Infinite Stratos×For Answer   作:西方有敗

26 / 33
第25話 臨海学校(終了編)

「・・・」

 

「・・・」

 

AAを放ったWG(ホワイト・グリント)はこちらを見ながら静止している。

 

「答えろホワイト・グリント、お前が何故ここに居る。」

 

「・・・答える義理は無い。」

 

先ほどと同じ質問に対し、WGは興味無さそうに返してきた。

 

「ストレイド、・・・アイツはなんだ?」

 

いまいち状況が飲み込めていないであろう一夏は俺に聞いてくるが、

 

「・・・戦闘になったらお前達は邪魔だ、先に戻れ。」

 

今答えるにはリスクが高すぎる。

 

「・・・後で説明してもらうぞ。」

 

俺の言葉に一瞬だけ反論しようとするが、俺の様子を見て考えを改めたらしい。

福音との戦闘を終えたばかりの他の皆と共に旅館へと戻った。

 

「お前が他の奴等の心配とはな・・・、随分お人好しになったじゃないか。」

 

「勘違いするな、あいつ等が心配なんじゃない。

貴様と戦闘になった時に純粋に邪魔になるだけだ。」

 

「そう言うことにしておこう・・・ああそれと、

今回はお前と戦う気は無いさ。」

 

「信じられると思うか?」

 

「思っていない・・・が、これを見れば納得するだろう。」

 

そう言ってWGはある一つのデータを送りつけてくる。

 

「・・・これは。」

 

そのデータとは紛れも無い依頼書だった。

流石に詳細の部分は潰してはあるが、

主目的に福音の捕獲、難しければ破壊と記載されていた。

 

「お前もリンクスであれば意味は十分分かるだろう?」

 

「・・・不本意ではあるがな。」

 

WGは依頼を受けてこの場所に来ている。

その事が意味するのは・・・俺が手出しをしなければ何もしないと言う事だ。

態々厄介事を引き起こしたいと言うのであれば話は別だが・・・。

・・・俺としてはこの場所で戦闘を開始しても構わない。

だが、今のアセンブルでは不利なのは俺の方。

アイツの装備を見る限り、ラインアークの時と変わってはいない。

対して俺は近距離型のアセンブルにしている。

攻撃を行おうと接近してもアイツにはAAがある。

戦闘が終了した時、お互い無事では済まないだろう。

 

「分かってくれたようで何よりだ、福音はこちらで回収する。」

 

結局今戦うのは得策ではないと判断した俺は、

両手を僅かに下げると言う形で手出しをしないと意思表明した。

 

「・・・一つ聞かせろ。」

 

「依頼主は誰かと言うものであれば黙秘するが?」

 

「・・・今お前はどこに居る?」

 

「答える義理は無い。」

 

・・・まあ当然か。

俺も逆の立場だったらそうしている。

 

「話は以上だな? では私は失礼するとしよう。」

 

福音を小脇に抱えながら、

 

「ではな黒い鳥・・・近い内にまた会おう。」

 

そう最後に言い残してOBを使用して去っていった。

 

「近い内に、だと? どういう事だ・・・!!」

 

WGが言い残した言葉の意味が分からず、

俺は結局セレンから再度通信が来るまでその場で立ち尽くしていた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おそおおおおい!!」

 

旅館へと戻り束さんと顔を合わせた瞬間、開口一番そう怒鳴られてしまった。

 

「まったくだ、お前あそこで何をしていた?」

 

同じくセレンも俺に対して言ってくる。

・・・しかし束さんが居るところで言う訳には行かない。

新しいネクストが姿を表したなんて事を。

 

「・・・ちょっとな。」

 

結局俺は言葉を濁す事しかできない。

 

「・・・まあ良いや、ところでグリント。」

 

俺の返答に釈然としない表情を浮かべるが、

直ぐに意識を切り替えたのだろう。

 

「これから一ヶ月は学園に行かせないからね?」

 

そう言ってきた。

 

「・・・今回の事に対する罰則、と言う事か。」

 

「話が早くて助かるよー、

本当は君の事を洗いざらいぶちまけても良いんだけど、

それをしちゃうと私の身もちょっと危なくなるからねー。

今回は私の下で一ヶ月間の無償労働っていう形で勘弁してあげるよ!」

 

「・・・その間の一夏達の鍛錬はどうする?」

 

別に罰則を受けるのは構わない。

だが・・・それよりも気になるのはあの2人のことだ。

 

「そうなんだよねー・・・色々考えたんだけど、

ちょっとお休みしても良いかなぁって思ってるよ。」

 

「・・・あいつ等に自主的にやらせると言うことか。」

 

まあ何時までもずっと付きっ切りよりも、

少しは自身で考えさせてやらせるほうが良いか。

 

「それじゃあいこっか!

ちーちゃんには話を通してあるから大丈夫だよー。」

 

そう言って束さんは先導して歩き出す。

・・・やれやれ、仕方が無いとは言え面倒な事になった。

急に姿を表したWG・・・アイツはどう動くつもりなんだろうか。

まあ、仮に奴が敵対したとしても俺は負けるつもりは無い。

相手が既の限界が近かったとはいえ、

一度勝った相手に負けることはセレンを失望させてしまう。

そう思いセレンを一度見ると、なんだか気分が良さそうだ。

 

「何かあったのか?」

 

・・・気になる。

 

「ん? ああ・・・まさか自分と似たような奴と会うとは思っていなかっただけだ。」

 

・・・今の言葉からして、恐らくは千冬先生と顔を合わせたのだろう。

しかし、やはりと言うかなんというか。

俺が初対面で感じたとおり、

やはりセレンと千冬先生は似ているという事だ。

可能性としてだが入れ替わった場合、

2人を良く知る人物じゃないと見抜くのは難しいだろうな。

 

「そうか。」

 

・・・さて、と。

とりあえず束さんの機嫌を直す為に馬車馬の如く働くとするか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・まさか、こちらに来ているとはね。」

 

OBを行いながら先ほどの邂逅を思い出す。

まったく、人生というのは何が起こるか分からない。

・・・黒い鳥。

()が守っていたラインアークに突如襲撃者として来たネクスト。

顔は知らない、本名も知らない。

だけど、その腕前は知っている。

幾ら()が限界を迎えていたとはいえ、

最終的にはたった一人で撃破してみせたリンクス。

・・・守護者である()が居なくなったラインアークは文字通り一瞬で崩壊した。

その事に対して恨みはあるけれど、

元はと言えば()を限界を超えるまで酷使させたのは私の責任。

もう少し別の方法を取っていれば或いは・・・。

 

「・・・いえ、考えても仕方が無い事ね。」

 

そう溜息混じりに口にした。

そう・・・既に終わってしまった事。

今更言ったって時間が過去に戻るわけじゃない。

・・・ちょっとイラついてきた。

折角だし、アイツの驚く顔でも拝んでやろう。

そうする事で少しは気が晴れるかも知れない。

 

「・・・起きなさい、暴走は既に止まっているハズ。」

 

そこで思考を切り替え、

小脇に抱えている福音を揺さぶりつつ話しかける。

 

「・・・頭がガンガンするわ。」

 

「ちょっと厄介な事態になってたから強引な方法を取ったの、体は大丈夫?」

 

「頭が痛む以外は・・・でもこの子は暫く動かせそうに無いわ。」

 

彼女が言うこの子とは、福音の事ね。

何度か基地で見掛けていたけど大切そうに調整を行っていた。

 

「そ、ならこのままアメリカまで運んであげる。」

 

「・・・手間、かけちゃったわね。」

 

「トドメを差したのは私だけど、

撃破寸前まで追い込んだのはIS学園の生徒。」

 

「あの学園の生徒が? 私が言うのは何だけど凄いのね。」

 

「・・・直接見ていた訳じゃないから腕前は分からない。」

 

そう、腕前は分からない。

だけど想像は出来た。

なんていったって近くに黒い鳥が居たのだから。

 

「・・・あーあー、でも残念よ。」

 

「何が?」

 

福音の操縦者は肩をガクリと落としながら、

 

「・・・今回の暴走の所為で危険性が高いって上に判断されるわ。

そうなったらこの子とはお別れになっちゃう。」

 

本当に残念そうにそう口にした。

・・・それもそうか。

幾ら二次移行をしたとはいえ、

暴走する危険性があるものを放置するわけには行かない。

良くて封印、悪くて完全破壊という所ね。

 

「・・・私がもう少し注意していれば。」

 

・・・やはり()の様には上手くできない。

()なら今回の件が起こった瞬間速やかに制圧できたと言うのに。

 

「アナタの所為じゃないわよ、悪いのは今回の件を行った奴。

犯人が分かったら一発殴らないと気が済まないわ。」

 

「フフ。」

 

「珍しいわね、アナタが笑うなんて。」

 

「そうかしら?」

 

「ええ、

私が知っているアナタは誰に対しても気を許さず、

常に仏頂面で必要最低限の事しか会話をしないってイメージだったから。」

 

「・・・間違っていないわ。」

 

うん、間違ってはいない。

()が居ないこの世界で目覚めた時から、

私は誰に対しても気を許していなかった。

・・・そうしないと()の愛機であるこの子(ホワイト・グリント)を守れなかったから。

 

「・・・まだアメリカに着くのに時間はあるわよね?」

 

「そうね、このまま何も無ければあと2時間くらいだと思う。」

 

このまま何も無くてもエネルギーはそうも行かない。

一度どこかで休んでエネルギーを回復させないと2人仲良く墜落するかも。

 

「・・・折角だし、アナタの事をもっと知りたいからお話しない?」

 

・・・お話、か。

いつもだったら断っていただろうけど、今は誰かと話したい気分。

 

「・・・良いよ、それじゃあ何から話す?」

 

「そうね・・・アナタがそのISに乗り始めた理由が知りたいわ。」

 

「・・・長くなるよ?」

 

「時間は沢山あるし大丈夫よ・・・フィオナ。」

 

「分かった。」

 

私は福音の操縦者であるナターシャに返事をした後、

少しずつこの子の事を話し始めた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ホワイト・グリントの操縦者は実はフィオナさんでした!!



名前 フィオナ・イェルネフェルト
性別 女
年齢 ??(AC時代よりも若くなってる)
IS ホワイト・グリント
紹介
ホワイト・グリントの操縦者のオペレーター。
ストレイドによりホワイト・グリントが撃破されると、
ラインアークの終焉を静かに予測した。
フィオナの予測通り、
ホワイト・グリントという守護者を失ったラインアークは企業により蹂躙される。
この際に流れ弾を受け死亡した。
再び目覚めた時は既にISの世界で傍らには待機状態のホワイト・グリントが居たが、
正規の操縦者が居ない事に困惑する。
しかし決して他の人物に渡さないという決意を抱き1人猛特訓を行い、
正規の操縦者程では無いにしても、
ホワイト・グリントの性能も相まって一線を画する実力を持つまでに至った。
現在はアメリカに潜伏していて国家レベルの有事の際のみコンタクトを取り、
莫大な報酬額と引き換えに依頼を受けて生計を立ててつつホワイト・グリントの正規の操縦者を探している。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。