「プラットホームには居ないか、確かマグル側の駅に通じる道があった筈」
駅まで一緒だったという女生徒の言葉の“駅”が何処を指すのか定かでは無いのが問題だ。マグル側のキングスクロス駅まで一緒だったのか、柱を通ってこのプラットホームまで来ていたのか。プラットホームに辿り着いていない可能性も無視できない為、事前に話に聞いていた柱へと近寄る。
「マグル除け用の認識阻害魔法以外にも何かかけられている?」
知っている魔法であれば魔法の痕跡を見れば見当はつく。けれど捉えた痕跡からは何も分からなかった。只単に私が知らない魔法なのか、魔法族の魔法によるものでは無いものか恐らくどちらかだろう。
今は失われたという古代魔法という線も無きにしも非ずだが、失われたという事は現代に使える者がいないという意味であって非現実的だ。脳内にチラついた推測は早々に切り捨てられた。
駅と言うのはマグル側の方で間違いなさそうだ。大方、この魔法の所為でプラットホームに行けなかったのだろう。問題はその後どうしたかなのだがここからホグワーツ特急で数時間ほど、未だに駅にいる可能性は低そうだ。
「魔法を使えば魔法省に通達されるから使わないだろうし、どうやってホグワーツに向かおうとするかな」
煙突飛行とか?
徒歩は流石にないと信じたい。実行しようと考えたところで彼等は道を知らないだろう。私も知らない。
取り敢えずマグル側の駅に出てみようと柱に向き直る。この柱を通ることは話に聞いていた時からの念願だったこともありワクワクした感情はきっと表情に滲み出ていることだろう、試しに指で突こうとすると何の抵抗もなく柱に吸い込まれる。
「おぉ!」
思わず感嘆の声を上げたが、そんなことをしている場合ではないと思い直して一歩下がって地面を蹴った。なんとも言えない何かが身体をすり抜けるような感触を感じたと思えば通行人がポツリポツリと点在するキングスクロス駅にいた。
マグルに魔法使いの行方を尋ねることなどできない為、目撃情報を得られないのは残念だがそれは分かりきっていたことだ。使われていない以上魔法の痕跡を辿ることも出来ない、つまり情報は足で得るしかない。
「貴様は、正真正銘の馬鹿のようですな」
「うわっ!」
よし、と気を改め歩き出そうと一歩踏み出したところで唐突に貶してくる言葉と共に腕をグイッと引っ張られ振り向かされる。一瞬、杖に手を掛けかけたがその物言いと声に心当たりがあったので押し留めされるがままに振り向いた。
「スネイプ教授、今朝ぶりですね。朝の紅茶でむせてましたが大丈夫でした?」
「貴様、確信犯か」
「いえ、たまたま、その場面を目撃しただけです」
ギロリと睨まれたがここ最近の交流によってこれが通常運転だと学んだ私には痛くも痒くも無い。
偶々目撃した、そんな都合のいい話はもちろん嘘である。いつもより早く大広間についた私はちょっとした意趣返しとして朝はストレートティー一筋の教授のモーニングティーに砂糖を山盛り一杯入れてやった。実に子供染みているが、そんなことは気にしない。逆に効果はあるようだし。
「それはともかく、教授はどうしてここへ?」
「貴様の回収に決まっている。行方不明だった生徒2人はホグワーツにいる」
無事とは言い難いがな、と不穏な言葉とともに差し出された号外。目を引く大きな写真には夜空を駆ける車。
ん、車?
慌てて本文に目を走らせる私を他所に、苦虫を潰したような表情のスネイプ教授が忌々しげに呟いた
「ウィズリーの父親の車を持ち出しホグワーツへ向かった後、暴れ柳に突っ込んだ」
ホグワーツ生は私が想像していたよりも遥かにお転婆なようだ。
スネイプ教授の通常運転は慣れればきっと可愛く思える、筈。ちょいちょい捏造あるので書かれた情報を鵜呑みにしちゃダメです、ご注意下さい。
P.S.
今回、誤字脱字が凄まじかったですね。申し訳ないです。
予測変換さんはどうもお茶目なようでして目を瞑ってあげてください。今後も気付き次第修正したいと思います。