Infinite Stratos×For Answer   作:西方有敗

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PS3のコントローラー持ったら軽くてビビりました


第15話 正体

「・・・今日も転入生が居ます。」

 

今日も?

おいおい、マジで多すぎるぞ。

 

「どう思う・・・ってそうだ、今日はリリウムは休みだったな。」

 

今朝目覚めたらなんだか苦しそうにしていたから、

額を触ってみたらかなり熱かった。

恐らく大分熱が出ているのだろう。

それでも涼しい顔をして登校しようとしていたから、

ベッドへとぶん投げて無理矢理休ませた。

手の掛かるお嬢さんだ。

今日は早めに戻って恩着せがましく看病してやるか。

 

「全く・・・誰が来る事やら。」

 

少しだけ待っているとドアが開き、転入生が姿を現し・・・。

 

「おいおい、アイツは・・・。」

 

腰くらいまである長い銀髪に左目の眼帯。

これまた懐かしい奴が来たもんだ。

 

「挨拶をしろ、ラウラ。」

 

「はい、教官・・・ラウラ・ボーデヴィッヒだ。」

 

・・・。

クラスの中を静寂が包み込む。

 

「えーと・・・以上ですか?」

 

「以上だ。」

 

・・・何となく予想はしていたが、やはり大分頭が固い奴らしい。

 

「ラウラ、せめてもう一言くらいは言え。」

 

「教官が仰るのであれば・・・。

私がこの学園に来たのは2つの理由がある。」

 

意外な事に千冬先生が助け舟を起こし、

それに対する返答という形でボーデヴィッヒが続きを言った。

 

「一つは・・・。」

 

ジッっと一夏を見て・・・いや一夏に近付いている?

 

「・・・俺?」

 

身に覚えの無い一夏はやはり困惑しているが・・・。

 

パシン!!

 

という乾いた音が響いた。

 

「(箒ちゃんのいっくんに何してやがんだ小娘がああああ!!)」

 

「(うるさい、いきなり喋るな叫ぶな。)」

 

案の定と言うかなんと言うか。

この光景を見ていた束さんは怒鳴り声を上げている。

・・・耳が痛いんだが。

 

「(今すぐあの小娘を生まれた事を後悔するくらいぶちのめせええええ!!)」

 

「(アホか、んなことしたら正体がバレるだろうが。)」

 

「(グリントがやらないなら私が今すぐやってやらああ!!)」

 

「(ええい、クロエ!。そこの暴走兎を黙らせろ!!)」

 

「(仕方がありません、束様・・・申し訳ございません。)」

 

「(くーちゃん、はなせええええええ!!)」

 

暫く通信の向こうでバタバタと大きな音が鳴り、次第にその音が止んだ。

クロエ・・・強くなったなぁ。

・・・っと、いかんいかん。

大事な所を聞きそびれてしまった。

 

「・・・そしてもう一つは。」

 

良かった。

まだもう一つは言っていないらしい。

 

「探す為だ。」

 

「・・・何を探すつもりだ?」

 

主語が無い為、千冬先生が聞き返した。

 

「・・・黒い鳥です。」

 

「ッ。」

 

その単語を聞き、俺はほんの少しだけ驚いた。

・・・危ない危ない。

もしここで大きく反応していたら真っ先に怪しまれていた。

 

「黒い鳥だと?」

 

「そうです、つい先日この学園内で黒い鳥が発見されたと報告がありました。

私の任務はその黒い鳥を捕獲する事です。」

 

・・・捕獲と来たか。

しかし最初に聞けて良かった。

これからは更に用心しないとな。

 

「一応聞くが、何のために黒い鳥を捕獲しようとする。」

 

「・・・申し訳ございません、内容は例え教官でもお話するわけには。」

 

理由は大方予想がつく。

一ヶ月くらい前か?

確かそれくらいの時に、一度あいつらの基地に行っている。

その時は束さんの介入により戦闘は起こらなかった・・・が、

その後大々的にNEXTの事を言っている。

一度その姿を見ていたドイツ軍はなんとしても味方に引き込みたいのだろう。

あとは、もし味方に引き入れられなければ破壊する為・・・こんな所か。

その後、クラスは微妙な雰囲気の中授業が開始された・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「邪魔するぞ。」

 

「あら、珍しいわね?」

 

昼休み、俺は久々に生徒会室へと赴いた。

理由は一つ、楯無と話すためだ。

 

「少し用件があってな、時間は空いてるか?」

 

「どちらかと言えば空いていないけど・・・、

他ならぬCOLLAREDの頼みだもの、少しくらいなら大丈夫よ。」

 

「・・・ここに居るときはCOLLAREDではない。」

 

「ふふ、ごめんなさいね?」

 

全く思っていないくせに良く言うな。

 

「幾つか頼みたい事がある。」

 

「嫌よ。」

 

まだ何も言っていないのに断られてしまった。

 

「フム、ならば仕方無い。

少々手荒だが自分で解決する事にするよ。

その際にこの学園に被害が及んでも仕方が無いな?」

 

敢えて挑発するように言葉を続ける。

俺の言葉を聞いた楯無は明らかに警戒度を引き上げた。

 

「そう怖い顔をするな、冗談だよ。」

 

「例え冗談でも止めて頂戴。」

 

「善処はするさ。」

 

楯無の鋭い視線を往なしつつ肩を竦める。

 

「・・・それで、頼みたい事って何かしら。」

 

「難しい事じゃない、

2つ程調べて欲しい事がある。」

 

「内容によるわ。」

 

「一つ、ドイツの動きが知りたい。」

 

「何故かしら?」

 

「今日転入してきた奴がな、

黒い鳥を捕獲する為に来たって言っていたんだよ。」

 

俺の言葉を聞いて楯無は反応した。

やはり知らなかったらしい。

 

「内容は極秘だと言っていたが、お前なら調べる事は可能だろう。」

 

「・・・もう一つは?」

 

「この生徒の素性についてだ。」

 

そう言って写真を一枚投げた。

その写真に写っているのはシャルルだ。

転入してきたのは先日のハズだが・・・、

既に写真が出回っている所を見ると厄介なパパラッチがいるらしい。

 

「・・・3人目の男性IS適正者のシャルル・デュノアだったかしら。」

 

「ああ。」

 

「別に構わないけど、気になるの?」

 

「俺はノーマルだ。」

 

「そうじゃないわよ・・・、

まあどうせ聞いた所で答えてくれないのは分かってるわ。」

 

「別に構わないさ、

コイツが男性IS適正者っていうのが信じられなくてな。」

 

「理由は?」

 

「ある程度格好を誤魔化せば男と言える顔、

それに名前もだな。」

 

「名前もなの?」

 

「ああ、シャルルと言うのは確かに男の名だ。

だが少し調べた結果少し弄れば女の名前にもなる。

 

その名前とは・・・シャルロット。

仮にこの名にあだ名をつければシャルルになる。

普通であれば気にしないが・・・先日の反応が気になる。

だから裏が取れるのであれば取っておきたいっていう魂胆だ。

 

「・・・別に構わないけど、何か報酬はあるのかしら。」

 

「報酬だと?」

 

「当たり前よ、傭兵だったら分かるでしょ?

報酬が無いで動かすというその意味が。」

 

・・・これは弱った。

楯無の言っている事は十分理解できる。

報酬無しで傭兵は決して動かない。

よしんば動かせたとしても、後ろから撃たれても文句は言わせない。

 

「・・・分かった、俺の負けだ。

何が望みだ・・・言っておくが金は無いぞ。」

 

「儲かってるんじゃないの?」

 

「馬鹿言え、

溜められるときに溜めておかなければ対処できないだろう?」

 

「倹約家ね、それとも貧乏性かしら?」

 

「倹約家だ・・・それで?」

 

「そうね・・・。」

 

俺の言葉を聞き、楯無は考え込む。

・・・碌でも無いものじゃなければ良いんだが。

 

「決めたわ。」

 

「聞こう。」

 

「今度私とデートしなさい。」

 

・・・碌でも無いものだった。

 

「・・・なんでだ?」

 

「その時のお楽しみよ、それで返答は?」

 

しかしデートか・・・、それであれば無駄な出費は抑えられそうだ。

 

「分かった、それで手を打とう。」

 

「ありがとう、明日までには揃えるわ。」

 

「期待しているよ。」

 

さて、一つ目の用件は済んだ。

あとは待つだけだな・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

 

 

 

 

 

 

楯無に早速呼びつけられ、俺は再び生徒会室へと足を踏み入れた。

 

「待っていたわ・・・その子は?」

 

何故かリリウムも居るが。

 

「リリウム・ウォルコットです、

生徒会長の更識楯無様ですね?」

 

まだ若干フラついていると言うのに、

無理して此処まで来たリリウムは楯無に確認する。

 

「そうだけど・・・。」

 

俺の方を見て、視線だけで疑問を投げかけてくる。

 

「(良いのかしら?、彼女部外者でしょう?)」

 

・・・と。

 

「構わない、関係者だ。」

 

「はい、関係者です。」

 

「それなら良いけど・・・。」

 

「少し時間が惜しい・・・話してもらう。」

 

「そう急かないで頂戴。

まずドイツの動きについてよ。」

 

そう言って纏めたであろう書類を手渡してきた・・・仕事が早いな。

貰った書類の封を解き、中身を確認する。

 

「(細々と色々書いてあるな・・・一晩でこれだけ調べるとはな。)」

 

流石に予想外だ。

そこには一月前くらいからの動きが書いてある。

 

「(ボーデヴィッヒの奴が捕獲に来たと言う情報は間違いが無いな。

それにやはり俺の予想通り、発見次第国力を上げて捕獲すると書いてあるな。)」

 

ここがIS学園で良かった。

もし違うところであれば、

冗談抜きで全戦力と戦う事になりそうだった。

まあ負けるつもりは無いが・・・。

 

「あとこれ、もう一つよ。」

 

そう言って楯無は再び書類を渡してくる。

その書類はリリウムが受け取り、中を確認した。

 

「・・・ストレイド様。」

 

ある一点の項目の所を見た後に、その部分を俺に見せてきた。

 

「・・・当たり、だな。」

 

そこにはこう書かれていた。

 

名前 シャルロット・デュノア

性別 女

IS ラファール・リヴァイヴ・カスタムII

経歴 

フランスのIS関連会社デュノア社の社長の一人娘だが、

愛人との間に生まれた妾の子・・・。

 

そこまで目を通した後に、その書類を破り捨てた。

 

「あら、勿体無い。」

 

俺の行動を特に咎める事をしないで楯無は見ていた。

 

「いや、別に良い。

本人にとって知られたく無い事まで書いてあったからな。」

 

「そうでしょうね、私も見たとき驚いたわ。

あ、勿論誰にも言う気は無いわよ。」

 

「そうしてくれ。」

 

・・・しかしこれは予想外だ。

大方国絡みの陰謀かと思ったがそうじゃないらしい。

さてどうするかな・・・。

 

「考えているところ悪いけど、報酬の件よろしくね?」

 

「報酬ですか?」

 

何の事か分からないリリウムは楯無に聞き返した。

 

「そうよ、その情報を調べる代わりに彼を一日好きにするの。」

 

「え!?」

 

「おい待て、ちゃんと伝えろ。」

 

楯無の言葉に目を見開いて驚いたリリウム相手に突っ込みを入れた。

 

「違うのかしら?」

 

「違う、一日デートだろ。」

 

「一日デート・・・ですか?」

 

「そうだが?」

 

・・・何故だかリリウムの表情が曇っている。

やはり完全に体調が戻っていないのだろうか。

 

「リリウム、無理をするな。

一度戻ってからこれからの事を考えるぞ。」

 

「は・・・はい・・・。」

 

俺の言葉に曖昧な返事をリリウムは返してきた。

 

「・・・ははぁ、成程ね。」

 

そんな様子を楯無は面白い物でも見つけたように呟いている。

 

「何がだ?」

 

「ううんこっちの話よ。

・・・にしても、ウォルコットさんは後悔しないかしら?」

 

少し意地の悪い笑みを浮かべながら楯無はリリウムに言い放つ。

 

「するわけ無いですよ、

リリウムとストレイド様は根っこは同じなのですから。」

 

楯無の挑発するような言葉に対して、

リリウムは学生としてじゃない・・・リンクスとしての顔で応えた。

・・・マズいな、やる気だ。

下手したらいきなりアンビエントを展開して楯無を殺しに掛かるかもしれない。

今までアンビエントを隠して生きてきたリリウムにそれはさせるわけには行かない。

 

「・・・楯無、あまり挑発するな。

リリウムも挑発に乗るな。」

 

「あら、鈍いのね。」

 

「・・・はぁ。」

 

仲裁しようとした俺に対して、2人は何故か溜息を返してきた。

・・・何故だ。

 

「・・・戻るぞ。」

 

なんだか釈然としない気持ちを抱いたまま、

俺とリリウムは生徒会室を後にした・・・。

 

 

 

2人が生徒会室を出た後。

 

「・・・危なかったわ。」

 

内心の動揺を表に出さないようにしていた楯無は深い溜息をついた。

 

「(ちょっとからかうだけのつもりだったのに・・・。)」

 

思い出しているのは先ほどのリリウムの目。

 

「(アレは・・・人を殺すのに躊躇いを抱いていない人が持つ目だったわ。)」

 

もしグリントが仲裁に入らなければ、

そのまま戦闘になっていた可能性が高い。

それ程までに楯無は身構えていた。

楯無は知る由も無いのだが、

リリウム・ウォルコットはリンクス・・・それも相当の腕前を持つ。

そんな相手が全力で殺す為に攻撃してきた時、

楯無は果たして制圧する事が出来ただろうか。

そう考えていた。

 

「(ちょっと癪だけど、彼に感謝しないとね。)」

 

それは、恐らく無理だろう。

楯無自身は認めていないが、そう結論を出した。

 

「・・・さて、残る仕事を片付けましょうか。」

 

気を取り直して、

楯無は山積みになっている書類を片付けるべく手を伸ばした・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・らしくないぞ、リリウム。」

 

生徒会室から十分に離れた事を確認した俺は、

早速先ほどのリリウムの行動を咎めた。

 

「・・・分かっています、

先ほどのリリウムの行動は確かに軽率でした。」

 

リリウム自身も思うところがあったのだろう。

素直に謝罪をする。

 

「・・・分かっているのなら別に良い。」

 

その顔色を見るに、本気で反省しているようだ。

それなら俺から言う事は何も無い。

・・・と、そうだ。

色々あって忘れそうになっていた。

 

「リリウム、今度の休み空いてるか?」

 

「?」

 

突然の話題の転換にリリウムは首を傾げてくる。

 

「・・・先日の約束を果したい。」

 

「先日の・・・あっ!」

 

俺の言った言葉を理解したのだろう、リリウムは驚きの声を上げた。

 

「で、どうなんだ?」

 

「あ、空いています!、

空いていなくても強引に空けます!!」

 

「待て、流石にそこまでの物じゃないだろう。」

 

「そこまでの物ですよ!!」

 

「そ、そうか・・・。」

 

先ほどまでの落ち込みようはどこへやら。

今度は鼻歌でも歌いだしそうな雰囲気だ。

 

「~♪~♪~♪。」

 

いや、鼻歌を歌っている。

そんなに嬉しいのか?

女と言うのは良く分からん。

一番近くに居たのがセレンと言う事もあって尚更だ。

だが、その前にやるべき事がある。

ボーデヴィッヒの方は難しいかもしれないが、

シャルルの方は早々にケリをつけたい。

 

「水を差すようで悪いが。」

 

そう決心した俺は、鼻歌を歌っているリリウムに話しかけた。

 

「ええ、分かっていますよ。

いつでも動ける様にしておきますので・・・。」

 

「頼む。」

 

リリウムの返答に対し、

俺は頷いてから午後の授業へと向かった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




リリウムちゃん完全にホの字
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