くぅ疲マン 作:宇宙飛行士
1,更新が遅れた理由は2,で説明するでござる
「闇のデュエル……まさか本当に存在するとは……」
七精門の鍵の所有者が集まったデュエルアカデミアの保健室で、万丈目準は人形にされたクロノス教諭を見て呟いた。
闇のデュエル━━現実のダメージが発生し、敗者は甚大なペナルティを負う決闘。
万丈目はその存在について半信半疑だったが、昨夜のクロノス教諭とカミューラのデュエルを目にしその認識を改めた。
人形と化したクロノス教諭。ダメージからか未だに目を覚まさない、一人目の被害者の彼。
もう被害者はこれで二人目。もう偶然ですませられることではないだろう。
突然突きつけられた現実に、彼は恐怖からか悪寒が走った。自分も同じような目にあうかもしれない、そう思ったからだ。
しかしそれも一瞬のこと、万丈目は直ぐ様『自分が負ける筈がない』と思い直した。自身のデュエルの腕前ならダメージを負うことなく相手を倒すことが出来ると。
同じように三沢大地やカイザー亮も、恐怖心を微塵も感じさせない表情で静かに佇む。
そう、闇のデュエルへの覚悟を決めた万丈目たちの隣で、遊城十代は「次は俺が相手をするぜ!」と威勢よく決意していた。
それを見た万丈目は、相変わらず元気だけは一人前だなと十代にいつもの皮肉を飛ばしたのだった。
そんな彼らの側で、天上院明日香はベッドに横たわる兄と彼を椅子に座りながら見守る。
彼女の膝の上に重ねられた両手は、微かだが、震えているように見えた。
2,ペルソナァアアアアアアア!!!
━━ザケル!!!ザケル!!!ザケル!!ザケルガッ!!!ザケル!!ザケル!!ザケルガーーーッ!!!
チビ助との試練でテンションが上がっている俺は、敵役の旦那にチビ助の呪文を当てまくっていた。
だってチビ助の呪文、俺の要望通り雷っぽいエフェクトでカッコいいのだ。あとは白目剥いて口から出してくれれば完璧なのだが、そこまでは出来ないらしい。チビ助の持つ白い杖からでないと不可能みたいだ。
まあそれでも充分やで(慈しみ)。もっとやっていこうぜ!と俺は息継ぎをし、もう一度声を張り上げる。
━━ザケル!!ザケルガ!!!ザケル!!ザケルガ!!ザケル!!ザケルッ!!!ザケルガ!!ザケルガーーーーッ!!!
チビ助の電撃で旦那は黒焦げでのたうち回る。
けっこう痛そうだけど、やる前に『電撃?余裕余裕。電撃の一つや二つで駄目になるならヒーローじゃない』発言をしていたので大丈夫だろう(信頼)。めっちゃ痙攣してるけど。でもヒーローやもんなあ。きっと凄い防御力もってるんやろうなあ、と一人その様子をみてニッコリ。旦那と変わらず、俺も畜生の系譜を継いでいるのであった。まる。
そんなふうに声を張り上げて少し疲れた俺に、魔物役のチビ助が水筒を持ってきてくれる。
お、気が利くやんけ。お茶やん。と俺はコップに入れた緑茶をぐいっと飲み干し、疲れを癒す。そして感謝の印にチビ助の小さい頭を雑に撫でた。お前髪の毛さらさらしてんなあ?まるで女の子みたいだぜ。と一人心の内で思う。まあ子供の頭なんて純真魔法少女戦士~早乙女~しかなでたことないから、小さいときはみんなこんな感じなんだろ(適当)
そんな気の向くままに考える俺の姿を、旦那がどこか遠い目で見ていることに気づく。
なんだ?とその視線を怪訝に思った俺であったが、ここでその意図に気づいた。
……もっとやってほしいのか!(確信)
きっとヒーローである旦那は雷をその身に受け続けることによって、自身の体を鍛えたがっているのだ。なんてヒーローの鏡なんだ。尊敬するぜ。俺はその期待に応えたい(ド畜生)
いくぞチビ助ェ!!!SET!!!
━━ザケル!!ザケルガ!!!ザケル!!ザケルガッ!!!ザケル!!ザケルガ!!ザケルガ!!テオザケルーーーーッ!!!
こうして、俺はチビ助との試練を終えた。
そして俺はその後にこう思った。
どっちかというと、これ俺じゃなくて旦那に対しての試練じゃねぇ?(やったぜ)
3,一方その頃、丸藤兄弟は
カミューラとの闇のデュエル、その二戦目は丸藤亮が相手をした。
丸藤亮はそのデュエルの強さから、カイザーという異名が定着するほどの決闘者だ。カミューラとの相手に不足はなく、不平はでないだろう。
唯一、十代だけは自分が相手をすると言って待ったをかけたが、丸藤亮はその意思を通すことはしなかった。自分のこれまで世話になったクロノス教諭の仇、それを自身で果たしたかったからだ。
そうして、デュエルアカデミアで最強と呼ばれるそのカイザーの実力に遜色なく、カミューラとのデュエルは進行していく。
しかし、追い詰められたカミューラは『幻魔の扉』というカードを使用しその状況は一変した。
『幻魔の扉』通常魔法
・相手フィールドのモンスターを全て破壊し、その後、自分または相手の墓地のモンスターを召喚条件を無視して自分フィールドに特殊召喚する。
馬鹿な、と丸藤亮は驚愕する。
こんなインチキじみた魔法カードはこれまで見たことがない、とこのデュエルを見ている周りの仲間たちさえも戦慄させた。
だがカミューラは続けてこの幻魔の扉を使用する際のリスク、『一人分の魂』が必要だという条件を示す。
そしてその魂は幻魔の扉によって召喚されたモンスターと一心同体となる━━そして今回のその生け贄は、自分の弟、丸藤翔だ。
モンスターは殲滅され、相手フィールドには自分の最強モンスター『サイバーエンドドラゴン』。さらに、それを倒したとしても、魂がサイバーエンドと繋がってる弟は死んでしまう。その事実を丸藤亮は理解する。
相手のサイバーエンドドラゴンの攻撃。
まだその攻撃を防ぐ伏せカードはある。しかし、丸藤亮は勝利する可能性は残されていても、もう戦いを続けることは現状不可能だった。
カミューラとの二戦目、丸藤亮は闇のデュエルで敗北し人形へと封印された。
4,ありえないなんて事はありえない(姉御談)
『これが最後の試練。私を倒してみせなさい』
と言い、姉御はメラゾーマを放ってきた。
……いやいやいやいや死ぬゥ!!!(脱走)
突然のガチ試練に俺は逃げるを選択する。しかし まわりこまれてしまった!(絶望)
ファッ!?と俺は続けて繰り出された炎の塊を避け姉御から距離をとる。そして身振り手振りを交え必死に抗議した。
いや姉御マジで無理。マジでマジで姉御無理。と俺はラップ調で意思を伝える。
だってこれガチやんけ!(必死)
今まではもっと仲良し会みたいな感じだったよ?なんで突然少年漫画系に移行するの?この……なに?この修羅感はなんなのなの?俺人間だから、姉御は炎だせる超人系モンスターだから。勝てるビジョンが思い浮かばんわ!
脳内で「駄目じゃない~♪」と軽快なリズムが駆け巡る。
駄目です(迫真)。これはマジで駄目です。だからもう一回試練の内容考え直そうそうしよう、と俺は言う。しかし姉御は『今までの試練を踏まえれば突破できる』と頑なに意見を変えずに攻撃してくる。
なーにいってだ無理に決まってるに違ぇねぇべさ!と声を返そうとした刹那、姉御がこちらに向かって飛びかかってきた。宙で回転しつつ身体を捻る、姉御の両足は炎で包まれている。
こ、これは悪魔風脚(ディアブルジャンブ)……いや、分身したァ!これはバーニングディバイド……バーニングザヨゴ!!!
(0M0)<うあああああ!!!と姉御の絶技を受け吹っ飛ぶ俺。ちなみにこの蹴り技は分身したどちらも実体をもっており、二体の同時攻撃となっている。そしてどちらか片方を攻撃しても、攻撃した方が幻影となって消えるため技を阻止するのは困難だ。
いやそんなんチートやチーターやん!
と吹っ飛ぶされた後呻く俺。
その時、誰かの視線を感じた。気になり後ろを向くとフェザーマンの旦那が『ウンメイノー』と呟き、良い気味だぷぅと俺を指差している。
……なんでや!なんで俺はんを見殺しにしたんや!!(激怒)
と俺は旦那!?何故見てるんです!?怒りを露にするがそれを口には出さない。その理由について心当たりがあったからだ。きっと前に電撃ぶつけまくったからだわ。ちくしょう。
しかし姉御も無理をおっしゃる。今までの試練を踏まえればクリアできる?俺アメフトと魔物ごっこしかしてなかったよ?無理だと思うんですけど(名推理)
そう悟り、空を見上げた。空は青い。そしてこの青は、どの場所でもつながってるんだぜ。
まあ、ここ俺の夢的なサムシングなんで青じゃなくて黒色なんだけど。つながってないじゃん。知らない天井だ……(思考停止)
そんなふうにお手上げで┐('~`;)┌という俺の姿を旦那は見て、彼はやれやれといった具合で俺の側に近寄ってきた。
なんすか、僕今旦那の相手をしている余裕ないんですけど。姉御もう手にめっちゃデカイ火の玉生成して第三打ァ!しようとしてるんですけど。
俺の独白に構わずにそれに続いてもう一人、銀髪チビ助もキビギビした歩調で俺の側に近づいてくる。
え?なにこの流れ。なんでチビ助もくるの?いや『やっと気づいた━━貴方は、私の鞘だったのですね』じゃねぇよ、旦那も『別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?』じゃないよ。なにこの最終局面感は。なんでここで聖杯をめぐって争うの?これ俺の試練じゃなかったの?━━なんて心の贅肉ね。人の生き様は終わらない旅路みたいなものなのに、と思考放棄して適当なこと言おうとしていた俺。
しかし、ここで俺は姉御の言ったことの意味に気づいた。
そうか。
確かにこれは俺の試練だ。しかし、それは俺だけで乗り越えていかないといけないとは言われていない。
今までの試練はなんとかなった。でも今回の姉御━━強敵に対して、俺個人の力ではどうしようもない時が必ずくる。そんな時、俺はどうしたらいい?
そう、そんな時。俺は今まで培ってきた仲間との絆で、立ち向かっていくしかない。俺は一人ではない。協力してくれる奴が必ずいる。それがこの最後の試練の答え。
わかったぜ!姉御!俺は側に来た二人に協力を促す。
━━皆!一緒に戦えるのはこれで最後だ!なんつったらいいかな……?姉御=サンを倒したら、俺、消えっから!!
俺のそんな言葉を聞き、二人はその意味を理解する。
この試練で最後。つまり、俺は夢から覚める。もう旦那と体でぶつかり合えたり、チビ助の頭を撫でたりすることは出来ないだろう。……さよならって事!
チビ助と旦那は、俺を見て一瞬寂しそうな表情を浮かべたが、すぐに姉御の方に向き直る。いつでもいけるぞ、とその背中が俺に語りかけていた。
俺もそんな二人にならって、姉御と戦う覚悟を決める。
勝手で、悪いけどさ……
━━これが、俺の物語だ!!(くぅ疲!!)
5,女を殴りたいと本気で思ったのは生まれて初めてだ
「なんでだカミューラ……なんで、正々堂々戦わないッ!」
カミューラが去った後、遊城十代は地面に拳を叩きつけながら叫ぶ。
「なんで翔が泣かなくちゃいけないんだッ!」
自分の隣で兄を失った悲しみから涙を流す弟分を見、怒りの感情を声にのせる。
第二のセブンスターズ、ヴァンパイア・カミューラ。
幻魔の扉という出鱈目な効果を持つカードを使用し、さらに人質までとってカイザー亮を倒した。
━━デュエルはこんなものじゃなかったはずだ、と十代は苛む。
デュエルはもっとわくわくするもので、楽しいはずのものだったと彼は感じていた。しかし闇のデュエルによる敗者の成れの果て、勝つためなら卑怯な手口をもとる姿。それを見て自分の信じていたデュエルを否定されたような気さえしていたのだ。
七精門の鍵を手にいれるため行うデュエル。自分は強敵と戦えることが楽しみだったのに、なぜ怒りを覚えなくてはいけないのか。
「カミューラ……次やる時は、俺が相手だッ!!!!」
霧の中から微かに見える、眼前の古びた居城を睨み付け十代は宣言する。
クロノス教諭とカイザー亮を倒した強敵、カミューラとのデュエルに向け、遊城十代は再度覚悟を決めた。
『ボツネタ設定』
・丸藤亮(カイザー亮)
丸藤翔の兄。今回クロノス教諭ほど出番をスキップされなかっけど、あまり描写もされなかった美味しくないパターンの役割だった。ちなみにカミューラとの戦いで敗れる際、アニメでは翔君に「(お前は制裁タッグデュエルで成長したから)ええんやで?」とフォローが入るが、この小説では主人公がタッグデュエルを行ったため何の言葉もかけずに「ほな、また……。」と場を後にした。やっちゃったんだぜ。
・ヒーローの姉御
ヒーローの紅一点、バーストレディのことである。
最後の試練で彼女が倒された後、彼女は主人公に『泣くぞ、すぐ泣くぞ、絶対泣くぞ、ほら泣くぞ』と言った。
主人公はだいっきらいだと言葉を繋げた。