GGO:最強の幸運値を持つ異世界転生者がLUKガン使いになりました   作:四季山

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二本の没作品を乗り越えて、これを書きました。
完成作は今度載せます。


この初体験に感動を

「いやー、金貸してくれてありがとな」

グロッケンの地下に広がるダンジョンに続く階段を下りながら、となりを歩く友人にそう話しかける。

「別に貸すのはいいけど、ちゃんと返せよ」

シュピーゲルは若干ご立腹のようだ。

そのせいか、口調も少し砕けている。

「この狩りが終わったら返すよ。そんなに高くなかったろ?」

「まあ、安い方だったけど、今月のプレイ料金ぐらいは稼がないと、赤字だからなぁ」

「プレイ料金?」

初めて聞く単語に首を傾げる。

「GGOの接続料のことだよ。ひと月三千円だから、あと二千円分は稼がないと」

「なら今日の狩りで全部返すよ。それでチャラだろ?」

「その自信はどこから出てくるのかなぁ」

ため息を吐きながら答えるシュピーゲル。

まあ、それも仕方がないだろう。

俺は自分の手元に視線を落とす。

そこには先ほど買った黒い小銃『E8902』がある。

VR世界とはいえ、金属の冷たさや硝煙臭いは本物その物で、モデルガンしか握ったことの無い俺には初体験だった。

いや、訂正しよう。

紛い物の世界を滅ぼしかねない兵器なら握ったことはある。

「どうしたんだカズマ。顔がなんか煤けて見えるぞ」

「いや、なんでもない。少し嫌な思い出を思い出しただけだ」

「嫌な思い出ねぇ」

俺の言葉にシュピーゲルは黄昏時の空を悲しげな表情で見上げる。

「どうかしたか?」

「いや、なんでもない。それじゃ早く行こうか」

シュピーゲルは力なく笑ってダンジョンまでの道を足早に歩いていく。

その背中には黄昏時の空と相まって、哀愁を感じた。

 

 

 

「おらああああぁぁぁ!」

掛け声とともに、それをかき消すほどの銃声が鳴り響く。

直径五ミリ近くの銃口からは、眩しいほどのマズルフラッシュを発しながら銃弾が飛び出し続けている。

飛び出した銃弾は、目の前の竜人のミュータントのHPを余すことなく奪い去った。

「いやあ、楽しいなこれ」

と、喜ぶ俺を見て、シュピーゲルは呆然としている。

「カズマ、なんで当たるんだ?」

「ん?この緑の円のところに相手が入ったら撃てばいいんだろ?」

手元の銃を乱射しながら答える。

そうこうしている内に全てのミュータントがポリゴンの欠片となって消えた。

「いや、そうじゃなくて」

シュピーゲルは俺が持っている銃を指差す。

「その銃はLUKガンっていう話はしたよね?」

「ああ、幸運の高さで決まるんだろ。それがどうしたんだ?」

「さっきからカズマは緑のサークル、バレットサークルって言うんだけどそれで当てるのはかなり難しいんだ」

「へぇー、そうなのか。でも、俺の時は毎回当たってたぞ」

というか、外れた弾が無かった気がする。

俺達はダンジョンの中を歩きながら話をする。

閉鎖空間のため、壁で音が反響しかなり響いている。

「他にも威力の増減や、爆発などの特殊能力。一番ヤバいのはRPG、対戦車用の銃ぐらいの威力だったらしいよ。確か五千回に一回ぐらいの確率だったとか」

「それ、完全に弾の無駄じゃねえか」

と話をしていると、目の前に機械が現れた。

移動型の個体のようで、キャタピラーのような足と、胴体に機関銃が備え付けてある

「はぁ、硬いやつだよな、これ」

「そうだね。確か『バレットウォーカー』って名前だったと思う。そこそこ攻撃力も高いから気をつけて」

俺は機械に向かって銃を構える。

こういう厄介な奴の時に、先ほどのRPGレベルの奴がきてほしい。

自分の幸運に半信半疑でいながら、銃弾を撃つ。

刹那、轟音が鳴り響いた。

とてつもない閃光とともに、爆裂魔法に匹敵する熱風が襲ってくる。

何が起こったのか、と思いながら目を開けると先ほどの機械達は跡形もなかった。

「か、カズマ.....」

シュピーゲルが震える声で俺の名前を呼ぶ。

「ええっと、何が起こったんだ?」

「君の銃から放出された弾丸が、爆発。あの機械達を吹き飛ばしたんだ」

うわあ、マジかよ。

俺は震えながら手元の銃を見る。

どうやら、俺はとんでもないものを手に入れてしまったらしい。

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