Infinite Stratos×For Answer   作:西方有敗

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第9話 密談

放課後、

リリウムに呼び出された俺は屋上へと足を踏み入れた。

そこには既にリリウムが居た。

 

「早いな、放課後になって直ぐに来たんだが。」

 

「クラスの方々に質問攻めにあっていたのでしょう?

そうでしたら仕方ありません。」

 

「恩に着る。」

 

リリウムの近くの手摺りに寄りかかりながら俺はリリウムを見た。

 

「それで、何故貴方様がこちらにいらっしゃるんですか?」

 

聞きたい事と言うのはやはりこのことだろうな。

 

「正直、俺も分かっていないんだ。

・・・こちらに来てどれくらい経つ?」

 

「2年少々・・・という所です。

ストレイド様は?」

 

「2ヶ月くらいだ。」

 

「・・・本当ですか?」

 

「嘘をついてもしょうがない。」

 

しかし、向こうは2年か。

これは不可思議だな。

死んだタイミングによって時間がズレこんでいる・・・と言う事か?

 

「しかし、身寄りも無いのに良く2年も生きてこれたな?」

 

俺の言葉を聞いた瞬間、リリウムの眉がピクリと動いた。

・・・アレ?

俺なんかマズイ事言ったか?

 

「…ええ、ええ。

それはそれは物凄く大変でしたよ?

MOONLIGHTでこの胸を貫かれて死亡して、

次に目が覚めたら周りは完全に知らない場所。

そんな場所にこんなうら若い乙女が1人で放り出されているのですもの。

右も左も分からない、手持ちのCOAMは一切使えない。

あの時ほど惨めで人生が詰んだと思った事はありませんでしたよ?

偶然セシリアが近くを通りがかって拾ってくれなければ、

リリウムはあのまま野垂れ死んでいたか、

心無い大人によって売られていたでしょうね?」

 

「お、おお。なんかスマン。」

 

「なんかスマンですか、そうですか。

ストレイド様の謝罪の気持ちと言うのは所詮その程度の物なのですね?

勿論リリウムもリンクスです。

撃破され死んでしまう事なんて覚悟を決めていましたから別に何とも思っていません。

ですがそれとこれとは話は別です。

この様な仕打ちを受けるなんて思っても見なかったですよ。

ストレイド様に恨み言を一切言うつもりはありませんが、

結果としてこんな状況に陥ったリリウムに対して、

何か他に言っても良い言葉があるんじゃないですか?」

 

「(め、滅茶苦茶言ってるじゃないか・・・。)」

 

そう次々と矢継ぎ早に言われ、思わずそんな事を思ってしまう。

無論口に出さない。

出した瞬間次に何を言われるか分かったもんじゃない。

結局、

その後ずっと矢継ぎ早に色々文句を言われ続けるのを黙って聞くしかなかった…。

 

 

 

数時間後

 

 

 

「…ふう、スッキリしました。」

 

「(つ…疲れた…。)」

 

よくもまあアレだけ文句が出るもんだ。

長くても数十分くらいだと思ったのに結局数時間は聞き続けるハメになった。

 

「…さて、お互いの蟠りを解消した事ですし。

早速情報の交換をしましょうか?」

 

「(俺は全然解消して無いけどな・・・!!)」

 

寧ろ溜まりまくったぞ。

 

「私からで良いですか?」

 

「…ああ、構わない。」

 

「ありがとうございます。

ストレイド様は今までどちらにいらっしゃったんですか?」

 

「IS開発者の篠ノ之束の所だな。

目が覚めたのが偶然そこだった。」

 

「成程・・・。」

 

「俺からも質問したい。

先ほど言っていたセシリアとは誰だ?」

 

別に特定個人名を出すのは不思議じゃない。

だが、コイツが敬称無しで人物名を言うのはかなり珍しい。

その事に対して少し興味が湧いた。

 

「セシリアですか?

名前はセシリア・オルコット。

イギリスの代表候補生で、リリウムの従姉妹っていう設定です。」

 

「オルコット?、ウォルコットじゃなくてか?」

 

「そうです、名前を名乗ったときセシリアからも同じ反応でした。

・・・というよりも、その事が縁で拾ってくれた様な物ですし。」

 

「成程な、天は見放していなかったじゃないか。」

 

「…いえ、今は止しましょう。

また言い出すと話が進みませんし。」

 

俺の一言に対して再びリリウムが何かを言いそうにしていたが、

今は情報交換を優先したらしい。

 

「次に質問です、

情報はかなり伏せられていて詳細は分かりませんでしたが、

ISを用いた傭兵企業「COLLARED」、その設立に一枚噛みましたか?」

 

「・・・まあ、自然そうなるだろう?

この世界でCOLLAREDなんて名前は聞いた事が無いしな。

ちなみにそう思った経緯は?」

 

「聞く人が聞いたら直ぐに分かります。」

 

「そりゃそうだな。」

 

NEXT(ネクスト)COLLARED(カラード)

関係者であれば大体この言葉を聞いただけで察するだろう。

 

「…と言う事は、

貴方様が持つNEXTを束博士が開発したというのは・・・。」

 

「無論嘘だ、

こっちに来た時にこれが付いてた。」

 

そう言って首輪を軽く鳴らしながら答える。

 

「成程、得心が行きました。

ですがどうしても分からないことが一つあります。」

 

「なんだ?」

 

「その時の映像がネットに出回っていてそれを拝見しましたが、

傍らにもう一機NEXTがありました。

アレはなんなのでしょうか?」

 

・・・その事か。

アレに乗っていたのはセレンだが、

果たしてそれを言ってしまっても良いのだろうか。

悩むところではあるが・・・。

 

「少し考えれば分かるだろ?

俺の傍らにNEXTがもう一機居るという意味が。」

 

「・・・まさか。」

 

どうやらその答えに至ったらしいな。

 

「答え合わせをしようか。」

 

「…ストレイド様以外にももう1人、こちらに来た方が?」

 

「正解だ。」

 

「・・・その方の名は?」

 

「そいつは会ってからのお楽しみだ。」

 

リリウムの質問をそうはぐらかした。

言う気は無い、知りたければ勝手に調べろ。

そういった意味も込めて。

 

「・・・分かりました、

では最後に一つ・・・と思いましたけど、やはり聞かないでおきます。」

 

その最後の一つの内容は何となく分かる。

俺が此処に居る理由は何か・・・だ。

言う気は無いがな。

 

「あ、そうでした。

お渡ししておくものが一つあります。」

 

「ん?」

 

そう言って、

メモ帳の様な物を取り出してから一枚俺に渡してきた。

 

「これは?」

 

「リリウムの連絡先です、何かありましたらこちらにご連絡ください。

・・・それでは失礼します。」

 

最後にそう言ってからリリウムは屋上を離れた。

・・・しかしどうしたものか。

まさか俺達以外にも居るとは思わなかったし、

しかもソイツがあっちの事だが、

COLLAREDのランク2と来た。

可能であれば味方に引き込みたいところではあるが・・・。

 

「さあて、どうしたものかな。」

 

そんな事を呟きつつ、俺も屋上を後にした…。

 

 

 

 

 

 

 

…が。

 

 

 

 

 

 

 

「何故ストレイド様がリリウムの部屋に居るのですか!?」

 

千冬先生から「お前の部屋だ。」とばかりに鍵を渡され、

入ってみたらリリウムが居た。

 

「千冬先生に聞いてくれ…。」

 

あ、頭が痛い・・・。

 

 

 

 

 

ちなみにだが、2人は屋上の手摺り付近で会話をしていた。

そして位置的には、そこは生徒会室から丸見えの位置になる。

つまりは・・・そういうことである。

 

閑話休題

 

 

 

 

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