アリシアさんのホグワーツ勤務録   作:ELK

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組み分けの儀

組み分けも終わり生徒達が食べ終わる頃にようやくホグワーツに戻った私は新任の挨拶をするため、説教中らしい行方不明だった生徒2人には会わずに真っ先に大広間に向かう。静かに扉を開け滑り込み教授席に辿り着いて一息ついた。目立っていないと思ったが悠々と後ろを歩いていたらしいスネイプ教授が目立って私の努力は水の泡となった。

 

「皆、よく食べよく話したことだろう。さて、本年度も新しい先生を迎えることとなった。昨年度の闇の魔術に対する防衛術担当のクィリナス・クィレル教授が退職なされ後任としてギルデロイ・ロックハート教授にお越し頂いた」

 

左隣に座る防衛術教授は校長の話が始まるやソワソワし始め紹介が終わるよりも早く立ち上がり、白い歯を見せながらスマイルを浮かべると自らの経歴を話し始めた。

 

大広間に響く黄色い声を物ともせず、寧ろ身振り手振りで盛り上げ彼の独壇場となったこの場に右隣の薬学教授が気に食わんオーラを私にぶつけてくる。校長が気を見計らってやんわりと制すると4寮それぞれのテーブルに向かってウィンクを飛ばしてようやく腰をおろしたことでそのオーラは霧散した。

 

耳は痛いし隣はトゲトゲしているし、なんとも傍迷惑な2人だ。

 

「そして、もう1人。昨年度まで魔法陣魔法を担当してくださったリジー・ブラウン教授は兼ねてより希望されていた職に就くことになり退職され、新しく迎えたアリシア・フォード教授じゃ。」

 

「ご紹介に預かりました。本年度、魔法陣魔法を担当するアリシア・フォードです。皆さんよろしく」

 

静かに立ち上がり兼ねてより考えていた構想を行動に移すべく、挨拶の言葉は短く留めスッと息を吸う。

 

後に聞いた話だが、魔法薬学教授曰くこの時の私はニヤリと笑みを浮かべていたらしい。物凄く引かれた。

 

「魔法陣発動」

 

周りに聞こえない様に小さく呟くと大広間の天井や生徒達の長机に予め刻んでおいた魔法陣に微かに光が走る。何が起こっているのかわからず呆けていた生徒達が次々と驚きの声を上げそれは次第に歓喜の声へと変わっていく。

 

魔法陣の光が消える頃にはカラフルな風船が生徒の頭上を舞い、机には砂糖菓子の花束が点々と置かれていた。花が食べれることを伝えると我先にと手にとっていく生徒達の姿に仕上げに移ろうと杖を手にとる。

 

軽やかに杖を一振りして彩り豊かな風船を一斉に割ると中からでてきたお菓子やスパンコールが大広間に降り注いだ。湧き起こる歓声の中、校長から一際大きな拍手を貰い一礼して席に着いた。

 

興奮冷めぬ様子のフリットウィック先生からは賞賛の言葉を貰い、生徒達の反応も好評とみえて大満足の私に右隣の教授はフンと鼻を一つ鳴らす。

 

「はい、教授の分も勿論ありますよ」

 

「なんだねこれは」

 

余っていた花束の形を模したシュガーキャンディを自室よりアクシオで手元に持ってきてスネイプ教授に差し出すと想像通り難色を示す。

 

「お菓子です」

 

「見れば分かる。何故、私に差し出しているのかを聞いている」

 

「何やら不満そうでしたので、自分が貰えないからではないかと思って」

 

思わず笑みが溢れるがキリッと表情筋を引き締めたがポーカーフェイスに戻すのが遅かったようで、チラリと一瞥した後いらん!の一言で押し返された。面白がっているのがバレたらしい。

 

仕方ないのでロックハート先生やフリットウィック先生に渡し、他の先生にも回して貰えるよう頼んだ。

 

スネイプ教授が花束を持っているところは想像できないなんて考え頬が緩みそうになったので右から感じる視線を無視して生徒達へと目を向けて逃げ果せた。

 

生徒達に配った花束は花の種類が均等になる様に作り、残った一種類で自分用にと作ったこの花束。白や黄色の花束は可憐で美しい、スネイプ教授は視界に入れ直ぐに押し返してきたがこの花が嫌いなのだろうか。

 

 

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