艦これ × HALO ~それゆけ!スパルタン提督~   作:漬けまぐろ

22 / 53

挿入歌をお探し?是非『HALO 5:Guardians OST Soundtrack Main Menu theme 』を聞きながらよろしくお願いします。


スパルタンⅡ

 

 

 

 

 

西暦2560年 4月20日

 

 ─9時10分─ 

 

 

 

────コンコン

 

 

明石

「提督、失礼しまーす。」ガチャ

 

 

シーン...

 

 

 

明石が執務室に行くとそこには誰もおらず静寂に包まれていた

明石は「あれー?自室にもいないみたいだし・・・どこに行ったんだろ。」と独り言をぼやくとすぐに踵を返して心当たりのある仲間の元へ向かった

 

 

明石

「んー、街に行くときは前日に連絡があるし昨日私も連れてってもらってるから昨日の今日で買い出しは無いだろうし・・・ん?」コツコツ

 

 

明石はしばらく歩くと秘書艦の龍驤が向こう側から歩いてるのが見える・・・しかしどうも様子がおかしいというか、何やら誰かを探している風であった

 

 

明石

「おはよう龍驤、どうしたのそんな顔してさ。」

 

龍驤

「ん、おはようさん明石、いきなりなんやけど提督見んかった?」

 

 

龍驤はそう言うと近くにあった清掃道具が入ったロッカーをガチャリと開ける

それはボケなのだろうか?それともそうする程慌てているのだろうか?

しかし肝心の龍驤は至って平然としているように──いや、何か違う、今の龍驤はなんというか・・・近寄りがたい雰囲気をしていた

 

 

明石はそんな龍驤に「見てないし私も探してるの──そこにはいないだろうけどね。」と言うと龍驤は「知ってるわ、一応や一応。」と返してきた──笑ってる?しかし、目は笑ってるはおろかホラー映画で気が狂った人物のように生気の無い薄気味悪い目をしている、それにしたってさすがにあの提督が清掃ロッカーの中に入るほどの体格ではないだろうけど、そうしてロッカーを物色するあたり、ロッカーに隠れていた前例があるのだろうか──

 

 

 

 

龍驤

「・・・そしたら見付けたら携帯で知らせるわ。」

 

明石

「う・・・うん、よろしくね、私も探してみるから。」

 

 

龍驤はぱたぱたとスリッパを鳴らして執務室に向かって行った

さっき見たときは居なかったがもしかしたら置き手紙でもあるかもしれない──と明石はあえて言葉を掛けずに歩き出し「もしかしたら食堂にいるかも。」明石は少しでも速くと、足早に食堂へと向かった

 

 

 

──食堂──

 

 

 

 

 

──ガラガラッ

 

明石が扉を開けると横須賀の艦娘達は全員集まっていた、ただ龍驤とフレデリックを除いて

 

 

長門

「ん、明石か・・・お前も来たか。」

 

明石

「え?皆随分と静かですが一体何があったんです?」

 

長門

「・・・」ピラッ

 

 

長門は手に持っていた1枚の上質な紙をテーブルに置き明石の方へ滑らせると明石はそれを手に取り小声で読み始める

 

 

明石

「・・・S-104フレデリック、作戦行動中重大な負傷により意識不明の重体・・・!?ち、ちょっと!これって──」

 

長門

「静かにしろ明石、今しがたイン"テ"ィニティのラスキー艦長に問い合わせたらどうやら明け方前に提督含むブルーチームに招集が掛かり佐世保鎮守府の視察中に深海悽艦が電索の間を抜けて襲撃を仕掛けてきた、佐世保の艦娘を庇った際・・・頭部に戦艦悽姫の主砲が直撃・・・ミョ"ン"ニルアーマーごと車に跳ね飛ばされたカナブンのように滅茶苦茶にふっ飛ばされたらしい、それはもう酷いとかでは収まらなくまるで救助隊からは「ボロ雑巾みたいだ」ったそうだと、な・・・」

 

 

明石はふと、いつもイタズラばかりしている元気な海防艦の占守に視線を向けると占守本人も気が付いたのか明石を見つめる返し「・・・何しゅか、占守の顔に何か付いてるっしゅか・・・」と、いつもとまるで違うテンションで返してきた事に気まずくなったのか明石は目線を占守から外して「いや・・・別に・・・」と答えた

 

 

天龍

「インフィニティな?──で、死んでないのが奇跡らしいぜ?庇った瞬間に"アーマーロック"とか何かを使ったらしくて提督のアーマーはズタボロ、結局佐世保鎮守府は壊滅状態、UNSCの艦艇が増援に来た時には深海悽艦は姿を消してな、佐世保の提督と艦娘、海兵は全員ブルーチームの余力のお陰で死者は無し。それを龍驤に話したらなんかブツブツ言い繰り返して気がついたらところ構わず提督を探しに行っちまったんだよ・・・」

 

 

天龍の言葉に明石は苦虫を噛み潰したような顔をし「・・・そう・・・ちょっと待って、『死んでない』って?それに──」明石が言い切る前に誰かが「提督は・・・回復の見込み無しの植物状態デス・・・。」と言った

 

 

明石

「────嘘。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──M25L回復ステーション

 

 

 

M25L回復ステーション、コヴナント戦争時破壊されと思われていたが表面上のみであり内部はむしろ設備や資材が衝撃で散らかっているだけの状態だった為復旧されかつてと同様に医療施設としてUNSCに使用されているが存在は秘匿され今ではUNSC幹部でも殆んど知られていないオニキスの衛星軌道を周回している

 

 

 

???

「で、フレデリックの様子は?」

 

ドクター

「脈は多少弱いですが安定しています、さすがスパルタンⅡといったところでしょうか。」

 

???

「なら私が診ていても?」

 

ドクター

「構いませんが・・・」

 

ラスキー

「大丈夫ですドクター、S-042ダグラス、可能か限り任務の受任は避けるようにしますが何かあったら直ぐに医師を。」

 

 

S- 042と呼ばれた男──

惑星の植民地化を行うに当たり造られたフェニックス級コロニー船、コヴナント戦争時には戦艦として武装が施されフェニックス級戦艦スピリット・オブ・ファイアとして生まれ変わったUNSC艦に属していたスパルタンⅡの一人。

 

 

 

ダグラス

「感謝しますラスキー大佐。」

 

 

ラスキーは病室から重い足取りで出ると鼻を軽く摘まんでから項垂れるように「ブルーチームにも彼女達にも・・・どう説明するか・・・。」と呟きその場を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

ダグラス

「・・・」ペラッ・・・ペラッ・・・

 

 

ダグラスは報告書をめくり内容を目に通していく

ヘルメットを外してこそいるが消灯されベットの真上にある小さな明かりのみでダグラスの顔は骨格のシルエットがわずかに確認できるくらいだった

不意に思い出したスパルタンⅡ候補生が一部屋に集められた時に言い渡された言葉『地球とその全ての植民地を守り抜く』・・・これについてはかつての戦友にしてスパルタンⅠの被験者、ジョン・フォージ軍曹と様々な熱い論議をしたことがある

彼が亡くなった今、論議を再開する事は叶わないのだがその言葉のために民間人、組織は違えど軍属、ましては悪い言い方になって申し訳ないが替えが利く艦娘という存在を庇う必要性があったのか?

任務を優先する為に民間人の犠牲を出そうとしたサミュエルが今も生きていたら何と言うだろうか。

サミュエルも既に亡くなっているが故にジョン・フォージ同様彼等の意見なんぞわかろう筈もない

 

 

ダグラス

「・・・らしくないな、『死人に口無し。』わかっている筈なのについ死んだ家族(スパルタンⅡ)の話題になると──なぁ、フレデリック・・・。」

 

 

心音が弱々しく刻み機器がテンポ良く音を鳴らしている、目の前には酸素マスクといたる部位に差し込まれる無数のチューブと返事を返さない一人のスパルタンⅡ

 

 

ダグラス

「・・・このままMIA(作戦行動中行方不明)になるつもりなんざ無いだろう・・・?・・・植物状態だかなんだか知らんが絶対に戻って来いよ。」

 

 

ダグラスはその後数時間、チーフ達が来るまで口を開くことは無かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────横須賀鎮守府

 

 

 

 

「だーかーらー!そんなんじゃ納得できないって言ってんでしょー!」ギャース

 

「そうだよ。」

 

リーコン1

「そんなこと言われてもなぁ・・・」

 

「んもー!埒が明かないわ!"ゆーえぬえすしー"で一番偉いやつ連れて来なさいよ!」

 

ソルジャー1

「どうしたもんかなぁ。」

 

「ぐすっ・・・司令官さんに会いたいのです・・・」

 

「なかないで。」

 

シノビ1

「困ったちょりそー・・・」

 

 

正門前にはフレデリックに会わせろと駆逐艦が抗議を行っていた

はじめのうちは鎮守府全ての艦娘が抗議に参加していたがあの日から既に1ヶ月が過ぎて横須賀鎮守府の桜は全て散り初夏の日差しが照りつけている

スパルタンⅡ達が鎮守府に立ち寄り励ましの言葉をかけてはいるようだが艦娘達の精神状態は日々悪化していくだけだった

 

 

 

一人のスパルタンⅣは『またきたのか』という雰囲気も見せず今日もやって来る艦娘の相手をする

実際このスパルタンⅣも『毎日抗議に来ていればお目通しができるかもしれない』とレポートを事細かく上層部へ提出しているスパルタンⅡに昔助けられ彼等の背中を追い続けた少年だった

 

一人のスパルタンⅣは『ここにいる艦娘達に辛い思いをさせている』という事実を重く理解すると供に助けを求める人々から逃げ続けた弱い自分を克服するためにスパルタンとなったはずが結局これだ、と強く見える殻に閉じ籠っただけの非力な自分を恨んだ

 

一人のスパルタンⅣは数日前に再配置された元とある千葉県の小学校で教師をしていた人間であり前は前線にいたが『蚊に血を吸われ貧血により昏倒し前線から身を引かされた』なんともよくわからないヤツだったが、ポジティブな性格のお陰で二人のスパルタンⅣと正門に来続けている艦娘が少し元気になったのは誰も知らない

 

 

シノビ1

「誰か来るウー。」

 

 

シノビアーマーを纏うスパルタンⅣが言うと残りのスパルタンも視線を駆逐艦からそちらに向ける

 

そこには一人の艦娘が歩いてきた

リーコンアーマーのスパルタンⅣはその人物に「おはようございます。」と言い軽く会釈するとその艦娘は無言のまま軽く会釈し「・・・ほら、もう朝ごはんだからみんな行きましょう。」と棒読みに近く目の下には"くま"が浮かび上がり精神も危なげだ

 

その艦娘はたしか・・・扶桑・・・という名のはずだ

 

扶桑は駆逐艦を引き連れ鎮守府の中に消えていった

 

 

ソルジャー1

「・・・上層部は本当にお前のレポートを見てんのかな・・・」

 

リーコン1

「さぁな、俺は正門の守衛と簡易的にレポートをまとめる任務をこなしてるだけだ。」

 

ソルジャー1

「・・・とか言いつつやっぱり"提督"も、艦娘も、気掛かりでしゃぁないんだろう?」

 

シノビ1

「出前のラーメンが届いたホイ。」

 

リーコン1

「・・・フン、言ってろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────横須賀鎮守府 1番寮棟

 

とある艦娘の部屋

 

 

ラジオ

『ウィィィィィィィィス‼どうもォ~J.A.Mでェ~す!』

 

ラジオ

『え~今日は、御便りの紹介をね、やっていきたいと、思いまぁーす!』

 

 

手作りの動物や仲間の艦娘を模したぬいぐるみが棚やクッションの上にどっさりと作られラジオ番組が部屋に響く中ベットに仰向けになった艦娘はいつも聞いているラジオが始まるとゆっくりと体を起こし提督──フレデリックを模した作りかけのぬいぐるみに手を伸ばしたが扉をノックする音で遮られぬいぐるみに伸ばす手が止まった

 

 

妙高

「長門さん、妙高ですが今・・・よろしいですか?」

 

長門

「ああ、大丈夫だ、入ってくれ。」

 

 

失礼します。と妙高が長門の部屋に入ると私服を着た妙高と鹿島、それに加えて霧島の姿もあった

 

 

長門

「千客万来だな、今席を作るから少し待ってくれ。」

 

ラジオ

『それってよぉ!まいう~ハザードのネタじ──』ブツン

 

 

 

長門はラジオの電源を切りクッションの上に堂々と鎮座する金剛姉妹のぬいぐるみをベットの上に置きこじんまりとした丸いテーブルの回りにクッション並べると着席していく

 

 

霧島

「そういえば妙高さんは長門さんの部屋に入るのははじめてでしたね。」

 

妙高

「はい、噂には聞いていましたが・・・」

 

 

妙高が当たりを見渡すとどこもかしこもぬいぐるみだらけであった

長門は「ん・・・やはり変だろうか?」と言うと鹿島は笑顔で「そんなことないですよ。」とフォローを入れる

ふと、妙高は作りかけのぬいぐるみを見つけて長門に問うとなにやら恥ずかしのか乙女らしくもじっとした素振りをしてから「・・・提督だ、だが1ヶ月前から材料の補充ができなくてな・・・」と自信の無さそうな声で答えた

 

・・・確かにヘルメット以外のミョルニルアーマーを身に付けたのフレデリックだった

しかし作りかけだからだろうか目の代わりにしている色彩の薄い緑色、提督のあのガラス細工の人形の目のような色をしたボタンが右目側しかなく左頭部の髪の毛を表現する茶色いフェルトが足りなかったのか綿がはみ出している──がフレデリックの得意気な顔はしっかりと再現されておりパーツが足りずとも直ぐにわかるくらいだ

 

 

長門

「で・・・どうしたんだ?まさか私の作ったぬいぐるみが目的でもないだろう?」

 

 

長門の部屋にやってきた三人は互いの顔を見合い「実は別件もありますが少しそうだったりします。」と鹿島が答えた

 

ん?少しとは──?んむぅ・・・気になる。

 

長門が首を捻り考え事をすると次は霧島が口を開いた

 

 

霧島

「・・・提督を忘れてしまわないようにと、長門さんに提督のぬいぐるみをたくさん作って貰おうと頼みに来たんです。」

 

 

霧島の口からの爆弾発言に長門はつい口をあんぐりと開けて「・・・は?」とすっとんきょうに答えた

 

 

長門は頭の中で喚き散らしていた

『私の作ったぬいぐるみを?!一体この三人は何を考えてるんだ!人にあげられる程の出来でもないぞ!第一材料だって足りてないし私自身が提督のぬいぐるみを抱き締める名目で怪しまれないように艦娘全員のぬいぐ・・・』「あ──」

 

 

妙高

「気が付きました?──そうです、駆逐艦も一部の艦娘も、日々枕を濡らしているのに私達も気が付きました、亡くなってしまったり鎮守府から転勤ならばまだしも踏ん切りはつくかもしれません・・・ずっと一緒だった人が植物状態で一切会えないなんて小さい子達には到底耐えられないでしょう。」

 

鹿島

「本物の提督でなくとも、皆の気が少しでも紛れれば・・・と、思ったんです。」

 

長門

「だから、私に提督のぬいぐるみを作れ、と・・・」

 

霧島

「無理にとは言いません、材料の確保だって厳戒例が敷かれた今そう簡単に「いいだろう。」──え?」

 

長門

「やる。と言ったんだ・・・実は宛が無いわけでもない・・・ちょっと着替えるから部屋の外にいてくれ、提督の私室へ行くぞ。」

 

鹿島

「ホントですか!?」

 

霧島

「って・・・提督の部屋は封鎖されてる筈・・・」

 

長門

「しるかっ!そんなもんぶっこわす!!」フンガー!

 

 

鹿島は跳ねてよろこび

妙高は安心し溜め息をつき

霧島は「宛」とは──?と考えた

 

 

長門

「BIGⅦに二言はない!!直ぐに行動あるのみだ!!艦隊!この長門に続けぇーっ!!」

 

 

四人の艦娘は行動を開始した

「タイラン・レーイブッ!!」ドグシャアアァアァッッッ!!!!

フレデリックの私室は薄いチタニウムA装甲を溶接で打ち付けられているが艦装を身に付けた長門のパリ級フリゲート艦の体当たりの破壊力に匹敵せんばかりの右ストレートにより打ち付けられた装甲を打ち破るのなら紙を裂くよりも簡単だ

パラパラ・・・と細かい瓦礫が零れ落ちそこにはまるでブリーチングチャージでもしたのかと言わんばかりの大穴がぽっかりと開いていた

 

 

長門

「合鍵は持たない主義でな。」ドヤァ!

 

鹿島

「なんというか・・・大味ですね・・・」

 

 

長門は手を胸の下で組み鼻を鳴らすとズカズカと穴を潜ろうとするも艦装がつっかえて部屋に入れずにいたが「ふぅん!」とつっかえる壁をばがぁん!と破壊し無理矢理穴を広げながらズカズカとフレデリックの部屋に入り見回すと1ヶ月前そのものの状態であったが"ファミコン"は見当たらなかった、だが階級章や勲章がびっちり付けられた背広がハンガーに掛けられたまま埃を被っていた

 

 

鹿島

「・・・まだ提督さんの香りがしますね・・・」

 

長門

「鹿島!霧島!妙高!提督の腕時計を探せっまだどこかにあるはずだっ!!」バッ!

 

霧島

「一体何を考えてるんです?」ケホケホ

 

長門

「・・・そうか、三人は知らなかったな、実は提督の腕時計は一種の通信機みたいでな、ラスキー艦長とロー・・・ルーランドと連絡が取れるんだ。」

 

霧島

「初耳ですよそんなの?」

 

 

霧島の声に長門は「そうだろうな。提督が着任して間もない頃だったしな。」と言い、続けて「そして提督は必ずアーマーを装備する時はその時計を外して・・・」

艦装を装備し自由があまり利かない長門は妙高に頼み大きなベットの裏側を探らせ鹿島には棚をくまなく調べさせ霧島には机を調べさせた

 

 

妙高

「んっ・・・んっ・・・!・・・本当にあるんですかね?ベットの裏に──あっ。」

 

 

妙高が腕を引っ張ると小さな箱を持っており箱を開けて中身を覗くとたしかにフレデリックが愛用していた着任当初の腕時計があった。

長門は再度腕を胸の下で組んでフンスと荒く鼻息を立てると妙高から時計を受け取りフレデリックがやっていたように弄くりまわす

 

 

霧島

「あぁっ、長門さんそんな乱暴に・・・」

 

鹿島

「そうですよ、艦装を身に付けたままでは繊細な時計なんて紙細工ですよ!」アセアセ

 

長門

「うぐぅ。なら鹿島!お前に任せる!」

 

鹿島

「ええっ!?・・・わっ、わかりました!やってやります!!」カチャカチャ

 

 

時計を左腕に回しても簡単に抜けてしまうほど大きな腕時計を所々弄くりまわす鹿島

1ヶ所赤い色の小さなツマミをカチッと押し込むと黄色い前にみた事がある第二次世界対戦時のパイロットスーツの出で立ちの男性が現れたのだ

 

 

鹿島

「わっ」

 

ローランド

「おや?君達は横須賀の・・・」

 

長門

「そうだ、私は長門だローランド、すまないが事態は深刻でな!直ぐにフッド卿に繋いでくれ!」

 

 

ローランドは顔を急接近させる戦艦が嘘を言っているようには見えなかったが理由もなしにそう易々とUNSC海軍太陽系艦隊を指揮する事実上のUNSC海軍最高司令官に簡単に取り次ぐことは出来ないと伝える

だが艦娘も負けじと説得をしてくる、仮にフッド卿に取り次げてもローランドという戦術AIが規則に違反したとして欠陥品だと宣われてしまうのではないだろうか──が、説得の最中に短い黒髪の艦娘が言った言葉がローランドの何かに深く刺さったのかローランドも腹を括った

 

 

霧島

「どうか・・・!」

 

妙高

「皆の為にも!」

 

鹿島

「ローランドさん・・・!」

 

長門

「"ルー"ランド!」

 

ローランド

「・・・私もAIとて感情は人並にあるつもりです、・・・いいでしょう、無駄に終るかもしれませんが、なにもせず終わるのは違いがあれど艦の魂である私も夢見が悪すぎる。」

 

 

四人の艦娘はぱぁっと明るい顔をする

下手すれば私は破棄されるのだが・・・艦が落ちて自身が衝撃で破壊させるくらいならこういった形でのほうが幾分かマシだ

ローランドは目を閉じ項垂れながら溜め息を吐くと最後に念を1つ押した

 

 

ローランド

「最後に長門君!私はルーランドではなくローランドだ!」ズビシッ!

 

長門

「あ、あぁ、すまなかった・・・」ドキッ!

 

 

 

 

 

 

 






前書き通り挿入歌を探してくださった方は地球をバックにインフィニティと三隻のストライデントを観て下さったことでしょう。

フレデリックの運命や如何に。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。