケチってきたM4カービンフルカスタム、マグプルPDR、FNミニミ、HK MP7、サイドアームはSW シグマSW9GVE。


悪夢来る

新たな危機が迫っているのにも気付かず、孝はマイヤー達はモールから出て行く時間帯を話し合っていた。

屋上では、麗がリエラと共に見張り当番をしており、彼女の背中にはリュックサックと銃剣付きのM1A1が掛けられ、いつでも出て行く準備をしている。

リエラは、やや日本の成人男性の身長はあるとはされる少女が肩に掛けている自動小銃の事を聞く。

 

「ねぇ、そのライフル。何処から調達したの?」

 

突然話し掛けられた麗は、リエラにM1A1の事を聞かれた為、それに答える。

 

「先生の友人宅からちょっと・・・元はM14って言うアメリカ軍が使う自動小銃なんですけど、これは民間用タイプです。銃剣が付けられるんですよ」

 

答えた後、肩に掛けていたM1A1をリエラに見せた。

普通の少女に取っては重い長物だが、それよりも重い物を持って戦場を駆け抜けてきた彼女に取っては慣れた物だった。

 

「M1ガーランドに似てるけど、弾倉とか付いて長いから別物ね」

 

そう言って、肩に掛けてあるAK-74をリエラは麗に見せた。

 

「これは確か・・・良くニュースで映ってるAKって言うライフルですか?」

 

「そう。あの平野って言う男の子に聞くまで分からなかったんだけど、扱いが簡単だから直ぐに覚えちゃった」

 

笑顔でAKの操作性の簡単さを物語るリエラ。麗は少し揺れる彼女の胸を見ながら、AKの操作性の良さを知った。

遠くの方を見れば燃料切れで道路に放置されたⅣ号戦車J型とⅢ号突撃砲G型に、電磁パルスの影響下で動けなくなった車から掻き集めた燃料を、乗員達が注いでいる光景であった。

場所は変わって、床主にある造船所。

そこにドイツ武装SSを思い浮かばせるような野戦服を纏い、士官帽を被った男が居た。

その男だけでは無い、造船所には軍服や迷彩服を纏った人々で溢れかえっており、軍用の車両や組み立て式基地がある。

男は司令本部として使われているテントへ足を踏み入れた。

 

「ケストナーだ、入るぞ」

 

司令官らしい女性がこのテント内に居る全員に、男を出迎えるよう立たせて敬礼させる。

 

「総員傾注せよ!」

 

敬礼した後、全員がそれぞれの作業に戻った。

ケストナーは、司令官の前に椅子を持って来て座る。

 

「マクシミリアン軍集団で私が一番乗りかな?所で、侵略国家群はどうなっている?」

 

これに司令官は、書類に目を通して確認した後、ケストナーに伝える。

 

「少し劣勢でしたが、あなた方の軍集団の到着で、海岸まで押し返しつつあります」

 

「そうか、やはりあの男は私の見込んだとおりだ。で、噂で耳にしたんだが、ここのショッピングモールに立て篭もっている連中は何だ?」

 

地図を持ち出して、ケストナーは司令官に、孝達が立て篭もるモールを指差しながら、司令官に問う。

 

「現在偵察機で確認したところ、かなりの戦闘力を持つ武装集団と判断して、対策を考えています」

 

「ふむ、侮れん連中だな。よし、奴らが立て篭もるその建造物に歩兵砲をぶち込め、連中の士気を挫く。そして奴ら(ウォーカー)共に小手調べをさせて、投降を誘うのだ。もし従わなかった場合は、特殊兵一個中隊で鎮圧せよ!」

 

了解(コピー)!」

 

ケストナーの命令を聞いた司令官は、立ち上がって敬礼した後、彼が命令した通りにする為に、受話器を取り、砲兵隊に指令を出した。

指令を受けた砲兵隊と護衛部隊は造船所を出撃、護衛の歩兵分隊が搭乗したトラックを先頭に、M1943 76mm歩兵砲を牽引した砲兵隊と弾薬を乗せたトラックが後へ続く。

一方のモール内では、出て行く準備がほぼ終わりつつあった。

駐車場に止まっている枢軸国の兵士達が乗ってきた車両にも、外から矢モールから調達してきた燃料が注がれる。

モール近くで、彼等の出方を見ていた黒ずくめの集団と少年少女達を中心とした強襲部隊が、部隊長からの合図を待っており、遠距離無線機を背負い、野戦帽を被った少女が受話器を耳に当てながら司令部からの指示を待つ。

射程距離内に近付いた砲兵隊は、M1943 76mm歩兵砲をモールに配置し、砲弾を装填、いつでも撃てる指示を待った。

 

「歩兵砲並び強襲中隊配置に着きました!」

 

「よし、歩兵砲発射!」

 

オペレーターからの知らせを聞いたケストナーは、指示を飛ばした。

遠距離無線機を背負っていた女性から取った受話器から指示を聞いた歩兵砲の隊長は、砲兵達に砲撃をするよう指示する。

 

「砲撃開始!目標、前方のモール。射て!」

 

76㎜歩兵砲は砲声を響かせ、発射された榴弾はモールへと進む。

 

「この音は!?伏せて!」

 

砲声を聞いたリエラは麗を伏せさせ、自分も伏せて、頭を抱える。

命中した榴弾は爆音を響かせ、周囲にいた奴らを集めた。

自分達の車両に燃料を入れていた彼等が、砲撃された事に気付いき、早く戻ろうと、燃料補給を急ぐ。

モール内にも爆音が響いた為、避難民達はパニックを起こす。

 

「な、なんだ!?」

 

「うわぁぁぁ!!あいつ等が居るから攻めて来たんだ!!」

 

パニックを起こした避難民の一人である少年は、悲鳴を上げながら奴らが侵入しようとしている非常口のドアに向かって行った。

もちろん孝達やマイヤー達はこれに気付き、パイパーとセルベリアにミーナが、武器を持って屋上へ上がる。

 

「大丈夫か!?」

 

先に着いたパイパーが、伏せていた麗とリエラの無事を確かめる。

 

「大丈夫です!それより今の砲撃は!?」

 

リエラは立ち上がり、麗を立たせた後、先の砲撃を問う。

直ぐにセルベリアが、首に掛けてあった双眼鏡で、周囲を確認する。

後ろにサイドカーを止め、プラカードを上げた女性兵士が目に入り、セルベリアはそこへ双眼鏡を合わせる。

 

「パイパー、あそこにいる戦乙女達は降伏を迫っている」

 

セルベリアに渡された双眼鏡を手に取ったパイパーは、プラカードを上げている女性兵士を見た。

 

「軍使も寄こさず、降伏を迫るか・・・よし、ミーナ中佐。狙撃銃でプラカードを・・・」

 

「大変だぁーーー!!」

 

パイパーが言い終える前に、その場にルッキーニが突然割り込んできた為に、全員が彼女の方を見る。

 

「どうかしたの?」

 

「お、お化け、お化けが入ってきた!!」

 

「これでは何を言ってるのか分からん、詳しく説明しろ!」

 

ミーナがどうしたのか聞いた後、ルッキーニの言っている事が分からないので、セルベリアが問い詰める。

 

「頭がおかしくなった先客の兄ちゃんがドアを開けて、お化けを入れちゃった!」

 

「お化けって・・・奴らの事?」

 

麗が聞いた後、ルッキーニが素早く頷く。

数秒後には、モール内から銃声が聞こえ、避難民達の悲鳴が響き渡る。

パイパーは、手に持つMP40の安全装置を解除した後、G43狙撃銃を持つミーナに指示した。

 

「取り敢えず返答はしておけ、プラカードを撃ち終えたらモールに戻って我々に加勢してくれ。ミーナ中佐以外は、モールで死人を迎撃だ!」

 

「はい!」

 

指示を終えたパイパーはミーナ以外を引き連れて、モール内に戻る。

残ったミーナはG43のZFK43/1スコープを覗き、降伏を迫る文字が書かれたプラカードを撃ち抜いた。

ケストナーは報告を受けた後、その返答方法を知って激怒する。

 

「強襲部隊直ちに突撃せよ!連中を皆殺しにしろ!」

 

唾を飛ばしながら指示した後、受話器を乱暴に戻した。

指令を受けた強襲部隊は直ちにモール内へ突入し、突入の邪魔をしていた奴らを排除しながら前へ進む。

奴らの迎撃に追われている孝達とマイヤー達は、新たな敵の存在にも気付かないのであった。

そして自分達が足手まといと気付いた老夫婦達は、屋上へと向かう。

屋上で迎撃に当たっていたルリは、屋上から身を投げようとしている老夫婦を目撃した。

 

「おや、お人形さんみたいな娘かい?」

 

老婆が、SG553を構えて撃っているルリに気付き、声を掛ける。

次に老人が彼女に告げた。

 

「良かったら妻を助けてくれたあの子達と、気遣ってくれた軍人さん達に伝えてくれないか?」

 

ルリは頷き、これを見た老人は笑顔で口を開く。

 

「自分達はこれ以上、生きられない。生きていれば、迷惑を掛ける。助けてくれたお嬢ちゃん達には悪いが、先に逝かせて貰うよ」

 

言い終えた後、ルリの目の前で老夫婦は屋上から投身心中した。

それをルリは止めずにただじっと見ていた。




二回に分けて投稿する予定。

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