内容は……まあ、タイトルが全てですね(笑)
ではでは、始まり始まり~
造反神によって叛乱がおきた為、神樹は様々な時代の勇者たちを己の内部世界に召喚して鎮めさせている、そんな世界。
大目的は割と殺伐としているが、勇者の力を効果的に発揮するには精神面が非常に重要という事は神樹も理解しているのか、戦い以外の日々は割と……というか、平穏その物の日常を送れるようになっている。
そんななかで、西暦の四国の勇者たちが合流した、少し後のお話である。
○○は自宅から讃州中学まで向かっていたが、その途中の街並みや道行く人たちを眺め、改めて感心した。
「どこにも違和感なんて感じないもんなぁ……元の世界と変わらないよ、ホントに」
そういって、現実世界と変わらない神樹のなかの世界を歩いて行く。
そうして歩いていると、途中で友奈が合流してきた。
「おはよう、○○君!」
「ああ。おはよう、結城さん」
「……っ。う、うん!」
少しチクリとした痛みを心に感じた友奈だったが、それはおくびにも出さずにいつも通りの笑顔を浮かべた。
それから二人で他愛無い話をしながら、いつも通りの通学路を歩いて行く。
そして、西暦の勇者たちの暮らしている寄宿舎に近づいてきたとき、その建物から出てきた女の子が二人を見て駆け寄ってきた。
「おはよー、結城ちゃん、○○君!」
「おはよう、高嶋ちゃん!」
「うん。おはよう、高嶋さん」
「……っ。きょ、今日もいい天気でよかったねー!」
高嶋友奈も、もう一人の友奈と同じく少し心に痛みを感じたが、やはりそれを少しも感じさせない笑顔を浮かべて元気よく話をする。
(みんなと会えたのはとっても嬉しいけど……こんな事になっちゃうなんて、思わなかったなぁ……)
(はぁ……でも、理屈で考えれば○○君が正しいし、しょうがないよね……)
二人とも、それぞれの時代では呼び捨ての名前呼びだったのだが、この世界に来て西暦の四国勇者が合流してからは、○○に名字呼びに改められてしまっていた。
戦いなどの時に、どちらを呼んだのか咄嗟に分からないと危険だという○○の意見は至極真っ当だったため、残念ではあったがそれを二人は受け入れた。
(でも……こんなに寂しく思っちゃうなんて、予想外だったな……)
(普段から徹底して気を付けるのも、正しいって分かるけど……寂しいよ……)
とても大切なものを失くした様な喪失感を味わっている二人。
しかし、そんな内心などは自分個人の感傷でしかないし、わがままを言って○○を困らせる事もしたくなくて、二人の友奈は自分の想いを心の奥に仕舞っていた。
しかし、いくら勇者だといったところでまだ中学生の少女でしかない二人の心は、ゆっくりと、しかし確実に軋みをあげていた。
そんなある日、結城友奈はいつも食べさせてもらってばかりでは悪いと思い、美森のぼた餅作りを○○と一緒に手伝う事になった。
○○の自宅のキッチンに集合して作ることになり、二人は美森に色々と教わりながらも楽しくぼた餅を作っていた。
「東郷さん、餡子はこのくらいの量で大丈夫かな?」
「ええと……もう少し多い方がいいと思うわ、友奈ちゃん。その量だと、お餅を余裕を持って包めないと思うから」
「あ~、やっぱりそうなんだ。分かった、もう少し増やしてみるね」
「ええ、そうしてみてくれる?」
大体一人で行なっていたぼた餅作りを気の置けない友達とやることが出来て、美森は御満悦だった。
実際、鼻歌でも歌いだしそうなほど機嫌がいい。
「美森ー、きな粉の方は準備できたよ。ちょっと味見お願いしてもいいかな?」
「ええ、分かったわ。――うん、隠し味の塩もこの分量なら問題ないし、上出来ね」
「よし、美森のお墨付きなら大丈夫だな」
「ふふっ、煽てても何も出ないわよ、○○君?」
お互いに笑顔で、楽しそうにぼた餅作りを進める美森と○○。
「きな粉ぼた餅かー、そっちも美味しそうだよね」
「色味が真逆だから、目でも楽しめるようになるしね。きっと美味しくできるよ。結城さんの方はどう?」
「……っ。わ、私の方も良い調子だよ。もうちょっとで包み終わると思うから」
親友は名前で呼ばれているのに対し、自分は○○から名字で呼ばれている。
もう何度かあった出来事で、慣れなければいけないと思っている友奈だが、一向に慣れない。
むしろ、心の痛みは増してきている気すらしていた。
「……? 結城さん、もしかしてどこか調子悪い?」
「○○君もそう思う? 友奈ちゃん、少し様子がおかしいみたいだけど、具合でも悪いの?」
「だ、大丈夫だよ! どこも悪くないから! 結城友奈は、今日も元気です!」
そう言って、いつも通りの笑顔で二人の疑問を否定する友奈。
ふと心の中を過ぎった事を○○と美森に気付かれたくなくて、出来る限りの平静を装って言葉を紡ぐ友奈。
「そう……? 具合が悪くなったら、いつでも言ってね?」
「そうそう。遠慮はしないでいいからね?」
「……ありがとう、二人とも。でも、本当に大丈夫!」
その後は恙無くぼた餅作りも終わり、後日の勇者部の活動までのお楽しみという事で、解散する運びとなった。
そしてその日の夜、自宅の自室にいた友奈は今日のぼた餅作りの時の自分について思い出し、自己嫌悪に陥っていた。
「私……東郷さんに嫉妬してた……。何で東郷さんだけ名前で呼ぶのって思って……」
ベッドにうつ伏せになり、枕に顔を埋めながら消え入りそうな声で呟く友奈。
「一番の友達の東郷さんにそんなこと思うなんて……私、嫌な娘だなぁ……」
なんて自分勝手で醜いんだと、自分を責める友奈。
「寂しいよ……友奈って呼んで欲しいよ、○○君……」
顔を埋めていた枕を抱きかかえ、瞳を涙で滲ませて切なげに呟く友奈。
しかしどうすることも出来ず、寂しさばかりを募らせながら夜は更けていくのだった。
それとは別の日。
一方の高嶋友奈は、普段ゲームをあまりやらないライトユーザーでも楽しめるパーティーゲームをやろうと、千景と○○の二人に誘われて寄宿舎の千景の部屋に集まっていた。
千景と○○は本当に簡単で、初心者でも楽しめるソフトを用意してくれていたので、友奈も二人に気兼ねせずに楽しめていた。
「高嶋さん、そっちに行ったわ……!」
「おっととと、逃がさないよー! 確保だー!」
「そうはいかない! 捕まえるのは俺だー!」
三人は今、指定されたターゲットを追跡し、先に多くを捕まえた方が勝ちというステージをプレイしていた。
千景と友奈のチーム対○○とNPCのチームで対戦していたのだが、今のところ千景と友奈のチームが優勢である。
簡単とはいっても、やはりゲームそのものに対する経験値が不足している友奈は二人よりも技量は低いのだが、それを反射神経や観察力で補っていた。
そして千景も友奈のフォローを所々行なっていたので、○○としても隙が殆んど見えない。
「むう……ここまで高嶋さんが上手いとは……油断したか。でも、まだ勝負は分からないよ」
「ふふっ……高嶋さんがいるなら……私は無敵、もう何も怖くない……!」
「おおーい、ちーちゃん!? フラグ立てるの止めなって!」
「……っ。――――――あっ!?」
○○が千景の事を愛称で呼んだその時、友奈の操作キャラの動きが突然狂い、てんで違う方向へと逸れてしまった。
それによって千景とタイマンで激突していた○○は自チームのNPCへ指示を出してターゲットを確保させ、その勝負は○○のチームに軍配が上がった。
対戦後、一息ついた千景と○○の二人は、友奈の様子に違和感を抱いて彼女を気遣った。
「高嶋さん……何だか顔色悪いけど、具合悪い?」
「○○の言う通りだわ……高嶋さん、いつもと様子が違うみたいだけど、大丈夫……?」
「――えっ? う、ううん、何でもないよ? 私はいつも通りだし、何の問題も無いよ?」
こちらの友奈も、もう一方の友奈と同じくすぐさま二人の疑問を否定した。
実際、いつも通りの笑顔を浮かべる友奈の様子には、何の問題も見られない。
「うーん……高嶋さんがそう言うならいいけど……何かあったらすぐ言いなよ?」
「そうね……高嶋さん、無理はしないで……?」
「大丈夫だいじょうぶ! 私は元気だよ?」
千景と○○の二人は友奈を心配しつつも、友奈自身がそう言うならと引き下がり、三人でゲームの続きを再開した。
そして、○○がそろそろ家に帰らないといけないという時間になったので、今日は解散という流れになり、友奈も千景の部屋から自分の部屋へと戻った。
「ぐんちゃん……○○君にあだ名で呼ばれて嬉しそうだったな……私は苗字で呼ばれてるのに……」
そこまでを無意識に呟いた友奈は、我に返ると自分の言った事、思った事が信じられなくて愕然とした。
「え……い、嫌だ……私、ぐんちゃんに嫉妬してる……こんなの違う……ダメだよ……ぐんちゃんは大切な友達で、だから嫉妬なんて……そんなこと……」
首を横に振りながら自分を戒める友奈だったが、千景の愛称を呼ぶ○○と、それに笑顔で答える千景の姿が思い出され、胸がじくじくと疼く。
「○○君……寂しいよ……名前で呼んでほしいよ……っ」
名前で呼ばれていた時の事を思い出して、余計に切なくなってしまう友奈。
結局、胸の痛みはその日眠りにつくまで消えなかったのだった。
二人の友奈がそんな事を思った数日後。
○○は部活終了後、二人の友奈に呼び出されて空き教室に来ていた。
「結城さん、高嶋さん。何か話があるって事だけど、どうしたの?」
○○が二人の事を名字で呼ぶと、もう何度目になるか分からないが、またしても彼女たちの心がじくじくと痛みだした。
今日ここに○○を呼び出して話をするという事で、二人は事前に話し合いを持っていたが、二人の望みは一致していた。
そんなものは決まっている。
いくら味わっても慣れない心の痛みを堪えながら、二人は○○に自分の想いをぶつけた。
「○○君……私、もう他人行儀に名字で呼ばれるのは嫌だよ……」
「戦いの中で、どっちを呼んでるのか咄嗟に分からなくなるから名字で呼ぶって言うのは、本当に正論で、反論しようもないけど……」
「普段から名字で呼んで、咄嗟の呼び間違いを無くそうっていうのも分かるよ? でも……」
そこまで言った二人だが、そこで言葉に詰まってしまった。
自分達には理論的な正しさなんて無い事は最初から分かっているし、理詰めで反論されればどうしようもない事も理解していた。
それでも、もうどうしても我慢できなかった。
これ以上は耐えられない……心が悲鳴を上げて、もうどうしようもない。
だから、感情の命じるまま、自分の想いを吐き出した。
「「寂しいよ……」」
二人の言葉が重なった。
たった一言、だが二人の気持ちを何よりも雄弁に語る一言。
「私達だけ名字で呼ばれて……でも、他のみんなは今まで通り名前で呼ばれてて……いけないって分かってるのに、みんなに嫉妬して……っ」
「ダメだって思っても、どうしても止められないんだ……そんな自分が嫌で嫌で……もうどうにかなりそうだよ……っ」
涙声で想いの丈を語る二人の友奈を前にして、○○は一言も無く黙って聞いていた。
自分がただ理詰めで決めた事が、こんなに二人の心を傷つけていたとは思わなかった○○。
「二人がそんなに思いつめてたなんて……この頃、様子がおかしかったのはそれでか……。ごめんね、どうも無神経な提案だったみたいで……」
「ううん……私達がワガママをいってるんだもん。○○君が私達の身の安全を考えてくれたのは分かってるから」
「ただ、普段は名前で呼んでほしいなって……お願い……」
切なそうに○○を見る二人の視線を受け、彼はそういう事ならばと思いついた案を言ってみる事にした。
「そうだな……要するに、どっちを呼んでるか分かればいい訳だから……別々の愛称で呼ぶとか?」
それを聞いて、二人の友奈の身体がぴくりと震える。
「うーん……でも、さすがに馴れ馴れしいか。もっと別の案を――――」
「「その案で! あだ名で呼んで!!」」
「えっ? あの、でもそれは…………分かった、考えてみるよ」
○○が戸惑いつつも受け入れると、二人の友奈は顔を見合わせて満足そうに頷いた。
今泣いた鴉がもう笑う、ということわざがあるが、二人のいまの様子はまさしくこれである。
悲壮な想いで○○に頼みに来て、ならあだ名で呼ぼうかという話になってしまえば、二人の気持ちを考えれば無理も無いかもしれないが。
○○も頭を捻って良い愛称を考えるが、結局碌なモノが思いつかなかったので、園子が二人を呼ぶときの愛称を借りる事にした。
「じゃあ、園子が二人を呼ぶときのあだ名を借りて……えっと……」
期待に目を輝かせる二人に気圧されながら、それぞれの愛称を呼ぶ○○。
「……ゆーゆ?」
「う、うん……」
「……たかしー?」
「え、えっと……」
愛称で呼ばれ、それが想像以上に幸せで思わず顔を赤らめてもじもじとしてしまう二人。
「も、もう一回呼んで!」
「そ、そうだね結城ちゃん! ○○君、ワンモアプリーズ!」
二人からのリクエストに、○○もそれで満足してくれるならと軽い気持ちで請け負った。
「分かった。――――ゆーゆ、たかしー」
再度二人の愛称を呼んだ瞬間、彼女たちの表情の種類が変わった。
呼ばれる前までは、ただ照れているような表情だったのだが、瞳を潤ませて頬を上気させるという……明らかに別なものに変わった。
「……あの、ゆーゆ、たかしー? 二人ともどうしたの?」
○○も二人の様子がおかしい事に気付いて呼びかけるが、二人はそれに答えずに無言で○○に近づき、それぞれに○○の左右の腕を取って抱き着いた。
「はあっ!? え、何? 本当に二人ともどうしたの!?」
両サイドから二人の友奈にいきなり抱き着かれるという、想像を絶する事態に混乱した○○はとにかく二人に呼びかけるが、○○の方を見上げた二人の表情を見て息を呑んだ。
普段の快活で元気な表情はそこになく、ただひたすらに艶やかと言うしかないその表情は、普通に考えて中学生が浮かべるようなものではない。
(やばいやばいやばい! どうしてこうなった!? 二人とも何でそんな事に!?)
大いに混乱した○○は何とか打開策を考えようとするが、そんないい考えなどすぐに出で来るようなものではない。
「あの……ゆーゆ、たかしー? 離れてくれたら嬉しいなーって思うんだけど……」
「「○○君……」」
シンクロしたように同時に○○の名前を呼ぶ二人。
ただし、まるでうわ言の様にして口に出しており、心ここにあらずと誰が聞いても思うだろうという類の声音だったが。
(駄目だこれは……二人が正気になるまで辛抱強く待つしかない……)
既に諦めの境地に居た○○だったが、両脇から二人の少女に抱き着かれる経験など今までにあるはずも無い。
なので、理性をゴリゴリと削られながらも二人が正気に戻るまで待ち続け、彼女たちが自分のしている事に気付いて我に返った時には、思い切り疲弊していたのだった。
翌日、勇者部の部室にやって来た時、室内には全員が揃っていた。
「あ、○○君! やっと来たんだね」
「うん、ゆーゆ。ちょっと掃除が長引いてさ」
『!?』
○○が神世紀の友奈を愛称で呼んだ時、ほぼ全員の視線が二人に集中する。
しかし○○はまだそれに気付かず、次に挨拶してきた西暦の友奈にも同じように返事をした。
「たかしーたちは早かったんだね。今日は部室に直行?」
「うん、今日は何もなかったしね」
『!!?』
西暦の友奈まで愛称で呼ばれた事に驚愕し、より強くなった視線が○○に集中する。
「さて、今日は――――――うっ……!?」
そこで、中学生組ほぼ全員から注目されている事に気付いた○○は、思わず怯んだような声をあげて後ずさってしまった。
「○○……友奈と高嶋をそれぞれあだ名で呼んでるけど、いきなりどうしたの?」
代表して○○に尋ねた風だったが、○○はその表情……というか目を見て更に怯んだ。
「ふ、風さん……? 何か、目が笑ってないんですけど……?」
「んー、聞こえなかったかしら? ……どうして?」
「答えます! 答えますからその目付き止めて下さい!!」
大慌てで答えようとする○○。
一応二人の友奈にも視線で了解を取るが、二人から了承を得るとすぐさま昨日の経緯を話しても問題の無い部分だけ説明した。
経緯を話し終えた○○は、納得してもらえたかと息を吐くが……当然と言うべきか、理屈の面での納得は得られたが、感情面での納得は得られなかった。
話を聞き終えた風が、多数決をとる様にして全員に提案する。
「それじゃあ、私達も○○にあだ名で呼んでもらいたいと思うんだけど、賛成の人は挙手ー!」
「え、あの――」
○○は戸惑いの声をあげるが、その声は次々に上がる手と声にかき消された。
「賛成します、風先輩。私も……友奈ちゃんみたいなあだ名で呼ばれたいです」
「私もお姉ちゃんに賛成! 先輩には……もっと近い感じで呼んでほしいなぁ」
「いい考えじゃない、風。○○には是非そうしてもらいましょう」
「うん、そうだね~。私も、もう一歩踏み込んだ感じで呼んで欲しいな~」
神世紀の勇者たちが賛成の声をあげ、それに続くように西暦の四国勇者たちも手を上げる。
「ふむ、あだ名か……いいな、賛成だ。今までは、千景と球子だけ○○からあだ名で呼ばれていたからな。この機会に、もっと仲良くなれることを願おう」
「そうですね、若葉ちゃん。○○君からあだ名をつけて貰って、もっともっと仲良くなっちゃいましょう♪」
「まあ、私はもうちーちゃんって呼ばれてるし……○○が良いのなら、それでいいんじゃないかしら」
「タマはもうあだ名呼びだしなー。○○もこれだけの人数のあだ名考えるの大変だろーけど……杏も良いあだ名で呼んでもらえたらいいな!」
「タマっち先輩……うん、私頑張るよ!」
それぞれの言葉で風の意見に賛同し、もう愛称で呼んでもらうのが決まったかのような感じでワクワクしている勇者と巫女の面々。
「さーて、それじゃあ○○……お願いしてもいいかしら?」
「……………………ハイ、精一杯考えます」
少女達から期待の眼差しを受けた○○に断る術は無く、引き攣った笑顔でそれを受け入れるしかないのであった。
「ひゃ~、これが修羅場ってヤツなのか、須美?」
「修羅場とはちょっと違うと思うけど……○○さんも大変ね……」
「ふおおおぉー……現実にこんなお話みたいな場面が見られるなんて……やっぱり○○先輩はそういう星のもとに生まれたんだね~!」
小学生ズはそれぞれの感想でもって先輩たちに迫られる○○の姿を見ていたが……今は他人事として、その様子を見ているだけだった。
…………この先は、どうなるか分からないが。
ともあれ、それぞれにあだ名で呼ばれるようになった二人の友奈は笑顔を取り戻し、今まで以上の笑顔を○○に見せる様になった。
――――――○○君、大好きだよ!
みんなの愛称を必死で考える○○の姿を見つつ、友奈たちは互いに笑顔を浮かべて今ここにある小さな幸せを噛みしめるのだった。
シリアスのち、ダダ甘のち、ドタバタ。
そんな感じの話になりましたかね。
ただ……友奈を二人同時に出して、それを文章で表現するのって激ムズですね(白目)
名前は漢字まで同じ、口調も変わらない……どうすんだこれ(真顔)
ゆゆゆいみたいに絵があればと何度思った事か……
まあ、何とか完成させられて良かったです。
話は変わりますが、リクエストを頂けて本当に感謝しています!
ありがとうございました~!!