GGO:最強の幸運値を持つ異世界転生者がLUKガン使いになりました 作:四季山
俺、サトウカズマは魔王を倒したいわば勇者である。
まあ、周りからは「どんなズルイ手を使ったんだ?」とか心ないセリフが飛んで来るが。
そんなことより、勇者となりこの国、いや世界の英雄となった、みんなの憧れカズマさんは、
「暇だなぁ」
特にやることもなく、屋敷のソファで怠惰を貪っていた。
目の前では黒い毛玉こと、猫兼邪神のちょむすけ。
なぜか、ゼル帝のベッドに使われているバニル人形に向かって唸っている。
なにかあったのだろうか。
そんなどうでもいいことを考えていると、
「すいませーん、お届けものてーす」
屋敷に宅配便が届いた。
ソファから立ち上がり、玄関に向かう。
「あ、こちらお荷物でーす」
宅配業者が玄関先に荷物を置いて、紙を渡す。
この世界の宅配便は高度なもので、紙に名前を書くと自動的にこの紙を生み出した魔道具に信号が送られる。
まあ、これ作った奴ってチート持ちの日本人らしいけど。
紙に自分の名前を書き、業者に渡す。
「確かに受け取ったっす。そんじゃ、また今度ー」
「高級食材が手に入った時は連絡頼むよ」
爽やかな笑顔で業者を見送る。
屋敷の敷地から完全に出て行ったところで、ドアを閉めて荷物を開ける。
大きな木箱の中に入っていたのは、英語で表記された文字が書いてある一つの中くらいの箱、そして一通の手紙だった。
中から、手紙を取り出す。
『親愛なるお兄様へ』
この木箱の送り主はアイリスだったようだ。
『お兄様が魔王を倒されたことで王都は連日お祭り騒ぎです』
えっ、主役の俺呼ばれてないんだが。
『私も最近は外に出るお許しが出るようになったので、近々そちらに行く予定です。お頭様にも言っておいてください』
めぐみん達、まだ盗賊団やってたのか。
結成しても今まで一度も役にたってもらってないので、そろそろ......いや、あいつら来たら潜入どころじゃねえな。
『それと、魔王討伐で疲れていらっしゃると思われるお兄様に遊びの道具を贈ります。どのように使うかは私達王族にも不明で宝物庫のこやしになっておりましたのでとうか使ってください』
宝物庫のもの持ち出して大丈夫なのか。
若干不安な気持ちになりながらも、木箱の中の、紙のパッケージを見る。
白い紙でできた箱には、一台の円環の様な銀色の機械に『アミュスフィア』と英語で書かれている。
手紙を大事に折りたたみ、ポケットに入れて箱を開封する。
「おおぉぉ!」
まず出てきたのは、発砲スチロールで包まれた銀色の円環。
近未来感溢れる見た目から、ゲーマーの本能が疼いてしまう。
紅魔の里でゲームガールを見た時も同じような感動を覚えたが、こちらの方がやや上だろう。
発泡スチロールを取り出し、箱の底にあった説明書を手に取る。
『次世代VRハード『アミュスフィア』。安全性は保証されております』
VRハードということは、VRゲームということだろうか。
説明書をくまなく読むと、どうやらこの機械は仮想世界と呼ばれるゲームの世界にダイブ、入ることができるようだ。
ソフト次第では、この世界のような剣と魔法の世界や、銃や荒野などのSFの世界もあるのだろう。
まあ、野菜が飛んだり、スイカに寄生されたりする世界はないだろうが。
アミュスフィアを箱の中に戻し、自分の部屋に戻る。
「この木箱に入ってたソフトが『ガンゲイルオンライン』。で、こっちのソフトが『アルヴヘイムオンライン』か」
ガンゲイルオンラインはその名の通り銃の世界で、アルヴヘイムオンラインは妖精の世界らしい。
「うーん、アルヴヘイムは剣と魔法の世界っぽいし、それだったらこっちにもあるしな」
少し迷ったが、俺は結局ガンゲイルオンラインを選択した。
再び箱からアミュスフィアを取り出しガンゲイルオンライン、略してGGOのソフトを入れる。
横の部分にあるスイッチを入れ、アミュスフィアの電源をオンにする。
そのまま、円環を頭に被り部屋のベッドに横たわる。
今屋敷には俺しかいないので、邪魔が入ることもないだろう。
アクアとかが、これを見つけてたらえらいことになってたかもしれないから、俺が屋敷にいてよかった。
目の前の液晶板ではロード中の画面になっており、すぐにゲームがスタートできそうだ。
とか、思ってた時代が僕にもありました。
「あれ、なんで進まないんだ?」
十分くらい経っても全然ロードが終わらない画面に痺れを切らした俺は画面をよく観察する。
上の方のステータスバーには電池の残量が示され、それは満タンになっている。
音量も普通ぐらいで、その横の電波マークはバツ印。
原因がわかった俺は、なんとか考える。
「あ、そういえば」
俺は突然何かを閃き、この前魔王戦の時に大量に買ったマナタイトの礼として、ウィズの店で買ったガラクタを漁る。
いくつかのガラクタ、中には危険そうなものもある、を押しのけてようやく探していたそれを見つけた。
それは黒い小さな箱。
電源を入れるとブーンと唸り、いくつかの小さなランプを緑色に点灯させる。
そう、地球で言うところのWi-Fiルーターだ。
このルーターはかなりの優れもので、元の電波が無くとも自分で電波を発信することができる。
だが、流石はポンコツ揃いのウィズ魔道具店。
全てを見通す大悪魔バニル曰く『この魔道具は対応するのが、過去に滅んだ技術大国のものだけでな。今の時代では使えるものなど何もないのだ。まあ、ネタ種族の里を探せば使えるものがあるのかもしれんがなフハハハハ』笑いながらウィズだと思う黒い塊に殺人光線を撃ちまくっていた。
ガラクタを買い取ってたことが功を成し、晴れてゲームをプレイすることができた。
また、今度行った時なんか買ってやろうかな。
そう考えながら、再びベッドに寝転がる。
今度はロードの画面はどんどん進んでいく。
そして、それがMAX100%になった時。
俺の意識は仮想世界に吸い込まれた。
GGOって、ソフトじゃなかったかもしれませんがそこは大目に見てください、すみません。