このすばらしい世界で勇者になった少年に祝福を! 作:灰原衛宮
ーー本当にいいんだな
当たり前だこれであいつらが幸せになれるなら
ーーもう後悔はないのか
ないって言ったら嘘になる
でも、辛いんだ俺はあいつらにこんなつらい思いはして欲しくない。だから、あいつらの体を戻してもらえるんだったら俺は脚だろうが腕だろうが心臓だろうがくれてやる。その代わり、神樹様に捧げられた供物は返してもらう。
ーーそうか、じゃあはじめよう
どこからともなく聴こえる声がそう言った瞬間、俺の視界はだんだん暗くなっていった。
さよなら、勇者部
そして、幸せな人生を送ってくれよ。
そう言って俺の意識は途切れた。
「....ここは?」
目が覚めるとそこは、真っ暗闇の世界だった。
と言うか、いつの間にか椅子に座らされてるし
「伊予島総悟さんですよね?」
俺の後ろから声が聞こえた。
その声の主はコツコツと足音をたてながらこちら側に迫ってきて、そして俺の前にあったイスに座った。
「あなたは?と言うか、ここどこですか?」
「ここは死後の世界。あなたは、仲間、勇者部の人達の供物を取り戻すために、神樹に全てを捧げ、死んでしまいました。あ、そう言えば名乗ってなかったわね。私の名はアクア。女神よ」
「女神、ですか。それで、俺はこの先どうなるんですか?」
「貴方に与えられた選択肢は2つ、魔王を倒すために奮闘している世界に転生して生きるか、このまま天国にいっておじいちゃんみたいに暮らすかどっちがいい?」
天国に行くかか転生するか、か。
答えはもう、決まっている
「転生します」
「転生ね、分かったわ。それじゃこの中から特典として、持っていけるものを選びなさい」
アクアさんはそう言うと、俺に1冊の本を渡してきた。
その本を開くと、なんか、凄い強そうな武器や防具が沢山書かれていた。
俺が特典を迷っているとアクアさんが俺にこう聞いてきた。
「そう言えば、あなたは勇者じゃなかったの?」
「....違います。大赦からの任務で勇者の監視、そして、損害や、状況などの報告をするのが俺の役目でした」
「ふーん。じゃあ質問を変えるわ、あなたは勇者になりたいと思わなかったの?」
「なりたいとは何度も思いましたよ。人が死ぬ所だって見てきたし、戦いで体のほとんどの機能を失った人だって見てきた。だから、俺はできることをしたくて、自分の全てを捧げた」
「そうなのね。じゃあ、なる?勇者」
「....はい?」
アクアさんが言ったことにたいして思わず間抜けな声が漏れてしまった。
「だから、その特典の装備を勇者のものにしてあげようかという事なんだけど?」
「出来るんだったらお願いします」
「分かったわ。武器の方は....なんか使いたいのある?」
「特にないので勝手に決めちゃってください」
「分かったわ。じゃあ、剣とショットガンの2つにしておきましょうか。あ、転送のために魔法陣だすから、ちょっと動かないでね」
そう言ってアクアさんは椅子から立ち上がり、手を前に出し、俺の下に魔法陣を展開させる。
「大量にいる勇者候補の中から魔王を倒した者はひとつ願いを叶えることが出来る。とにかく、新しい世界で頑張ってきなさい!」
そう言われた瞬間、俺の視界は真っ白に染まった。
「ふぅ、仕事おーわり、じゃあ帰ってスナック菓子でもたーべよ!え?もう1人この場所に来た人がいる?死因はショック死?うわだっさ。
まあいいわ。ちゃっちゃと終わらせて、ゴロゴロしよっと」
この時アクアは知る由もないだろう。この台詞がフラグになる事を。
目を覚ますと、俺は広い草原にいた。
「ここが、俺の生きる新たな世界、か」
俺は着ていたパーカーのポケットに手を突っ込み、中からスマホを取り出した。
「....あのアプリもちゃんと入ってる」
スマホの画面には勇者のみが使えるアプリがしっかり入っていた。と言うか、それしかなかった。
「うし、じゃあとりあえずここから見えるあの場所に行ってみるか」
俺はそう言ってその場所に向かって歩き出す。
眼の前に見えた場所にたどり着いた俺は今、この街のギルドという場所に来ている。
あらかじめアクアさんが転生前に貰ったお金、エリスと呼ばれるお金は超大量にある。なんでこんなに渡したし。
「ようこそ、冒険者ギルドへ。ご要件をお伺いします」
「えっと、冒険者の登録をしたいのですが」
「わかりました。では、お名前を教えてください」
「伊予島総悟です。」
「イヨジマソウゴさんですね。少々お待ちください....ってあなた凄いですね、魔力以外のステータスはほぼ平均値を上回っています。あ、でも幸運は平均値ピッタリですね。では、この中からなりたい職業を選んでください」
「えっと、この勇者ってやつで」
「勇者ですね。わかりました....最近、増えてきましたねこの職業」
なんか、ぼそっと言った気がするが気にしないで置こう。もしかしたら俺以外にもいるのかな、勇者って。
「お待たせしました。こちらがソウゴ様の冒険者カードでございます」
「ありがとうございます」
そう言って俺はギルドからでる。
とりあえず宿屋探した。
そう思い俺はこの街を歩き始めた。
……To be continued
というわけで今回の物語いかがだったでしょうか?
鷲尾才人の方と並行してやって行こうと思うのですが、もしかしたらこっちの方が更新ははやいかもししれないです。
それでは、次回また会いましょう。