くぅ疲マン 作:宇宙飛行士
1,前回までのあらすじ!
立ち入り禁止になっている廃寮に忍び込んだことで、俺とガッチャマンはデュエルアカデミアから退学することを命じられる。
しかし俺が『勘弁してください、ガッチャマンが何でもしますから』と五体投地、土下座、寝下座を繰り返した結果、アカデミアからお情けとして、学園側から用意したデュエリストとのタッグデュエルで勝てば見逃してくれることに。
一体どんな相手なのか?ガッチャマンとのタッグで勝つことは出来るのか?そういえば明日香っち最近元気無いけど何かあったのか?
━━そんなことはどうでもいい!!(迫真)
どんな奴でも俺たちは勝たなくてはいけない。絶対にだ!!
次回、『プロデューサー、好きな色ってある?私は蒼が好きかな』
デュエルスタンバイ!
2,油断せずに行こう(テニヌ感)
なんとアカデミアが用意した二人のデュエリストは、あの伝説のデュエリスト『武藤遊戯』と対戦したことのある迷宮兄弟だった。
なるほど、と俺はそれを知り一つ頷き、そして間をおいて思った。
やっぱアカデミア俺たちに厳しくね?(確信)
タッグで迷宮兄弟と言ったら有名すぎるほどに有名だ。伝説のデュエリストを苦しめたことは逸話レベル。武藤遊戯オタクである俺には分かる。相手はかなりの強敵なのだ。
というかサインほしい。くれないかな。くれたら額縁にいれて飾る。いらなくなったら売るけど。
ついでに遊戯さんとのコネクションをですね……
そんなふうに悪どい笑みを浮かべながら思考していた俺は、すぐに意識を切り替える。
いかんいかん。これは退学がかかってるんだ。そんなふうに下手にでているようでは気迫に押されてしまうぜ。ここは一発かましてやるぐらいの気持ちでいかないと。
きえろ。ぶっとばされんうちにな。
右ストレートでぶっ飛ばす、真っ直ぐいってぶっ飛ばす。
まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ?
HA☆NA☆SE!!
脳内で自分の煽り文句を羅列し、迷宮兄弟さんには「よろしくお願いしまぁすッ!」とサマーウォーズの名シーン並みに声をだす。
よっし気合い入った。これから頑張ろうでござる。隣のガッチャマンを見て、そう声をかける。ガッチャマンはいつも通り「まさかあの迷宮兄弟とデュエル出来るなんて……くぅ~!わくわくしてきたぜ!」と子供のようにはしゃいでいた。
サイヤ人かな?(すっとぼけ
話を戻して説明する。
今回の制裁タッグデュエルのルールは簡単に言うと、
・ライフはお互い合わせて8000。
・先行は誰も攻撃出来ない。
・パートナーのフィールドのモンスターも融合とかコストとかで利用可。
ということになっている。今回はこちら側の先行から始まって、ガッチャマンが最初のプレイヤーだ。
ガッチャマンは、
「俺は手札からフェザーマンを守備表示で召喚する。ターンエンドだ」
といってフィールドにモンスターを召喚して自身のターンを終えた。
最初のルールで説明したように、今回のデュエルではパートナーのモンスターも利用することが出来る。つまりガッチャマンのフェザーマンと俺の姉御を融合させれば融合出来ちまうんだ。
お、俺のターンが回ってきた。よっしゃドロー!!わくわくしてきたぜ。
・E・HEROバーストレディ
・E・HEROクレイマン
・E・HEROバブルマン
・E・HEROスパークマン
・リビングデッドの呼び声
・HERO,sボンド←引いたカード
わくわくしてきたぜ(強がり)
だが、決して悪い手札ではないと思われる。むしろ俺が当初考えていた作戦通りの手札になっているぜ。
◆
━━俺は一人考えていた。今回の制裁タッグデュエルでの作戦をだ。
ガッチャマンはお互い融合しまくればいいと言っていた。しかし俺にそれは出来ないだろう。自信と確信をもって言える。あれ、なんか悲しくなってきた。ちっくしょう。
まあそれはいい。今は俺の悲しみは置いておこう。俺は考えたのだ。融合が出来ない、それはデメリットだ。ガッチャマンからしたら俺はE・HEROを使う上で足手まといだろう。じゃあどうすればいい?うんうん唸って考えていた。
そんな時である。俺が体育の授業でテニスをしていた時、テニス部部長と副部長を風林火陰山雷で腹いせにフルボッコにしていた時だ。その天命とも言える作戦を思いついたのだ。
テニス部部長と副部長、最強戦力であるにも関わらず、ダブルスで俺一人と試合になると、お互いが足を引っ張りあっているように見える。きっとそれは部長と副部長がダブルスに馴れていなく、急造のパートナーではコンビネーションが上手くいかないからだろう。
俺は「たわけが。デュエルアカデミアテニス部、たるんどる!」と言って黒色のオーラを纏い部長の右膝に向けて球を打ち返す。
もし今回のこのテニスのように、制裁タッグデュエルでも相手が二人でガッチャマン一人だけでデュエル出来たら良いんだろけどなあ、と俺は一人思った。
そしてその瞬間、ハッとある発想が思い浮かんだのだ。
━━融合出来ないなら、しなければいいんじゃないか?
何故こんな簡単な考えが思い浮かばなかったのか。きっと度重なるストレスとかその他諸々のせいである。
この現代社会、役割分担といったものが存在する。なにも一から十まで一人でやる必要はない。融合が出来るガッチャマンは融合を、融合が出来ない俺はその素材を備えればいい。
なんて安全作なんだ。この作戦名を『くぅ疲ファントム』と呼ぼう。なんか体が軽い。ありがとうテニス部部長、副部長。
俺は感謝の印にガッチャ!、と言ってテンションあげあげでその場を後にする。
部長は「お皿がぁぁ!!!」と膝を押さえ転がり回っていた。
あ、すまん。ボール当たった?
◇
「俺はバーストレディを守備表示で召喚。そしてHERO,sボンドを発動!このカードはフィールド上にヒーローが居るとき、手札から新たに二体のヒーローを特殊召喚することが出来る。俺はスパークマン、クレイマンを特殊召喚!」
俺の場に三体のヒーローが出現する。だが、まだ俺のくぅ疲ファントムは終わりじゃない。
「俺はカードを一枚セット。そしてさらに俺はバブルマンを特殊召喚。このモンスターは手札がこのカード一枚の時に特殊召喚できる。ターンエンドだ」
これで俺の場に四体のヒーロー、そしてガッチャマンの場に一体のヒーローが揃った。
よしガッチャマン、お前の融合を見せてみろ!(他力本願)
3,すげぇよミカは……
後にくぅ疲マン、もといベストマンである彼は語った。
あれは『ガッチャマン、お前がナンバー1だ……』と思ったきっかけとなるデュエルであったと。
「俺は『融合』を発動!フェザーマンとアイツの場にあるバーストレディを融合する!来い、マイフェイバリットヒーロー!フレイムウィングマン!!」
十代は自身の切り札である融合を使い、モンスターを呼び出す。
E・HEROフレイムウィングマン、十代が最も使用する融合モンスター。片翼の白い翼に、龍を模したような赤の右腕。ヒーローと言うには異形の戦士がこの場に降臨した。
しかし、十代はそれだけでは終わらない。
「そしてさらに『融合』を発動!アイツのクレイマン、スパークマンを融合!サンダージャイアントを融合召喚!」
二体目の融合モンスターの召喚。だがまだ十代の融合は終わらない。
「死者蘇生を発動!俺はバーストレディを蘇生し、さらに『融合』を発動!バーストレディとアイツの場にいるバブルマンを融合!来いスチームヒーラー!」
三体目の融合モンスター、十代は自分のデッキにある融合を使い切る。
━━このタイミングで、十代のパートナーである彼は動いた。
「リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!俺はスパークマンを墓地から特殊召喚!」
彼は十代の融合で墓地に送られた自身のモンスターを蘇生する。そして十代の方を見て困ったように笑っていった。
「十代━━
その彼の言葉に、十代は同じように笑みで答えを返す。
この時、十代は彼と心が通じあっていることを感じていた。自分の思考、やりたいことが理解されているのだ。だからこのタイミングで彼は自分のサポートに回ることが出来た。なんだかそれが、十代は照れくさく感じた。
「俺は『融合回収』を発動!墓地のフェザーマンと融合を手札に加える。そしてアイツの場のスパークマンと俺の手札のフェザーマン、そしてバブルマンを融合!来い、テンペスター!!」
四体目の融合モンスター、十代のデッキの中での最強のヒーローが召喚される。風、光、水属性をもつモンスターの三体融合。E・HEROテンペスター。攻撃力2800、天を駆けるヒーロー。
明らかに、このデュエルは十代と彼が支配していた。
4,何なのだ、これは!どうすればいいのだ?!
制裁タッグデュエルは勝利という形で幕を閉じた。
うん、勝った。うれしい(小並感)
でもこの、なんだろう。なんか、なんかなんつーか、納得いかねえ!
まるで意味がわからんぞ。
ガッチャマンのヤロー、俺に対する当てつけの如く融合無双しやがりましたでござるよ。
そんな……あんまりだよ、こんなのってないよ!ウェヒヒヒ!!(錯乱)
惨すぎる。俺が一体何をしたっていうんだ。
俺は落ち込んだ。どのくらい落ち込んだかというと、めんどくさい彼女が「もうほっといてよ!」と部屋で引きこもって叫ぶほど落ち込んだ。これはもう駄目かもわからんね?メンタルに直死の魔眼でニゲロニゲロ。ウェーイ!!(オンドゥル感)
ここだけの話、実を言うともうあの制裁タッグデュエルから数週間たっていたりする。
しかしまだ俺の心の傷は癒されていなかったのだ。デュエルに対しての自信がわかないっす。
なんか三、三村君?がデュエルしたり、野生のサルがデュエルしたり、テニス部部長が俺の百八式波動球で入院したり、武藤遊戯のデッキのレプリカが展示されたりしたけど、俺のデュエルに対する思いは戻っては来なかった。時間が解決してくれる問題ではないみたいだ。
いまでは授業を時々サボって一人釣りをしているプー太郎である。オシリスレッドだから出席日数少なくても大丈夫だからね。甘んじてそれにすがります(不満足感)
しかし、あのデュエルから変わったのは俺の心境だけではない。なんか最近ガッチャマンに絡まれることが多くなった。
三村君がデュエルしたことや、サルとデュエルしたことについて知ってるのも、ガッチャマンが俺にそう話しかけてきたからである。俺が一人釣りをしている時に軽い感じで会話を交わす。つーかサルとデュエルって、え?デュエルサル?知らねーよお前何言ってんだよ俺の好奇心をこれ以上刺激しねーでくれよ。頼むから。
仲良くなったっぽい俺とガッチャマンだが、もうそれ(問題児扱い)については半ば諦めている。
制裁タッグデュエルのあと冷静に考えて、もう手遅れじゃね?ということが理解出来たからである。
いや、知ってたよ。もう遅いってことは。でも足掻きたいやん。だって人間失ってから気づくもんじゃん。その幻想をぶち壊して、最後のガラスをぶち破りたいじゃん。
そんなふうに、本当に、本当にありがとうございました……!と咽び泣きながら釣りをしている俺に、またガッチャマンが駆け寄ってくる。
あ?転校生が来た?ふーん、すごい(無関心)
5,恋する乙女は強い(確信)
突然だが、明日香っちにオベリスクブルー寮に呼び出された。
そういえば制裁タッグデュエルらへんから明日香っち様子がおかしかったけど、何かあったのかしら?と思っていた俺に対して朗報である。
きっとこれは悩みを打ち明けるパターンの奴だ。俺は詳しいんだ。
こう、突然俺の頬に一発ビンタかましてから『人生相談があるの!』と言ってくるにちがいない。千葉県民ならそうなる。さすが明日香っちだ。
話は変わるが、明日香っちの取り巻きっぽい二人の女子が「さすが明日香様ですわ!」っといつも言っているのを俺は『さすアス』と名付けた。これからは明日香っちの素晴らしい行動をさすアスと呼称することを取り巻きの女子たちに義務付ける。
だってそれしか言わないんだもの。もうさすアスでいいやん。まあそれはどうでもいいか。
足取り軽く、俺はオベリスクブルー寮の方へ向かう。
すると目の前で、ガッチャマンがこそこそとしながら寮内に侵入していったのを見ることができた。ガッチャマンが入っていったのはオベリスクブルー男子寮の敷地である。
俺が明日香っちに呼び出されたのは女子寮の方なのだけど、気になった俺はガッチャマンの後をつけることにした。
なにやってんだろガッチャマン?
……アイツ木を登って二階の部屋に侵入しやがった。
突然のガッチャマンの奇行に驚く俺。
さすがガッチャマン先輩や。俺の考えの及ばない次元に存在してるわ。
そう感嘆の想いを抱いた俺。それを見なかったことにして、ダッシュで俺は逃走をはかる。
ヤバいヤバい、こんなところを見られて仲間扱いされたらまずい。俺はこのまま逃げて後に語る役でいいんだ。こう『いやーまさか、あの人がそんなことをする人だったなんて……』とインタビューに答える役で。
自慢の俊足で光速の世界に入ろうとした俺
であったが、オシリスレッドの制服を来た長髪の女の子がガッチャマンの入った部屋から出てきたことを確認したことで足を止めた。
あんな奴いたか?そもそもオシリスレッドに女子なんていたっけ?と疑問に思ったと同時に、俺はその人物に何故か見覚えがあると感じた。
いや、まさかそんな筈はない。アイツは、彼女は……!
俺は自身の疑問が確信へと変わったことを実感する。そのオシリスレッドの制服を来た女の子、明らかに高校生じゃないでしょとツッコミを入れたくなる少女。
まさか、奴は……
━━純真魔法少女戦士、早乙女!?
『ボツネタ設定』
・純真魔法少女戦士~早乙女~
遊戯王GXのメインキャラ(出番は少ない)の一人、早乙女レイのことである。何故魔法少女戦士かというと、過去に主人公とデパートで出会った際、彼女は魔法少女ステッキを剣のように振り回していたことので、そのように主人公に命名された。
そのすぐ後にくぅ疲マンである『主人公』、祭り帰りで仮面ライダーのお面を被ったままの『ジョイン仮面』、純真魔法少女戦士~『早乙女』~の三人で、あるチームが結成された。
・ジョイン仮面
君たちには何が見える?空?天……~んジョイン!
一体何者なんだ……?