Fallout4 Gunslinger of the Commonwealth   作:Ciels

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Unlucky Valentine
第二十三話 グッドネイバー、デイジー


 

 

 

 結果だけ言えばお目当ての探偵はいなかった。パイパーに連れられ探偵事務所に行ったは良いが、そこにいたのは助手であるエリーという女性だけ。聞けば一ヶ月ほど前に転がり込んできた依頼で出動して以来、バレンタインという探偵は帰ってきていないらしい。

 

 アルマと落胆し事務所を出て、広場のベンチに座り込む。正直、この広い連邦を闇雲に探して見つけられるほど甘いものではないことは理解していた。だからこそ、この手の事件に精通しているバレンタインに力を借りたかったのだ。

 俺自身、海軍にいた頃は内偵やスパイ活動なんかもした事がある。だがそれはバックアップや入念な下調べがあってこそのもの。何も情報が無いまま、ただあの老婆の言葉に従っているだけでは調査もクソもないのだ。

 ドッグミートも心配して足元をうろちょろしているが、相手にする気力が無い。

 

「ほら、ヌカコーラ。二人とも元気出してよ」

 

 パイパーがタカハシのところから買ってきたコーラを手渡す。俺たちは俯きながらも栓を抜き、それを一気飲みした。ガイガーカウンターが反応してカリカリ(RAD)といった音を出すも気にしようが無い。それほどまでに俺たちの落胆具合は酷かった。うまくやってこれたとは思うが、運もここで尽きたか。

 

「ほら、ブルー達!しっかりしなさいよ!」

 

 そんな俺たちを見て若干の苛立ちを抱えつつも、パイパーは励ます。実際、人ごとだからそんな風に言えるのだ。家族が、息子が誘拐されたのだ。それも今どうなっているのかすら分からない。なのにしっかりできる奴なんていない。

 戦場では、己の技術を持ってして道を切り拓く。死んだ奴はその技術が足りなかったのだと思っている。運なんてものはあてにならない。多少は気にしても良いが。だがこの問題は。そうではない。どうしようもないのだ。俺たちがもがこうとも、ショーンに関する手がかりは見つからない。どうすればいいのだ。

 

 そっと、隣で俺以上に虚ろになっているアルマの肩を抱き寄せる。彼女も俺と同じ気持ちであるはずだ。今まできっと見つかると思っていた手掛かりのために必死に体裁を保ってこれた。だがこれだ。いくら強い彼女でもこれでは……

 

「おい!お前ら!いい加減にしろ!」

 

 パイパーが叫ぶ。突然の怒号に俺たちはおろか広場の全員が彼女を注視した。それでも関わろうとしてこないのは彼女がトラブルメーカーだからか。

 パイパーはその美貌を怒りに満ちさせると言う。

 

「息子さんの事で落ち込むのは分かる。でも今はただ手がかりがなかっただけだ。死んだわけでも無い、そうだろう?なら親のあんたらがやれるのは一つだ!」

 

「なんだ?」

 

 にぃっと笑うパイパー。

 

「もっとがむしゃらに探すのさ。それが新聞記者のやり方だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グッドネイバー。連邦で最高の街はどこかと聞かれれば皆が口を揃えてダイヤモンドシティと言うが、グッドネイバーと言われれば一様に掌を返して最低の街と言うだろう。

 

 ボストンコモン近くの建物を利用して存在するこの街は、いわばスラム街だ。人口にして数百人の小さな街は、位置的にもレイダーやギャングが流れやすく、治安も悪いせいで血が絶えない。それでもこの街が街としての体裁と経済を維持できているのは市長とそれが抱える自警団の存在が大きい。流れ者達を容認し、薬を売り、路地裏の暴力だけで済むくらいなのだ。きっと市長の手腕は相当なのだろう。

 

「二人とも注意して。ここじゃ気を抜けば明日には死体になっちゃうから。トラブルに巻き込まれないように……私が言える立場でも無いけど」

 

 グッドネイバーの門を潜る際にパイパーが忠告する。俺とアルマは頷いて、いつでも銃撃戦が起きてもいいように武器のコンディションを最高にする。あくまで俺たちは情報収集しにきたのであっていざこざを呼びにきたのでは無い。

 事務所での一件から数日後、俺たちは徒歩で市街地を抜け、悪名高きグッドネイバーへとやってきていた。理由はもちろん、ショーン。パイパー曰く、ここなら例の探偵が通っていてもおかしくないとのこと。俺たちはその情報に望みを見出し、連邦で最も危険であると言われるボストンコモンへと足を踏み入れたのだ。道中ガンナーとかいう傭兵集団やスーパーミュータント、そしてレイダーに妨害を食らいながら、ようやくたどり着いた。

 本来ならパイパーはついてこなくても良かったのだが。彼女のおかしな正義感に火がついたようで。結局は乗りかけた船ということで俺たちに同行することになった。聞けば取材のために家を数日空けることはよくある事らしいから気にしないでと。代わりと言ってはなんだがドッグミートを番犬代りに置いてきたのだ。今頃退屈しているだろう。

 

 ゲートを潜ると広がっていたのは寂れた狭い広場。それもダイヤモンドシティと比べると、だが。警戒しながら広場に進めば、ガラの悪い男が俺たちの前に立ちはだかる。

 

「待ちな。お前らポケットの中身全部置いてけ。さもなけりゃ事故が起こるぞ。保険料は払っておかないとな」

 

 いきなり最悪の状況へと転がった。これは所謂恐喝だ。男の手には拳銃が握られており、わざとそれを見せつけるようにしている。パイパーが前に出ると男と交渉し出す。

 

「あら?グッドネイバーには何度も来てるけど、そんな話は初耳だな」

 

「そりゃ嬢ちゃんの運が良いだけだ。さぁ、さっさと出しな。それか……そうだな」

 

 ジロリと男の目がパイパーとアルマの身体を舐め回す。俺はゆっくりと腰からナイフを抜くと見えないように握る。

 

「嬢ちゃん達二人が相手してくれるなら話しは」

 

 パイパーを押し退け男にナイフを突き刺す。いきなりの事で対応しきれなかった男は心臓を突き刺され目を見開いていた。

 

「うわちょっと!」

 

 驚くパイパー。反してアルマはやっぱり、と言った表情でその事態を傍観していた。

 

 ストレスが溜まっていた。それもとてつもないほどに。息子の情報はなく、藁にもすがる思いで来たこの街で、妻に対してのこの発言。自分を解放してしまった。だが、後悔はない。状況によってはこの街を制圧する気もある。情報は、それから抜けばいい。

 

「う、嘘だろ……」

 

 倒れる男。それを見て回りの群衆がざわつく。自警団らしきスーツ姿の男達が面倒な表情でこっちへやってくるのを見る限り、どうやらこういった殺しはよくあることらしかった。俺はやってくるグールと人間の自警団相手に悟られぬよう臨戦態勢を取るが、それもどこからかかけられた声で止まった。

 

「おいおい!こいつは。久しぶりにキレのある殺しを見ちまったぜ!」

 

 嬉々とした声をあげて路地からやってくるのは、グールの男だった。だが格好が他の奴らと違ってイカしてる。まるで独立戦争の時代からやってきたような古い衣装に身を包み、大きめの帽子を着こなす姿は、グールであろうともカリスマを感じた。

 

「保険料がいるって話でな。そんなもん必要ねぇから殺しちまった。すまんな」

 

 悪びれもせずに答える。するとグールはそれに答えず地に伏せた男を見る。

 

「フィン……バカな事を。悲しませやがって」

 

 一瞬だけ、このグールは悲しむような表情をみせた。それなりに付き合いが長かったのだろうか。だがそれも一瞬、また先ほどのようにサイコパスのような笑顔を見せると言った。

 

「その技、気に入った。殺しを生業にしてる奴の動きだった」

 

「そりゃどうも。あんたは?」

 

「俺か?俺は市長だ。ハンコック市長。グッドネイバーの長さ。初めて門を通った奴は客だと言っておいたんだが……迷惑かけたな」

 

 笑みを崩さないハンコックと称した男。俺には分かる。こいつは危ない。

 

「ハーディ。ハーディ・カハラだ。こっちこそ迷惑をかけた」

 

「それがわかってもらえてるなら良い。ここは人民の、人民による人民のための街だ。分かるか?誰でも歓迎するさ」

 

 なるほど。こいつはさしずめ自由のための英雄か。ジョン・ハンコックと。

 

居場所のない者達(アウターヘブン)のための街だと?」

 

「そうだ。お前にもいずれ分かるさ。ここで友人を作りジェットを嗜めば、自ずとここを故郷と言うようになる」

 

 笑顔で言ったハンコックはその表情を途端に尖らせる。

 

「誰に責任があるかを覚えている限りな」

 

 なるほど。ここは責任の所在を自分以外に押し付けられないらしい。

 

「覚えておく。忠告どうも、市長」

 

 ハンコックはまた笑顔に戻ると、

 

「そりゃ良かった。じゃあ観光を楽しんでくれ。パイパー、あんまり騒ぎを起こすんじゃないぞ」

 

「私が起こしてるんじゃないっつーの!」

 

 笑いながらこの場を立ち去るハンコック。同時に周囲の自警団が警戒を解いた。また広場に、先ほどのような活気と共になんとも言えない静寂が戻る。ふと、アルマが怒り気味のパイパーに尋ねた。

 

「知り合い?」

 

「色々あんのよ、新聞記者にも。さ、情報収集といきましょうか」

 

 俺達はパイパーの後ろについていく。どうやらそこまで警戒せずとも、火種を蒔かなければいざこざになる事は少なそうだ。あの市長もいる事だし。

 

 まずは物資の調達を兼ねて広場の武器屋に寄った。どうもそこの武器屋は変わっていて、店主が人間やグールではなくアサルトロンという軍用の高性能ロボットである。

 KL-E-O(以下、クレオ)と自称するアサルトロンは女性怪しい口調でもって俺たちを歓迎したが、元の声の低さもあってカマ野郎みたいにも聞こえた。恐らくそれは指摘しないほうがいいんだろう、あの頭部レーザーを食らいたくない。

 

「いらっしゃい旅人さん。ここで売ってるものが生と死を分けるかもしれないよ」

 

 謳い文句なのかそう告げると、カウンターの後ろに飾られたガンラックを指差した。実際にはマニピュレータだが。そこに飾られているのはダイヤモンドシティで見たような民生品だけではなく、軍用の銃火器もある。R91に水冷式のクッソ重い軽機関銃、そしてM4まで。ラインナップは充実していた。

 

「いい品揃えだ。弾はあるか?」

 

 そう尋ねるとクレオはカウンターの下から弾薬箱を取り出し、卓上に乗っけてみせた。

 

「.223用じゃなくてちゃんと5.56mm弾だよ。そのCQBRにもちゃんと使える。もちろんM855さ」

 

 こいつは驚いた。俺のライフルを見ただけでしっかりと弾種を把握してきた。5.56mm弾といっても、民間でよく出回っている弾薬と軍用のものでは微妙な差異がある。俺のライフルはしっかりと軍用の規格だから両方使用できるが、民生品の.223口径バリアントだと使用は控えたほうがいいのだ。故障の原因になる。

 いくら頑丈な銃といえど、専用の弾薬を使わなければ寿命が減るのだ。

 

「.338口径はあるか?」

 

「ラプアマグナム?」

 

「ああ」

 

 クレオは再びカウンターの下を漁ると、しばらくしてから紙製の箱を二つほど取り出した。

 

「あったあった。連邦じゃあんまり使ってる奴がいないからもう売れないんじゃ無いかと思ってたよ」

 

 さすがグッドネイバー。アルトゥーロの店では売っていなかったから助かる。ひとまず弾薬を買うと、道中拾ったり奪ったりした銃器を売る。本題はここからだ。パイパーがタイミングを見て身を乗り出した。

 

「ちょっと聞きたいんだけど。ニック……バレンタインって探偵知ってるでしょ?」

 

「もちろん。あの渋くて良い男を忘れるはずないもの」

 

「ああそう……ここ数日、彼を見なかった?」

 

 質問すれば、クレオはうーんと言って考える。

 

「見てないね。随分前に来たっきりだよ。その辺ならデイジーのほうが知ってるんじゃない?」

 

「そう、分かった。ありがとね」

 

 

 

 

 次はクレオの店の真横にある商店。デイジーと呼ばれたカツラを被った女性のグールが経営するこの店は、雑貨店のようだ。飯を調達するのもいいだろう。賞味期限はあってないようなものだから、味さえ我慢すれば食える。

 俺たちが店に入ると、しゃがれた声でデイジーは迎える。

 

「いらっしゃい。何か用?」

 

 いかにも年配の女性という感じがする。なんだか懐かしい感じだ、昔はこういう人がよくいたもんだ。一通り買い物を済ますと、アルマが質問する。

 

「ねぇデイジー、ちょっと質問なんだけれど。もしかして、戦前を経験してない?雰囲気だけど、そんな感じがするんだ」

 

「あらやだ。こう見えてもあたしは220歳だよ」

 

「ドラマ【放射能まみれの恋愛】に出てた俳優の名前は?」

 

「ジョン・アッシュフォード。あら……」

 

 アルマの誘導尋問に引っかかるデイジー。ちなみに放射能まみれの恋愛とは戦前やっていた恋愛ドラマだ。見てなかったが、名前からしてドロドロしてそうだ。

 

「はぁ、分かった分かった。もしかすると270歳かもね。それで?どうしてそんなことを?」

 

「俺たちも戦前を経験してるんだ」

 

 親近感が湧いてそう告げる。思えばコズワースとアルマ以外で戦前を経験した奴なんて周りにいなかった。するとデイジーはからかわれていると思ったのか、意地の悪そうな表情で言った。

 

「へぇ?それじゃああんたらは最も保存状態が良いグールってワケ。戦前のことを覚えてるの?」

 

「ああ。色々大変だったけど、それなりに幸せだったよ。家に帰れば家族がいて、休日になるとお隣さんと軽い挨拶して……芝生はまだ緑だったし、柵も真っ白で綺麗だった。中国との戦争は悪化してたけど、生活を守るために戦ってこれたんだ」

 

 最後の言葉に、デイジーは何かを読み取ったらしい。急に取り乱しカウンターから身を乗り出して俺の肩を掴んだ。

 

「ちょ、ちょっと、あんたまさか軍人だったの?陸軍?」

 

「いや、海軍だが……どうしたんだ?」

 

 驚きながらも答えれば、デイジーは深呼吸して言った。

 

「デルタって言葉に聞き覚えある?」

 

「ああ。デルタフォースに知り合いはいたよ」

 

 実際、戦争中盤から海軍や陸軍の垣根を超えて俺たち特殊部隊は共同作戦を展開していた。中東でもアンカレッジでもそうだった。彼らから部隊章を交換したりもしたし。

 

「アルバート、アルバート・アダムス曹長を知ってるかしら?」

 

 言われて記憶を呼び起こす。確かいた気がする……単にアダムスと呼ばれてた下士官がいたような。俺は頷いた。

 

「あの人の、あの人の最期を教えて欲しいの。いいでしょう?もうアメリカは無いんだから、ねぇ、教えて。お願い……あの人はアンカレッジで死んだの……」

 

 今にも泣きそうな表情で縋ってくるデイジーに、俺は何とも言えない感情を抱いた。こういうことはよくあった。同僚が死んだ際、葬式で家族に聞かれたことも少なくない。だが当時は俺も軍人で、機密が高い作戦に従事してたもんだから伝えられなかった。だが今は。

 俺はアルマと顔を合わせた。彼女は真剣な面持ちで頷く。

 

「アダムス曹長の分隊は……アンカレッジ中期の侵攻作戦で、敵の機甲部隊と戦闘になったらしい。まだ制空権も確保できてなかったから、包囲されて……全滅したんだ」

 

 一気にデイジーが膝をついて啜り泣いた。散々見てきた出来事とは言え、心に来るものがある。それも、あの出来事はもう二百年以上前。それだけの時を経て、ようやくデイジーはアダムスのことを知れたのだ。

 

 

 

 

「取り乱しちゃってごめんなさいね」

 

 数分して泣き止んだデイジーは枯れた声でそう言ってみせた。女性は強い。きっと彼女も夫の死を乗り越えられるはずだろう。

 

「それで、俺たちからもちょっと聞きたいんだが」

 

「ええ、なんでも言ってちょうだい」

 

「バレンタインって探偵を見てないか?1ヶ月くらい前から行方不明なんだ」

 

 だが、デイジーは唸る。それは出し渋っているのではなく、わからないという意思表示でもあった。

 

「ごめんなさい。でも、待ってね。サードレールの連中なら何か知ってるかも。ハンコックお抱えのマスターもいるし」

 

「サードレール?」

 

 俺とアルマの疑問をパイパーが答える。

 

「酒場だよ。わかったデイジー、行ってみる」

 

 デイジーは手を振って俺たちを見送る。どうやら酒場に情報通がいるらしい。ただ、それがどうも市長と深い繋がりがあると知れば一癖も二癖もありそうで。俺は新たに起こるであろう波乱を予期する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 傭兵という職業はウェイストランドでは珍しくない。キャラバンを護衛するガードから、暗殺を請け負うアサシンだって、広義で言えば傭兵なのだから。彼らは金になればなんでもやる。それこそ集落を襲って皆殺しにもすれば、それをやったやつらを根絶やしにしたりもする。

 それもこれも、金次第だが。金によって従順な兵士になる事もあればあっさりと寝返って裏切り者になったりもする。そこに信頼は無い。あるのはただ、生か死か。通常の傭兵ならばある程度の信頼関係は重要な話で、信頼がなければ仕事など回ってこない。

 だが。ことウェイストランドにおいてはそんなことはないのだ。だって、皆が日々を生きるのに必死なのだ。明日無事に日の出を拝めるとも限らない。だから、傭兵も金を貰って生きられれば良い。そんな信念も忠義もない存在。

 マクレディという青年も傭兵である。ここ最近をこのサードレールで呑んだくれて過ごす彼も、金次第で殺しを請け負う傭兵なのだ。

 ソファーの隣には愛用する使い込まれたボルトアクションのスナイパーライフルを立て掛け、ウィスキーの瓶を手に仕事を待つ。だが、それも意味を成さない。

 

「ようマクレディ」

 

 いかつい装備を着た男二人が、酔った彼の前に現れる。

 

「また来やがったかクソ共」

 

 マクレディは嘲笑しながらそう言うが、二人は気にかけずに言った。

 

「お前ほんと分かってんだろうな。俺たちガンナーを裏切るってことはこの世界じゃ死に等しいぞ」

 

 脅すように言うリーダー格の男、ウィンロック。対してマクレディは余裕そうに、

 

「へぇ、なら今ここでやってみろよ。ガンナーはおっかないんだろ?」

 

 挑発してみせる。さすがに自分たちを恐れないマクレディを見て苛立ちがあるのか、後ろで傍観していたバーンズという傭兵が食ってかかろうとした。それをウィンロックが制止する。

 

「いいかマクレディ、いつまでもここにいられると思うなよ。お前なんてちっぽけなザコスナイパーに興味は無いが、裏切りは裏切りだ」

 

「裏切り?ただやめただけだ。お前らと手を切ったんだ。それがどうして裏切りだって?」

 

「同じ事だ。まぁいいさ、せいぜいそこで呑んだくれてろボケ。そのうち自分が仕出かした事のツケを払うことになるだろうさ」

 

 そう言って、ウィンロックとバーンズは笑いながら立ち去る。その背中に中指を突き立て、マクレディは呪いの言葉を吐いた。ガンナーなんてクソ喰らえ。マクレディは思う。

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