ダイバー「名前だけね」
火賀梨「…は?ナニイッテルノ?」
ダイバー「だって、出したいって言っただけだし、出すって断言してないし」
火賀梨「ア?ナンダッテ?」
ダイバー「………」
「さて、君のことを教えてくれるかい?」
俺は今、警察官から質問を受けている。俺の事(少女の方)について知りたいらしい。
「…うん」
(といっても答えは一つしかないんだけどさ)
「名前は?」
「わかんないです」
「親御さんは?」
「わかんないです」
「お父さんの仕事とかは?」
「わかんないです」
「………」
「………」
(わかる訳ないだろ。俺の事なら兎も角、この身体の記憶については一切知らないんだから)
「そ、それじゃあ、何か覚えてることはないかい?」
「おぼえてること?うーん………。あ」
(一応俺が知っているこの身体の記憶って言ったらコレしかないか)
「ゆーかいされました。変な髪の毛のおじさんに。あ、あのおじさんです。」
(俺を家から連れ出した人がこっちをチラチラ見てるよ…怖っ)
「誘拐だって⁉︎一体どんな人…ってオールマイトさん⁉︎」
「HAHAHA!どうしたんだい?みんなしてこっちを見るなんて。よっぽど私がここにいることが不思議かい?…ん?なんでそんな顔をしているんだい?」
「オールマイトさん、この子を誘拐したって本当ですか?」
「なんだい?いきなりそんな事を聞いて」
「いえ、この子がオールマイトさんに誘拐されたって言ったので」
「私が誘拐?そんなことするわけないじゃないか!HAHAHA!」
「そうですよねー、というかなんでここに来たんですか?」
「あぁ、この少女の家から
「あー、……確かにそうですけど、この女の子の物じゃなかったら、やってることは火事場泥棒と同じですからね。それ」
「ゔっ…つ、次からは気をつけるよ」
それじゃあ、と前置きして警官が聞いてきた
「一つ聞きたいんだけど、この金庫は君か君の家族の物かい?」
「うーん、多分そうかもです」
「これ、開けることできるかい?」
「わかんないです」
「そうだよねー。……オールマイトさん、ほかに何か無かったんですか?」
(金庫のこと聞くだけ聞いて、結局は無視ですか。)
まぁ、いいんですけど、と思いながら金庫を触っていると…
カシュッ
と音がした
(開いた…んだな。中身中身、っと)
入っていたものはノート一冊と独特な形をした
(ノートか……何が書かれているんだ?)
とりあえず、表紙をめくってみる
『このノートを読んでいるあなたは、陸奥 火賀梨(みちのく かがり)という女の子で、
あなたの個性は「火喰い」。周りの炎を吸収して操る、
といった内容の個性を持っている。
この事を理解しているのであればここで読むのをやめなさい
この事を理解したのならばこの続きを読みなさい
この事を理解できないのであれば落ち着いてからもう一度読み直しなさい
また、このノートは陸奥 火賀梨のみが読むことを勧める』
(……は?理解しているなら読むな、理解したなら読め、理解できないなら読み返せ。…………さっぱり分からん。理解しているなら読んでもかまわないはずだよな?自分の事なんだし……。まぁ、俺は理解した側になるんだよな。今読んで分かったからな。)
次のページをめくってみる
『このページを読んでいるということは、
あなたは陸奥 火賀梨ではなかったという事になる。
この事を理解したのならばこの続きを読みなさい
この事を理解できないのであれば読むのをやめなさい』
(………あー、そういう事ね。だから「理解しているのであれば読むな」って書いてあったわけだ。)
(とりあえず分かった事を喋っとくか。)
「あのー?」
「ん、少女よどうしたんだい?」
「金庫開きました、けど」
「「え、マジ?」」
「はい」
「中には何が入っていたんだい?」
「えと、コレです」
ノート以外の道具を見せた。因みにノートは服の下に隠してある。
「刀の柄とウエストポーチ、あとペンダントだね」
「ポーチにはKagari Mitinokuと刺繍が入ってるね」
「かがり みちのく、だね。ちょっとオールマイトさんと待っててくれるかい?」
「わかりました」
警察官はパソコンの方に向かっていった。おそらく戸籍情報を確認するんだろう。
「あのー、みちのく少女?さっきはゴメンね?」
「さっき、ですか?」
「うん、君を危険なめにあわせてしまったでしょ?」
「ケガ、してないので大丈夫です」
「そ、そうかい」
「はい」
「………」
「………」
((気まずい…))
かたや、救うべき人を傷つけそうになったヒーロー。かたや、No.1ヒーローを誘拐犯扱いにした少女。どっちも話を切り出すことができないでいた。
(俺は記憶がないってことになってるしな。実際こっちの記憶はないからな)
(みちのく少女は記憶喪失の疑いがあるから、無闇に話を振れないぞ)
「あの、オールマイトさん?ここはどこなんですか?」
「え、ここかい?ここは警察署っていうところだよ、みちのく少女」
「そうじゃなくて、ここの場所はどこなんですか?」
「あ、あー!ここの地名だね。ここら辺は静岡の内浦っていうところだよ」
「あ、ありがとう、ございます」
「どういたしまして」
「………」
「………」
((話が続かない…))
「二人ともー確認とれたよーってなんなんですかこの空気⁉︎」
「あぁ!お帰り!待ってたんだよ!…それでどうだったんだい?」
「はい。この女の子は陸奥 火賀梨ちゃん6才、個性届も出してあって個性は『火喰い』です。」
「その他の情報は?」
「それが…」
そう言い淀むと警察官はこっちを見てきた
その視線を見てオールマイトも気づいたようだった
(こっちを見てきた、ってことは両親は亡くなったのか捕まっているのか、いずれにせよ会えないってことか。なんとも言えない雰囲気になっちゃってるよー。地雷踏みすぎじゃあないですかー?)
心の中でため息を吐きながら、こう切り出した
「私は、これからどうしたらいいんですか?」
「お父さんやお母さんと会えないんですよね。お家もなくなっちゃったから…」
「「………」」
「えーとね火賀梨ちゃん、心配しなくても大丈夫だよ。お父さんとお母さんにはその内会えるとおもうし、お家の方も僕たちでなんとかするよ。だから大丈夫!…オールマイトさんからも何か言ってください」
「えっ⁉︎…陸奥少女。この警察官の人も言っている通り心配しなくても大丈夫さ!何かあったら私が駆けつけて君を守ろうではないか!HAHAHA」
「ありがとう、ございます」
「どういたしまして。そしたら火賀梨ちゃん、あっちの机の方で待っていてくれるかい?」
「はい、わかりました」
「オールマイトさんはこれからどうするんですか?」
「この事件のヴィランは捕まえたから、パトロールにでも行ってくるよ」
そう言ってオールマイトは警察署を後にした
(……さて、ノートの続きを読みますか。)
……………
…………
………
(ソリティア、1200点超えた)
もうノートの内容は全部読んだので、机の上にあったパソコンでソリティアをして遊んでいた
(ソリティア飽きたし、次はマインスイーパーで遊ぼうかな)
「火賀梨ちゃん、ちょっといいかな?」
「はい、なんですか?(ちょっとびっくりしたわ)」
「君の住むところが決まったよ」
「どこなんですか?」
「ここだよ」
そう言って差し出した紙には
-児童保護施設 Aqours-
と書いてあった
ダイバー「次はAqoursメンバー出るから、機嫌直して?」
火賀梨「…Aqoursと一緒に暮らせる?」
ダイバー「勿論!」
火賀梨「全員と?」
ダイバー「うん」
火賀梨「なら良し」