リキ
僕らは日常に帰ってきた。
真人の筋肉談義に付き合ったり、恭介が就職活動で悩んでいるのを励ましたり、鈴のもんぺちお財布事情を考えたり…と色々なことをしてた。
それはごく平凡な学校生活であり、僕もそれには同意する。
けれど、本当にこれでいいのだろうか?
このまま平凡な日常を過ごし、そして恭介が卒業して、それからまた平凡な日常を…。
いや、これじゃだめだ!
考えてみれば、僕はリトルバスターズのリーダーになったのだ。
今まで恭介が持ち込んできていた楽しいことを、今持ち込むべき人間は僕なんだ。
「ねえ、みんな! またなにかしようよ!」
僕がそう提案すると、皆がいっせいにこっちを見た。
「なにかってなんだ? 前みたいに野球をするのか?」
鈴が首をかしげる。髪についたすずがちりん、と音をたてた。
「それもいいんだけど、せっかくだからなにか別のことをしたいんだよね」
そうは言ってみたものの、正直なにも考えてなかったから戸惑う。思わず恭介に助けを求めそうになったが、それじゃあだめだ。
僕はリーダーなんだから。
「わふー。あの、提案なのですが…」
クドがおずおずと手をあげた。
「どうしたの? クド」
「はい。あの、水鉄砲大会なんてどーでしょーか?」
指をもじもじと動かしながらクドが言う。
「水鉄砲大会? それはあれか? 白いTシャツをきた女の子に水をかけていき…」
来ヶ谷さんがにやにやと意地の悪い笑みを浮かべて言った。
「わふ!?違うのです! そのその、ガンマン同士の闘いのようなくーるであくてぃぶな遊びなのです」
クドが顔を真っ赤にさせて、ぱたぱたと両手を動かしながら言った。
なるほど。つまりは水鉄砲を利用した水の掛け合い……ということかな。
「そりゃ楽しそうだな! オレの筋肉にもよさそうだ!」
真人が歯を見せてニカッと笑った。
「けれども、それは時期はずれではないでしょうか。夏ではないのですから、風邪をひいてしまうかもしれません」
西園さんがもっともな意見を言う。
そこで、ずっと窓のそばでマンガを読んでいた恭介がようやく立ち上がり言った。
「いいんじゃないか? バカは風邪をひかないっていうしな」
いやいやいや、そんなのでは西園さんは納得しないよ。
「……そうですね」
それで納得しちゃうんだね。
「でもクド、どうして水鉄砲大会なんて言ったの?」
「わふ? えーっとですね、昨日おじいさまから水鉄砲が送られてきたのです。なんでも、日本ではこういうもので遊ぶのが一般的だとかで」
なるほど。クドのおじいさんならしそうなことだ。
「リキくん、リキくん」
三枝さんがちょんちょんと肩をつつく。
「あのですネ、水鉄砲って各自で準備??」
あくまで冷静を装ってきいているつもりのようだが、目はいたずらをするときのような輝きをしている。
「え、あ、うん。そのつもりだけど」
「じゃ、じゃあ、大会は次の休みより後にしてくれないかな!? そうしないとあのとくだ……とくださんが貸してくれないから!」
特大って言おうとしたな?
でも、まあ、個性だしな、と思い直して
「うん。わかったよ。じゃあこの日にしよう」
とみんなにカレンダーを指さして見せた。
「その日だな」
謙吾がカレンダーを睨みつけるようにみた。
「うん。謙吾は大丈夫?」
「ああ。だが、その日までに水鉄砲大会用のリトルバスターズジャケットを縫えるだろうか」
心配はいらないようだ。
「リキ」
鈴が突然声をかけてきた。
「どうしたの?」
「水鉄砲持ってない」
ああ、そうか。と僕は納得する。
「じゃあ買いに行こうか」
「いっしょにか?」
「うん」
僕がうなずくと、鈴はちょっと考える。それから、こう付け足した。
「じゃあ、小毬ちゃんも。他に水鉄砲がないやつはいないか?」
鈴の問いかけに、三枝さんが答える。
「ノンノン! 相手の手の内がわかってはつまらないものですヨ!」
「そういうものなのか?」
鈴が困惑したような顔になる。
「う~ん。人によるんじゃないかな?」
「じゃあ、いっしょに買いに行くぞ!」
かくして、鈴と僕と神北さんというメンバーでのデートがきまったのだった。
鈴「ただの買い物じゃ! ぼけ!」
鈴ちゃんに怒られました。ごめんなさい。
さてさて、水鉄砲大会ですが昔やったことがあるんですよ。
先生にはこっぴどく怒られましたがいい思い出です。
ですので、その思い出を軸に書いていこうと思います。
ああ、こんな青春してぇなぁ……。でも、私にはもう彼女がいるんでねw
なあ(ここで画面を抱きしめる)
すみません、ぼっちです。