Infinite Stratos×For Answer 作:西方有敗
無事にアメリカ軍に福音を引き渡した私は、
今現在取調室のような所で軍の司令官と会話をしている。
私の存在は軍にとって最高機密の為、
頭脳である司令室よりも機密性が高いこちらで良いと私から提案した。
「すまない、礼を言う。」
「気にしないでください、依頼をこなしただけですので。」
私としてはお礼を言われる筋合いは無い、
この人に伝えたとおり依頼をこなしただけだから。
「それでもだ、君が居なければどれほどの事態になっていた事か・・・。」
「・・・お言葉ですが私があの場に着いた時、既に福音は撃墜寸前でした。」
「それは・・・本当かね?」
「はい。」
私が言った言葉を信じられないと言った様子でこの人は驚いている。
確かに福音はカタログスペックで言えば、既存のISよりも遥かに強力ではある。
幾ら専用機持ちとはいえ苦戦は必至だと思う。
だが、それでもあの学園の生徒達はやってのけた。
並大抵の腕前と覚悟では決して出来なかったハズ。
「・・・なるほど。」
「一応言っておきますが、福音を撃墜寸前まで追い込んだ相手は黙秘致します。
事前に依頼内容に盛り込まれていればお話ししましたが、
今回承ったのはあくまでも福音の捕獲、もしくは撃墜のみ。
情報を欲するという事であれば追加で依頼料を頂きますが?」
「分かっている、確かに我々としては気になるところではあるが・・・。
正直今回の依頼料だけで手一杯でね。
その相手についてはこちらで探すことにする。」
「そうしてください。」
恐らく通らないとは思ったので潔く引き下がる。
正直今回は法外な金額を吹っかけたというのに良く頷いたと思う。
・・・貰えるものであれば遠慮無く貰うけどね。
「・・・さて、私からの報告は以上です。
今回の依頼料はいつもの口座にお願いします。」
「承知した・・・ところでフィオナ君。」
「軍に入らないか? というお話でしたらお断りいたします。」
確かに軍に入れば安定した収入を得られはする。
だけどその代りに自由な時間がほぼ無くなる。
それだけであれば我慢すれば良いけど、
軍は必ず
今は傭兵という立場で依頼を受けているだけなので突っぱねられるが、
軍に所属したらそうもいかなくなる。
本人の承諾無しに他の人に触られたくはない。
「・・・だが、」
しかしこの人は諦めきれないのか尚も食い下がってくる。
「一度言ったはずです、私はあくまでも傭兵。
アメリカに居るのはただの気まぐれだと。
もししつこく勧誘してくるのであれば仕方がありません。
この国を出て違う国に行くとしましょう。
ああご安心を、こちらの情報は一切開示しませんので。」
私は半ば脅しを掛ける。
とはいえ・・・、実はこの国で出来る事は全て終わったので近々出るつもりでいる。
アメリカは私にとって都合の良い状態になっているため、
この人にだけは連絡先を残して去ろうと思っているけど。
もしこのまましつこく勧誘してくるのであれば黙って消えよう。
「分かった分かった! 私が悪かったのでそう機嫌を損ねないでくれ。」
暫くの間ただ見ていると、
この人は折れたようで両手を上げて降参の意を示した。
部下が居る前では司令官失格同然の行動だけど、
ここに居るのはこの人と私だけ。
普段肩ひじ張っている分、多少はフランクになっているようね。
「・・・ああ、申し訳ございません。
実はやる事が出来たので近々離れるつもりなんですよ。」
「なっ・・・!!」
しかし、続く私の言葉でこの人の顔は驚愕に染まった。
「・・・戻ってくる予定はあるのかね?」
「無いですね、ですが流石に貰う物だけ貰って消えるというのは心苦しいです。
なのでアナタにのみ連絡先を残していきます。
本当に切羽詰まった状況になったらご連絡ください。」
・・・最終的には遠慮なくたかる気で居ますが、そこまで言う必要はありませんね。
「・・・元々君は軍に所属をしていないから私では止められん。
だが連絡先を残してくれるというのは大変ありがたい。
報酬が報酬故手軽には依頼は出来んが・・・本当に必要だと感じたら依頼をしよう。」
「その時はご遠慮なく、・・・それではこれで。」
連絡先をこの人に送り付け、一礼をしてから私は部屋を出た・・・。
基地の出入り口近く、
WGを起動させて飛び立とうと思ったら・・・。
「フィオナ!」
そう声を掛けられた。
「ナターシャ?」
声を掛けられた方向を見ると、
ナターシャが駆け足で向かって聞いる。
「窓からアナタの姿を見て・・・急いで来たの・・・!」
私の隣まで来てから息を整えつつそう話してきた。
「それで何の用かしら?」
「・・・フゥ。
・・・改めて止めてくれたお礼と、あの子の処置を一応伝えておこうと思って。」
完全に息を整え終えたナターシャは、
「まず、本当に助かったわ。
お陰で私も命を落とさないで済んだわ。」
「依頼の為とはいえ人を殺すような事はしたくないからね、
無事でいてくれて良かった。」
・・・多分彼に聞かれたら甘いとか言われちゃうんだろうな。
でも・・・命を奪わないで済むならそれに越したことはないと思う。
「それでもよ。
フィオナが助けてくれなければあの子と離れる事になりそうだった。」
「今の口ぶりからすると?」
「ええ、差出人不明である荷物が届いたのよ。
勿論テロの可能性が考えられたから捨てようかという話にはなったわよ?
だけどね、その荷物と一緒にこの手紙が届いていたの。」
そう言ってナターシャはある一枚の紙を出してきた。
「・・・これって。」
「そう。」
そこには何も文字は書いていない。
書かれているのは・・・黒いインクを使用している鳥だった。
・・・中々洒落たことをするのね、奴は。
「兎に角、これを見て取り敢えず開けてみようっていう話になってね。
開けたらISコアが入っていたのよ、・・・それも未登録のね。」
そんなことはありえ・・・るか。
奴は今現在IS開発者である篠ノ之束という女性の元に居る。
このISのコアを作ったのも篠ノ之束。
であれば、今回の事も頷ける。
・・・と、同時に。
福音を暴走させたのは必然的に奴か篠ノ之束のどちらかになる。
「なるほど・・・、
もしかしてだけど暴走したコアを取り外してそっちのコアにするって事?」
「その通りよ、
あの子の性能は軍用機でもあるから相当高い。
流石に今回の件を受けて幾らか性能を落とすっていう話になってるけど。
一から新しいISを開発するよりも、
多少はスペックを落してあの子を使用するっていう意見で一致したらしいわ。
・・・まあ私はあの子とまた一緒に飛べるのが嬉しいわ。」
そういうナターシャの表情は確かに嬉しそう。
「良かったね。」
「・・・ええ、とても。」
その言葉を言ってから私は飛び立つ為にWGを纏う。
「フィオナ!!」
ナターシャが私を呼ぶ声が聞こえるけど、振り向くつもりは無い。
「・・・アナタのパートナー、見つかる事を願っているわ!!」
「・・・ありがとう。」
ナターシャの言葉に小さく返答してから、私は大空へと飛び立った・・・。
「ここが、IS学園。」
まず目に入ったのはその大きさ。
知識でしか知らないけど学園というのはここまで大きい物なのだろうか?
「・・・目的の人、見つかるかな。」
そう、私がここに来た理由。
それは依頼をしたいという話をある女性から貰ったから。
日付的にはいつでも良かったのだけれど、
こういうときは早い方が良いと判断して直ぐに来た。
・・・だけどここまで大きいとは思わなかったから見付けられるかが心配。
学園の中で迷子の状態で見付かるなんて言う事だけは勘弁したい。
「あら、貴方学園の関係者では無いわね?」
どうしたものかと思案していると、赤い瞳に水色の髪の女性にそう声を掛けられた。
「実はこの学園の方に呼ばれていまして、
来たは良い物の予想外の大きさに驚いている所です。」
ここはある程度隠さずに話して案内してもらおう。
下手に歩き回るよりも怪しまれないと思う。
私がそう話した瞬間、目の前の女性は一度眉を動かした。
「・・・貴女がそうなのね。」
「何か?」
「いえ、こちらの話です。
どちらに呼ばれているのですか?」
「生徒会室です、
普段殆どの生徒が入ってこない為そちらの方が都合が良い・・・という話だったので。」
「分かったわ、丁度私も用事があるから一緒に案内するわね。」
私「も」?
なんだろう、この女性何となく引っかかる言い方をした。
でも案内してくれるというのであれば大変ありがたい話。
これで迷わずに済みそう。
「分かりました、お願いします。」
「ええ、こっちよ。」
その後、目の前の女性は先導しながら案内してくれた。
何故か学園の設備を色々と周り、一つ一つ説明をしてくれながら・・・だけど。
生徒会室に到着したのは日が傾いてから、
流石に不機嫌になったけど、
案内してくれた女性が私を呼んだ人と聞いた時少し驚いてしまった。
・・・それを見た目の前の女性、楯無さんは満足そうに笑っていた。
ちょっと難産気味だったのでこの辺りでー、
次はネタの神が降りてきたときに更新します!