Infinite Stratos×For Answer 作:西方有敗
今更ですが、シャルの一人称はボクで固定します。
話の途中で変えてしまうと(自分が)分からなくなってしまう為です。
※ 頂いた感想に返信致しました
「ゴタンダさん、お待たせしました。」
シャルロットから教えてもらった飲食店の前で待っていると、
男女の一組から声を掛けられた。
1人は先日会ったロゼンダ・デュノア。
そしてもう1人は・・・今回の目標であるアルベール・デュノアだ。
「お初にお目に掛かる
私がアルベール・デュノアだ。」
「五反田一夏です、
大変お忙しい中、私の様な若輩にお時間を取って頂きありがとうございます。」
いきなり
余程ロゼンダさんは俺の事を良く言っていたらしい。
「君の事は妻から聞いていますよ、
若いのに大変良く出来た男性・・・とね。」
「恐縮です・・・立ち話もなんですし、そろそろ。」
「そうですな、では行くとしましょうか。」
俺は2人を伴い店に入る。
ちなみに言うと、この場にはシャルロットは居ない。
アイツには別の・・・最重要任務をやらせているからな。
「いやぁ、イチカ君の話は面白い物ばかりですな!」
「そうですね、私も聞いた事が無い物ばかりで胸が踊ります。」
食事を取りつつ、色々な会話をする。
とはいっても大体が俺の話ばかりだ。
会話の内容?
そんなもん適当に捏造している。
流石にACだとかクレイドルだとか虐殺だとか口が裂けても言えない。
「そこまでお褒め頂けると何だかむず痒いですよ。」
「それでいて決して驕らず・・・また謙虚だ!
私の息子に欲しいくらいだ!」
「ちょっとアナタ・・・!」
「あ・・・いや、スマン・・・忘れてくれ。」
・・・口を滑らせたか。
アルベールが笑いながら言った言葉をすぐさまロゼンダさんは咎めた。
「・・・なにか、深い事情があるのですか?
私で良ければお話を聞きますが・・・。」
さて、ここからは駆け引きだ。
相手に警戒心を抱かせてはいけない。
いや・・・最終的には抱かせるが、それは今じゃない。
爆弾は効果的な所で落とさないとな。
「・・・ですが、ゴタンダさんは記者と。」
「ご安心ください、
確かに私は記者ですが・・・今はこの通り記録できるものはありません。
証拠がなければ会社は決して認めませんよ。」
「・・・これから言う事はただの独り言だ。」
暫くの間黙ったのち、そう前置きをしてきた。
「今は遠くの場所に行っていますが・・・私には子供が居ます。
年は・・・恐らくイチカ君と同じくらいだ。」
シャルロットの事だろ?
っといかんいかん、今は話を聞かないと。
「ですが・・・その子供は妻との子ではありません。」
「所謂妾の子・・・と言う奴ですか?」
「主人は悪くないのです・・・!!
私が子を産めない体質の所為で・・・。」
自分を責める様に言うアルベールに対し、
ロゼンダはあくまでも自分の所為だと言う。
「良いんだロゼンダ、私が人として最低の事をしているのは分かっている。
・・・直接会った事は数える程しかありませんが・・・私はあの子を愛している。」
「アナタ・・・。」
「ですが・・・最近我が社の内部で不穏な動きがありまして。」
「不穏な動き?」
「そうです。
・・・内部の誰かまでは特定できていませんが、
我が子を暗殺しようとする動きがありました。
恐らく親族の内誰かだとは思いますが・・・。」
・・・読めてきた。
それがシャルロットをIS学園に入れた真意か。
にしても利口な手段とは言えない。
このことでアイツがどんなに悩むかという事を考えていないからだ。
「無論そんな事をさせるわけには行かない。
ですが、表立って私が動くわけにも行かなかった。
・・・そこで私は苦肉の策として、
我が子を性別を偽らせてIS学園に入学させました。
表の理由としては世界で2番目の男のIS適正者として我が社の宣伝、
それと共に、男性IS適正者の「織斑一夏」に近付き、
専用機である「白式」のデータを盗んで来いと指示しました。」
「・・・世間に知られたら大問題になりますね。
それこそ下手をしたらあなたが消されてもおかしくないほどに。」
一般的に専用機とは、所持する国の国家機密クラスのものだ。
そんなもののデータを盗んでくるという事は、
明確に敵意がありますといっている様な物。
何をされても決して文句は言えない。
「分かっています・・・ですが、
あの時はそうする事でした我が子を守ることできませんでした・・・。」
「・・・なるほど、お子さんが大切なんですね。」
「当たり前です、・・・あの子はたった一人の子供なのですから。」
「ロゼンダさんもですか?」
「・・・私はあの子に対して酷い事をしてしまいました。
きっとあの子は私の事を嫌っているとは思います。
・・・ですが、私もしっかりとあの子と向き合いたい・・・と思っています。」
・・・なるほどな、それだけ聞ければ十分だ。
これ以上家族の問題に首を突っ込むわけには行かないな。
当人達の問題だから・・・。
「そうですか・・・シャルロット・デュノアがそんなに大切か。」
「・・・え?」
俺の言葉の圧が変わった事に、いち早くアルベールが気がついた。
「・・・何故子供の名前を知っている。
それに・・・どういう意味だ。」
明らかに警戒心を抱いたアルベールに対し、
俺は返答する代わりに写真を投げつけた。
「なっ・・・シャルロット!!」
その写真には・・・、
上着の前面を破かれ拘束されているシャルロットの姿が写っていた。
「まあそう言うことだ、シャルロット・デュノアは預かっている。
返して欲しければこの場所まで来い。
ああ他の連中には言うなよ?
言った瞬間・・・そうだな。
処女を頂いた後に浮浪者の相手でもさせるか。」
「貴様・・・!!」
下卑た笑いを浮かべる俺に対し、
アルベールは憎しみの感情をぶつけてくる。
しかし、弱いな。
そんなものは俺に取っては涼風も同様だ。
「勿論遅れた場合も同じだからな?」
そう言ってレシートを手に取り、
「ほらどうした?
早く行かないと間に合わなくなっても知らないぞ?」
「クッ・・・ロゼンダ!!」
「え・・・ええ!!」
2人は慌てながら店を出る。
・・・さて、この様子だとまだ押しが足りなそうだ。
後もう一押ししておくか。
「I'm a thinker to_to_to_to_toto.」
「え、と・・・ストレイド?」
「何だ人質?」
俺はストレイドを纏ったまま、シャルロットへと返答する。
「幾らなんでも、これは酷いんじゃない?
ボク女の子なんだけど?」
「中々扇情的だぞ?」
ちなみに今のシャルロットの姿は、
先ほど2人に渡した写真の時よりも更に上着を破き、
下着についてはほぼ丸出しの状態だ。
「・・・もう!!」
「自分に出来る事ならなんだってするって言ったじゃないか。」
「それとこれとは・・・!!」
「静かに。」
尚も抗議の声を上げようとするシャルロットの口を布で塞ぐ。
・・・まあその布は特殊な薬品を染み込ませているが。
「ンー!ンー!ンー・・・。」
その薬品とは・・・束さん特製の物だ。
吸わせてから直ぐに意識を飛ばし、3分後に意識が戻る。
正直そんなものあるわけないと叫んだが、
実際にファンション達で人体実験したところ本当にその通りになった。
・・・やった後に猛烈に抗議されたが。
「「シャルロット!!」」
シャルロットが意識を失ってから直ぐに2人は来た。
「やっと来たか、既にやる事はやらせてもらったぞ?」
この2人には既に俺の地声を聞かせてしまっている為、
ボイスチェンジャーで声を変えて2人に言い放つ。
「な・・・貴様!!」
俺の言葉を聞いたアルベールは激情のままに殴りかかってくる。
だがそんなもの当たる訳が無いし、
何よりもこちらはストレイドを纏っている。
例え当たったとしても痛くも痒くも無い。
「ダメよアナタ・・・!
そのISは・・・そのISは・・・!!」
「ほう?
私の事を知っているか。」
ロゼンダは俺の姿を見た瞬間、恐怖の表情に染まり・・・。
「そのISはNEXTです!
勝てる見込みなんて・・・!!」
そうストレイドの分類を口にした。
「あそこの女性が言った通りだ、
それでも尚私に向かってくると言うことであれば・・・。」
威嚇するようにカメラアイでアルベールの姿を見て、
「死んでもしらんぞ?」
そう脅迫した。
・・・さて、そろそろ3分だな。
「それが・・・。」
しかし、俺の脅迫の言葉を聞いてもアルベールは怯まない。
「それがどうした!!
勝てる勝てないではない!!
そんなものの為に我が子を見捨てる親がどこにいる!!」
そう啖呵を切った。
「そうか、そいつが大切なんだな?」
「当然だ!!
シャルロットは私の大事な・・・掛け替えの無い我が子だ!!」
「再度確認しよう。
本当に・・・そいつが大切なんだな?」
「くどい!!」
・・・良かったじゃないかシャルロット。
アルベールは本当にお前の事が大切らしい。
「・・・と、いう事だ。
今の言葉に対して何か言う事はあるかな・・・シャルロット。」
「え・・・?」
俺の雰囲気が変わった事にアルベールは驚いている。
「父さん・・・母さん・・・。」
「「シャ・・・シャルロット!!」」
急に起き上がったシャルロットに驚きつつも、
アルベールとロゼンダは俺を無視してシャルロットに急いで近付いた。
「シャルロットの頭付近に着替えを置いてある。
その格好では風邪を引いてしまうぞ?」
「君がやっておいて良く言うよ!!」
「安心しろ、お前は守備範囲外だ。」
「それはそれで屈辱なんだけど!?」
「え・・・何が・・・え?」
俺とシャルロットが余りにも親しげに話している為、
2人はただひたすら困惑している。
「・・・そうだな、まずは種明かしをしよう。」
そう言って俺はストレイドを除装する。
「な・・・貴様は・・・!!」
やはりというかなんというか。
俺の姿を見てアルベールは驚いた。
「ストレイド・グリントだ。
そうだな・・・貴方達には五反田一夏って名乗ったほうが分かり安いか。」
「なん・・・だと・・・!!」
「順を追って説明しよう。
あと先に言っておくが、今回の事はお前が原因だ。
それでシャルロットを怒ると言うのであれば筋違いも甚だしい。」
そう前置きを加えた後に、
「・・・聞いてやる。」
アルベールから返事が来た為順を追って説明を始めた・・・。
説明後
「・・・と、いう事だ。
嘘だと思うのであればシャルロットに確認してみるが良い。」
一通り話し終わった後に、
シャルロット指差しながら締めくくった。
「シャルロット・・・本当なの?」
「・・・うん、ストレイドの言う事は全て本当の事。」
「「・・・。」」
シャルロットが肯定した瞬間、
2人は苦虫を噛み潰した表情で押し黙った。
「・・・さてシャルロット、
依頼では俺の仕事は此処までだ。
後はお前達で話し合え、邪魔はしない。」
さて、と。
家族間の問題に首を突っ込むのは・・・っとそうだ。
最後に一つ言っておく事があったな。
「アルベール・デュノア、
ロゼンダ・デュノア。」
「・・・なんだ。」
「・・・なんですか。」
「お前達のシャルロットに対する思いは先ほどの食事での話を聞いて分かった、
・・・しっかりと話し合え、引き返せなくなる前にな。」
「・・・分かっている。」
「・・・。」
さて、
これで本当に依頼は終了だ。
あとはシャルロットが出てくるまで待っているか・・・。
・・・っとそうだ。
幾ら依頼の為とはいえ娘を傷物にしたんだ。
それ相応の謝罪はしないとな。
さあて・・・何にするかな。
「・・・もう良いのか?」
どれくらいの時間が経った時だろうか。
3人はぎこちないながらも建物から出てきた。
「・・・うん、待っててくれたの?」
「クライアントを最後まで守るのも仕事だからな。」
「その割には服を破かれて下着とか見られたんだけど?」
「それとこれとは話は別だ。」
「・・・もう!!」
「・・・あー、ストレイド君・・・だったかな?」
俺とシャルロットが仲良く(?)話していると、
恥かしそうにそうアルベールが声を掛けてきた。
「なんだ、アルベール氏。」
「すまない、手を煩わせてしまった。」
「・・・気にするな、依頼をこなしただけだ。」
流石に面と向かって言われてしまうと恥かしい。
「・・・ところで娘にあんな事をした件についてだが。」
チッ、やっぱり覚えていたか。
どさくさに紛れて忘れてくれていれば良かったのに。
「忘れていてくれて良かったんだが。」
「そうは行かない、
・・・父親として失格だとは思うが、
それでもシャルロットは私の娘なのだから。」
そう言い切るアルベールの顔は晴れ晴れとしていた。
「・・・そう言い切るのであれば、今度からはしっかりと見てやるんだな。
家族同士のいざこざに巻き込まれるのはうんざりだ。」
「勿論そうさせてもらう・・・っと、これは?」
アルベールの言葉の途中で俺はある物を渡した。
・・・正直これを知られたら束さんやらセレンやらに殺されるとは思うが、
まあその時はその時だ。
「デュノア社が喉から手が出る程欲しいものだ。」
「?」
「分からないか?
流石に白式のデータでは無いが・・・NEXTの開示できる部分のデータだよ。」
「なっ!?!?!?」
俺の言葉を聞いて驚きのあまりディスクを落としそうになるが、
アルベールはそれを何とか両手で握り締めた。
・・・うん、我ながら馬鹿な事をしている自覚はある。
だがこうでもしないと俺の気がすまない。
「これを渡すに当たって条件がある。」
「・・・聞こう。」
「まず一つ、
そこに入ってるデータは一端とは言え既存のISを遥かに凌駕するものだ。
決して外部に公開しないと共に軍事転用はするな。」
ISの軍事利用はアラスカ条約によって禁止されてはいるが、
実際の所は密かに利用しているところもあるだろう。
「・・・もし破った場合は?」
確認の意味でもアルベールは聞いてくる。
「そうだな・・・その時は申し訳ないとは思うが、
デュノア社と開発したIS全てに消えて貰うとしよう。」
「・・・肝に銘じておく。」
俺の言った言葉が本気だと判断したアルベールはそうこ答えた。
「次にもう一つ。
決して束博士が開発しているISを凌駕させるな。
束博士にそれがバレた瞬間、どうなっても俺は関知しない。」
「それ程の物なのか・・・このデータは?」
「当然だ、束博士は言っていただろう?
既存のISの全てを遥かに凌駕する・・・と。」
「・・・分かった。」
「最後に一つ、
俺の存在は親族とはいえ決して漏洩させるな。
俺がこのデータを渡したとバレれば、
シャルロットだけじゃなくそちらにも被害が広がる。」
「・・・全て承知した。」
俺の言った事を全て余す事無く覚えたのだろう。
アルベールは確かに頷いてきた。
「話は以上だ、
・・・ああそれと、もし困った事があれば連絡を寄越せ。
報酬は貰うが手を貸してやる。」
この言葉の真の意味は説明するまでも無いだろう。
もしシャルロットを消そうとする動きが無くならないのであれば、
俺が代わりに消してやる。
そんなところだ。
「・・・出来れば来ない事を祈るよ。」
今の返答を見るに、しっかりと理解したと見て間違いないな。
「では・・・シャルロット。
お前はどうする?」
「あ、ボクも行くよ。
フランスに居るということが漏れれば危ないだろうし。」
「そうか・・・ではなご両人。」
「・・・ありがとう。」
「・・・ありがとうございます。」
2人の礼の言葉をしっかりと聞き、
俺とシャルロットはホテルへと戻った・・・。
「・・・ストレイド。」
ホテルへと戻り、
体を休めていると風呂上りなのだろう。
シャルロットがタオル一枚の姿で俺の前に来た。
「誘ってるのか?」
・・・俺も男だ。
さっきはあんな事を言ったが、
そんな姿を見て何も思わないわけが無い。
目を逸らしつつもシャルロットに返答した。
「ありがとう、まだ思う所はあるけど・・・、
それでも君の言った通り行動して良かったと思う。
このままただ流されているだけじゃ絶対にこんな結果にはならなかった。」
シャルロットはしっかりと頭を下げて俺に礼を言う。
・・・なんだか気恥ずかしい。
「・・・俺は礼を言われる程出来た人間じゃない。」
「そんなこと無いよ、
やり方は大いに抗議したいけど・・・それでも。
それでもボクに取って君は・・・ヒーローみたいだったよ。」
「ヒーロー・・・ヒーロー・・・か。」
人類の明日の為、躊躇無く虐殺を行った俺がヒーローだと?
・・・
「・・・どうしたの?」
「クックック・・・アッハッハッハッハッハ!!
コイツは面白い!!
何の罪も無い人間を大量に虐殺した俺がヒーローだと?
コイツが面白くなくて何だ!!」
・・・ああ、もう止まらない。
「え・・・虐殺・・・?」
「ああそうだよ!!俺はな!!
滅んでいく世界を前にな!!
人類という種を残そうとして・・・1億以上の人間を殺したんだよ!!」
俺が叫ぶ言葉に対しシャルロットは訳が分からないと言った様子で聞いている。
「そんな大罪人の俺がヒーローだと!?
ふざけるのも大概にしろ!!」
「・・・ストレイド。」
「そんな物で俺を呼ぶな!!俺は・・・!!「ストレイド!!」ッ!!」
「・・・気付いていない?
今の君・・・泣いてるんだよ?」
シャルロットに言われて、俺は自分の頬を触った。
そこには、確かにシャルロットの言う通り。
・・・涙の跡があった。
「・・・辛かったんだね。
誰にも言えないで・・・そんな悩みを抱いていて。」
「ッ・・・。」
「・・・ここにはボクしかいないから、
今は思いっきり泣いても・・・良いんだよ?」
・・・ああくそ。
後悔しないと、絶対に泣かないと決めたのに。
そんな・・・
「ア・・・、アアアアアアアアアアアアア!!!」
その日。
抑えていた物全てを吐き出すように。
ただただ子供の様に泣き叫んだ。
・・・シャルロットは、いつまでもただ俺を優しく包み込んでいた・・・。
シャルはマジメインヒロイン
ストレイド君の過去編は銀の福音編終了後くらいでやりたいです