「以上により、彼女は私の信頼できる人物に任さようと思う」
綺礼が葬儀場の休憩所で関係者達に向けた言葉は綺礼と隣にいるはやて意外、全く理解出来なかった。いや言っている意味は解るのだがどうしてそうなったのかが理解出来ていないのだ。
「そ、それはどう言う意味なのでしょか綺礼さん?」
「おや?・・・ああ、説明が足りませんでしたな、これは失敬」
そう言って綺礼は八神夫婦より授かった手紙を関係者達に再度見せるように向ける。
「端的に申し上げますと、本人の意思も尊重とこの遺言の紙に従って、私が信頼できる人物に彼女の親権を委託したいと思います」
その言葉に周りがざわめくが綺礼が手を前に出し、静粛になるよう合図する。
「勿論の事ですが私自身は聖職者の仕事が中々に忙しいが為、彼女の親権の委託には参加しません。貴方がたなどの・・・・・私の信頼できる人物を選ばせて頂きました」
そう言った途端、関係者達全員がまるで綺礼にひれ伏すようにねだり始めた。
「そ、それは当然。私の事でございますよね!?」
「何を言っている!?私の事でしょ綺礼さん!?」
「綺礼さん!自分に委託すればお礼はちゃんとします!だからどうか・・・・・・」
「貴様汚いぞ!それなら俺はこいつの倍、いや2倍のお礼を!」
そう言って湧いて来るような人達にはやては少し怯えているが肩に来る温かさ・・・綺礼の手により落ち着いた表情になる。
そんなはやての横では綺礼は彼らの姿を見て少し微笑むように・・・・・実際は愉悦に浸った邪悪な笑みで彼らに言う。
「皆さん。どうか落ち着くように。これから委託者を伝える前に、少しルールのようなものを授けたいと思います」
そう言ってまたも綺礼話を続ける。
「ルールと言ってもそんな難しい事ではありません。・・・・・単純な話、私が決めた委託者に対して一切の反対意見を受け付けないという事です」
「そ、それはどういう・・・・・」
「恐らく皆様方は私が委託者を告げた時、選ばれなかった者が反論をして、また口論になると私は思いました。なのでそれを考慮して反対意見を受け付けなくすればスムーズに進められると思います」
その言葉に賛否両論の口が飛ぶ。
「私は別に構いませんが、もし選ばれた方にとってはとても面倒だと思い、この提案をしました。勿論、必要なければこのようなルールはなしにします」
綺礼そう言うと、皆が静かに賛成し始めた。先程まで誰が親権を得るかで言い争いがあった事も考えて関係者全員が賛同したと考えられる。
・・・・・・しかし、皆が賛同した事で綺礼はさらに一層綺礼の手のひらで踊らされている事にまだ気づけない。
「・・・・・では、賛成という事で」
そう言って一度全員の後ろを向き手を広げて告げる。
「それでは発表するとしよう。私、言峰綺礼の信頼できる人物で彼女、八神はやての親権を委託する者は・・・・・・」
関係者達全員がそれぞれ固唾を呑んで聞く。
一度関係者達の方を向き直し、全員を順番に見るように顔を向ける。
そして・・・・・・・・・・指を指してその方向にいるであろう人物、全身黒スーツに黒コートを羽織、黒髪に青い瞳の男性に告げる。
「彼・・・・・・・・・・遠衛 凛に委託するとする」
「フフフッ、いや実に愉快であった。君を指した時の彼らの顔ときたら」
「全く・・・・・殺意を向けられるこっちの身にもなってくれないか?言峰」
「それはできない相談だ遠衛凛。あれ程の愉快な状況、お前がいなければ起きない事なのだからな」
「はぁ・・・ごめんね八神はやてちゃん。こいつに言いようにされて嫌だろう?」
「い、いえ・・・・・だいじょうぶ、です」
葬儀場を出て黒い車を運転している凛は溜息を吐きながら先程まで起きていた出来事に対して、綺礼に文句を言う。
綺礼に至ってはニヒル顔で、まるで凛を煽るような言い方で文句をあしらっている。
その二人のを後ろの座席で戸惑いながら返すはやては少したどたどしい口調である。
「だいたい言峰。君は言葉が足りないんだ。内容を言わないで住所を言って来いと言うし、内容を聞けば無茶を言うし、挙句の果てには前回の仕事も・・・・・・」
そう言って車内で愚痴を言うように綺礼に文句を言葉が流れ続ける。
はやてはそんな会話を聞きながらあ先程まで起きた事を振り返る。
あの時、綺礼は凛を指名してそのまま終わらせようとしたのだが、案の定関係者達が何故自分じゃないのか、その男は一体誰なのかを問い詰め始めた。
しかし、そう言った事を予め綺礼が言ったルールによりお答えする気はないと言った為、関係者達は激怒し、挙句の果てには強引にはやてを連れ出そうと手にかけようとした。
だがそれらはこの二人の手で鎮圧する事ができた・・・・・
「それにしても、あの時に銃を出したのは不味かったか?」
「問題あるまい、記憶操作ちゃんとしてある。彼らは今頃自分達が何故葬儀場にいるかも忘れているだろう」
「・・・それはそれで問題になるんじゃないのか?」
「まあ何かあれば彼らは私の方に来るだろう。その場合はこっちで【丁寧にあしらっておく】としよう」
凛は大丈夫なのかと呟く。
しかし、はやてはそんな事よりもあの場を鎮圧した方法・・・・・銃を出して、更に関係者達が全員、急に倒れながら眠りについたことがよっぽどきになっている。
はやては聞くに聞けないこの状況でこの後、自分は本当に大丈夫なのかと心配になってきている。
「っと、さて着いたよ。あっはやてちゃんはちょっと待ってね。今、後から車椅子を取り出すから」
はやては凛によって後に積まれてた車椅子に乗り、そのまま押してもらう形になった。
目の前には武家屋敷のような家の玄関を見るだけで、全体の広さが伝わってくる。
「うわぁ・・・・・」
はやても予想外な大きさに言葉が漏れる。
その反応にふっと凛は少し笑いながらはやてに言う。
「ようこそ、ここが今度からはやてちゃんが住む家だよ」
「すごい・・・おおきい・・・!」
「ほう・・・満足して貰えそうだな。やはり、遠衛凛に任せて正解のようだ」
そう言いながら凛は玄関を開けてはやてを中に入れた。
中に入った辺りで足音が聞こえ、廊下から一人の少年が現れた。
「おかえり親父。一応言われた通り、4人分作ったんだけど・・・・・え?」
「あっただいま士道。八神はやて、これから一緒に住む新しい家族だよ」
凛から言われ、互いに確認するように見る。
それが不幸な少年、遠衛士道と
不幸な少女、八神はやてのファーストコンタクトである。
やっはろ~♪
突如、新しい同居人が現れてかなり困惑している遠衛士道です!
・・・・・無駄に元気出そうとしてもキツいなこれ。まあいいや・・・そんな事より、新しい同居人事八神はやてさんと凛との暮らしが数週間経ったのだが、未だにはやてとの距離が掴めないまま時が過ぎていた。
まあ恐らくというか大体は俺の容姿が一番大きいと思う。
一応家では主に俺が作った料理は食べてくれるし、洗濯物は別けなくてもいいみたいだったけど・・・・・てかなんで俺は、反抗期の娘に気を使うお父さんみたいな事をやってるんだろう・・・。
まあ、そんな事よりも現状を伝えよう。
と言っても対して何が起きた訳では無い、強いて言うなら最近の俺の流行りは身体を動かすことかな?
朝早く起きてから走りに出かけるんだけど、以外とフードをかぶれば俺の容姿がわからないようで嫌な目線やこちらを気にする人間がかなり少ない。
初めて外に出て気持ちいいと感じたよ・・・・・。
その後、家の中庭にある道場に入る。道場と言っても門下生なんて誰もいないし、ただ単に木刀が置かれている場所な為、特に型とかはないんだけど素振りしている。所謂、チャンバラごっこだ。
これが以外と振ってると楽しいんだよなあ・・・・・
そうやって身体を動かしながら家事を行い、空いている時間は図書館に行って本を借りて、家で本を読むが今の俺のブームかな?
あっ本で思い出したんだけど、時々八神はやてさんが俺が読んでいる本を横でジーっと見ていたから渡してみたら意外と食いついた。
今度、彼女用にも本を借りておこうと決意した。
後は・・・・・あっそうだ!最近は八神はやてさんが病院に行ったり、凛が言峰の手伝いとか色々あって午後が暇になる時があるから一人で喫茶店と思われる所に行くことが多くなった。
あそこの料理は全部うまい・・・特に食後のデザートは格別。
そこの売りであるシュークリームは本当に美味しいから、最近通ってしまっているんだよね・・・店内だけど頭か目を隠していれば視線は半減されるし、主に店内で帽子を被れば問題ない。
・・・・・まあ、それでも小学生の体であるが故に一人で行くと目立つ。一回目入った時はすごい店員に凝視(多分)された時には居心地がちょっと悪かったし・・・・・それでも最近ではよく、寛いでいるし、そこで読書している位だ。
まあそんな事もあって俺の小学校人生は家事と運動と読書、後は・・・・・
・・・・・喫茶店・・・『翠屋』に通う位かな?
現在八神はやて4歳、遠衛士道12歳の8歳差。
原作開始が八神はやて9歳と遠衛士道17歳となる。
そして皆さんリリカルなのはのWikiを見て頂きたい・・・・・
というわけで次回から中学生に突入!
そこで原作キャラの近しい人物が登場!!(予定
それまで待て、しかして希望せよ