東方文桐録   作:あぽろ

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第5話 秘匿

 朝、目が覚めると美幼女が隣で眠っていました。勿論文のことだよ!

 

 幼女といったが、今の文の姿は幼女だ。

 

 もともと妖怪というのは精神に依存する生き物だ。

 つまり、肉体というのはその妖怪の精神によって変わるのだ。

 簡単に言うと、妖怪の見た目はその妖怪の精神年齢そのままなのだ。

 同じ年に生まれても、同じ姿でずっと成長できるわけではないのだ。

 大妖怪と呼ばれるほどの者になると、自分で姿を変えられるらしいが、そこまでの力を持つ者はほぼ存在しない。

 妖怪が存在するためには、人間に忘れられてはいけない。人間に忘れられれば忘れられるほど、妖怪の力は弱まっていく。

 大妖怪と呼ばれるほどになるまでには、とても永い年月を要するだろう。

 

 だから今、俺たちは精神年齢そのままの姿をしている。

 俺は7歳くらい、文は5歳くらいだ。

 俺と文は同じ年に生まれたようだが、俺の方が年上の姿をしている。

 恐らく、俺の方が知識量が多いからだ。知能的にはどう考えても文の方が上だろうけど。

 俺は、文どころかこの世界の住人では知り得ない知識を持っている。それが影響しているんだと思う。

 

 

 体の向きを極力音を立てずに反対へ変える。

 外側に寝ていたから、向きを変えると外からの光が差し込んできて少し眩しい。

 

 中庭に続く場所の障子が少し開いている。

 隙間からちらりと見える赤と黄色は紅葉した木々の葉だろうか。

 文と一緒に見に行きたいな。まあ、俺が見たいのは紅葉なんかじゃなくて文の方だけど。

 涼しげな風が吹き、部屋の中へと入りこんでくる。

 

 ああ、秋だな。

 

 俺は秋が好きだ。

 秋といえば、風と紅葉。

 風と紅葉、その2つは文を彷彿とさせる。

 秋が似合う彼女は美しい。

 秋は、すぐに終わってしまう。それがいつも、寂しかった。

 まあ、文は秋そのものではない。きっと俺だけを置いてどこかへいくことはないだろう。

 

 その寝顔を見つめる。

 

 艶々とした美しい黒髪に縁どられたその顔はこれまた美しく、雪のような白さがこの子の髪と真反対の色彩を以てしてこの子の美しさに磨きをかけている。

 閉じられた瞼の奥には紅い瞳が隠されている。俺とは真逆の色をしたこの子の瞳は常に輝きを湛えて、まるで宝石のようだ。

 

……うん、変態だ。まあ、それくらい文が可愛いってことだ。

 

 

「……?なんで桐がここに?」

 

 文が起きたようだ。寝癖がついてるのも可愛いと思ってしまう俺はかなり末期だろう。まあ、まだ文とあってから2,3日しか経っていないんだけどな。

 

「おはよう、文」

 

 挨拶は大事だよな。

 

「はい、おはようございます」

 

 うん、文も挨拶をちゃんとしているな。

 

 布団から上半身を起こした文は、眼を擦っている。

 

「んー、ゆめじゃないですよね」

 

「うん、勿論」

 

 昨日は本当に大変だったからな。疲れてすぐに寝ちゃったんだよな。

 

 よし、今日はその分たくさん遊ぼう。

 

「文、今日は何する?」

 

「そうですね、まずは朝ごはんを食べないと。わたし、おばさまに伝えてくるので、桐はその間にきがえておいてください。」

 

「わかった」

 

 朝ごはんを食べたら何をしよう。

 散歩しようかな。

 山を探検しようかな。

 どっちにしてもこの屋敷にいたらすることないんだよな。

 

 考え事をしていたらいつの間にか着がえ終わっていたみたいだ。

 

 和服って楽なんだよなー。

 袖に手を通して帯を巻くだけ。

 いっそのこと、全世界和服でいいと思う。

 

「桐、着がえ終わりましたか?」

 

 文が戻ってきたみたいだ。

 

「うん、終わったよ」

 

「入りますね。」

 

 文が入ってきた。そういえば、文はまだ寝巻なんだった。文も着がえないといけないよな。

 

「文、俺先に食堂に行っておくから、着がえてからきてくれ」

 

「はい、そうしますね」

 

 にっこりとほほ笑む文が可愛すぎて離れたくなくなったが、文も着がえないといけないから、しょうがない。

 

 

 文の屋敷は結構広い。

 初めてきた人は必ず迷うだろうっていう広さだ。俺はこういう家のつくりに慣れているから迷わなかったけど。

 この屋敷ではその部屋の使用目的によって部屋に名前を付けていて、食道は言わずもがな食事をするためのへやだ。

 

 この屋敷に住んでいるのは文と『おばさま』だけらしい。

 たった2人でいて、寂しくないわけがなかっただろう。

 

 この屋敷にあるものといえば、庭と山と本くらいだ。

 庭は広く、木もたくさん植わっているし、小川もある。しかし、1人ではつまらないだろう。現に、初めて文に会ったときは、とてもつまらなさそうだったのだ。

 山も俺が来るまで行ったことがなかったらしい。

 本はきっとすぐに飽きるだろう。文には外で遊ぶ方が似合うと思う。

 

 

 

…………この屋敷は文を隠すためにつくられたのだろう。

 

 何か隠さないといけない理由があったのだろうか。

 聞くところによると、文の母親は違うところに住んでいるらしい。

 月に2,3回はここに来るらしいから、文の事を大事にはしているのだろう。

 

 文の家の事は知っている。調べたからな。

 その結果、何も文を隠す理由はなかった。

 ただ、かなり衝撃的な結果ではあったが。

 

 いったい何故なんだろう。

 

 俺は、思い切って『おばさま』に直接聞いてみることにした。

 

 




 はー、すごい大変でした。
 二時間かけて書いた文章が充電切れで消えて、しかも壊れましたし。修理にだしても治らないし。
 なので私、今回は初のパソコンです。
 記号とかおかしくなっているかもしれませんが、そのあたりは大目に見ていただけると嬉しいです。
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