行くぜオラァァァァァ!!!!
正義の味方になりたかった者
今、俺は夢を見ている
いや、実際に起きた出来事だからこれは記憶の方が正しいか・・・
あれは、小学6年の夏休みが終わるあたりかな?ふと凛がそう口に溢した一言だった。
「僕はね・・・子供の頃、正義の味方になりたかった」
「え?」
家の縁側に互いに座って満月を眺めている時に、突然凛がそう呟いていたのだ。
「えっと・・・なりたかったって、親父はもう諦めちゃったのか?」
「そう、だね・・・残念ながらね」
凛の言う正義の味方。
その意味が元19歳の俺にでもどこまで本気だったのかがよくわからなかった。
よく『将来の夢はかっこいいヒーロー!』とか『仮面ラ〇ダ〇になってやる!』などの子供だから言えたああいう事を言っているのか、もしくは消防士とか警察官とかの方なのだろうか?
でも、凛の言葉と彼の表情はとてもそういったものではないと思ってしまった。
「ヒーローは期間限定で、大人になると名乗るのが難しくなるんだ」
そう言って頭を掻きながら苦笑いする凛を俺は見て思った。
凛は今まで言峰の頼まれごとの他に、よく家を留守にしていた。
俺にしてははやてと二人っきりになるので困っていて、時々「どこに行っているんだ?」と聞いたりするが凛はいつも「旅をしてくる。いい土産を持ってくるから待っててくれるかい?」ばっかりだった。
ただ・・・・・決まって帰ってくる時には俺達の前では笑顔の凛が自身の部屋で『ボロボロの体で泣いていた』のだ。
凛の言う正義の味方・・・それが本当の意味での『正義の味方』を示しているのなら、多分、家を留守にする時は俺やはやてのように、『誰かを助けようとしていた』のではないのか?
「でも親父は・・・俺やはやてを救ってくれた」
「そうだね。でも、僕が目指す正義の味方は・・・誰もを救える、空想のおとぎ話にしか存在しない。そんな正義の味方に、僕はなりたかったんだ」
「そっか・・・それならしょうがないよ」
「うん。本当に、しょうがない・・・」
俺が思っていた以上に、凛の正義の味方は大きく、そして難しいものだと理解した。
「・・・でもさ」
「うん?」
そう・・・それでも・・・
「それでもさ・・・俺はあの災害で、俺を救ってくれた凛はさ・・・」
あの時のぼんやりとした中で見た凛の姿。
視界が真っ暗になる直前に、スローモーションのように流れた時間で、俺は覚えていることがある。
あの時の凛は・・・俺にとって・・・・・・
「俺にとっては・・・・・正義の味方だったよ」
そう思った・・・そう感じた・・・
例え、凛の望んでいた正義の味方ではなくても、それでも・・・救われた俺だから言えるだ。
あんなように『誰かを救える存在になりたい』と・・・だが、そんなものは『俺はできない』。この体と、俺の
『なりたいもの』が明らかに『正義の味方』には向いていないからだ。
だから・・・・・せめて俺に言えることは・・・これだけだと思い、そう凛に言う。
「俺には・・・・・凛のような『正義の味方』には、なれそうにないしさ。だからさ・・・・・ありがとう。俺を救ってくれて」
「そう、か・・・・・」
俺の言葉に、凛は目には小さな雫を流し、それでいて嬉しそうに、しかしまだ満たされていないようなその表情はとても何を思っているのか、俺にはちょっとわからなかった。
「そうか・・・少し・・・いや・・・・・」
ただ、一つ言えるのは。
まるで何かが抜け落ち方のように、そしてそれは・・・
「僕は・・・成れたんだな・・・・・正義の味方に」
安堵したその表情は。ほんのちょっとだけ、幸せな顔であった
少し時が流れ、夜の静けさと鈴虫などが鳴く声のみが広がる中、凛が俺に訪ねるように言ってきた。
それはまるで・・・・・
「士道・・・質問してもいいかい?」
「ん?」
俺の何かを試すような感じで・・・・・
「・・・・・片方の船に二百人、もう一方の船に百人。総勢三百人の乗員乗客と士道の合計301人を類最後の生き残りとするよ」
「・・・・・え?」
突如、質問とされた内容があまりにも突発的過ぎて、俺は思わず呆けた顔になる。
凛はそんな俺を無視してそのまま話を続ける。
「二隻の船底に同時に致命的な穴が開いたとして、船を直す力を持つのは士道だけだとする。・・・・・さて」
--遠衛 士道。君はどちらの船を直すかい?--
ああ・・・・・またこの夢か・・・・・
そう思い、景色が変わったその空間に俺は真っ直ぐ、そこにある『何か』を見つめる。
ここに来るのは二回目かな?
でも、俺は一回目と変わらずにそこにある『何か』に向かって歩き始める。
『体は〇〇〇で出来ている』
またか・・・一回目よりは少ないが頭の中にノイズが走る
『血潮は〇〇で、心は〇〇〇』
それでも・・・・・何を言いたいのかはなんとなく伝わる
『幾たびの〇〇〇〇〇を越えて〇〇〇』
これはおそらく誰かの生き方なのだろう・・・
『ただの一度も〇〇〇〇はなく』
自身の体を奮い立たせ
『ただの一度も〇〇〇されない』
ただ一つの人には無いモノに至る
『彼の者は常に独り〇〇〇の〇〇で〇〇〇〇に酔う』
そして何より・・・・・
『故に、その生涯に意味はなく』
その人間の生涯がこの言葉に詰まっているのだろう
『その体は、きっと・・・・・・・・・・』
ならばせめて・・・・・俺はこいつを理解してやろうと思った。
だから・・・・・
『剣で出来ていた』
『丘にある白と黒の双剣』に・・・・・俺は手を伸ばす。
--・・・・・ついてこれるか?--
・・・・・音がした。
何か重く、まるで扉が開く音が俺の耳に突然入って来る。そんな感覚を感じながら、今度は閉じているはずの瞼から眩しく感じる光がまるで無理やり目覚めさせようとしてくる。
「・・・ど・・・・どう・・・・・!」
寝返りをして眩しい光を避けようとする。
もうちょっと・・・眠っていたい。というか夢、基記憶の部分がいいところだったのに・・・・・今度は俺の体を誰かが動かしてくるんですが・・・正直やめて欲しいんですが・・・・・
「し・・・ど・・・・・!しど・・・・・・うくん!」
でも言った誰だ?はやてはまずないとしてじゃあ・・・・・ってあっちもないな。起こして来た事なんて一回もないし。じゃあ・・・・・
「せいやァ!!」
「フグォ!?」
怒声交じりのその声と共に俺の腹に強い衝撃が伝わる。
痛い!マジで痛いんだけど!!
「ぐっ・・・・・うおぉ・・・」
「まったく・・・士道君起きるの遅すぎ!いつまでこんな所で寝ているのよ!!」
・・・こんなことをする人間は一人しかいない。
そう思い、腹の痛みを我慢しながら起き上がり顔を上げる。
そこにいるのは黒髪のショートカットに私立聖祥大付属中学の制服を着た女の子が立っている。
俺は内心で溜息を吐きながら頭をガシガシと掻く
「・・・なんでいるんですか?彩先輩・・・・・」
「なんでって決まっているでしょう!士道君とはやてちゃんの事を凛さんに任されたんだから!!だいたい何で布団のある所で寝ないで、また『土蔵』で寝ているの!?」
「色々やることがあるんですよ。てか腹が痛い・・・なんでこう野蛮なんだか・・・・・」
そう思いながら立ち上がり、身体を伸ばして固まった筋肉をほぐそうとしながら彼女。荒野 彩(こうの あや)に不満の表情を表す。
小学6年。あの凛との縁側で話した1ヵ月後に死んでしまった。
突然ではあったが凛が死ぬ1ヵ月。その間、俺は凛から色々な事を託されたこともあり、現在いる土蔵で『ある事』をしていた・・・・・のだけど・・・
「ほらほら、またガラクタを散らかして!それにまた変な本とか物とかもいっぱい出てるし・・・・・」
「ガラクタじゃないです。親父の大事な形見何ですから」
「はいはい・・・・・あや!?もうこんな時間!?ほら、早く着替えて遅刻するよ!!」
そう言ってワタワタしている先輩を無視しながら俺は自分の腕に付けている腕時計を確認する。
もうそんな時間たっているのか?
それにしても俺がそんな時間まで寝ていたことはなかったし、それに時計のアラームには6時30分に起床するようにPiPiPiPi♪PiPiPiPi♪・・・・・あれ?
「あの・・・・・彩先輩?」
「ちょっと急いで!ってああ!はやてちゃんも起こさないと!!」
・・・やっぱり、そういう事か
大体、はやてが寝坊する方がおかしいし、そもそも寝坊するのは・・・・・
「その腕時計・・・・・壊れてませんか?」
「へ?」
この人の方ですし・・・・・
そう思い、先輩に確認するように言い、自身の腕時計と持っていたスマホで確認し始めた。
「・・・・・・・・・・あや?」
何とも間抜けな声を出しながら首を傾げる先輩を見て、溜息を吐く俺は悪くない。
土蔵にあった物は凛の残した物
そしていつか俺が必要になると思い残した物
古い本や壊れた電化製品、タンスや小物入れなど
土蔵の中には普通に見たらガラクタしか置かれていないと普通は思う
だが、違った
俺にとってそれらは全て、近い未来で大事な物であり
これらが俺を、『転生者』という異常な存在と再認識する事になる
俺・・・・・遠衛 士道は・・・・・
魔術師・・・いや、魔術使いである。
新キャラ登場!
因みに荒野 彩の見た目は東方の文屋をイメージした感じです!
さて、他にどんなキャラが出るか、待て、しかして希望せよ