Infinite Stratos×For Answer 作:西方有敗
・・・そんなことはありませんでした。
現在頂いている感想に返信させていただきました!
「全く、何故俺がこんな事をせねばならん・・・。」
翌日、
何時もより早起きした俺は早速千冬先生から言い渡された罰則をやっている。
「ルールを破ったのはお前だ、仕方あるまい?
それに私もお前に付き合ってやってるんだ、感謝しろよ?」
「(様はサボってないかの監視じゃねえか・・・!!)」
そうは思ったが口には出さない。
こういうタイプは口に出して抗議すると更に罰則が増えるタイプだ。
大人しく従うしかない。
「・・・グリント。」
「何か?」
「・・・いや、何でも無い。
私は先に行っているが・・・サボるなよ?」
「サボらねえよ。」
「そうだと良いんだがな。」
千冬先生が何かを言いたそうにしていたが、特に何も言わずにこの場を去った。
・・・何を言いたかったは大体想像つくが誰に聞かれているか分からない為思い留まったんだろうな。
「・・・しかし、中々清掃というのは応えるな。」
ずっと中腰姿勢で居た為少し腰が痛む。
「はぁ・・・全くだよ、しかも全身筋肉痛なんだぞ俺は・・・。」
いつの間にか合流していたのだろう、
一夏はまるで老人の様な動きで作業をしていた。
「やあ一夏、筋肉痛になるまでやるなんてトレーニングに精が出ているな?」
「それは・・・!、ぐぅ・・・。」
何かを叫ぼうとするが、その度に体が痛むのだろう。
またしおしおと元の姿勢に戻った。
「(100週くらいで筋肉痛か、体幹が出来ていないな。)」
しかし・・・そうなると必然やる事は決まってくる。
ISを扱う上で重要なのは・・・勿論錬度などもそうだが。
やはり一番は基礎的なところだろう。
ある程度は補助してくれるとはいえ、それを動かす為の土台が無ければ意味が無い。
俺からの鍛錬はそっちのほうを中心にしていくか。
ISの操作についてはリリウムに任せれば良い。
自分で言うのも何だが、俺は人に物を教えるのには向いていないからな。
「・・・さて一夏よ、
そろそろ登校しないと間に合わない時間になるぞ。」
ふと目に入った時計で時間を確認すると、
少し急がなければならない時間になっている。
「ま・・・待ってくれ・・・!、
筋肉痛で・・・は、走れない・・・!!」
「待たない、罰則が増えるのは嫌だからな。」
「こ、この裏切りも、痛ってえー!!」
まったく朝から元気な事だ。
「今日は転入生を紹介する。」
筋肉痛で悶絶していた一夏を捨て置いて、俺は何とかSHRの時間に間に合った。
一夏?
アイツも本当にギリギリだが間に合っている。
・・・机に突っ伏してビクビクしているのは気のせいだろう。
「また転入生ですか、多いですね。」
「そんなにか?」
「そうですよ、凰様も含めて3人目です。」
・・・凰も含めて3人か。
もうちょっと遅い時期であれば分かるが、確かに多いな。
「・・・まさかとは思いますが。」
「いや、違うだろう。
特に何の連絡も来ていない。」
・・・黙って送り込まれていたら分からないけどな。
まあ良い、見てのお楽しみだ。
「・・・ほう。」
「あら。」
新しく入ってきた生徒を見て俺とリリウムはそんな声を漏らした。
その生徒は・・・男だ。
「フランスの代表候補性、シャルル・デュノアです。
色々ご迷惑をかけるとは思うけどよろしくお願いします。」
そう自己紹介が終わった瞬間、
やはりというかなんというか再び叫び声が上がった。
「男だな。」
「男ですね。」
しかし・・・ふむ。
何だろうか、何か違和感を感じる。
俺の思い過ごしかもしれないが、こういうのは事前に解決しておくに限る。
「取り敢えず、授業受けるか。」
「そうですね、学生の本分ですから。」
何時もと同じように千冬先生からの雷が落ちた後、授業が始まった・・・。
「さて・・・一夏。」
「お、おう!!」
放課後、
少し遅い時間に一夏を呼びつけた俺は、
「まずあの時お前らが何故敗北したか分かるか?」
「・・・あの時。」
流石に筋肉痛のままで鍛錬をやらせるほど鬼じゃない。
今回は座学を中心にやらせる事にした。
「そうだ、確かにお前達は予めエネルギーを消費していた。
そうだとしても何故あまりに一方的になったと思う?
ああ勿論だが、性能差なんかは無しだ。
性能差等やりようによってはいくらでも覆せる。」
「・・・純粋に俺の方が弱かったから?」
「そうだが、違う。
あの時お前等は3機居た、
それなのにあまりに一方的だとは思わなかったか?」
「・・・。」
さあ考えろ。
ただ負けるだけではいつまでたっても強くなることは出来ない。
敗北には必ず理由がある。
それが性能差や腕前といった物もありうるが、
先ほど言った様にそんなものいくらでも覆せる。
負けても命があるんだ、次負けない為にはどうすれば良いか考えれば良い。
「答えられないか、まあ良い。
お前があの時負けたのには幾つか理由がある。」
「幾つか?」
「ああ。
まず一つ目、俺が最初に最小限の動きで回避した時お前は連続で攻撃してきたな。」
「あ、ああ。
一発で当たらないのなら2人で連撃をすれば当てられると思ったから。」
「ダメだな、
お前の装備は当てられれば必殺の威力がある近接武器のみ、
しかもその武器は取り回しに優れているとは言えないブレード型だ。
ならばどうすれば良いか。
あらゆる要素を味方にしろ。」
「あらゆる要素・・・運とかもか?」
そこで運が先に出てくるのはどうなんだ?
そう思うが、口には出さない。
「そう言った要素込みで全て・・・だな。
今のお前の攻撃は全てが真っ直ぐ相手に斬りかかるのみ。
それでは隙が無い敵には避けてくださいって言っているようなものだ。
攻撃一つ当てる為にも駆け引きはある。
その駆け引きを理解し、相手の裏を掛け。」
「駆け引き・・・ようはジャンケンに強くなれって事か。」
「正解だ、
ただでさえお前は駆け引きに置いて不利を背負っているんだ。
それなのに一生グーだけを出し続けたらこちらはパーを出し続ければ良いだけになる。
不意を付け、敵の裏を掛け。
それを覚えた時、お前は一つ強くなれる。」
これで一つ目は伝えた、次は二つ目だ。
「さて、次は二つ目だ。
凰とセシリアを落した時、お前はただ俺に突っ込んできたな?」
「うっ・・・。」
「あのタイミングでリリウムが来なければ、
お前からの一撃を避けてから致命の一撃を叩き込んでいた。
良いか、戦場では常に冷静に居るんだ。
それを欠いた奴から落ちていく。」
「・・・俺には出来なさそうだ。」
「出来ないじゃない、やるんだ。
お前が叫んだ活人の力を手にする為には必ず必要だからな。」
コイツが目指しているのは並大抵の物ではない。
例えるなら、1を救う為には100を殺さなければならない。
逆に100を救う為に1を殺さなければならない。
しかしそれを両方共救う。
そう言っている様な者だ。
「・・・そう、だな。・・・良し!」
一夏は改めて自分がやろうとしている事の難しさを確認してから、
「なあ、折角だから一回戦ってくれよ!」
そう言ってきた。
「断る。」
「なんでだよ!?」
何故?
簡単な事だ。
俺がNEXT持ちということを知っているのは、
千冬先生と山田先生とリリウムと一夏のみ。
後は次点で箒だろう。
周りにはチラホラと人が居る中、
自分がNEXT持ちだと言う事をバラすなんて愚の骨頂だ。
「あれ、一夏に・・・君は確か。」
ふと俺達に声を掛けてくる人が居る。
その方角を見ると、今日転入してきたデュノアが居た。
「ストレイド・グリントだ。
お前は確かシャルル・デュノアだったな。」
「あ、そうそうグリントだ。
そうだよ、ボクの名前はシャルル・デュノア・・・よろしくね。」
そう言ってデュノアは右手を差し出してきた。
「よろしく、デュノア。」
「シャルルで良いよ、3人しか居ない男なんだし。」
「ではこれからシャルルと呼ばせてもらおう、・・・俺はどちらでも構わない」
「分かった、それならストレイドで呼ばせてもらうよ。」
俺は差し出された右手を握り返し、固く握手をした。
「(・・・しかしこいつが男か、にわかには信じられないな。)」
握手をしながらも、俺はシャルルの体を嘗め回すように見る。
「(顔立ちは男というよりも中世的だな、
体格も小柄なんだと言い張れば・・・まあ分からなくも無い。
これはもしかすると・・・。)」
「ね、ねえストレイド・・・ボクの体ってそんなに変かな?」
俺は随分ねっとりと見ていたのだろう、シャルルは少し引いている。
「グ、グリント・・・まさか・・・お前そんな趣味が・・・?」
シャルルと同じ様に一夏も引いている。
失礼だな、俺はノーマルだ。
・・・が、少しここはカマをかけてみるか。
「何言っているんだ?、
俺は男でも女でもイケる口だぞ?」
「へ?・・・わあああ!!」
俺の言葉を聞いた瞬間、シャルルが膠着する。
その隙を突き、俺は力ずくでシャルルを引き寄せた。
「お前・・・よく見れば可愛い顔をしているじゃないか?
どうだい、俺と一緒に熱い夜を・・・。」
「え、なに、ちょ!!」
勿論振りだが、
俺はシャルルの唇に顔を・・・。
「フン!!」
ゴン!!
という派手な音が辺りに響いた。
その隙にシャルルは俺の手から逃れて一夏の背に隠れた。
「・・・痛いじゃないかリリウム。」
「良い薬ですよ、
何クラスメイトの・・・それも同姓の唇を奪おうとしているのですか。」
俺の頭に一撃を加えた人・・・リリウムを見ながら言った。
当のリリウムはと言うと、
右手を背中に隠しながらすまし顔で言ってきた。
・・・コイツ、よりによってISの腕で殴りやがったな。
俺でなければ死んでたぞ。
「お、おい!
いきなりなにしようとしているんだよ!!」
漸くフリーズから解放された一夏は俺に向かってそう叫び声を上げた。
・・・折角だ、利用させてもらうぞ。
「おいおい一夏、今のはテストだったんだぞ?」
「・・・は?」
「お前は自分に関わる全てを守るんだろう?
なら何故今貞操の危機を迎えていたシャルルを助けなかった?」
「いえストレイド様、流石にそれは無理がありすぎます。」
「いやグリント!、それは流石に無理がありすぎだろう!!」
・・・ダメか、仕方が無い。
「・・・座学という空気ではなくなったな。
俺は保健室へ行くから後は適当にやれ。」
俺は一度リリウムに目配せをしてから、そう言った。
「じゃあな、驚かせてすまなかった。」
一応シャルルに謝罪をするが、完全に俺の事を警戒している。
「・・・ああ、それと。」
去り際に一つ言う事があった。
「俺はノーマルだ、男に興味は無い。」
「なっ!!」
「へ・・・?」
「・・・はぁ。」
俺の言った一言に対して、
三者三様様々な反応が返ってきたことに満足しつつ、
俺はアリーナを後にした・・・。
「・・・流石に痛むな。」
保健室に着き、誰も居ない事を確認してから包帯を頭に巻く。
何かしらの突込みがあるかと思ったが、
よりによってISでぶん殴られるとは思わなかった。
お陰で涼しい顔でいるのに骨を折った。
「痛みで転げまわって頂きたくてリリウムは思い切り殴ったのですが。」
「限度があるだろう、俺で無ければ死んでいた。」
「死んでいなかったので問題ありませんね?」
予め目配せしていたリリウムが後から保健室に入ってきた。
どうやら俺の意図はちゃんと伝わったらしい。
「それで、リリウムにお話とはなんですか?」
・・・そこまでは言って無いんだが。
まあ良いか。
「シャルルについてどう思う?」
「・・・あまり魅力は感じませんね。」
「そう言う意味じゃない。」
「分かっています。」
こいつ、分かってて言いやがったな。
「デュノア様が本当に殿方か・・・ということですよね?」
「分かっているなら・・・「からかっただけです。」・・・そうか。」
流石に自分がやらかした事なので、何も言い返せない。
「殆ど言葉を交わしていないので分かりませんが、
リリウム的には黒に近いグレーだと思います。」
「その根拠は?」
「先ほどの反応からですよ、
ストレイド様が意味も無くあんな事をしないと思いまして観察していましたが・・・、
あの時の困惑の顔はとても殿方の者とは思えませんでした。」
「・・・なるほどな。」
「でもダメですよ?
もし本当に殿方ではなく女性だった場合、
後ろから刺されても文句は言えませんよ?」
「・・・肝に銘じておく。」
ここにセレンが居なくてある意味良かった。
もし居たら刺されるレベルではすまなかったに違いない。
「そうしてください、ところでどうなされるのですか?」
「・・・そうだな、今の所は別にどうこうするつもりはない。」
頭の中でありうるシナリオを描きながら、俺はリリウムに返答した。
「それはまた何故です?」
「俺の依頼内容には含まれていないからな、
・・・とはいえもし一夏に手を出してきたらそれ相応の報いは受けてもらうさ。」
「・・・そのセリフ、聞く人が聞いたら勘違いしますよ?」
・・・そうか?
いや、全く持ってよく分からない。
「しかし、もしシャルルが女だと過程した場合。
何故性別を偽ってまでこの学園に入ってきたんだ?」
「・・・さあ?、
ですが気になる事はありますね。」
「気になる事?」
「もしシャルルが女性だった場合ですが、
フランスの代表候補生とシャルルと名乗りました。」
「今回の件はフランスが一枚噛んでいる可能性がある、と言う事か。」
「その通りです。」
・・・しかし、もしそうなったら厄介だな。
最悪はフランスという国相手にやりあわなきゃいけなくなる。
別に俺1人でも叩き潰せると思うが・・・出来れば避けたい。
「・・・取り敢えずは。」
「暫くは様子見・・・ですね。」
俺とリリウムはお互い頷き合い、これからの行動の指針を話し合った・・・。
最早リリウムが完全にストレイド君の味方な件について